Princess Principal ~Gearing BUILD and CROSS-Z~   作:ポロシカマン

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2-⑥

「……―――ハァアアアッ!!」

 

 "ラビットボトル"の特性の一つ、瞬発力を最大限に発揮。三体の怪人へ向け疾走する。

 接敵する直前の瞬間、『ドリルクラッシャー』を創造し、物質化されきったタイミングで真ん中の一体を攻撃する。

 

[h``3z11]

 

 怪人は倒れ伏し、ギュイギュイと耳障りな声を上げた。

 

「(……こいつらは一体……)」

 

 間近でよく見ると"、蟻"の頭部に目隠しされた人間の顔を象ったマスクを嵌め込んだように見える顔面、黒光りする肢体、肩からは昆虫の触覚のような物が伸びており、さらには全身には有刺鉄線を巻き付けていた。……嫌悪感でダイレクトに嘔吐中枢を刺激してくるデザインをしている。

 

 ……そして全体のカラーリングは本の数日前に見た"彼"のそれに、とてもよく似ている。

 

「(ショーン……なのか?

いや違う、彼は単独犯だった。それにこんな真っ昼間に堂々と開けた場所で行動するタイプじゃなかった)」

 

……なら、こいつらは何者だ?

 

「いや、考えるのは後だ」

 

 意識を目の前の敵に戻す。

 

 三体とも完全に女生徒たちを無視し、体をこちらに向けて俺に注意している。

 

「……早く逃げろ!!」

「ひ、ひぃいいいい!」

 

 三体をこちらに引き付けている間に、女生徒の一人に声をかけて戦闘区域から逃がす。

 それを見た一体が追おうとしたが、そこにクラッシャーで牽制、注意を反らさせないようドリル部を回転させ思いっきり殴り付ける。

 

「行かせるかよ!!」

 

 衝撃で倒れた一体を立ち上がらせないよう踏みつけながら、飛びきってきた残り二体もドリルの回転で薙ぎ払う。火花が散るのに混じって黒い煙が蟻怪人の鎧のような皮膚から噴出した。

 

「……よし、逃げてくれたみたい──」

[uyuyq``bez]

[b\dw7.]

[2``ab\dw7.]

「だ……うおっ!?」

 

 女生徒たちが逃げ切ったのを確認しようと蟻怪人たちから目を離した一瞬の間に、踏みつけていた方の足が突然、地面に沈んだ。

 

「うおぉ!?」

 

 片足だけ落とし穴に嵌まってしまったような感覚。沈んだ足の方を見れば、そこにはマンホールほどの直径の穴があって、足はそこに嵌まっていた。

 いやそんなことよりも……踏みつけていたはずの蟻怪人がいない!

 

「……まさか!!」

[bzaq``]

「!!」

 

 カラクリを理解した刹那、鈍い破砕音と共に件の蟻怪人が地中から飛びかかってきた。

 

「ぐッ!」

[f7eu]

 

 なんとか、間一髪て敵の拳撃を避ける。

くそ、危なかったな……

 

「そりゃ地面も潜れるよな……蟻だもんなッ!」

[h``g``7]

 

 隙を突いて素早く、ドリルクラッシャーを斬りつける。さらにドリル部をフル回転させ、蟻怪人の鎧を掘削、敵は金切り声のような悲鳴を上げる。

 

《タンク!》──《Ready go!!》

「───はぁあああッ!!」

《ボルテックブレイク!!》

 

 その勢いのまま、タンクボトルをドライバーから外し、クラッシャーに装填。『戦車』の突進力と砲弾の破壊力が籠った突きの一撃を食らわせる。

 

[h``g``7\\\\\\\\\!!!]

 

 爆散。眼前を炎が覆う。

それが晴れると、蟻怪人が立っていた場所から黒い煙が立ち上っていた。

 

「これもあの時と同じ……うおッ!」

 

 ショーンだった巨大カマキリが消滅した時の光景がよぎったが、すぐに残る二体が攻撃を仕掛けてきた。

 

「考えてる時間もくれない、か……――ハアッ!!」

 

 ドリルクラッシャーをガンモードに変形、俺は行動を牽制しつつ二体の蟻怪人に向け飛び掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--ベアト視点--

 

「姫様ぁーーっ!!」

 

 ものすごい悲鳴を聞きつけて、私はすぐさま姫様のもとへと走りました。

 声のした方は窓の外……でも姫様に危険が迫っていないとは限らない。そう思ったら、私の足は勝手に動いていたのです。

 

「姫様!」

 

 扉を開け、姫様のお姿を探します。

 

「ベアト」

 

 姫様です!

