艦娘と提督   作:ためきち

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20話

 五月雨ちゃんと毎晩一緒に過ごすことに慣れ始めた今日この頃。いや、嘘。慣れんわ、これ。ホントに慣れるの?

あの日、五月雨ちゃんと一緒に寝てから何日か経ったけどダメだわ。

お風呂上りの五月雨ちゃんってさ。めちゃくちゃいい匂いがするんだよね。おかしいよね。同じシャンプーに同じボディーソープ使ってるはずなんですけど、けど……

おかげで全く寝付けないもんでっから妖精さんに頼んで「めのまえがまっくらになった!」の状態にしてもらって寝てる。寝てる? 寝てる。気絶じゃない。

 

 最初は隣り合った別々の布団で寝てるんだけど時間が経つにつれて五月雨ちゃんが徐々に俺の布団に移動してきて最終的には一緒の布団の中。

朝起きた時とか俺の布団の中から、こう、すんごいいい匂いが溢れ出してくるというか……やばいですね☆って感じ。 

 

 んで、あとあれよ。当然というか五月雨ちゃんが初めて俺と会ったあの日の夜から希望してた混浴も押しに押されて済ませてしまった。

明石がこの前教えてくれたようにマネキンの様なつるっつるなお肌でした。あるべき所にあるべき物がなかったけどあれはあれで、エロい。エロい……

決して。決して俺はロリコンじゃない。これは誓って言えます。はい。

 

 あと、湯船につかないようにと髪を結った五月雨ちゃんの後ろ姿最高。

この画が毎日見れるとか俺の前世はどれだけ徳の高い生き物だったんだろうか……多分世界救ってるわ。

ただ、髪が長いというか長すぎるから髪の毛を折って折って折るぐらいしないといけないのがはたから見て大変そうだなって思います。

 

 さて、夜はそんな感じ。

朝、俺には艦娘達の総員起こしが聞こえないから割とぐっすり眠ってたりするんだけど、五月雨ちゃんはそうじゃない。

しっかりと総員起こしで起きて俺を起こさないように布団から出て行って朝の支度を済ませてから布団に再び潜り込んで添い寝してくる。

んで、ある程度満足出来たら「朝ですよー起きてください、提督」って俺を起こしてくれる。

 

 今まではコンプティークの付録でついてきた艦娘目覚ましボイスで起きてたのが今ではリアル艦娘の目覚ましボイスでございやす。

翔鶴と瑞鶴には申し訳ないが万人向けボイスより俺専用ボイスのがいいんです。

 

 

「幸せしかない……こんなに幸せでいいのだろうか……」

 

「えーなになに? 提督ってばそんなに白露お姉ちゃんと朝ごはん食べれて幸せなの? いやー照れちゃうな―!」

 

「右のほっぺたにお弁当ついてるよ白露。それに今の提督の発言は僕の事だよ。何せ僕は幸運艦だし。しょうがないなー頭撫でてもいいよ提督」

 

 

 五月雨ちゃんが朝起きて朝食を食堂まで取りに行って戻ってくる時に大体誰かしらついてくる。

今日は白露と時雨だったらしい。昨日はゴーヤとろーちゃんだったな。

「提督はもう少し潜水艦を使った方がいいでち」「ろーちゃんもそう思いますって!」と怒られながら朝食をとるはめになったけどあれはあれで楽しかったわ。

 

 

「いや、まあ、確かに二人と朝ごはん食べれるのも実に幸運なことなんだけどね」

 

「提督、ごはんよそいましょうか?」

 

「んにゃ、朝はあんまり食べられないからこのぐらいで大丈夫。ありがとね」

 

「もっと食べた方がいいよ、提督! 沢山食べないと元気が出ないからね! それに沢山食べた方が作ってくれた間宮さん達も喜ぶし!」

 

「しょうがないなー頭撫でてもいいよ提督」

 

「それは分かってるんだけど今まで朝食べるって習慣がなかったから胃が受け入れないんだよ。こればっかりは少しづつ改善していくしかないかなって」

 

「あのゼリーのやつね。あれは食べるってか飲むだもんね。ま、これからは五月雨が横でごはんたっぷりよそってくれるから嫌でも沢山食べれるようになるから安心して! あ、それとも白露がよそったげよか?」

 

「しょうがないなー頭撫でてもいいよ提督」

 

「はい! 任せてください! 提督のごはん沢山よそいますね!」

 

「あーそれじゃあ、頼んだぞ五月雨ちゃん。ただ、手加減はしてな? 初日みたいに漫画の様なご飯を用意されても食いきれん」

 

