艦娘と提督   作:ためきち

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13話

 これに関しては予想通りと言うか知識通りの結果だなって感じ。

 

 あ、いや、嘘。神通に関しては予想通りって感じなんだけど那珂ちゃんは違う。ほーこう来たかって気分。

那珂ちゃんはもうちょいファンと交流するアイドルっぽく振舞ってくると思ってましたね。

おさわり厳禁。だけど握手はほどほど。トップアイドルとは全人類に愛を振りまく生き物なのです。提督だけ特別扱いはだめなの。よよよ……ぐらい言ってくると思ってたけどそんな事はなかった。

むしろもう積極的におさわりしてくる。

今は俺の左腕を腰に回させた上で俺にもたれ掛かり隙間が出来ないくらい密着しつつあのねこれねそれねとノンストップで俺に話しかけてくる。

那珂ちゃんめっちゃ柔らかいし良い匂い過ぎるんだけど……白露型の子達とは違った良さが俺の五感を支配していく……ぬうぉーん……

 

 で、そんな那珂ちゃんや長女たる川内と比べると押しが弱いのが神通。

川内にしろ那珂ちゃんにしろがっつり密着してガシガシと容赦の無い甘え上手なんだけど神通は完全に甘え方が下手。

ちらちらと那珂ちゃんにうらやましいオーラの籠った視線を送っては頬をぽっぽと染めて下を向くの繰り返し。

たまに意を決して俺の右手に手を伸ばそうとじりじりと近づいてくるんだけど後ちょいって所で手を引っ込めてしまう。

そんな感じの事をずっと繰り返してる。うん。まあ、わからんでもない。

俺だって艦娘の方から手を出してこなかったら絶対にこんな状態にはなってない。自分から行くのって怖いよね。

 

 そんな感じで心の中でわかるわかると頷いていると今まで俺のふくらはぎを撫でていた川内の足が膝を叩いた。

何用かと目で訴えると川内は右手でにやけた口元を隠しつつ左手で神通を指さした。

俺は一瞬だけ神通に視線を向けてから川内に向かって「わかる」と声に出さずに口を動かした。

川内はそれに「流石提督」と返してきた。

 

 

「ねえ。ちょっと川内ちゃん。今は、那珂ちゃんと神通ちゃんが提督といちゃいちゃする時間なんだけど? なんで私達二人を差し置いて提督といちゃいちゃしてるの? 那珂ちゃんぷんぷんなんだけど?」

 

「うわ。思ったよりガチトーンでお姉ちゃんびっくり。いやさー神通がなかなかに愛い奴なのよ。ねー提督」

 

「それな」

 

「え、な、なにがですか?」

 

「何がですか? だってさ。あんなに提督に触れたい。でも、触れて嫌がられたらどうしよう。みたいな百面相しながら手をもぞもぞと行ったり来たりさせてるんだもん。私の妹可愛すぎじゃない?」

 

「姉さん!」

 

 

 顔を赤らめた神通と川内が机を挟んできゃっきゃと争い始めたのをボケッと見ていると那珂ちゃんが俺の太ももを叩いて呼んできた。

ちょいちょいと耳を貸せと言ってきたので近づけると那珂ちゃんが耳元でぽそぽそとしゃべりだした。ものすごくくすぐったいですまるえろえろすぎます。背中にピリッと来た。

 

 

「提督にお願いがあるんだけどいい?」

 

「神通の事だろ?」

 

「そうそう。神通ちゃんってば見てて分かったと思うけどすんごく奥手なんだよね。そこが可愛い所でもあるんだけど☆ 神通ちゃんも提督といちゃいちゃ出来るってすっごい楽しみにしてたのに結局触れもしませんでしたじゃ可哀そうでしょ?」

 

「俺と触れ合えるのがそんなにいい事なのかはわからないけどなぁ」

 

「提督は何にもわかってないなぁ。提督は那珂ちゃん達の事が大好きでしょ? それと同じぐらい那珂ちゃん達も提督の事が大好きなの☆ 好きな人とはお話ししたいし触れたいし触れられたいものなのです☆ だから奥手な神通ちゃんの為を思って提督から神通ちゃんを誘って欲しいな☆」

