Princess Principal ~Gearing BUILD and CROSS-Z~ 作:ポロシカマン
「つーわけで俺今度パーティ行くことになったから」
「………」
待て待て待て待て……え、何!?なんで豚汁の材料買いに行っただけでそんなことになってんの!?
「でよ戦兎、そこでも通訳してくんねぇか?」
「いやお前、急にそんなこと言われてもよ……」
「頼む!」
……はぁ、仕方ねぇ。こいつ一人でそんなロイヤルな場所に放り込むとか何が起こるか分かんねぇしな……
「いいよ、やってやるよ通訳。」
「お、いいのか!?」
「当たり前だろ」
ったく俺のいないとこで勝手に話進めやがって……
ていうかプリンセスもなんでよりにもよって色々とめんどくさい事情を抱えてる万丈を呼ぼうなんて思ったんだよ。何か別の目的があるのか?
「ていうかもう最初にプリンセスから俺も来るように言われてんだろ?」
「あ、おう。そうだよ、せっかくだから一緒に来いってよ。まぁお前の事だから断るとは思ってなかったけど。」
何だろうな、プリンセスから俺たちに何か用事でもあるんだろうか。もしかしたらビルドについての事かもしれないが、それだったらまた別にアンジェやちせから連絡が来るだろうし、多分別のだろう。……あんまいい予感しねぇけど。
「で、そのパーティっていつ――」
お玉で鍋の豚汁をかき混ぜながら万丈に問いかけたその時、
――ドン、ドン
「ん?誰か来たな」
手を打ち付ける音が建付けの悪い店の扉から聞こえてくる。
「見てくるわ」
「おう」
俺は万丈の返事を聞きながらキッチンから出て扉へと向かう。
こんな時間に誰だ……?今日は誰か来るような用事は無かったはずだけど……
「はーいどちら様で……」
「よっ!」
「………あ」
扉の前にいたのは、見覚えのあるワインブラウンを綺麗に伸ばした緑の帽子の女。
「……ドロシー!」
「ご無沙汰だな、天才物理学者殿。」
通りのいい声とどこかオッサンじみた手の動きで挨拶してきた彼女は、先日のショーンの事件で知り合った隣国からのスパイ、"チーム白鳩"のメンバーの一人であり、そのリーダーである。
しかし知り合ったと言っても俺も万丈も特に行動を共にしたわけではなく、あまり彼女については知っていることが少ない。強いて言えば酒好きでパンを焼くのが上手い、ということぐらいか。
「へぇ、男所帯にしちゃ意外と片付いてるじゃん」
「うお!?」
って勝手に上がられてるし!
いやまぁいいんだけど……何か一言くらいあってもいいじゃないのよ。
「お~い戦兎誰が来……あぁ!あんた!」
「お、バンジョーだ。それに……お、なんかいい匂いするな。何作ってるんだ?」
そう言ってけらけらと笑うドロシー。
その肩書とは釣り合わないまるで緊張感の欠片もない彼女の様子に違和感を覚えながらも急ごしらえの狭い客間に通す。
とりあえず椅子に座って万丈が茶を淹れるのを待ちながら、彼女と話をすることにしよう。
「で……何しに来たんだ?」
「いやいや、噂の"怪人ストライプ"がどんな暮らしをしてるのか興味があってね。それでちょっと様子を見に来たんだよ」
「……"ストライプ"?」
縞模様、シマ……あっ
「……ビルドのことか!」
「あぁ、ホントはそんな名前なんだっけ」
「え、噂になってるってマジ!?」
「マジマジ。多分、どっかであの戦いを見てたやつがいて、そっから色々と話が拡がったんだろうね。ほらこれ、昨日の新聞」
ドロシーがカバンから取り出したそれを受け取って、中を見てみると、端っこの方に小さく何やら床屋の軒先に置いてあるあのオブジェをそっくり人の形にしたような何かのイラストが掲載されていた。
「……わーお」
「今日は何処行ってもこれの噂でモチキリでさぁ……で、丁度あたしその正体を知っちゃってるワケだし、折角だから色々オハナシさせてもらおうかな~って。それで……ん?」
いや、いやいや……なんってコメントしたらいいんだこの絵……色遣いはほ同じなのにまるでヒーローに見えないってこれ……うわ、やべぇ超ショック……
「おいおいなんだどうした、頭痛か?」
「なんでもないっしゅ……」
「できたぞー」
……サンキュー万丈!