「あれは……あはは。鳳翔さんと間宮さんにいけるいけると言われるがままによそっちゃって……」

 

「あの二人は……」

 

「しょうがないなー頭撫でてもいいよ提督」

 

「てか、時雨がひどい壊れ方したレコードみたいになってんだけど」

 

「この前のあれで色々吹っ切れたみたいでさ。とりあえず撫でてあげれば直るから」

 

 

 白露に促されて時雨の頭をヨスヨスと撫でてみた。

するとどうだろうか。先ほどまで壊れたレコードのように同じことしか発していなかった時雨が「oh yeah」と喜び、それから数秒後に「あれ、僕はなにを……あ、提督は撫でるのやめないで」と正気に戻ってくれた。

 

 その後、朝食の後片付けを三人に任せて俺はデイリー消化。

三人と入れ違いで入ってきた狭霧には「今日も秘書艦としての仕事は特にないよ」とソファーに無理やり座らせてテレビを観てもらっている。

仕事ないしわざわざ執務室まで来なくてもいいと伝えてあるんだけど「少しでも提督のおそばに居たいんです」と懇願されて今の形に納まっている。

いや、だって、狭霧のあんな泣きそうな顔でお願いされたら誰だって勝てないでしょ。現に俺は勝てませんでした。

 

 てか、これ秘書艦代えますってなった場合どうなるの? 

今も色んな海域行くときにちょいちょい旗艦の変更してるけど変わらず狭霧が秘書艦ですって執務室に来るし……

もしかして、俺が口頭で人事異動の指示をしないといけないとか?

それは、また、なんというか……中間管理職の人たちの心労がわかる気がしてきた……

 

 

「なあ、狭霧」

 

「はい? なんですか提督。お仕事ですか? 狭霧にお任せください!」

 

「あ、いや、ちょっち聞きたいことがあってね。基本的に艦これの秘書艦ってのは第一艦隊旗艦じゃん? でも、今までもちょいちょい代えてたのに変わらず狭霧が秘書艦として執務室に来てくれてたからゲームとこっちでどういった違いがあるのかなって」

 

「そのことですね! それはですね、編成記録ってありますよね。それの1番に登録されている編成の旗艦が秘書艦とするってみんなと話し合って決めたんです。第一艦隊の旗艦だと先ほど提督がおっしゃられたように出撃する海域ごとに旗艦が変わって大変ですからね」

 

「なるほど……」

 

「だから、私の練度がもう少し高くなってきたら色んな子達が次は私がーって言いに来ると思いますよ」

 

「でも、多分時期的にイベント海域で出た子を旗艦にしてレベリングとかしだすから当分はそう言った要望も聞いてやれないな……イベントで入ってくる子ってのはワンオフが多いから。秋月型とかすごいもん」

 

「ワンオフで言うのであれば海防艦の子達は? 提督一向に育ててあげないようですけど……」

 

「占守と国後は育ててるから……いや、まあ、確かにこないだ海防艦の子らに捕まって育てろ育てろ私達も戦えるんだぞと儀式のように俺を囲んでぐるぐると回られたんだけども……」

 

「そこまでされても育ててあげないんですか?」

 

「だって、海防艦の子達ってびっくりするぐらい小さいじゃん? それに中破ボイスの悲鳴とかちょっとおじさんの心臓に悪いんだよね。小さい子に戦闘させるとかおじさん無理」

 

 

 海防艦ってマジで小さいのよ。大きい子で小学校の中学年ぐらい。小さい子になれば幼稚園児かな? ってレベル。

択捉型とかホント……もうマジで出撃させられない。

あの時は囲まれて儀式みたいなことされた時はどうにかこうにか食堂に連れ込んでアイス食わせて事なきを得たけど多分そう何度も通用しないだろうなーと。

海防艦……出撃させるとしたら1-5だろうか。あそこ潜水艦しか出てこないし先制対潜出来る練度だったら危なげなく勝てるだろうから可能性としてはあそこだけだな。

 

 

「確かに……海防艦の子達は小さいですね……。でも、あの子達も提督の為に頑張れると思いますしそこは信じてあげてください」

 

「そこは大丈夫。俺が信じてない艦娘なんて一人も居ないからな。みんなやればできる子。頼りにしてるよ」

 

「はい! 狭霧も頑張りますね!」

 

 