 

「なんともまあ無茶なお願いを……」

 

「大丈夫大丈夫☆ 提督からのお誘いを断るような艦娘は神通ちゃんも含めてここには居ないって☆」

 

 

 星をビシバシと俺にぶつけながらお願いをしてくる那珂ちゃん。

てか、その星当たると痛いんだけど? これは最近久しく見ていない目から星を出してお菓子を買ってもらう五歳児と同じ技法……やるじゃないか那珂ちゃん。

那珂ちゃんからのお願いを遂行すべく神通の方へと向き直る。

大丈夫。ようはアレだろ? へい彼女! 一緒にお昼どう? ってノリだろ? 大丈夫。いける。

あのシーン二週目以降毎回泣いちゃうんだよなぁ。ううぅ……武部殿……。

 

 

「神通」

 

「え、あっはい。なんでしょうか提督」

 

「ほら、えーっと神通ももうちょっと近づいてもいいんだぞ? 俺は別に触られて減るようなもんでもないしな」

 

「はぁ……提督。だめだめだよ。それはだめだめ。神通ちゃんは押せ押せの提督に押されたい派だからもっとぐいぐい行かないと」

 

「な、那珂ちゃん!」

 

「なんだったら神通からも提督にお願いしてみたら? 押し強めでお願いしますって。提督の事だから私達からのお願いはたぶん断らないよ。ね?」

 

「えっ」

 

「……えっ」

 

 

 川内の提案に最初に反応したのが神通。その次に反応できたのが俺。

神通の期待が篭った「えっ」に対して困惑しまくりの「えっ」で返してしまった。

一瞬神通の体が期待で膨らんだように見えたが俺の反応を聞いてしゅんとしぼんでいってしまった。

性癖は十人十色。俺がとやかくいうつもりは全くこれっぽっちもないけど俺のオラオラ系とかそんなに需要ある? いや、まあ実際目の前にいるんだけどさ。

オラオラ系……やった事ないっていうかやる機会がなかったよね。あるとすれば、もしかしてオラオラですかーっ? って聞かれたらYESYESYESって答える時だけだったわ。女っ気のない男子学生の日常なんてそんなもん。はい。

 

 しかし、そんな泣き言も言っていられない。

なぜならば! 川内に脛を那珂ちゃんに横っ腹をつねられているからです。二人とも姉妹思いのいい子達ね。

わかりました。ならば男提督行かせていただきます。俺は、神通の腰辺りに手を持っていきぐいっと引き寄せた。

「んっ……」と艶っぽい声を出しながら俺が引っ張るのに合わせて神通が体を寄せてきた。

神通も那珂ちゃんに負けず劣らずいい匂いがするし体がめっちゃ柔らかい。いや、確かに柔らかいんだけどそれに加えて、この少し反発してくる筋肉の感じが他の子と少し違うのがまたいいというか……

 

 

「提督ってばやらしい顔してる。両手に花だもんね~。しょうがないかぁ」

 

「……」

 

「いや、今更キリッとしても無駄だからね。那珂が柔らかめで神通が低反発って感じでいいでしょ? 私もたまに抱き着いて抱き枕代わりにしてるから提督が今感じてる良さ……わかるよ」

 

 

 これなんて答えるのが正解?

普通に「これを定期的に感じられるとか最高じゃん」って答えるべきか「マジかよいいなぁ。俺にもたまに貸してくれよ」って答えるべきか……いや待て俺。どっちも言ってること変わらない気がするんだけど?

だってこれ。今のこの状況ってば最高以外の言葉が見つからないよ?

