艦娘と提督   作:ためきち

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12話

 駆逐艦の子達を振り切り、道すがら真正面から抱き着いてきた金剛に「後で行くから」と断りを入れつつたどり着いたのは厨房と座敷を隔てるカウンター。

このカウンターの向こう側の厨房に今回の一番の功労者達が居る。……はず。

 

 

「あー……誰か居るか?」

 

「はいはい。あら、提督じゃないですか。何か欲しいものがあるんですか? なんでも言ってくださいね?」

 

「いや、別段欲しいものがあって来たわけじゃないんだ。今回の料理を準備してくれてありがとうって言いたくて間宮さん達に会いに来たんだよね」

 

「いいんですよ。私たちはこういう事ででしかお役に立てませんし」

 

「いや、間宮さんにはいつもお世話になってるよ」

 

 

 キラ付けがめんどうな時とかね。ホントキラ付けはつらい。

連合艦隊と道中、決戦支援のキラが同時に剥げた時とかもうホント発狂案件。

その点、間宮と伊良湖があれば楽々だからね。しっかり任務こなしてイベントまでに蓄えていこう。

今まで? もちろんサボってました。でも、今間宮さんを見たらしっかり貯めてガンガン使っていかないと逆に申し訳ない気持ちになってくるというか……こんな間宮さんの顔を見るぐらいならラスト〇リクサー症候群がどうのこうのとか言ってられないよねって話。

 

 

「あ、提督さん!」

 

「お、伊良湖。ごはん美味しかったよ。ご馳走様」

 

「いえ、今回は間宮さんと鳳翔さんの気合の入りようが凄すぎて私は下処理ぐらいしかしてないんですよね……ですので、次の機会には是非私が一から作ったごはんを提督に食べていただきたいなと!」

 

「ほーなるほど。それは楽しみにしておくよ」

 

「ですので、提督の好きな食べ物とか教えてもらえませんか? 私、提督の胃袋を鷲掴みにしちゃいます!」

 

「あらあら、伊良湖ちゃんったら」

 

 

 あらあらうふふと上品に笑いながら間宮さんもメモ帳を取り出して前のめりになってるんですがそれは。

更にそこに白菜の漬物を持ってきた鳳翔さんが加わった。「自信作です」と俺の前に漬物と箸を出してから鳳翔さんもメモ帳を割烹着のポケットから取り出している。

とりあえず、漬物をパリポリ食べながら俺が好きな食べ物かぁと思いをはせてはみるけど「漬物美味い」って感想しかでてこんわ……

 

 

「今、俺の胃袋は漬物に鷲掴みにされています……」

 

「ありがとうございます。気に入ってもらえたみたいでよかったです」

 

「鳳翔さんは策士ですね……で! 提督の好きな食べ物は漬物以外だとなんなんですか!?」

 

「え? そうだな……美味しいものならなんでも好きなんだよねって言うのは?」

 

「もちろんなしです!」

 

 

 ふんすふんすと鼻息荒く、めっ! と人差し指を指す伊良湖。

この子も結構感情豊かなんだなぁと。表情がコロコロ変わる女の子は見ていて楽しいから結構好きよ。

 

 

「そうですね……この食材が好きだとかでもいいですよ? 肉が好き、野菜が好き、魚が好きみたいな感じで」

 

「肉も野菜も好きだな。魚は……物によってかな。生臭いのはちょっと苦手。あ、さっき食べた刺身は美味しかったよ」

 

「そう言って提督がわさびと紫蘇とつまでお刺身を流し込んでいたところは見てましたからね」

 

「……つまが美味しすぎたんだ。大根をわさび醤油に浸しただけであんなに美味しくなるのが悪い」

 

「わかります。提督、わかりますよ。つまって美味しいですよね。あ、これ今朝曙ちゃんが釣ってきたカワハギのお刺身とごはんです。肝はお酒を飲んでる人たちに出してきちゃいますね。提督も食べますか?」

 

「せっかくだけど肝はいらないかな。刺身とごはんは貰うよ」

 

 

 奥からにゅっと現れつつ俺の意見に同調してくれた龍鳳は漬物の横にご飯とお刺身を置いて「わかりました」と一言言って飲んだくれ達の方へ行ってしまった。つま同盟結成ですね。

