「お、提督。おつかれさまでーす」
「おつかれ。遅くなって悪いな」
「いえいえ。提督はモテモテですからね。ここに来るまでに結構絡まれたんじゃないですか?」
「結構絡まれたな……」
阿賀野達とお昼ご飯を食べた後に阿賀野型に絡まれて陽炎型に絡まれた。
阿賀野達はよかった。お昼ご飯を一緒に食べたっていう事で割と早く解放してもらえたけど昨日からお預け状態みたいな陽炎型はもうヤバかった。
まず陽炎型は数が多いからね。第一波第二波を凌いでも第三第四とどんどこ突っ込んでくるからな。戦いは数だよ兄貴。
んで、何人か陽炎型の子を引きずりながら歩いて工廠までたどり着いたってわけよ。
「さてとー……じゃあ、提督。適当に座っちゃってください。今お茶でも入れますね」
「さんきゅ。流石にあの数を相手取るのは疲れたから飲み物は助かるわ……」
「諦めてくださいねー。これからもずっとそんな生活ですよ」
「それは……嬉しいような……なんというか……うーむ。俺の体は果たしてもってくれるだろうか……」
「あはは……そこは頑張ってくださいとしか。トレーニングルームにはちゃんと提督用トレーニング器具も用意してありますので試しにでも行ってみたらいいかもしれませんね~」
「まあ、そうなるよなぁ」
受け取ったお茶を飲みながら頷く。
皆勧めてくるしイベント終わったら行くとしよう。
目指せ肩メロンに腹筋6LDK。ボディビルの掛け声っていいよね。
一息ついてからお茶と一緒に渡された資料に目を通していく。
俺が事前に頼んでおいたものだから文句は言えないけど資料分厚いな……ハ〇ポタぐらいない?
とか考えながらペラペラと数枚めくってから資料をテーブルに置いてお茶を飲む。
「なあ、これ半分ぐらいここに居る艦娘の身体測定の結果だったりするのか?」
「そうですよ? だって、提督が「艦娘及び妖精さんに関するデータが欲しい」って言ってきたんじゃないですか」
「いや、言ったけどさ……」
「じゃあ、これで問題ないですね」
「わかった。これはこれでありとしよう。ただ、なんでこう……服着てる写真と全裸の写真並べた? 隠さないといけない所にぼかしを入れるの手間じゃなかった? ぼかすぐらいなら入れなきゃよかったじゃん」
「提督。これ、ぼかしてるわけじゃないんですよ。我々艦娘には乳首も無ければ女性器もありませんし、食べた物を排出する器官もありません。正直、首から下は柔らかいマネキンとそう変わりませんね。これは、全艦娘の身体測定をして全員に共通でした」
「あー……まじか……はー……」
「えぇ、なので提督には申し訳ないんですけど子供はもう少し我慢してもらう形になりますね。女性器があるとかないとか以前の問題で我々には子宮もないです。すいません……」
「そこは……まあ今すぐにって話じゃないしな。うん。急いでないから」
「でもですね。我々はこっちの世界に来たときは汗なんてかかなかったんですけど最近はちらほらとではありますけど汗かいてる子が居るんですよね。だから、徐々に徐々にこちらの世界に馴染んでいけばそのうち子作りだって出来る様になりますよ!」
「そうか。それはまあうん」
こちとら童貞をこじらせて何年だと思ってんだ。あんまりそういう話振ってこないでくれ……恥ずかしいんだから……
咳払いをしてその場をとりあえず濁し資料を再度確認する。
とは言っても艦娘のページには必ず艦娘の全裸の写真が載ってるという。知りもしない誰かの全裸なら特に気にしないけど顔も声も性格だって知ってる知り合いの全裸を凝視できるほど俺は図太くないのよ。
更には、明石も俺が誰のページを見るのか気になるのか隠す気もないぐらいにこっちを凝視してくるし……
しょうがない……いや、しょうがないじゃない。俺にはこれしかないという選択。
図鑑№83の子だけがこの場での正解だと信じるほかない。うぅ……俺だってこんな状態で嫁の裸を見るだなんて思ってもみなかったんだ……許してくれ……五月雨ちゃん。
そうやって選択した五月雨ちゃんのページを読んでいくと、最初の方は普通の身体測定の結果が書かれており身長体重視力血液型……いや、身長はいいんだけど体重おかしない?