最初は恐る恐るって感じだった神通もすでに俺のうっすい胸板にコスリコスリとほっぺたを擦り付けてるのが可愛くて可愛くて……

なんて頬が緩みそうになると反対側の那珂ちゃんが「提督那珂ちゃんも居るんだからねー☆」って言いながらかまえかまえと俺の左手をふにふにと遊び始める。

うん。どうにかなってしまう。これはもう悟りを開く以外に何事もなくこの場を乗り切る手段がないのではないだろうか……ふぇぇ、那珂ちゃんがガチ恋距離でほほ笑んでくるよぉ……

 

 

「提督……その、大丈夫?」

 

「だいじょばない……」

 

「まあ、幸せ過ぎて死ぬって事はないしもうちょっとだけその状況を楽しめばいいんじゃない? それとも、物足りない? 私も提督に抱き着こうか? ほら、真ん中空いてるし対面座……」

 

「川内ちゃん?」

 

「ちぇ……」

 

 

 川内は残念がって唇を尖らせているけど仮にここに川内が追加とかになったら俺は脳が処理限界を訴えて意識の強制シャットダウンを行っていたと思う。たぶんおそらくきっとめいびー。

今の川内型サンドイッチですら許容範囲ギリギリオーバーなのにこれを超えるって……耐えられる人類はいない。断言できるね。

川内の言う通り幸せ過ぎて死ぬって事はないと思うしいつまでもこの状況が続けばいいのにって思う。

思うんだけどこの状況っていつまで続くの? って……誰かー助けてくれんかー……

 

 

「提督。少々よろしいでしょうか?」

 

「ん? あぁ、ごめん。そっち向けない。許してくれ狭霧」

 

「はい。大丈夫です。提督、そろそろ就寝の時間ですので執務室にいく準備をお願いします」

 

「……ん? そこもスケジュールに入ってるの?」

 

「はい。大淀さんが作成した提督の一日のスケジュールによれば23時に就寝とありますね」

 

「なるほど……」

 

 

 大淀の俺を管理したい欲は結構なものなんだなとね。改めて認識しましたよ。

けど、まあ、よくよく考えなくても大淀含めてこの子達は全員軍艦なわけだしね。軍にしろ自衛隊にしろ時間はキッチリカッチリなイメージだし就寝時間に起床時間が決まってても不思議じゃないか……

じゃあ、やっぱり大淀は普通だな。うん。普通。普通に美人な秘書子ちゃん。

 

 てか、一瞬なんで狭霧? とか思っちゃってごめん。

そうだよね。第一艦隊の旗艦は秘書艦だもんね。自分で設定しておいて何言ってんだこいつだよね。

 

 

「でも、そうなると回れなかった席の子達に申し訳が立たないな……」

 

「へーきへーき。どうせみんな提督が今回で回りきれると思ってなかったし。自分の所に来たらラッキーぐらいの気持ちで居たって。まあ、来なかったら来なかったでめちゃくちゃテンション下がると思うけど」

 

「……今日は俺の配分ミスによる落ち度だな。俺も回りきれると思ってなかったけどもう少し交流できると思ってたんだけどなぁ」

 

「それは無理だよ提督☆ だって、那珂ちゃん達も那珂ちゃん達でいかに提督を自分たちの席に留まらせるかってずっと考えてたもん☆」

 

 

 んーむ。そんな事言われたら顔が神通よりにやけそう。

しかし、そうか。そうなると俺はまんまと駆逐艦沼というか白露型沼にハマってしまったというオチか……

吹雪型の席から攫われて随分と長い時間椅子取りゲームさせられたわけだしな。あそこだけで1時間ちょいなわけだし……

でも、まだ時間あるはずだよな……? あ、そういう事か。就寝前に風呂とか入って時間かかるだろって考えで狭霧は迎えに来てくれたのか。

 

 

「でも、ほら、まだもう少し時間あるし他の席にちょろっと顔出すぐらい大丈夫じゃないか?」

 

「んー……いえ、提督の事は食堂に来てからずっと見ていましたがおそらく次に行こうとしているのは重巡の方々の所ですよね? その席へ行ったら絶対にお酒飲まされますし食事も摂るでしょう。今なら、もう少し食休みしてからお風呂に入ってもらい狭霧が敷いたお布団でぐっすり眠っていただくことが出来ます!」