ちなみにカワハギのお刺身はこりこりしてて結構おいしい。まあ、仮に美味しくなくても食べる。

だって、曙が釣ってきたって言ってたしね。去年のサンマで釣りにはまったんだろうか。

釣りかぁ……小中ぐらいの時はちょこちょこ友達と行ってたけど最近はさっぱり行ってないな。

今度曙に頼んで連れてってもらうかな。

 

 

「白米漬物刺身は最強だなって。この刺身も生臭くなくていい感じ。やはり獲れたてがいいって事か……俺の腹は今カワハギに占拠されている……」

 

「似たようなくだりをさっきもやりましたー!」

 

「しかし、俺の好きな料理……好きな料理ねぇ……」

 

「提督の食事風景を見ていていつも思っていたんですが、提督って基本的になんでも美味しいって言ってましたからねぇ……」

 

「確かに。提督は、食べられれば美味しいみたいな風に食事をしているようにも見えましたね。安心してください提督。ここに来たからには私や間宮さんに伊良湖ちゃん、ここに居ない食事の準備を手伝ってくれる艦娘があんなコンビニのお弁当には負けない美味しいご飯を毎日作ります。楽しみにしていてください」

 

「ありがとうございます」

 

「で、その為にも提督の好きな食べ物知りたいんですよねぇ……」

 

 

 むむむ……と唸る伊良湖ちゃんを見ながら食べる白米もなかなかいけるのではないだろうか。

なんて考えながら漬物を乗せた白米を口に入れた瞬間、俺の左肩に一人の艦娘が密着してきた。

女の子の甘い香りとアルコールの匂いを漂わせて現れたのは緑のあの子。

 

 

「鳳翔さんに間宮さん、伊良湖ちゃんお困りの様ね! 提督の好きな食べ物? そういうのは私に聞いてよね! ぜーんぶメモしてあるわ!」

 

「え、夕張さんは提督の好きな食べ物知ってるんですか?」

 

「もちのロンよ! そうね……試しに一品答えるとすれば提督はからあげが好きよ」

 

「からあげは好きだな」

 

「でしょでしょ? でもね。からあげと言っても普通のじゃだめよ。いい? 提督は普通のよりも固くて小さめのからあげが好きなの。顎が疲れるぐらいがベストね! あと、付け合わせにレタスを半玉分ぐらい用意しておくのも忘れちゃだめよ」

 

「ほほー……固くて小さめ……」

 

 ウインクをしながら人差し指を上に向けながらクルクルと回して得意げな表情の夕張。

いや、確かに固めのからあげは好きだ。そんなからあげを食べながらレタスをバカ食いするのも大好きだ。

しかしながらそんなからあげを艦これをやりつつ食べたかと言えばNOである。

あー……いや、でも縁日で買ってきたからあげを艦これやりつつ食べた可能性は否定できないな……あとはからあげくんかな。からあげくんの柔らかさを愚痴った可能性ぐらいか。

 

 

「後は何がありますか?」

 

「あとは……提督が居ないところで教えてあげる。提督もサプライズ的な感じで好きな食べ物が出てきた方が楽しいでしょ?」

 

「まあ、ここのメンツなら突飛なものが出てくる心配がないしそっちの方がわくわく感あっていいかもな」

 

「どうせ提督の好きな物しか出てこないから安心してちょうだい」

 

「なんかそれだけ聞いてると、俺がわがままなお坊ちゃまみたいで嫌だな……」

 

「ん~むしろ子供の好きな食べ物しか出さないダメなお母さんって感じじゃないですか?」

 

「でも、ほら。提督だって好きな食べ物の方がいっぱい食べますよね?」

 

「え、まあ、そうだな」

 

「やっぱり私たちも沢山食べてもらえる方が嬉しいですから。赤城や加賀みたいに沢山食べてくれるといいのですが」

 

 

 鳳翔さんのそんな一言から俺を太らせる計画を三人がきゃっきゃうふふと話し始める。

そういえば、陸奥が言ってたような……この三人は俺に料理を沢山食べてもらって愛を示したいタイプという事か。

美味しいごはん自体は大歓迎なんだけど伊良湖がよだれを垂らしながら「ふくよかな提督……良き……」って言って、そのつぶやきに頷く二人を見る限り太らせるのも目的なんだろうなぁって。