単位がtなんだけど? この見た目で俺の2~30倍近い体重……まあ、元が船だしそういう事もあるって事だな。船だし。
……俺がおんぶした島風はどうなんだって話になるけど、その話は部屋の隅にでも投げ捨ててしまおう。
視力も見たことない数字になってる。いや、これどこまで見えてんだろ。まあ海戦なんて何キロも先の敵を撃つ戦いだし遠くが見えるのは当たり前か。そういう事にしとこ。
んで、血液型は? 不明? まあ、血が流れてるだけでもよしとしよう。うん
「まあ、人間の規格に艦娘を当てはめようとしたって突拍子もない数字になるって事ですね」
「そーみたいだな」
「血液型ですけど、私たち注射針が刺さらなくて採血が出来なかったんで不明ってしてます」
「それはやっぱり武器扱いだから装甲が抜けなかったとかそういう話になるのか?」
「それも一つの要因だと思います。あとは、二次元と三次元の相違とか保護機能で弾いたとかそういった可能性もあるかなーって。ちなみになんですけど私が採血しようとすると演習扱いになるのか、これまた刺さりませんでした。工作艦の私は攻撃力とかほぼ皆無ですからね」
「他の子が代わりに採血するとかはやってみたのか?」
「それが基本的にみんな採血を嫌がるんですよね。提督の所有物を勝手に傷つけるのはいかがなものかーって。最初に採血するときも提督の為だって言って何とか納得してもらったんですけど、いざ採血出来ないってなったら一斉に「じゃあ、やりませーん」って言ってきましたよ」
「君らは別に俺の所有物ってわけじゃないと思うんだけどなぁ……まあ、無理にやる必要もないだろ」
「わかりました。あと、私達は船なんです。船には所有者が居てくれないと困ります。いいんですか? 提督が所有権を主張しなかったら私達国の船になっちゃいますよ? ……って、そんな顔するぐらいなら最初から俺の船だって言っといてください」
「……すまなかった」
大事な家族を物みたいに扱うのが嫌だったから所有権云々を濁してたけど、国に持ってかれるとかそういう話になるのならば所有権主張していくとしよう。
なんかそっちの方が喜びそうな子居そうだしな……オラオラ系。筋肉付けてオラオラ系。んー……いいのかそれ。
まあ、そこもおいおい周りの意見を取り入れつつという方向で。高度な柔軟性を維持しつつ臨機応変というやつね。
んで、問題はこっからよ。
なんというか生物としてあるべきものがないのが艦娘。
昨日、あれだけバクバクと食べて飲んでしまくっていた物がどこに消えていったのか……私気になります。
食べても消化出来ないから吐き出してるとかないよね? 食事は娯楽。みたいな古代ローマ貴族みたいな事はしてないよね?
まあ、そんな事したら主計課が怒りそうだし何より戦時中の人々の暮らしを覚えてる子も多いだろうしあり得ないか。
「でー次は、提督も気になっているようですしお腹の事ですね」
「そうだな」
「写真見てもらえれば分かると思うんですけど、私達は取り込む器官はあっても出すための器官がないんですよね。で、食べた物がどこに行くかって話なんですけど、正直に申しますと艦娘はエネルギー変換率100%なんです。搾りカスが全くでないミラクルボディってやつですね」
「マジ?」
「マジですね。食事を摂ってそのエネルギーでもって生活。そこまでは普通の人と一緒なんですけど、余ったエネルギーなんかは全部燃料とか弾薬なんかに変換です。だから、艦娘は食べ過ぎで太るとかそういう事は起こりにくいです」
「起こりにくいです?」
「それが一部艦娘がだらけ切った生活をした結果、ちょっとばかし肉付きのいい体になったって報告を受けました。一応、乙女の秘密って事で誰がってのは伏せますね」
「そこは勿論。で、艦娘のダイエットも普通の人間と一緒なのか?」
「いえ……それがそこもちょっとズルが出来まして……無駄な贅肉もエネルギー変換してしまえば元通りの体型なんですよね……だから、報告を受けて嬉々としてデータを取りに行ったら既に標準体型に戻されてました。次はうまくやります」