 

「なるほどねー……」

 

「提督ってばまた私たちの事甘く見たでしょ? だめだよー。私たちは提督の事に関してはマジだからね」

 

「提督の健康管理も秘書艦の仕事ですから!」

 

「いいなー……ねっねっ今からでも秘書艦のお仕事那珂ちゃんと変わらない?」

 

「だ、ダメです! 秘書艦は提督から狭霧が任命されたんです。狭霧が責任を持って遂行します!」

 

 

 イベントで使うかもしれないって情報があったから旗艦に置いてるだけだよとは言えんよなぁ……

というか、ふんすふんすと気合を入れてる狭霧がめちゃくちゃ可愛い。可愛いよね? 可愛い。

しゃーなし……あんまり駄々をこねても狭霧を困らせるだけだし部屋に戻るか……と立ち上がろうとしたけど全く立ち上がらない。

理由はお分かりですね。そう、左右にくっついてる川内型の二番艦と三番艦。それに足を挟んで動かなくしている一番艦のせいでござい。

 

 

「提督ってばどうしたのかな? 早くしないと狭霧ちゃん困っちゃうよ?」

 

「そう言いながらさっきよりも力を込めて俺を立ち上がれないようにしてるのはどなたかな?」

 

「那珂ちゃんわかんなーい☆ 神通ちゃんじゃない?」

 

「……」

 

「ねぇ、これ神通起きてる? 思えば俺に抱き着いてから一回もしゃべってなくないか?」

 

「起きてるよ。起きてるけど、しゃべるって機能を捨ててまで提督に引っ付いてるんだと思う」

 

「えっ、そこまで?」

 

「そこまでだってさっきから言ってるじゃない。生提督に触りたい放題なんて今まで無かった経験なんだし堪能できるときに堪能しないと」

 

「そっかー……」

 

「残念だけどこの考えは那珂ちゃん達だけじゃないからね☆ どの席に行ってもこうなる事間違いなし☆」

 

 

 しかしもう狭霧が俺と時計をチラチラと見比べる段階に入ってる。きっと大淀が組んだ予定のギリギリのギリまで待っててくれたんだろうなぁ。

そう思って川内を見てみれば「流石にここまでかなぁ」といった風に肩をすくめて足を離してくれた。

次に那珂ちゃんの肩を優しく叩くと「……しょうがないなー☆」と離れてくれた。

最後に神通だけどこれは余裕でしょと那珂ちゃんの時と同じように肩を叩いて離れてくれと促した。が、一向に剥がれない。「おーい」と声をかけてみたが反応がない。

 

 というか、最初に執った体勢から多少変化が起こっていて、神通は俺の右腕を自分の右腕で挟み込み、その細くて綺麗な手でもって俺の手をもにもにと弄びながら左腕を俺の腰に回していた。もちろん、これらの行動をしつつ顔は俺のうっすい胸板に擦り付けている。

 

 

「完全にホールドされてるんだけど」

 

「たぶん神通は甘え方を知らなかったがゆえに0か100かしかなかったんだよ」

 

「これは川内がしっかり甘やかさなかったのが原因では?」

 

「えーだって、かわいい妹が提督にドロッドロに甘えてる姿が見たかったんだもん☆」

 

「川内まで星を飛ばすんじゃねぇよ。とりあえず、神通を剥がすの手伝ってくれ。那珂ちゃんもな」

 

 

 「はーい」と二人が返事をして神通を取り外しにかかる。

最初は全くの反応も見せなかった神通だったが、川内が「しょうがない」とつぶやいてから神通の耳元で何かを囁いた瞬間に神通の体がビクンと跳ね、恐る恐る俺の方へ顔を向けてくれた。

そして、目があった瞬間にズバッと離れて俺に向かって土下座をしてきた。

 

 

「も、もももも申し訳ありませんでした提督! な、なななんとお詫びしたらいいのか!」

 

「あー、まあ、気にすんな」

 

「し、しかし!」

 