いいタイミングで来てくれたなオイ!
「おいほら見てくれよこれぇ!」
「おん?なんだこれ……床屋の前にあるアレか?」
首を横に振る。
「俺俺、ビルド。」
「……あぁ~!なるほどなぁ!似てる似てる!」
「オォイ!どこがだよ!!そこは似てないってキレるとこでしょうが!!」
「そうか~?よく描けてっと思うけど……」
「…………。」
っとそうじゃねぇや。
新聞にビルドが載っちまってるってことは、もしかしてアンジェたちもそうなのだろうか。
「……あぁ、あいつらは大丈夫だよ。こういうのってコツがあってさ、上手く顔がばれないように立ち回ってんの。ま、今回はこっちの方がインパクト強かったってのもあるだろうけど」
「そんなもんなのか」
「そんなもんだ」
うぅん……はぐらかされてる気がしないでもない。そういや紗羽さんもこんな感じだったな。『知らない方がいいこと』は彼女らにとってもやはりあるのだろうか。あまり突っ込んで聞いても迷惑だろうな。スパイってそういうもんだろうし……あれ、そういやドロシーたちは何故スパイをやっているんだろう
「なぁ」
「ん?」
「なんで君たちは、スパイなんて危ない仕事をやってるんだ?」
「…………」
口にしていた湯呑をテーブルに置いて、しばし黙考するドロシー。その表情はあまり晴れやかではなかった。
やはりこういう質問はしい方がよかっただろうか……
「夢のため、かな」
俺の心配をよそに、彼女は吐息交じりに語り始めた。
「昔は食ってくために仕方なくやってた、でも今は自分の夢のために頑張れてる。辛いこともたくさんあったけどね。あいつらもおんなじさ。みんな自分の夢の為に頑張ってる」
「夢……」
「あぁ。でも何の夢かは内緒だぞ?バラしちゃうと叶わないかもしれないからな」
「へへ、そっか」
「……何笑ってんのさ」
「いや、ドロシーがいい意味でスパイらしくなかったからさ。」
笑顔で将来を語れるってことは、今を幸福に生きている証だからな。それだけでも目の前のドロシーが何かに追い詰められてスパイをやっているわけじゃないのが判った。彼女については今はそれで十分だ。
「うぅ~ん……あんたみたいな子供に褒められてもなぁ~、口説くならもうちょっと年食ってから出直してくれ」
「おい」
誰が子供だよ。つーかそういう意味で言ったんじゃねぇし。……って俺こう見えても肉体年齢はもうすぐ27になるんですけど!!
「……えぇッ、マジ!?
うっそアンタ年上だったわけ!?…………かぁ~~~マジか!!」
「ちなみに万丈は……あ、お前
「23」
「だってよ」
「……その顔でぇ!?」」
「ぶふッ」
「おい何笑ってんだよ!?何言われたんだよ!?」
やっば久々に壺った。
あぁでもそっか、俺たち日本人だもんな。身長も骨格も欧米人とは大違いだし、現代でも大人の日本人旅行者が現地人に子ども扱いされたってのはよく聞く話だ。
「あぁーなるほど、そういやあのオッサンたちもちっこかったなー……ちせも年の割に色々細っこいのはそういう関係だったわけか……いや納得納得」
本人が聞いたら袈裟斬りにしてきそうだなおい……
「っと、そうだ鍋見てくる」
「あ、万丈ゴボウ入れた?」
「入れたー」
……ならあと少し煮たら完成か。いいじゃないいいじゃない。
「あ、じゃあ折角だしドロシーも一緒に食べていかない?」
「え、いいのか?」
「いいよいいよ。こういうのは大勢で食った方が美味いからな」
「――戦兎ー、味噌いれてくれー」
「はいよー!……じゃ、少々お待ちを」
「よろしく~」
味覚の人間離れ(ガチ)した万丈に味付けを任せるのが自殺行為だということをここ最近の限界自炊生活で思い知ったため、料理の最後の仕上げは全て俺が取り仕切ることになっていた。かくして数少ない生活の楽しみの一つである食卓の平和は守られ、突然の訪問にも安心しておすそ分けができるのだ。
いやマジでヤバいんだよ万丈の舌。今にして思えば、幻さんの手料理をバクバク食いまくっていたことにもう少し早く気付いていればよかったのだが。
とまぁそんなこんなで。
「はいできたできましたよ~~じゃん、豚汁!」
鍋ごとテーブルにどーん!
