艦娘と提督   作:ためきち

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3話

私は見ました。バッチリ見てしまいました。

五月雨ちゃんが提督の頬にキスするところをです。まあ、私だけじゃなくて龍田さんもがっつり見てましたけども。

龍田さんなんてキスを見た瞬間に顔を真っ赤な茹蛸状態にして、ついでに頭上にあるわっかも同じぐらい真っ赤に光らせて高速回転させている。少し可愛い。

あのわっかは龍田さんの心の状態をそのまま表すんだよ! と明石が前に教えてくれたのはいつの事だったかしら。

しかし、あっちの世界では回転こそしていてもゆっくりで動いているのかわからないぐらいだったし光ったりもしていなかった。

 

 向こうでの龍田さんはまさに艦隊これくしょんでの龍田の設定通りの性格をしていたがこちらの世界に来たとたんに今までは見せてこなかった様々な表情を表に出している。

それに今戻ってきて真っ赤な顔を両手で包み込み「ああぁぁぁぁぁ……」と悶絶している五月雨ちゃんもいくら姉妹艦の村雨ちゃんからアドバイスを貰ったからといってあんな大胆な事をする子ではなかったはず。

ちなみに一番大胆な事をしているんじゃないかって言うのが天龍さん。確かにキスというのはインパクトとしては大きい。しかし、この部屋に入ってから天龍さんはずっとクッションの上から動かずに大したアクションを取っていない。そしてこのクッションの上から動かないと言う点が味噌である。

 

 あのクッションは私もこの部屋に来たときに一番最初に抱きつきました。何せ布団の次ぐらいに提督の匂いが染み付いている品なのですからね。えぇ、この部屋に来たときにすぐ抱きしめました。もちろん、一緒に来た自衛隊の方は何事かと私の事を怪訝な顔で見てきましたが無視です。

あの瞬間は本当に幸せでした。こっちに来てから長い間我慢をしてきたこの体の全体に提督の匂いが行き渡っているかと思うと……げふんげふん。

そんな幸せが詰まったクッションの上で体を捩っている天龍さんはおそらく提督の匂いを楽しみつつ自分の匂いをクッションに擦り付けているのではないかと思われます。犬ですね。あの耳の艤装は実は犬の耳だったんでしょうか。

 

 そうするとあのクッションの匂いは提督と私と天龍さんのブレンドスメルという事になるのでしょうか。

少し残念ですね。提督と私だけがよかったのですが……少し黒い感情が芽生えそうです。

そんな感じで黒くなっていた私をよそに五月雨ちゃんをちらちらと見ていた龍田さんが意を決したように五月雨ちゃんに話しかけた。

 

 

「ねぇ~五月雨?」

 

「うぅ~……なんでしょうか龍田さん」

 

「そのねぇ~? て、提督のね? そ、そのねぇ~?」

 

 

 先ほどまでの龍田さんよりもさらに顔の赤みが増しわっかの回転数もぐんぐん上がっていっています。

甲高いモーターの音が先ほどよりも大きくなっていますし扇風機の強並みの風が私達の体を叩いてきます。

そんな龍田さんの様子から天龍さんは何か気が付いたらしくニヤニヤしながら口を開きました。

 

 

「どうしたんだよ龍田、お前らしくねぇ。提督のほっぺたはどうだった? って素直に聞きゃ良いじゃねーか」

 

「うぅ……」

 

 

 これである。こちらの世界では天龍型の怖い方とか言われているらしい龍田さんがこれである。

自分で五月雨ちゃんに聞こうとして結局恥ずかしさに負けて言葉に詰まっていた所に天龍さんから言おうとした事を言われて赤面してしまう龍田さんが先ほどまでの五月雨ちゃんと同じように真っ赤な顔を両手で隠している。こんな姿を晒していたらどっちも天龍型の可愛い方になっていまうではないですか。

 

 

「そ、そうですね。提督のほっぺたは時間も時間ですしお髭が少し伸びていてチクッとしました。けど、そこがまた愛らしいというか愛おしいというか」

 