 窓の外に顔を向けていたのでしょうか、振り返るように姫様は私に目を向けてくださいました!

 

「あぁ良かった…………! ご無事でしたか!」

「えぇ、私はなんとも」

 

 ……お部屋からも危険な雰囲気は感じられません!

とりあえずは大丈夫そうです!……あれ?だとすると……

 

「あの、さっきの悲鳴は一体……」

「あそこからよ」

 

 疑問を口にすると、隣にいたアンジェさんが窓の外を指さしてくれました。

 

「ありがとうございます」

 

 場所を譲ってもらい、その方向を注視しました。すると、

 

「――ハアァーーッ!!」

 

 そこでは、紅と青の縞模様の怪人が、別の黒い虫みたいな二体の怪人と戦っているところでした。

 

「あ……あの人って!」

 

 あの時ちらりと見えた……

そうです、『ストライプ』です!!

 

「……あ、そういやベアトはまだ見てなかったっけか、キリューの変身。」

「え……」

「キリューだよ、あそこで戦ってるのは」

 

 そんな……じゃあまさか、

あの、KAMENRIDER BUILDのことは……

 

「アンジェさんが言ってたことは、本当だったんですか!?」

「当たり前でしょう」

「(いや説得力ねーぞ黒蜥蜴星人)」

 

 ストライプ……じゃなかった、BUILDの方をまた見ます。

 

ファンタジーのような見た目なのに、彼から発されるのは、ありふれた金属同士の打撃音。

しかし時折、紅い兎さんや青い砲台のような(!?)蜃気楼が浮かんでは消えたりと、繰り出されるのはまるでファンタジーのような攻撃。

 

目の前で繰り広げられるその光景は確かに現実、そのはずなのに。

 

「す……すごすぎる……」

 

 とてもキラキラしてて、幻想的だったのです。

 

「……!」

 

 ……って、なにを見とれているんですかわたしは!!

まずいでしょう!これだけの力が一個人の手でいいようにされているだなんて!!

 

「……うぅ」

 

 ちょっと、羨ましいと思ってしまいました。

私のような弱い女の子でも、あの力があればもっと姫様を……

 

 いや、いやいや、それは違うでしょうベアトリス。

無い物ねだりなんてするだけ損です。そういうのは、今持ってる能力を最大限活かせるようになってからでしょう

 

……でも、

 

あれだけの技術を自由自在に駆使してしまうキリューさんは、一体何者なのでしょうか。

 

そんな疑問がふと頭に浮かんだ、次の瞬間

 

「――ぴゃああああぁああ!?」

 

 ドカン!!と、

 

 戦っていた怪人さんの一人が、キリューさんの放った銃?弾に撃ち抜かれて……ば、爆発しちゃいました!!

爆風でみんなの前髪がぶあっとめくれ上がっておでこも丸見えです。とっさに姫様に覆いかぶさります。

 

「おいおい……やつら、爆弾でも隠し持ってたのか?」

「爆弾というよりは、内部が高圧になりすぎた蒸気機関が爆発するのと似ているような……」

「どっちみち危険だわ。

……ここも、あまり安全とは言えないわね」

「そうね。でも私たちは──」

 

 姫様の続く言葉を遮るように、ドアの開く音が強く響きました。

 

『──あんた達そんなとこでなにやってんだよ!?』

「わ!? バ、バンジョーさん!?」

『ここも危ねーぞ、早く逃げろ!』

 

 あわわ、そういえば置いてけぼりにしてしまっていました……。

う、ずかずかとこちらに歩み寄ってきます。

とてもお顔が怖いです。怒ってます。

 

「バンジョーさん、お気持ちは嬉しいのですが、申し訳ございません。私たちは今、ここから離れる訳にはいかないのです」

「……あん?」

 

 眉をひそめて私たちを見つめるバンジョーさん。

なんでこの人はこんなに怒って……

 

『……なら仕方ねえ、俺もここに残る』

 

 て、あ、ちょ、ちょっとぉ!?

なにを勝手に姫様の隣に!?なんてことを!!