「それ、うまくやるのは良いけど頼むからデータ取っても俺に報告しないでくれよ。俺、後で恨まれたくないからな」
「データ提供者に報告していいか聞いてから報告しますね。中にはそういうのも提督に把握していてもらいたいって子も居ますから」
「そっか……」
もうホント色んな子が居て楽しい職場ですね。
もしかして、これ……考えるのをやめよう。そう、あの宇宙船の中でハーレム作ってた兄貴も言ってたじゃないか。女は太陽。
太陽がなかったら男っていう花はしなびる……だったかな? 女性に笑顔で居てもらってこその男。
男はどかっと構えておけばいいって話よな。うん。そう。その通り。
「提督大丈夫ですか? 目、凄い事になってますけど?」
「大丈夫大丈夫。今、ちょっと自分の価値観の整理をしてるだけだから……」
「そうですか? じゃあ、次ですね。先ほども言いましたが私達も非常に残念だと思ってる部分です。艦娘には子宮がないです。よって子供が作れません。子宮がない理由と私達に生殖器がない理由。多分なんですけど、公式で艦娘はこういう存在ですって所が濁されてるのが原因なんじゃないかなって思うんですよね。私達、こうしてここに居ますけど元は絵ですからね。公式設定ないから反映されなかったってのは大いにあり得るんじゃないかって……」
「つまりは、公式で艦娘と人間の間でも子供が作れますって発表があればその部分が、あー……」
「ある日突然、私たちの体にそういった機能が作られる可能性もあります。あとは、やっぱり時間経過とかですね。こう、艦娘がまだ三次元の世界に溶け込み切れていないからその部分が無いっていう可能性です。すり合わせが済んでいけば、いつになるかはわかりませんけど人間みたいな生き物になると思います」
「何言ってんだよ。今でも十分人間だろ。まあ、その事に関しては焦る必要もないし追々にな。……しかし、一つ聞きたいんだけど子供が作れないって全員が把握してるんだよな?」
「あー……そのはずです」
「……俺、陸奥に誘われたんだけど?」
「あー……陸奥さんですね。陸奥さんは……あーなんというか、あの容姿と立ち居振る舞いなので勘違いするのも無理はないのですが長門さんの妹だけあって絶妙にかわいい事する艦なんです……」
「……えっ? 本当に? だって、陸奥だよ? あの陸奥が? あれで? うっそだろおい」
「ホントなんですってばー。私もびっくりしましたよ。ちなみにそれ聞いた時に真実を教えるべきかと悩みましたが、陸奥さんみたいな女性の無知シチュは提督も美味しいんじゃないかなって思って訂正はしませんでした」
「…………」
「そこは黙るんじゃなくて、よくやったぞ明石って言いながら頭を撫でる所ですよ」
明石の髪の毛は柔らかかった。
「あと、全員じゃないんですけど普通に「穴があろうがなかろうが愛は確かめ合えマース!」とか言ってたんで暴走したら止まらない艦も居るので気を付けておいてくださいね」
「その語尾出したら誰だかわかっちゃうでしょ……あと、頼むからそういう女性同士特有の生々しい表現は次からはオブラートに包むように」
分かったのか分かってないのか分かりにくい笑顔で返された。
多分、この子俺の困り顔見て楽しんでるのでは? おっさんの困り顔の何がいいのかわからないわ……
「あ、そういえばこれに関連してってわけじゃないんだけど聞きたいことがあるんだよね」
「もしかして、提督にとっても私達にとっても大切な提督の男性器が反応しないって話ですか?」
「……いや、まあ、その通りなんだけどはっきり言わんでくれ恥ずかしい」
「自分から聞いてきて恥ずかしがらないでくださいよ。で、それなんですけど、一昨日の夜に食べた飴玉みたいなやつ覚えてますか?」
このぐらいのやつですと指で丸を作りながら覚えているか聞いてくる。
そらまあ、妖精さんごと飲み込むところだったからね。もちろん覚えているさ。
超高性能睡眠薬って感じの話だったけど、明石のニヤニヤ顔を見る感じあの日大淀が説明してくれた以上のメリットデメリットがあったと考えるべきなのか……にしてもデメリットでかすぎない?