火の通った豚肉のいい匂いがゆらゆら湯気に乗って鼻腔に届いていく!こいつは絶品ですよ奥さん!
「ほぉ~、見たことないスープだな
何入ってるんだこれ……うわなんだこの野菜の量!よくやるな~!」
それを上から覗き込んだドロシーが驚きの声を上げる。確かに多少奮発したがそこまで驚くほどだろうか
「いやいや、普段からこんなたくさんの種類使わないって!下ごしらえの時間がもったいない!ジャガイモだって一々皮剥くの面倒だから切ってそのまま油で揚げちまうのにさ……ホント変な所こだわるよなぁ
あー、そういう感覚なのねここの人たちって……イギリス料理の評判がよろしくないのもそれなりに理由があったわけか。
「ほい、皿」
「お、サンキュ……ほいっと。
あ、箸がないじゃない……ドロシー、フォークでいい?」
「いいぞ。こっちの方が使いやすい」
万丈から手渡された深皿に豚汁を次々よそってテーブルに並べていく。さらに別の鍋で炊いた白米(これも日本大使館からのお土産)もよそっていく。
「おっほ、ツヤツヤだよ……」
「今日は失敗しなかったぜ~俺!」
「んナイス!」
漬物も添えて……じゃん!簡素ながらしっかりとバランスの整った食卓の完成だ。
「「いただきまーす!」」
「イタダキマス」
手を合わせて挨拶。
……あら、ドロシーも言ってたな今。ここの人にしちゃ珍しい。
「ちせもいつも言ってるからさ、覚えちまってんだ。"食材に感謝して大事に食べます"……って意味だっけ?これ。畏まるよなぁ
「おぉ~……」
なんかあれだな、これちょっとしたホームステイだな。
ドロシーもなんやかんや日本文化に好意的だしイイ感じに異文化交流しちゃってるよ俺たち。
「……ん……んん!?」
「お……」
早速豚汁に口を付けるドロシー。高校球児もかくやという勢いでがつがつと食べていく。口を離した隙に感想を伺ってみるか……
「どう?どうよ?」
「あーー……何味って言ったらいいんだろこれ……うぅ~ん……」
「(お、おい!大丈夫なのかよ!?)」
「(ノンノン、焦るんじゃないよ……こういうのは焦らされた分だけ感動がデカいんだから。待ちなさい万丈君)」
「(ウス)」
「……あ。」
「「!!」」
「複雑すぎてわからん!!」
「「おぉい!!」」
流石にそれはないでしょうよ!!いやグルメレポーターばりのコメントを期待してたわけじゃないけど……でも粘ってくれよそこは!!もう!!
「いや美味いよ!……美味いんだけどさ!