なるべく太りたくない。個人的にナスに割りばしを刺したような体型にだけはなりたくない所存。

ちなみに夕張は「あはは……」と笑ってるから俺を太らせたい欲はないらしい。

 

 でも、俺は思うんだ。そんな食ってばかりの生活をしていたら絶対に待ったをかける艦娘が居るはずだって。

現にさっきより俺に密着してきてる夕張は俺の耳元で「もし太りそうになったら一緒にトレーニングメニュー考えてあげるね」とか言ってきてるし、多分頼まなくてもさっきから俺の尻を撫でてる武蔵がトレーニングルームに連行するだろう。

あとは、長良とかよく運動しそうなイメージだし陽炎型はスパッツだから運動するだろうからしたくなくても運動するはめになりそう。

 

 

「なあ、相棒。無視はよくないだろ? 早くこの武蔵の膝の上に来てくれ」

 

「尻触りながら誘ってくる奴の膝の上なんかに行ったら何されるかわかったもんじゃねーのに行くと思ったのか?」

 

「そりゃ来るだろ? 何せこの武蔵と相棒はあのレイテを一緒に越えた仲なんだ。もはや一心同体と言っても過言ではないと私は思っているぞ?」

 

「武蔵にそんな風に思ってもらえているのはうれしいけど行かないんだよなぁ」

 

 

 気持ち的には軽巡、重巡、空母、戦艦の順番で回りたいと思っている所存。

が、時間が結構いい感じでさっきよりも部屋に居る人数が減ってきている。というか、ここで話している間にも何人かが背中越しに「提督、私たちは先に上がるわね。おやすみなさい」と出て行ってた。

流石に申し訳なかったから明日は一緒に食事しようと約束をしておいた。

うむ。というか我ながらこんなにも簡単に女性を食事に誘えるだなんておかしい。多分、これも明石案件に違いない。

 

 

「ふむ。他のテーブルに行くと言うんだな? この武蔵を置いて。他のテーブルにだ……」

 

「……どうした武蔵?」

 

「なら私にも考えがある!」

 

「へっ、おうっ!」

 

「あっ、ちょ、提督っ!」

 

「うん? なんだ夕張も一緒がいいのか? しょうがないなぁ」

 

「しょうがないなぁ。じゃねーよ!」

 

 

 あろうことかこの超ド級戦艦武蔵ちゃんは俺と夕張をまとめて担ぎ上げて自分が元々座っていた戦艦の席まで移動しようとしていた。

というか、俺を肩に担いで夕張を片手で抱える。そんな状態で全くブレのない体幹は流石だなと見当違いな感想も同時に抱いております。

俺なら五月雨ちゃん一人でも太ももが生まれたての小鹿状態になると思うわ……

つか、また肩に担がれるんだな……腹が膨れた俺を担いで吐くかどうかのチキンレースでも流行ってるのかしら……

 

 

「あ、武蔵! 提督をそんな風に持ったらダメでしょ!」

 

「む。大和ではないか」

 

「大和ではないか。じゃない! 提督を下ろしなさい! もう。すいません提督……この子ったら酔うと考える前に行動しちゃうみたいで……」

 

「しかしだな。大和」

 

「武蔵。話を聞いてあげますからまず提督と夕張さんを下ろして。ね?」

 

「むう。わかった。してだな大和。提督が私の膝の上に乗ってくれないというのだ。おかしいと思わないか?」

 

「……提督。この子は私が先に部屋に連れて帰ります。今晩食事をご一緒できないのは残念ですがまた後日一緒に食事してくれますか?」

 

「それは勿論。こちらからお願いしたいほどかな」

 

「ありがとうございます! それでは失礼しますね。ほら、武蔵。部屋へ戻りましょう?」

 

 

 まだ何か語り続けている武蔵の背中を押して大和が食堂から出ていく。

武蔵酔ってたのか……全然気が付かなかったんだけど? 全然アルコールの匂いがしなかったもん。

 

 

「武蔵さんってなんでかわからないけどお酒にものすんごく弱いのよね」

 