「覚えてるけど……あれ、睡眠薬だったんじゃないのか?」
「睡眠薬ってのは耳障りをよくしただけなんですよね。あれ、全身麻酔ってやつですよ。大淀に副作用の説明されませんでした? 私は言わなくてもいいよーって言ったんですけど、提督が大好きな大淀は提督に聞かれたらなんでも答えちゃうから教えてくれたんじゃないですか?」
「あー……確かに教えてくれたな。死ぬほど痛い思いをしても起きないみたいな事言われたと思う。……で、全身麻酔を俺にかけた意味は?」
「あの飴玉なんですけど、実は提督に全身麻酔がかかったと同時に起動するナノマシンが大量に入っていてですね」
「フォックス……」
「いえいえ、そんな機能はついてないですよ。純粋に提督の寿命を延ばすとかそういった役割を持ってます。ただ、その過程で提督の細胞をほぼナノマシンと入れ替える必要があってですね。もし仮に痛みとかそういう体調不良が起こった場合提督に申し訳がないので全身麻酔って手段に出たんです」
「ほー……なるほどね。なるほど。で、なんで寿命?」
「だって、提督は人間ですから多分私達より長生きなんてしてくれないじゃないですか。そんなの嫌なので寿命を延ばすって手段に出ました」
「んー……まあ、寿命が延びるのは悪い事じゃないし怒る事もないよ。ただ、どうやって寿命延ばしたんだ? ナノマシンって? というか、細胞入れ替えってそれは既に俺も人間卒業なのでは……」
「あー……………………話聞いても引きません?」
「話を聞いてみないことにはなんとも言えんなぁ」
ナノマシンって話自体はちょっとばかし中二心をくすぐるワードだし好意的よ。
さっきも言ったけど寿命が延びるってのも別に悪い話じゃないしね。ただ、老化は? 老化は起こるのだろうか。
伝説の傭兵が4の時に着てたようなマッスルスーツを着ないといけないような事にならないといいんだけど……
「生き物って死ぬまでの細胞分裂の回数が決まってます。大雑把に言って寿命ってやつです。で、その細胞分裂回数の上限から提督を解放するためにナノマシンへの入れ替えです」
「そのナノマシンには活動限界みたいなものはないのか?」
「そこに関係してくるのがナノマシンの原材料です。えー……今現在この鎮守府に在籍している艦娘の体の一部と私たちのキャラクターデータです。それをコネコネと妖精さんがこねくり回して作りました。はい」
「……まあ、薄々とだけどそんな気はしてた。今までもそれなりに重たい場面があったからな……でも、キャラクターデータの方は全然考えもつかなかったな。だって、あれは君たちにとっても大事な物だろ?」
「だからですね。大事な人と大事な物を一緒にしてしまえば愛でるのも守るのも楽ですから」
「一理……あるか? あるって事にしておくか。……で、なんでその素材から出来たナノマシンが俺の寿命を延ばすんだ?」
「それはですね。さっき艦娘はエネルギー変換効率100%って話したじゃないですか。あれのちょっとした応用ですね。提督にはナノマシンによる肉体改造でほぼ艦娘状態。食事さえとればナノマシンが体調を整えて老化を抑えて若々しい体を保ってくれるって話です」
「ほぼ艦娘状態……つまり俺は改造人間とか人造人間そういった状態なんだな? はっ、じゃあ俺にも艦娘の超パワーが?」
「ないです。ホントに提督に長生きしてもらいたいって理由だけなんで。あ、でもちょっとだけ防御力があがってますよ。具体例を挙げるなら……スーパーマンぐらいは硬いんじゃないですかね」
「そうか……って、いや、そんなに? すんごいかっちんこっちんじゃん」
変身ッ! も出来なければ気の吸収も出来ないのか……それは残念だな。
まあ、スーパーマンぐらい硬くなったのなら許すか。確か銃弾を眼球に喰らっても大丈夫なレベルだよね。すごい!