「ふ、ふーん。そうなのねぇ~……」

 

「それに心が凄く満たされて幸せな気持ちで轟沈しそうです。私ここまで幸せな気持ちになった事は一度もありませんでした。やっぱり提督は凄いお方なんですね!」

 

 

 羨ましいなぁ。クッションで幸せいっぱいになっていた私や天龍さんより幸せですってオーラを五月雨ちゃんから溢れんばかりに放射されている気分です。

天龍さんもそれを感じ取ったのか先ほどよりも強めにクッションを抱き寄せました。

龍田さんのわっかはついにプスプスと音を立てて回転数を鈍らせ始めました。

 

 ふふふ。しかし、私にはまだ手があります。

部屋に最初に入り掃除洗濯をして晩御飯の準備を行いました。そう。晩御飯の準備です。

用意したのはしょうが焼きです。最初はカツレツを作ろうと思ったのですが足柄さんに「カツは私の魂よ! 先に提督に食べさせたら許さないんだから!」というありがたいお言葉を頂いたのでやめにしました。

しょうが焼きも男性には大人気だと鳳翔さんと間宮さんからアドバイスを頂いているので問題ないでしょう。アドバイスをもらう時にお二人特製のお漬物を渡されました。明日の朝ごはんはこのお漬物に合うものにしないとお二人に怒られてしまいます。

まあ、お二人のお漬物はとても美味しいので私としてもプラスしかない取引でした。Win-Winというやつですね。

 

 折角晩御飯を用意したんです。提督にあーんの一回二回ぐらいの役得があってもいいはずです。

手料理を食べてもらえてあーんまでするとなるとご褒美三昧のような気がしますが誤差です。

手料理は提督だけでなく他の3人にも振舞いますし目をつぶってもらいましょう。

少しドキドキしてきました。提督に美味しいと言って頂けるでしょうか……鳳翔さんと間宮さんからは及第点というお言葉を頂きました。

料理上手なあのお二人がこれなら提督に出しても大丈夫と言ってくれたんです。自信を持ちましょう。

提督がお風呂から上がったら台所へ行って最後の仕上げをして出来立ての料理を食べてもらいましょう。ちなみに提督が猫舌だという情報は既に入手済みです。重要ですね。

さて、そろそろ提督がお風呂から上がるようなので準備をしましょう。

 

 

「ねぇ。大淀?」

 

「なんでしょう?」

 

「さっきからずぅっと気になっていたのだけどぉ~貴女が連れてきた妖精さんはどこに行ったのかしらぁ?」

 

 

 急に天龍型の怖い方にならないで欲しいんですけど……

立ち上がって台所に向かおうとした私の背後に立って肩を掴み耳元に顔を寄せてきた龍田さんが今まで聞いたことがないような低い声で話しかけてきました。

そして、ここでの私の妖精さんと言えば艦隊司令部施設の3人になるはずです。勿論提督と一緒に入浴中です。さらに言えば入浴中の提督の様子を逐一報告してくれるかわいい3人組でもあります。

えぇ、勿論やましい気持ちはありません。提督がお風呂で溺れたりのぼせてしまったら大変ですからね。他意はありませんとも。

しかしながら、やはりと言うべきかのぼせていないかどうかは提督の体や様子をしっかりと確認する必要があります。ですから、不可抗力から色々な情報が入ってきてしまうのは致し方ないというものです。

 

 

「龍田さん。この件は帰ってからお話するという事でよろしいでしょうか?」

 

「……わかりました。絶対ですよぉ?」

 

「勿論。提督に誓いましょう」

 

 

 この場はこれですませてもらおう。正直練度で言えばこの中では私が一番低いですからね。ちょっとした事で負けてしまいます。

この場で一番練度が高いのはケッコンしている五月雨さんなのは勿論のこと。最初期からいる天龍さんと龍田さんはケッコンしていない状態では最高値。途中から戦場に出られるようになった私はそれよりも一歩後ろといったところです。