 

「そんな、バンジョーさんだけでも安全なところに!」

『おいおい、女置いて一人で逃げられるわけねーだろ。これでも腕っぷしには自信あんだ。なんかあってもあんた達を守ってやれるからよ』

「ま、守るって……!!

余計なお世話です! 自分の身くらい自分で守れます!!」

 

 この人は何を勝手な!

私たちはスパイなんです!

ボクシングのチャンピオンだからって、思い上がりも甚だしいです!

 

『そうは言うけどよ、リス子、じゃああの黒いのとお前らだけで正面切って戦えんのか?』

「もちろん戦え──」

「難しいであろうな」

「ちせさん!?」

 

 な、なんであなたがこの人の味方を!?

 

「地面に潜ったり、奇怪な動きで間合いも読みにくいと中々てこずりそうじゃ。それに、今は一体だけとはいえ最初は三人もいたしな。……もしかしたらまだ他に仲間がいるやもしれぬ。

無傷で倒しきれるとは、思えぬな」

「う……」

 

 戦闘のプロが言うとものすごく説得力が……

 

「で、でもアンジェさんと一緒なら!」

「できないわ」

「えぇ!?」

 

 そ、そんなぁ!!

 

「戦えるかどうか考える前に、私たちはスパイなのよ。こんな日の出てる内に開けた場所で戦うなんて、リスクが大きすぎる。

それに、私たちが出しゃばらなくても十分戦える人がいるのだから、むざむざ姿を曝す必要もない」

「うぅ……」

「ベアト、目的を見失わないで」

 

 そう私に注意アンジェさんはずっと、戦っているキリューさんから目を離していませんでした。

 

「守ってくれるったって……あんたも私らと同じ生身の人間だろ?随分な自信だな」

 

 ドロシーさんが腕を組ながら、バンジョーさんの発言に指摘します。

そういえば確かに……

 

『ったりめーだろ! こえ見えて俺も──』

「!……みんな、外を見て!!」

「あ、おい!!」

 

 アンジェさんの声に、私たちはすぐに窓の外へと視界を合わせました。

そこでは……

 

《Ready go!!》

《ボルテックフィニッシュ!!イエェェイ!!》

「ハァーーーッ!!」

 

 何故か巨大な放物線が出現していて、怪人を捕まえており、キリューさんが破線の上を滑りながらそれに蹴りを食らわせるという……あまりにも予想外過ぎる光景が繰り広げられていたのです!!

 

「……えぇぇ……?」

 

 爆発。お庭の剥げが、また一つ増えてしまいました。

 

どんな法則が働いたら何もないところからあんな大きな放物線を出せるのか……気になって気になって仕方ない気持ちを圧し殺して、キリューさん観察を続けます。

 

「お、片付いたみたいだな」

 

 まるでこの一連の流れを見慣れているかのように、バンジョーさんは独り言。

 ま、まさか今みたいなことを何度もやってんですか……!?いやまさかそんな……

 

「──動くな!!」

「「「「「!?」」」」」

 

 な……え、衛兵さんです! たくさんの衛兵さんたちが、キリューさんに銃口を向けながら包囲していました!!

 

「……戦──!!」

「待って!」

「なんだよ!」

「彼の関係者だとわかれば、貴方も危険です!

まだ、動いてはいけません」

「あ……悪い」

 

 飛び出そうとするバンジョーさんを姫様が止めます。

 

 バンジョーさん……大事な人が大変な時に駆けつけたい気持ちはよくわかります。でも今はダメなんです。キリューさんとの関係は、姫様と私たちにはとっても致命的だから。

 

「おいおい、今さらノコノコやって来てやることがこれか?」

「……まずいわね。下手をしたら彼の力が王国に……」

「むぅ……派手に暴れていたせいか、かなり警戒されておるな」

 

 キリューさんは身動ぎせずに、両手を頭の上に乗せます。

 

「あのー……」

「……なんだ!?」

 

 おもむろに口を開くキリューさん。衛兵さんたちが銃を構え直します。

ちょ、ちょっと!?この状況で一体何を……

 

 

「さっき女の子が三人、ここから逃げてきたと思うんですけど……無事ですかね?」

 

 

 …………はい?

 

「はぁ!?バカかあいつ!?」

 

 ドロシーさんが本気で驚いてます。

無理もありません。私だって同じ気持ちです!!

 

「どういう神経してるのよ……!!」

 

 ほら、アンジェさんだってぷんぷんです!