 そんな心温まる狭霧のイベントスチルは執務室をノックする音で中断された。

確か今日は……あぁ、あれの申請が通った事についてかな。あいつ俺がこの鎮守府に来てすぐに申請してきたからな。楽しみにしてたんだろうて……

狭霧がドアを開けて入ってきた薄い桃色の髪色をした重巡二人組。

 

 

「司令官! 青葉来ました!」

 

「やっほー!」

 

「おう。いらっしゃい。適当に座っちゃってくれ」

 

「狭霧はお茶を用意しますね」

 

「あ、お茶請けは衣笠さんが食堂で貰ってきたから大丈夫だよ。なんかみんなで白玉こねてたからちょっと貰ってきちゃった」

 

「あ、じゃあ、器に移して黒蜜かけましょうか」

 

「いいね!」

 

 

 白玉……確かにこないだ「白玉とか食べたいな」って海防艦とアイス食べてる時にぼそっとこぼしたけどまさか聞かれてたのか……?

まあ、ありうるか。艦娘イヤーは地獄耳だもんな。

 

 

「で、青葉今日は何用できたんだ? って、もしかしなくてもあれの申請が通った件か?」

 

「はい! それですそれ! というか、もう今日の積み荷に入ってたので司令官にもお見せしようかと!」

 

「うん。もう見えてるよ、それ。よかったな。艦これの青葉の代名詞みたいなもんだしな。うん、近い……」

 

「いやー青葉すっごく嬉しいです! 向こうではカメラ持ってるセリフ言ってたのにいざこっちに来たらカメラ持ってなかったんですもん! いやーあの時はびっくりしました」

 

「俺もびっくりしたよ。青葉がいきなりギャン泣きでガメ゙ラ゙って言ってくるから亀がどうしたのかと」

 

「あれは忘れてください……カメラが艤装じゃなかったのがいけないんです……あ、そうそうカメラもそうですけどあっちの方も登録して既に何枚か写真の投稿が済んでるんで司令官も見てみてください!」

 

 

 そう言って青葉は艦娘用の携帯を取り出して俺に写真投稿サイトを見せてきた。

初投稿が寝ぼけた衣笠が食事をしている所ってのはツッコミどころなのだろうか……

 

 

「これ、衣笠の許可取ってんのか?」

 

「はい! しっかりと衣笠の意識がハッキリしてから許可取りましたよ?」

 

「ホントかー? 衣笠ー」

 

「はいはーい? どったの提督」

 

「これ、青葉から聞いてるのか?」

 

「どれー? あーこれ? 大丈夫だよ聞いてる聞いてる! まあ、化粧もしてなきゃ髪もボサボサだけどこれも衣笠さんって事で!」

 

「まあ、本人がいいならいいか。疑って悪かったな青葉」

 

「んもー! お詫びに司令官の写真1枚撮りますね! 司令官の写真は投稿するなって自衛隊の人達に言われてますから安心してください! というか、司令官の写真は鎮守府内だけで流通させます! はい、チーズ!」

 

「えー……いきなり……こう、せめてかっこよく写る努力とかさせてほしかったんだけど?」

 

「大丈夫ですよ! 自然体の司令官が一番だと青葉は思います! じゃあ、次は狭霧ちゃんですね!」

 

 

 今度は、はい、チーズすら言わなかった青葉が連射で狭霧を撮っていく。

まあ、エプロン姿で見返り美人構図の狭霧は絵になるからな。後で一枚貰おう。

てか、おい。今青葉なんてった? あんまり俺の写真を配るのはやめて欲しいんだが……

 

 しかし、まあ、この寝ぼけ衣笠の写真どんだけバズってんだよ……

わかる。わかるよ。二次元の女の子がリアルに現れたんだもん。世界的に注目の的だよな。

ニュース見てても那珂ちゃんと神通の記者会見と武蔵が戦車砲を無傷で耐える映像を無限ループさせてどうにかやりくりしてるって所に青葉が写真投稿を始めたわけだからな情報に飢えてる人たちがこぞって群がったって形なのかな。あとオタクとかパリピとかオタク。

 

 ほれ、かわいいかわいいってコメントに紛れて取材の申し込みとかよくわからんクソリプにマジでよくわからん宗教勧誘とか色々。

あ、ゲームより美人。確かに。ゲームでも美人定期。それな。ってコメントも好き。おーぷんを感じる。

つか、マジで多すぎて読み切れないし多言語過ぎてそもそも読めない……

お、二枚目の那珂ちゃんの写真可愛い。後で貰おう。鳳翔さんもいい。これも貰おう。

 