なんつーかこう……美味さの種類が一口の中に多過ぎてどれを味わったらいいのかわぁかんなくなっちゃってな!?あ、普段食ってんのが分かりやすいのばっかでさぁ……いや悪い!あたし食いモンに関しては貧乏舌なんだよな!」
あ……そういうことね……
この国の食に対する関心はが日本と違って大分薄いもんな。感染症予防のために食材は食えなくなるギリギリまで火を通してそこに塩や胡椒などの味の強い調味料で味付けする訳だからもう一々"味わって食べる"ってのが難しいのだろう。
「あはは、いやワインなら利きができるくらいには自信あるんだけどねぇ~」
これはちょっとドロシーに申し訳ないな……彼女の口の合いそうな料理も食材も今はないし……あ、そうだ。あれがあるじゃん!帰るときにお土産として渡そう。
「――なぁ、こんな顔の女を見たことないか?」
食事も終わり談笑していると、ドロシーが一枚の似顔絵を見せてきた。
それはつり目に短髪の女の絵だった、明らかにカタギの雰囲気ではない、一度見たら嫌でも印象に残りそうな整った顔だ。
「いや……悪ぃ、知らない人だ」
「あー……俺もだ。見たことねぇ」
「そっか、ならいいや。見かけたら今度教えててくれ。」
そう言ってドロシーはさっさとその絵をカバンに仕舞ってしまう。……仕草の雰囲気からして、もしかしたら彼女の仕事に関わる人物だったのかもしれない。
「……なぁ、その人が何かしたのか?」
試しに、訊いてみる。
「いやぁ、ちょっとした人捜しでね。知り合いに頼まれちゃってさ」
"頼まれちゃって"を強調した話し方。
やはりスパイとしての仕事なのだろう。わざわざぼかして教えてくれたってことは、おそらくはこれ以上深入りするなよ、という警告だ。
「そっか。大変だな」
「ホントホント!大変だよ全くさぁ!パーティだなんだってこの慌ただしい時に……はぁ~……あ、やば足つった!」
「おいおい……」
やってることは非日常的なのになんでこんなに週末のOLめいた雰囲気が出せるんだこの人……ある意味で大物なのか?
「あー……あ、そうそうパーティだパーティ。アンタら二人、プリンセスから直々に招待されてるんだってねぇ?」
「「あ」」
そうだよすっかり忘れてた!
ドロシーも知ってたのか!……あ、いや同じチームなんだし当然か。
「おいおい大丈夫かよ……こりゃぁベアトがエキサイトするわけだわ」
「……万丈、パーティいつだよ」
「え?あぁ来週」
「……で、どんなパーティだって?」
「は?どんなってお前……パーティってみんなでワイワイ食ったり遊んだりするだけだろ?種類とかあんのか?」
……………。
「……だそうです。」
「窮地じゃねーか!」
仰る通りです……万丈にロイヤルなパーティがどんなもんか知ってると期待する方が間違ってたよね!!絶対偉い人に失礼なこと言ってヤバいことになるね!?
「うーわ、間違いなく国際問題になるぞこれ……やっぱ様子見に来て正解だったな」
「申し訳ない!本っ当に申し訳ない!!」
「何謝ってんだ?」
「お前が万丈だからだよ!!」
「どういうことだよ!!」
あぁ……仮面ライダーとして首相官邸によく足を運んでたあの頃、万丈がやっていたことと言えば……旗をバットにして遊ぶ、首相を巻き込んで落としたサイフを探す、首相室でプロテインラーメン食ってその臭いで部屋を充満させるエトセトラエトセトラ……氷室首相の人の好さで許されてたような数々の悪行をこの国のお偉方の前でやらかしでもしたらどうなるか……
「泣きたくなってきた……」
「大変だなぁアンタも」
そうですそうなんですよ。だからお助け!!ヘルプミープリーズ!!