私たちの提督はなるべく平均的に育てていくタイプなので一度差が付くとなかなか追いつくのが難しいです。早く私も練度最高値になっていつでもケッコン出来るようになりたいです。提督? 私最大練度になりたいです。

そして、そんな密約を龍田さんと交わしている間に提督がお風呂から上がってしまい居間のドアを開けてしまいました。おしかったなぁ……

 

 

「お先。いつもよりも風呂場が綺麗になってたおかげで風呂にいつもよりも気持ちよく入れたよ。ありがとう。掃除したのは大淀? それとも妖精さん?」

 

「お風呂を掃除したのは妖精さんですね。私は指示を出しただけです」

 

「ほー、やっぱ妖精さんは凄いんだな」

 

 

 提督が妖精さん達の頭やほっぺたをよしよしと撫でていきます。……妖精さんに部屋の掃除を頼んで私がお風呂の掃除をすればよかったです。

部屋の掃除をして提督の好みを把握できたのはとてもよかったですがやはり即物的な報酬も欲しかったです。天龍さんも頭を撫でてもらっていましたし五月雨さんなんてキスもしていました。

龍田さんはどうだったかわかりませんが私は眼鏡を触られただけという……これはいわゆるレギュレーション違反というやつでは。

どうせ提督お迎え組だった龍田さんだって提督とのふれあいを楽しんだはずです。

私も提督とイチャイチャしたいんですけど。したいんですけど。これはもうあーんを必ずやってイチャイチャしないと溶けます。

明日には向こうに行くわけですからね。今日中にイチャイチャしないと私の番がいつになるかわかったもんじゃありませんし……

 

 

「提督。晩御飯にしますので座って待っていただけますか?」

 

「ん? 風呂入らないのか? あー。男が入った後だしお湯はりなおす時間があるから先に晩御飯って事?」

 

「もう。そんなわけないじゃないですかぁ~。むしろ、ごっほ。いえ~なんでもありません~」

 

「……私たちが入ってから晩御飯にすると流石に時間的に遅すぎますからね。私たちは晩御飯を食べてから入ります。それに明日の予定についても提督にお話ししないといけませんから」

 

「あーそういやその話もあったな。わかった。んじゃま、先に晩御飯にするかー。何か手伝う事あるかい?」

 

「いえ、もうすぐ出来るので提督は座って待っていてください」

 

「しかし、今どきは準備を女性に押し付けるとだな」

 

「いいんですよぉ~提督は私たちに世話を焼かれるために存在してるようなものなんですからぁ~。天龍ちゃん?」

 

「ん? あぁ、ほら提督ここ座ってろ。このクッション座りやすいしテレビも見やすいぞ。五月雨こいつの横で見張っとけ」

 

「わかりました!」

 

「いや待て天龍。俺がここに座るのはいい。お前と五月雨が横に座るのもまあいいとしよう。だが、もたれかかるな。額をこすり付けるな。角がいてぇんだよ! それのせいで手元がぶれて演習と遠征ができねぇから」

 

 

 やっぱり天龍さんは犬ですね。と、それはともかくギルティです。

おそらく画面の向こうでは血の涙を流す同胞達が沢山いることでしょう。そうです。実は向こうからこちらの様子はノートPCに備え付けてある内蔵カメラから見えているのです。それに提督はマイクを外付けでつけているので音声もあちらに丸聞こえです。巻雲ちゃんは別に冗談で画面の向こうから見ていますと言っていたわけじゃないということですね。

 

 提督がお風呂上りのパンツのみの状態で遠征確認したり、熱唱しながら演習を行ったり、余所見をしながら戦意回復作業に努めたり、出撃して初戦大破した子が出ると「どんまいどんまい。次がある。うちの子は強いんだ大丈夫大丈夫」とその子と自分に言い聞かせるように独り言を呟いているのも見て聞いています。

他にも提督が私達の装備を載せかえるときに「誰が持ってるんだぁ」とため息混じりに私達一人一人の装備を調べている時もそうです。いつも私が持ってますと装備を持っている子が声を上げますが提督には何も聞こえていないため悔しい思いをしていたものです。