 

「てか、衣笠はこの寝ぼけ顔が世界中に拡散しても特に何も感じないのか?」

 

「え、んー……まあ、ちょっとは恥ずかしいけど所詮関係ない人達だしね。何言われても気にしないしこのぐらいの顔じゃ提督だって別に衣笠さんの事嫌いにならないでしょ?」

 

「まあ、これで嫌いになれって方が難しいかな」

 

「でしょ? だから、まあ別にいいかな。青葉も楽しそうだしね」

 

「そっか。衣笠がホントに気にしてないって事なら後でこれも一枚貰おうかな」

 

「……それはダメ。もし衣笠さんの写真が欲しいんだったらもっと可愛く決めた写真撮ってもらうからそっちにしない?」

 

「え、やだ」

 

「やだ!? シンプルに拒否された!?」

 

「そうですよ。司令官が欲しいと言えばなんでも差し出す。それが艦娘ですよー衣笠」

 

「えーなんかそれ違くない?」

 

「あーなんかそれ違くない?」

 

「えぇー……司令官の擁護したと思ったのに司令官に否定された……」

 

 

 ガーン! とショックを受けている青葉を見ながら食べる白玉は美味しい。

てか、白玉って茹でるんだね。俺そのまま食べるもんだと思ってたわ……茹でて氷水でしめてキッチンペーパーなんかで水けを取る。次は俺も手伝ってみるか。まあ、手伝わせてもらえたらな……

 

 

「青葉、これちゃんと釣れそう?」

 

「はい、なんの問題もなく釣れてるみたいです。明石さんが順調順調って言ってましたし」

 

「そっか。一応、自衛隊からの要請みたいなもんだし一通り仕事したら後は青葉の自由だな。いや、今も割と自由か」

 

「今はどんな情報でも欲しい時期ですからね。全く関係ない写真でも入れ食いです!」

 

「ホントは那珂ちゃんに動画配信とかしてもらう予定だったんだけど、本人から嫌だって言われちゃったからな。青葉頼んだぞ」

 

「青葉、司令官の為に頑張っちゃいますよ!」

 

「提督……釣れそうとか入れ食いってどういう事ですか?」

 

「今度、月末ぐらいに海外の外交官なんかが視察に来るって通達が来たじゃん? それ関連のお仕事だな」

 

「あぁ、あの良くわからない……」

 

「しゃーないさ。変態国家日本がついに二次元からキャラクターを取り出す技術を手に入れたって海外じゃ凄い事になってるって言ってたからな。どこの国も架空の超兵器を手に入れる手がかりみたいなのが欲しいらしい」

 

「提督。愛だよ、愛。一方的な愛じゃなくて双方向からの愛が無いと衣笠さん達みたいな事は無理だよ無理」

 

「今度来る人らにそれの説明をしてやってくれ。きっと喜ぶぞ」

 

「えーやだー。そういうのは自衛隊のお偉いさんにお任せしまーす」

 

 

 断固拒否と白玉を頬張る衣笠。

基本的に艦娘ってのは俺以外の人間となるべく話したくないらしい。

だから、こんな風に俺以外の人間と話してみたいな事を言うとあからさまな態度で不満を表してくる。

ゆえに俺がいなかった期間は長門なんかのまとめ役が骨を折ったらしい。

ちなみにその時、頑張ったからご褒美が欲しいと言ってから頭を撫でて欲しいと言ってきた長門はべらぼうにかわいかったです。

 

 

「でだ、釣りの件だな」

 

「はい」

 

「大前提としてどの国も君達が欲しいんだ。だから、最初はここに来る要人が君達を口説くはず」

 

「えぇ……」

 

「狭霧のそんな嫌そうな顔初めて見たんだけど。青葉?」

 

「シャッターを押すと思ったときには既に行動は終わっていました。大丈夫ですよ司令官」

 

「よろしい。後でちょーだい」

 

「もちのロンです!」

 

「あの……提督」

 

「あ、ごめんごめん。でだ、今の様子からでもわかるように艦娘ってそんな簡単に口説けるようなやわな存在じゃない。でも、欲しい。じゃあどうするか。一つは国同士のやりとりで相手の弱みをちらつかせて表面上は合意の上って形で連れていく。もう一つは誘拐、拉致、監禁のなんかの強硬手段あたりかなって」

 

「……無理じゃないですか? 最悪国に従う必要性ないですし、拉致とか誘拐なんてそもそもスペックが違いすぎますし」

 