一体何を考えて……!

 

「くく!……お、お主がそれを言うか!」

 

 ……ってあれ? ちせさん?

 

「……どういう意味よ?」

「ん? まさか自覚がなかったか? 」

「えぇ、この子ったらそうなんですよ」

「な……プリンセスあなた!!」

 

 な、なな、姫様まで!?

 

「うーん、筋金入りとはこのことか」

「そっくりですよねぇ」

 

 ひ、姫様!?何をちせさんと通じ合ってるんですかぁ!?

 

「(キリューさん……貴方もアンジェと同じ、自分じゃない誰かのためにその身を投げ出せるのですね)」

 

 うぅ……なんだか仲間外れにされてるような……私ってなんだかいつもこんな役回りのような……

 

「……ま、そんなもんだよな。アイツの印象って」

 

 バンジョーさんまでどこか訳知り顔で独り言を呟いてます。日本語なのでまだ完璧には分かりませんが、少なくとも絶対キリューさんのことを言っていました。

 

 

「(……おい、ヤツは誰のことを言っている!?)」

「(お、恐らくですが……ギャビストン家のお嬢さんとそのご友人のことかと……先ほど保護されているのを確認しました)」

 

 む、衛兵さんたちも戸惑ってますね。

アンジェさんから習った読唇術に依ると……あ、リリさんたちも巻き込まれてたんですね。あんなのに襲われて大丈夫でしょうか……

 

「あのー、ケガとかしてませんでしたー?」

「 黙れ!! その女生徒たちは無事保護されている!!」

「あ、ホントですか!?良かったぁ~!」

「だから大人しくこちらに……」

 

 あ、この流れはまず……!

 

「あ、じゃあ俺もう帰りますんで」

 

 そう言った次の瞬間、キリューさんはこの校舎よりも高く空へと跳び上がりました。

 

「「「「………………?」」」」

 

 え………………?

 

「に」

「「逃げたぁあ!?」」

 

 う、嘘でしょう!?

 

「なんで立ったままの姿勢で!?」

『あいつ囲まれた時からめっちゃちょっとずつ膝曲げてたぞ』

「あ、なるほ……なんでわかるんですかぁ!?」

 

 ていうか膝曲げただけじゃ絶対あんな高く跳べないでしょう!?

 

(ラビット)……ここまでできるのね」

 

 冷静に分析してる場合ですかアンジェさん!?

 

「クソ!! ヤツはどこに行った!!」

「方角は校舎の裏手です!!」

「チィッ! 三班に別れる!! 手分けして捜せ!!」

「「「了解!!」」」

 

「……方法はともかく、今のは大分ベストな切り抜け方だったと思うが……さて、キリューはどうするかね」

「あまり問題はないのではないか?

桐生……"びるど"なら、追っ手から逃れる術くらい百や二百は心得ていそうじゃ」

「ま、だよな」

 

 あ、そういえばあの紅と青の姿だけではないんでしたっけ。

 

 多種多様な色の小瓶をベルトに入れて、小瓶ごとに決められた能力を使えるって……あ、テーブルにあるあれらがそうでしょうか。……あんな小さいのに、すごい技術ですね。とても興味深ければ深いです。

 

 改めて考えると、なんだかとんでもない人と知り合っちゃいましたね私たち……

 

 あ、姫様たちが何やら作戦会議でしょうか。バンジョーさんに聞こえないようにこっそり話し合っています。

 

「(これではもう、彼もこの部屋には戻ってこれませんし、私たちも彼の行方がわかりませんね……)」

「(ある意味、私たちからも逃げたことになるわね)」

 

 意味深なアンジェさんの言葉に、四人は静まり返ります。

 

「(ちょっと!そんな言い方は……)」

「(でも事実よ)」

 

 姫様の声を遮るように、アンジェさんは声を大にします。

 

「(…………それは)」

「(ドロシーの質問も私の質問も、私たちのこれからのためにも絶対に必要だった。……たとえ彼も苦しめてでもね)」

「(あいつは苦しいから逃げたって?