でだ。多分、引く要素としては体の一部とか気持ち悪いって思うか思わないかって話だよな。
まあ……知らない人だったら気持ち悪いって思うけど艦娘だしなぁ……みんな可愛いし。みんな綺麗だし。
別に食ったときに不快感とか無かったしそれは別にいいかなって思う。いや、まあ進んで食べるとかはしないけど……
「で、今までのそれこれに俺の下半身事情は関係あるのか?」
「あぁ、それは艦娘側の準備が出来るまで反応しない様にってナノマシンに設定してるからです。私達の準備が出来てないのに無駄打ちされても困りますから」
「無駄打ちって……」
「だってその時、私達以外をおかずにされるのも腹立たしいじゃないですか。提督だって私達が他の男の人でーって想像したらやじゃないですか?」
「確かに。万理あるな」
「まあ、提督の中にあるナノマシンが私達艦娘の誰か一人でも準備が出来たってのを感知すれば、もうビn「明石」はい」
年頃になったら慎みなさいと習わなかったのだろうか。習ってるわけないか。
……まあ、この鎮守府は男一人。女子高とそう変わらないと考えればああ言った事は当たり前。戒めていけ俺。
艦娘の見た目年齢で言えばあのぐらいの年頃の子が多いからな。僕はついてゆけるだろうか……若さという霊力が枯渇してるおじさんにはつらいかもしれない。頑張れナノマシン。若さを取り戻せ。
「でですね。提督をほぼ艦娘化したデメリット……デメリットと言えなくもない物も勿論あります」
「やっぱりか……で、どんな感じ? 太陽が無いと弱くなるとか?」
「提督は流石に変換率100%ってわけにはいかなかったので出るものは出ちゃうって話ですね」
「まあ、100%変換してもどこに使うんだよって話だしな。燃料と弾薬に変換しても使わないし」
「そうですね。あとは、提督の中にあるナノマシンなんですけど艦娘が近くに居ないと稼働率が下がります。老化……はしないと思いますけど体がだるくなったり力が入りにくかったりなんていう症状が出ちゃう可能性があるので必ず誰か艦娘を近くに置いてくださいね?」
「近くって言うと大体どのぐらいだ?」
「そうですね……言ってもそんなに近くってわけじゃないです。15mぐらいですかねー。壁とかそういうのは無視で直線距離です。まあ、提督のそばには常に秘書艦の子が居ると思うんで大丈夫だとは思ってます」
「だなー。常に誰かしらは居る感じする。多分視界に入ってる入ってない含めると結構居そうな気がするわ……まあ、この鎮守府に居る限り適当に過ごしててもそのデメリットは受けそうにないな」
「それからー……あ、もう一個ナノマシンを入れて変わることがありました」
「デメリット?」
「デメリットかどうかは今はなんとも言えないんです……すぐにじゃないですけど、提督にも妖精さんの声が聞こえる様になります。今ナノマシンの方でチューニングしてるはずなので、それこそある日突然妖精さんの声がきこえるッみたいな感じです」
「それはメリットしかないな」
これでようやく羅針盤の呪いから解放される……
妖精さんに頼んでランダムルートを100%ボスに固定とかしてもらうんだ……
勿論編成はちゃんとするよ? ただ、運営からの編成指定の時ね。ランダムでお仕置き部屋とかそういうのをなくしてもらいたい。ビバストレスフリー。
「ただし、妖精さんの声は聴く人によって変わるので提督が聞き取りやすい声で妖精さんがしゃべってくれるかどうかはわからないものとする」
「……なんだって?」
「こればっかりは妖精さんの気分次第なんで諦めてください」
「例えば? 例えばどんな話かがあるんだ?」
「えーっと、普通に話す、中二病、モールス信号、お告げ風、無駄に倒置法、江戸っ子などなど。バラエティー豊かですね」
「どうか普通に話すタイプになってもらいたい。中二病とかモールス信号とかちょっとわからない……」
「こっちからなんて言ってるか分かってるはずなので今からお願いしておくしかないですかね。たぶん、希望に近い話し方はしてくれるはずです。たぶんですけど……」
「頼むぞー……普通。普通が一番だからな!」
近くに居た妖精さんのほっぺをムニムニとしながら普通が一番と刷り込んでいく。
そんな行動にきゃっきゃと喜ぶ妖精さんを見てると、これはダメかもわからんねという感想しか出来ないんだけど。
そうやって妖精さんを弄びながら、明石に他に何かあるか聞いたけど「今はこのぐらいにしておきましょう。一気に言っても覚えきれませんし」という事なのでご飯だと呼びに来る予定の狭霧が来るまで明石の工廠を見て回った。
ホントはこの話までをプロローグとして2~3話で終わんべぐらいの気持ちで書き始めたんですよね。
えぇ、ホントなんでこんなに長くなったのか。