しかし、こちら側に来れたのですから次からは私達から誰が持っているか教えることが出来ます。

少なくとも装備の件に関してはすぐに改善が出来そうです。

 

 と、これ以上のことは帰ってから皆さんと考えましょう。

今は提督の晩御飯の用意です。もし、ここでおいしくないなんてお言葉を頂いた日には私大淀は解体申請も覚悟の上です。

下ごしらえはバッチリ。後は焼くだけです。私はわさびを少しだけ入れるのが好きなので提督にもそのおいしさを楽しんでいただけたら幸いなのですが……向こうから見ていたときの提督の食生活を分析する限り好き嫌いはあまりない様なので大丈夫だとは思うのですがどうも不安になりますね。

もうすぐご飯も炊き上がりますし一緒に台所に来た龍田さんが作っていたお吸い物ももうすぐ出来上がるみたいです。

ちらりと提督たちの方を見てみると演習と遠征が一段落ついたらしい提督を真ん中に三人揃ってテレビのクイズ番組に見入っていました。

あんなに提督にくっつくだなんてうらやまけしからんというやつですね……提督の目の前に置いてあるノートPCからこちらの様子を見ている秘書艦の狭霧ちゃんがどんな顔をしているのか気になりますね。

 

 というか、このまま料理を持って行ったら確実に提督から離れた席に座ることになるのでは?

提督は当然上座です。その隣は五月雨ちゃん。そしてその正面に天龍さん龍田さんが座るはずです。

そうなってくるとテレビの前を陣取るわけにはいかないので台所側に座らないといけません。

遠い……提督が果てしなく遠い……こんなに遠くてはあーんなんて夢のまた夢……い、いちゃいちゃしたかった……もうかくなるうえは夜這いをかけるしかないのでは? 他の人がいるとかもう関係ないのでは? 

 

 

「大淀さんは提督の隣でいいですよ? 晩御飯作ってくれましたし明日の話も隣同士のほうがしやすいですよね?」

 

「五月雨ちゃん!ありがとうございます!」

 

 

 五月雨ちゃんマジ天使。こちらの人はとても使いやすい言葉を作るものです。

いやーホント五月雨ちゃんは天使ですね。私だったら絶対にこんな提案できません。あ、もしかして正妻の余裕というものを見せ付けられている状態なのでしょうか?

いえ、五月雨ちゃんは絶対にそんな黒い感情無しに私に席を譲ってくれたはずです。天使ですね。

 

 さて、五月雨ちゃんを心の中で拝みながら配膳してしまいましょう。

提督にはでんと座ってもらってというか立たせません。今まで私達を育ててくれた恩をやっと返せるようになったんですからね。どんどん甘やかしていきます。

 

 

「お茶ぐらい注ごうか?」

 

「ダメですよぉ~提督は何もしないでご飯が並ぶのを待っていてくださいねぇ~」

 

「ま、たまにはいいじゃねぇか提督。龍田みたいな可愛いやつに世話やかれるなんてそうそう無いことだぞ? おとなしくしとけって。な?」

 

「……確かにそうだな。お前達みたいな可愛い子に世話やかれるなんてメイド喫茶にでも行かないと一生無いと思ってたしな。今後あるか無いかだしありがたく世話をやかれるか」

 

「それでいいんだよそれで! オレ達のトップなんだからでーんと構えとけ提督!」

 

「そうですよ提督! でーんと構えといてください! って、あわわわわー!」

 

「あ、あっぶな! 五月雨大丈夫か?」

 

「はいー……提督が支えてくれなかったらペットボトルを机の上のお料理に落とすところでした……ありがとうございます!」

 

「ペットボトルを落とすどころか五月雨自身が料理にボディプレスしそうだったけどな。まあ、怪我が無いようでなによりだわ」

 

 

 一瞬天使が悪魔になりそうでしたが流石提督です。あの一瞬で動ける一般人というのはなかなかいないと思います。

日ごろから体型を崩したくないと軽くではありますが筋トレをしてきた成果というものでしょう。毎日画面の向こうから応援していたので間違いないと思います。

さて、配膳が完了しました。まず提督に食べていただきましょう。

さあ、いきますよ大淀。私は連合艦隊の旗艦も務めたんです。このくらい出来なくてどうしますか。いきますよ。いくんです。さあ、私動いて! あーんとしょうが焼きを提督に食べさせてあげるだけです! 早く動いて私の右腕!