「あれ? でも、武蔵旗艦の時のバーカウンターって一日中酒が並んでなかったっけ?」

 

「まあ、きっとそれもこっちに来てからの変化なんじゃない?」

 

「あー……そういう変化もあるのか」

 

「うん。だから、多分だけど今回は周りにあったアルコール類の匂いだけで参っちゃったんじゃないかな」

 

 

 性格だけじゃなくて体質の変化みたいなものもあるらしい。あの武蔵が酒に弱いというのは少しかわいらしいなとも思う。

というか匂いだけで酔っぱらうって大丈夫なんだろうか。武蔵だって見目麗しい女性なんだし……

あ、いや。そうか艦娘は俺以外の人には鋼鉄みたいに硬くて触り心地皆無って話だっけか。

まあ、そんな鋼鉄ボディの方が興奮しますって変態が居ないとも限らないしなぁ。

 

 

「考えてもしゃーないか。後で武蔵に聞いてみるか」

 

「何が?」

 

「何でもないよ。さてと、次は軽巡の所に行こうかな」

 

「軽巡は……もう結構帰っちゃったね。残ってるのは天龍型と川内型ぐらいかな」

 

「さっき矢矧と能代が阿賀野と酒匂を背負って俺に挨拶して出ていったからな。球磨達は眠いって帰ったし長良達は明日も朝から走り込みですって言ってたな」

 

「あとは私と酔いつぶれてる大淀ぐらいだけど私も大淀連れて部屋に戻ろうかしら。万が一もあるし」

 

「万が一?」

 

「いいんです。提督はそこの所はスルーしてください」

 

「? わかった」

 

 

 移動する前に今一度厨房組にお礼を言ってから夕張の後に続いて軽巡が集まっている席へと移動する。

と言っても五人だけしか残っていないんだけどね。

ご飯も粗方食べ終わり湯飲み片手に一息ついてるそんな状態。これ、もうちょい遅かったら誰も居なくなってたんじゃ? 時間配分ガバガバですまない。

 

 

「お、やっと来たか。もうほとんど帰っちまったし食うもんもねーぞ」

 

「思ってたよりも色んなところで引き止められちまってな」

 

「そりゃそうだろ」

 

 

 まあ座れと天龍は自分の右隣の席をたたいた。

それに合わせて天龍の横に居た龍田が俺の持っていた湯飲みを取ってお茶を入れてくれた。

 

 

「熱いから気を付けてね~」

 

「さんきゅ」

 

「まあ、オレと龍田は昨日今日とずっと一緒だったしそれ飲んで一息ついたら次に行っちまっていいぞ」

 

「そうか? わる「悪いよ!? 提督は那珂ちゃん達もしっかり構うべきだと思うな☆」

 

 

 俺と天龍の間にグワッと入り込んで俺に向かって星を飛ばしまくる那珂ちゃん。

那珂ちゃんの笑顔がまぶしくて星が出ているような錯覚を覚えたとかそういうのじゃなくて物理的に那珂ちゃんの目元から数秒間だけだけどキラキラと星が飛んでいる。これも艦娘パワーなんだろうか。

 

 

「もう! 天龍ちゃん酷いよ! まだ那珂ちゃん達は提督とお話ししてないんだよ! ぷんぷん!」

 

「あ、わりぃ。素で忘れてた」

 

「んもう! てことで、はい! 天龍ちゃんは少し横にズレて! ありがと☆」

 

「姉さんはそこではありませんよ? 姉さんは机を挟んだ向こう側です。提督、横失礼します」

 

「うぇっ! なんでよ! いいもん! 提督の背中は貰った!」

 

「させません」

 

 

 俺は頭の後ろに目がないので一体何が起こったのかはわからないけど俺の背中に抱き着こうとしていた川内がそのままの姿勢で机を挟んだ向こう側に着地した。

うん。これ目があったとしても何が起こったのかわからなかった自信あるわ。

ちなみに投げ飛ばされた川内自身も何が起こったのかわからないご様子。俺に抱き着く予定だった腕をグワグワと動かしている。

 

 

「提督……今私どうなってた?」

 

「俺に聞くなよ。分かるわけねーだろ」

 