「ま、艦娘を知ってる側からすれば絶対不可能だけど艦娘を知らない人たちにとったら不可能じゃないんだよ。だから、今も青葉が写真を投稿してるサイトに意味わからんぐらい用心に用心を重ねてアクセスしてきてるからね。今頃、この艦娘はこういった性格の可能性があるとかそういう話を真面目にしてるんじゃないか? まあ、怪しそうなのは明石が既に全部ぶち抜いて素性を丸裸にして情報を自衛隊に流してるらしいけど」

 

「ま、そもそも艦娘に喧嘩売る方が悪いよね。あ、提督白玉食べないなら頂戴?」

 

「食べるからダメ」

 

「まあ、こちらに攻め込む前に釘を刺している現状はまだ優しい判断って事ですかねー。乗り込んできたらどうなるかわかったもんじゃないですし。ほら、川内型とか張り切ってましたよ?」

 

「あぁ……あれね。川内が「何人までならいいの?」って聞いてきて、神通が「全部ではないのですか?」って答えて、那珂ちゃんが「提督の護衛は那珂ちゃんにお任せ☆」って星をぶつけてきた時の話な。一人もダメだからって言わなかったらどうなってたんだろうか」

 

「サメとかの餌ですかね。海の生き物って基本的に肉食ですし跡形もありませんよ」

 

 

 あの時の川内型はまるで世間話をしているかのように侵入者を全員殺す宣言してきてちょっと笑えなかった。

けど、その川内型よりもその後ろで指示待ちしてる駆逐艦達がおっかなかったのは内緒。

悪夢に鬼神は勿論の事、陽炎型も結構怖い顔出来るからね。改めてご機嫌取りはちゃんとしようと思ったわ。

 

 えぇ、まあ、目の前の狼も随分と気楽にサメの餌とか言ってるんだけどね……

衣笠も「サメって餌付けできるのかな」とかいう始末だし……

実は艦娘って残虐性が高いのかしら……違うよね? ただ、俺以外の人間に容赦がないだけでそういう趣味嗜好ってわけじゃないよね?

ちなみに狭霧は白玉を頬張ってもにゅもにゅと口を動かしてるだけでサメ云々に嫌悪感みたいな物を感じてるようには見えない。

いやーこれ、わっかんね☆ 

 

 

「想像したりするのはいいけど実行はすんなよ?」

 

「やるわけないじゃーん! 提督に褒めてもらえないのにやる価値はないよー」

 

「褒められるならやると?」

 

「うん。多分、ホントにいいの? って何度も聞きなおすと思うけど提督が褒めてくれるならやる」

 

「そうか。まあ、俺はそんな指示出さないし褒めないから絶対やるなよ? 振りじゃないからな?」

 

「分かってます分かってます。司令官は、ハッピーハッピー教ですからね。みんな仲良くみんな幸せラブ&ピース」

 

「ハッピーハッピー教だとなんかダメな気がするんだが……」

 

「え、よくないですか? ハッピーハッピー教。幸せになりそうです」

 

「ですよね? 青葉もそう思います」

 

 

 ねー? と同調する二人を見るに知らないのか。

ハッピー教でいいのにわざわざ言葉を重ねてハッピーハッピー言い始めたから知ってるもんだと思ったんだがな。

衣笠は知ってるぽくて「鎮守府青くする?」とか聞いてきた。

周りの妖精さんが服の下から青のペンキを取り出し始めたからそういう冗談はやめてもらいたいんだが?

青は嫌いじゃないけど一面青の景色は目に悪そう。あと、迷彩を施したのかって怒られそうなのもダメな理由。

 

 それからは、妖精さんに白玉を分けてあげつつ適当に駄弁りながら青葉が撮った写真鑑賞会を部屋に設置してあったプロジェクターでしました。

てか、仕事早すぎてジェバンニ。今朝カメラ貰ったんだよね?

 

 んーそれにしてもどれもこれもサイトにアップしたら話題になりそう。

税金の無駄遣いと言われるかセンシティブすぎると言われるか。

中には公式のネタを再現してる子達も居てちょっとファン的に感動してテンション上がりまくった。

テンションが振り切った俺は「次回作も楽しみにしてるよ」ってノリで白玉を食べさせてあげたら超喜びまくった青葉が「頑張ります!!!」とカメラを持って執務室を飛び出していったのはちょっと笑った。

でも、次の瞬間「あのネタやったの私です、白た……提督!!!!」って赤城が飛び込んできたのはちょっとタイミング良すぎてボブは訝しんだ。

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