「そうだよ神通。提督だって神通の柔肌に触れられて嬉しかっただろうね。うぃんうぃんってやつよ、うぃんうぃん」

 

 

 ウィンウィンウィンと手を動かす川内のそれはなんか違うと思う。究極生命体みたいになってんぞ。

けど、これで自由は得られたわけだしちゃっちゃか部屋に戻りますか。狭霧がそわそわしすぎて変な笑顔になってるしね。

俺が立ち上がると一緒に立ち上がった那珂ちゃんがピッピッと服の皺を伸ばして「よし☆」と肩を叩いてくれた。

それに「ありがとう」と答えてから「それじゃあ、おやすみ。また明日な」と川内達と天龍達に挨拶をし狭霧に続いて歩き出した。

 

 まあ、そうすると彼女が来るよね。うん。俺、後で行くからって言ったしね。来るよね。

ばばーん! と登場戦艦金剛。今度は彼女が俺の腕に抱き着いてきた。

 

 

「テイトク―! 戦艦の席に来てくれる約束デース!」

 

「いや、すまない。俺もホントは行くつもりだったんだけどな。さっき知ったんだけど就寝時間が決められてたらしくてもう上がらないとだめらしいんだ。だから、明日。明日は絶対に一緒に食べよう。明日の昼ご飯は戦艦組と食べる。どうだ?」

 

「うー……ディナーがいいデース……」

 

「わかった。晩御飯な。大和とも約束してたしそっちの方がいいか。狭霧、悪いんだけど忘れないように予定入れておいてもらってもいいかい?」

 

「あ、はい。わかりました」

 

「あと、夜は戦艦だし昼は阿賀野達と食べるか。そうなると重巡と空母はいつにするか……」

 

 

 嬉しい悲鳴と言えばいいのか、いや、待って。これ普通に大変じゃん。今、重巡と空母はいつにって口に出したけど、駆逐艦だって全員回ったわけじゃないし潜水艦やら海防艦やらまだまだ沢山艦娘はいるわけで……これ全員と交流するって普通に大変すぎる。

大雑把に1対200なわけだししょうがないっちゃしょうがないけど罪悪感がすんごい。

川内の言葉を真に受けてうぬぼれてもいいのならばきっと俺と交流できなくて悲しむ艦娘だって出てくるのでは?

……とりあえず、明日復活予定の大淀と秘書艦の狭霧とで予定組むか。まあ、まずは明石に色々と問い詰めてからだな。

 

 その後は金剛も割とすんなり俺の事を解放してくれた。

てっきり「部屋まで付いていきマース」とか言い出すかと思ったけどそんな事はなかった。

一応道すがら挨拶出来る艦娘に挨拶をして回りながら出口まで行き、最後に「それじゃあ、みんなおやすみ!」と大きな声で言ってから食堂から出て行った。

 

 戻った部屋は大きい方ではなく執務室の隣にある住み慣れた方。

おそらくここの暮らしになれないうちはこっちでという配慮なんじゃないかなと思う。

正直今の俺ではあの広さの部屋は完全に持て余すからこっちの部屋でよかった。

 

 

「あ、お風呂は既に焚いてありますのでもう入ってもらっても大丈夫です」

 

「あ、ホント? ありがとう」

 

 

 狭霧にそう言われたからこう返した。

俺のその返答を聞いた狭霧はニコニコしながら「いえ、秘書艦として当然です!」と答えて袖を捲った。

違う。違うよ。狭霧……そこは袖を捲るところじゃない……

昨日はこの一部屋しかなかったから五月雨ちゃん達が同じ部屋に居たのをなんとか許容出来たよ?

でも、今日は隣に執務室あるしね。頑なに俺の背中を流すと訴えてくる狭霧の背中を押して無理やり執務室の方へ追い出す。

ふぅ……今日もさっと入ってパパっと出るか……




川内と那珂ちゃんは☆が出せる。
神通は☆が出せない。
なぜならば、神通はウィンクが出来ないから。
ウィンクしようとして両目を閉じるのがウチの神通ちゃん。

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