 

 

「ん、大淀の作ったしょうが焼き美味いな。ん~わさびの香りが少しだけするな。こういうの初めてだけど好きだわ。うんうん。美味しい。白米とも凄く合う。いいなぁこれ」

 

「ん~美味しいですね! 私はお料理が出来ないので尊敬しちゃいます!」

 

「提督。こっちのお吸い物も美味いぞ。これは龍田が作った味だな」

 

 

 あぁ……私はここで死ぬんですね……あーんは出来なかったですがここまで提督に褒めていただいたんです。嬉しくて心臓が張り裂けてしまいそうです……手が震えて上手く箸が持てません。顔が……顔がにやけてどうにかなってしまいそうです。

 

 

「お、こっちのお吸い物も美味しい」

 

「あ、ありがとうございます……」

 

「だろ? 龍田は料理が上手いんだよ。オレの自慢の一つだな」

 

「いい妹だな。俺の妹も俺と一緒で料理なんて毛ほども出来なかったからなぁ。そういう妹は羨ましいわ」

 

「そうだろそうだろ? もっと褒めても良いんだぜ」

 

「もう! 天龍ちゃん!」

 

 

 私がトリップしてる間に私のしょうが焼きの話が終わってた件について提督と話し合いがしたいのですが?

もっと私のしょうが焼きも褒めてもらいたかったです。提督の腕に抱きついて頭撫でてもらいながら褒めてもらいたい……はぁ……

まあ、仕方が無いと諦めましょう。食べてもらえて少しでも褒めてもらった。今はこれで満足しておきましょう。

 

 

「なんてこった。しょうが焼きのタレを吸ったキャベツも白米に合ってめちゃくちゃ美味いじゃあないか! いや、まあ分かってたことではあったんだが予想より合う。いい感じのしんなり具合だ。大淀はいい奥さんになるな。……いや、すまない。こういうことはセクハラになるんだったっけか。忘れてくれ。美味いって部分だけ覚えててくれればいいからさ」

 

 

 これはもうケッコン秒読みなのでは?

セクハラ? どんとこいなのですが? 提督からのいい奥さんになるなという台詞にはきっと大淀とケッコンしたいという願望からうまれt……龍田さんから物凄く殺気が飛んできます。だから、急に怖い方の天龍型にならないでと……

それはそうと提督はもうすぐ食べ終わりそうですね。提督はあまりおかわりをする程食べるタイプでもなかったはずなので私も早く食べて明日の件の話をしなくてはいけません。

大丈夫。我々はなんだかんだ言っても人ではありません。多少の早食い程度なら健康に影響が出るといった事はありません。

というか、このぐらいの早食いでどうこうなっていたら戦艦や空母の方々はどうなってしまうのでしょうか……

 

 ご飯も食べ終わり食器も下げて人心地といったところで提督の方へ向きます。

というか、折角五月雨ちゃんに席を譲ってもらったのに食事中に明日の話をすることが出来ませんでした……その点は五月雨ちゃんごめんなさい。

 

 

「提督。それでは明日の話をしましょうか」

 

「そうだな。よろしく頼むよ」

 

「では、結論から申し上げます。提督は明日より海上自衛隊に入隊し艦娘専属提督という新たな役職に就いていただきます。今勤めている会社も辞めていただき、住む場所もこのアパートから明日の正午には我々艦娘が住んでいる無人島に建設された鎮守府に移っていただきます」

 

 

 提督の顔を見ずにここまで言い切りましたがどんな顔をしているのでしょうか。怒っていないといいのですが……




11/23 誤字修正しました。報告ありがとうございます。

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