「こう、提督にグワシって感じで抱き着こうとしたら急に目の前がパッとなってこうなってたんだよね。摩訶不思議だよ……」

 

「はーい。川内ちゃんとのお話しはそこまで☆ 聞いた話だとお昼とかに結構話したんでしょ? じゃあ、もうだめでーす。那珂ちゃんと神通ちゃんは川内ちゃんが提督と仲良くお話ししている時にお仕事をしていたのです。だ・か・ら☆ ご褒美欲しいなーって☆」

 

「めっちゃ星飛ばすな……お仕事って何してたんだ?」

 

「はい。提督がこの鎮守府に着任するのに合わせて全世界に向けて艦娘の存在を公表するために本土にて記者会見をしてきました」

 

「う~ん。初耳なんだが?」

 

「そう言ってきたら渡した書類の最後のページを見てくださいって自衛隊の人が言ってたよ☆」

 

 

 はいはいはい。そういうパティーンね。

いやしかし、記者会見するならそう言ってくれればいいのに。大淀達もなんで黙ってたんだろうか。何か俺に不利益になる事……

やっぱ俺の名前が世間にしれたら実家に人が沢山押し寄せるんだろうか。それはすごく嫌なんだけど?

まあ、妖精さんが派遣されてるって話だし家族には被害が出ないと信じてるけど……

それから艦娘が公表されて困る事……この鎮守府にも報道関係者とか一般ピーポーがアポなしで突撃してくる可能性が一番うざいのかな? 

後は艦娘の力を軍事利用したくて集まってくる海外の方々かなぁ。

その対応って全部日本がやってくれるのかしら……どうせそういうの無視してここに直接乗り込んでくる奴ら居るんじゃねーの?

ゲ〇トでもあったじゃん? あんな感じで我々は招待状を持ってきただけだとか言ってさ……

えー……えぇー……えぇぇぇぇー……

 

 

「ちなみに記者会見ってどんな事話したんだ?」

 

「んーっとね……那珂ちゃん達は提督といちゃいちゃしたいから邪魔しないでね☆って」

 

「それだけ?」

 

「それだけ☆」

 

「ホントに?」

 

「那珂ちゃんが一番最初にそう言った後に記者の方たちが、艦娘の攻撃性や人との違いなどの質問をされましたが那珂ちゃんが全ての質問に「邪魔しないでね☆」で押し切ってしまいました……」

 

「あ、提督ってば那珂ちゃんの事信じてなかったなー! ぷんぷん☆」

 

「それ記者会見の意味なくない? 結局何もわからないままじゃ?」

 

「そんなことないよ提督。私たちが居るって事を公表したいから記者会見を開きたいって自衛隊の人たちに言われたから神通と那珂が実際にカメラの前に出た。公表すること自体は達成されたんだからそこで任務完了。受け答えに関しては何も依頼されてないからね。記者会見を見た人がどう感じるかなんて興味もないしね」

 

「その通り☆」

 

 

 そう言って星を飛ばした那珂ちゃんは俺に「ほらほら、提督。那珂ちゃんのコップ空っぽだぞ☆」と俺にお酌をしろと突き出してきた。というか今の那珂ちゃんのセリフ回しがしゅがしゅがすいーと感あってちょっと好きだった。

提督とは得てしてプロデューサーでもある。人類最後のマスターだったり空の特異点だったりもする。そういうもんである。きっと、たぶん、おそらく、めいびー。

 

 にしても、艦娘の存在バラしたのか……人間一人消して後は悠々人体実験でもするのかと思ってたけどそうでもないって事なんだろうか。

まあ、今時どこからデータがぶっこ抜きされるかわからないし衛星写真だって撮り放題な時代なわけだしね。

特に何もないはずの無人島に色々運び込んでなんかしてるぞって言われて困るよりかは自分からバラして楽になりたいって思考に至ったのかな。

 

 とりあえず、無い頭で考えても仕方がないから今この時は仕事を頑張った二人を甘やかそうかなーって。

ぐいぐい来る那珂ちゃんと川内の相手をしながら横でちょびちょびやってる神通に「ほれもっとちこーよれ」って遊びを仕掛けよう。そうしよう。

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