「あぁ大丈夫大丈夫、流石にプリンセスもズブの素人をいきなりパーティに放り込もうとは考えてなかったみたいだから、明日か明後日にウチの学校に来ていいってさ。簡単なマナー講座ってヤツだ。チーム白鳩総出で特別に教えてやるよ。どう?」
「……行きます!明日!」
「そうこなくっちゃ!」
ぱちんとウインク。あぁ、ドロシーが天使に見える……!ありがたや~……
「――てことでお前気合入れて覚えろよ、マナー。」
「お、おう……わかった。誘ってくれたヒメさんの顔に泥塗るわけにはいかねぇからな」
万丈にさっきまでのドロシーとの話を要点をつまんで説明する。ようやく自分のエチケット観のオッペケペーっぷりに危機感を覚えてくれたようだ。
「よろしくお願いします!!」
「おぉう、威勢がいいな……ま、その調子で頼むよホント。あ、そうそうイイコト教えてやるよ。これ、最近ベアトが食いたがってた新作のバタフライケーキなんだけど……持ってきてくれたら多少は優しく教えてくれるかもよ。多少」
「おぉ、あ、ありがとう……」
ドロシーから受け取ったチラシにそれが売ってる店の名前と地図が記載されている。お菓子好きなんだなあの子……うん、そうだな。授業料として買っていこう。
「んじゃ、用も済んだしそろそろお暇しようかね」
「あ、送っていこうか?」
「いいよいいよ、そこらの男に押し倒されてやるほどヤワな鍛え方してないからさ。厚意だけ受け取っとくさ」
「おぉ、ユー強いじゃん」
「まぁね」
「……あ、そうだこれ」
「ん?」
「お土産。よかったら飲んでくれ」
「お、酒か!?何?何くれんの?」
「"3月生まれの雄鶏から作ったコックエール"だってよ。万丈の知り合いのボクサーがくれてさ、いっぱいあるからおすそ分けするよ」
「マジか!?うっわ超助かる!!」
「おう、色々教えてもらって助かったしな。ほんのお礼だ」
「はぁ~~!気が利いてるぅ~~!!好きなんだよなこれ~~!!」
おぉ、滅茶苦茶嬉しそうだ。人にプレゼントしてこんなに喜ばれたことってあんまりないかも……こっちも嬉しいななんか。
「(なんかすげぇ酒好きみてぇだな)」
「(みたいね)」
「いやぁ人には優しくするもんだねぇ……今日は楽しかったよ、二人とも。またご馳走してくれよ」
「おう、こっちもありがとう!」
「またな~!」
「バーイ!」
うん、色々と前途多難だけど、こういうちょっとした幸せがあるからまた明日も頑張れる。さて、片付けして明日の準備をしますかね……
--ドロシー視点--
夜道。
街灯で照らされた道を進みながら、さっきまでの"観察対象"との接触について纏める。
"KAMENRIDER BUILD"
その能力ははっきり言ってデタラメの一言だ。アンジェとちせからの報告を聞いた時は寒気がしたよ。今のあたしらでどうにかできる範疇を軽く超えている。
ノルマンディー公のような政治的権力を持った相手なら交渉材料次第でまだ勝ち筋が見える。が、こいつは違う。能力の換装によりどんな状況にも対応してくる、ヤツは恐ろしいほどまでに効率化された"軍事力"の結晶だ。何処のどいつがあんなものを思い付いて開発したのかは知らないが、きっと相当にキマってる技術者に違いない。
もし相手するとなれば、一国の軍隊並みの武力が必要だ。それだけ未知で強大なテクノロジーだからな。
そしてその使用者の所見を正すため、あたしは今日ソイツの住居に突入したわけだったのだが……。
「なんか……普通にもてなされたんだけど」
メシもご馳走になって?
話も弾みまくって?
特に予定してなかった助言までしちゃって?
「挙句の果てにこの土産……よりによってあたしのお気に入りだし」
……………………う~~~~~ん。
「ま、いいか。」
考えるのやーめた。
いやいやあんなどこにでもいそうな普通の兄ちゃんがさぁ?まさか街中で大暴れとかするわけないって!!
「あ、でも普通とはちょっと違ったな。
なんか優しすぎるよアイツ。気持ち悪いぐらい」
それが、今あたしのセント・キリューに……KAMENRIDER BUILDに対する印象だ。取りあえず、今は特に問題ないだろう。
「それよりも……」
キリューにも見せた"あの女"の絵。
見れば見る程イラっと来る顔だよホント
「あんた今何処にいるんだ、なぁ、"Z"さんよ。」
もう春だってのに、まだまだロンドンの夜は寒かった。