……それをあたしらが糾弾すんのは筋違いだろ)」

「(それはわかってる。私が言いたいのは、今日のやり方では不十分だったってことよ)」

「(それは……まぁ、確かに)」

「(目標の半分も聞き出せなかったからな)」

 

 そうです。バンジョーさんの相手をする私以外のみなさんの今日の目的は、『桐生戦兎の素性と、彼の持つ力の正体を明かすこと』でした。

 

……結果は芳しくなさそうですね。

 

「(ま、今日が最後のチャンスってわけじゃないからさ。今度のパーティーでも会えるしな……気長にいこうぜ)」

「(……そうね)」

 

 女王陛下主宰のパーティー、正直言ってとても不安でしょうがないです。バンジョーさんについては最低限言葉遣いさえなんとかすればいいとしても、問題は……

 

「(でも今は彼のことよりも、あの怪人たちについてよ)」

 

 そう、突然現れたあの怪人たち。

 

「(一体、何が目的でうちの生徒さんを襲っていたのでしょうか……)」

 

 まるで何もわかりません。

 

「(殺し……にしては動きが堂々としすぎだったよな)」

「(アンジェよ……そういえば、似てなかったか?)」

「(あの巨大カマキリ、そうね。色合いとか似てたわ)」

「(マスクメイカーの事件と何か関係が……?)」

「(その可能性は高いわね)」

 

 怪人たちについては、まずはその線で調べることとなりました。

 

 ……見えないところで何か重大なことが動き出しているような、そんな朧気な不安が胸の奥で広がるのを感じます。

 

 大丈夫……ですよね?

 

 何かとんでもないことに巻き込まれているとか……ないですよね?

 

 私たちは……今……どこに……

 

 

 

 

『しゃーねぇ、俺も帰るか』

 

 ……あ!

そうでしたバンジョーさん!この人はどうやっ……あ、荷物をまとめてますね。もう準備万端みたいです

 

『バタバタしてる隙にこっから出ねぇと、なんか取り調べとかされそうだしよ。それに戦兎も心配だしな』

「そうね、その方がいい」

 

 アンジェさんがぶっきらぼうに答えます。

なんだか少しお疲れでしょうか、声に元気がありませんね

 

『今日はありがとなぁ、リス子』

「え……あ、はい!!」

 

 わ、びっくりしました!

まさか声を掛けられるとは思いませんでした……

 

『パーティーは俺なりにちゃんと気を付けるけど、多分なんかやらかすかもしんねぇ。そん時は思い切りド突いて注意してくれよ。その方が覚えられる』

「は、はい!! わかりました!!」

『おう!頼むな!』

 

 い、意気込みすごいですね……なんとかしなきゃってちょっと心配でしたけど、本人がやる気十分なら大丈夫かなぁ……あ、ちょ、勝手に頭撫でないでくださいよ!

 

『あー、それと……帰る前にあんたたちに言っとくことがある』

 

 チーム全員の視線がバンジョーさんに向かいます。

なにか伝言があるのでしょうか。

 

バンジョーさんの口が開きます。

 

『色々戦兎のことで理解できねーことがいっぱいあると思うけどよ、これだけは言っとく』

 

 体を正面に向け、彼はこう言いました。

 

『あいつは金とか誉められたいからって理由で戦ってるんじゃねぇ。心の底から、本気で、誰かを助けるためだけに"仮面ライダー"やってんだ。』

 

 開けっぱなしの窓から、風が、部屋を満たすように吹きました。

 

「KAMEN RIDER……?」

 

「あぁ。愛と平和を胸に戦う、正義のヒーローさ」

 

 正義の……ヒーロー……? キリューさんが?

 

『それだけは覚えててくれ』

「正義……?」

 

 アンジェさんが、バンジョーさんにすがるように問いかけます。

 

「彼の正義って……なによ?」

『うーん……強いて言やぁ、バカでもわかる当たり前のこと、か?……まぁいつかわかんだろ。じゃ、またな』

「あ……!?待っ」

 

 ドアが閉まります。

 

「なんなのよ……一体」

 

 さっきの爆発のせいでしょうか、窓から煙が風に流れてきます。

 

 それは少し焦げ臭くて、目が痛くて……

 

 

 

 彼は、一体……




VCINEXT、仮面ライダークローズ観てきました。
劇場で観るアクションシーンはやはり最高ですね。

クローズエボルもキルバスもモチーフの要素をふんだんに取り込んだ攻撃が見事でとても自分好みのライダーで素晴らしいと思います。

あ、実はこの作品の時系列は本編最終回とFOREVERの中間に設定しています。

あのボトルやアイテムが復活していた理由とか……とってもドラマになりそうだなぁ
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