職場ではパワハラ兄家には自称小悪魔な姉、しまいには世界が滅びてるってもう終わってるだろ 作:睡眠欲求
予想以上のブックマーク数に驚いています。気力があるうちは書き続けようと思いますー。
屋上で寝ていると、聞きなれた声が聞こえ目が覚める。
「私が契約している鬼“四鎌童子”です」
「鬼・・・」
「一応私も吸血鬼殲滅部隊の一員ですからねぇ」
シノアが昨日の吸血鬼騒ぎの功労者である少年と対峙していた。鬼呪装備を展開したまま・・・。やべぇ、全然状況を理解できない・・・。一般兵に鬼呪装備とか・・・。大人げないってレベルじゃないぞ。
「これが・・・吸血鬼を呪い殺せる・・・鬼呪装備、これがあれば吸血鬼を・・・」
「おい、シノア。そいつ寄越せよ」
シノアの話を聞かず百夜は刀を抜き、言う。
「面白い冗談ですね。他人が契約した鬼の武器は使えませんよ」
「なら、その武器の実力見せて見ろよ!」
「やれやれ」
シノアは大鎌で、百夜の一撃を受け止める。舞い散る金属音、咲き誇る火花。
百夜は一般装備でシノアと撃ち合い続けている。しかし数秒で均衡は崩れ、否、押され気味ではあったが、完全に打ち負けあっという間にフェンスた吹き飛ばされ叩きつけられる。
ここまでだな。しかしさすがはグレンの秘蔵っ子。一般装備だそこまで動けるのなら鬼呪装備を使えばいい線行くだろう。まあ、人間としてはだけど。
「そこまでにしろ。百夜 優一郎。あ、姉さん。これ以上は見過ごせない」
俺が姿を見せると、百夜は驚いた顔をした。シノアは分かっていたようで、二やニアやと笑みを浮かべた。
「あれ~、こんなところで一人ですか~。あ、もしかして友達がいないとか?お姉ちゃんは心配だよ~」
「余計なお世話だよ」
「どういうことだよ?」
自体が呑み込めない百夜はシノアに質問する。
「ああ、あのえらそーに立っているのは柊緋色。私の弟です。そして、昨日逃げ出した吸血鬼の内の一体を倒したのもヒーちゃんで、私と一緒に優さんの監視任務についていました」
「へえ、ってことはお前も鬼呪装備持ってるんだろ?俺と勝負しろやあああああ」
馬鹿の一つ覚えの様に突っ込んでくる百夜を最小限の動きで、躱して背中を蹴り飛ばす。再び反対側のフェンスに激突した百夜。
「は、はは・・・まじですげぇなそれ・・・それさえありゃ吸血鬼なんて敵じゃねぇんじゃねーか?」
「そうも簡単な話じゃないんですけどねー」
「あ?」
「戦場じゃ、吸血鬼も武装してます。昨日の丸腰の吸血鬼とはわけが違うんですよ。ましてや、昨日のは貴族でもない下級クラス。貴族相手じゃ鬼呪装備を持っていようが、死にます。・・・まあ、例外もいますけど・・・。普通も人は勝てません。ですが、チームで行けば勝てなくても生き残れます。だから優さんは」
そう言うと、行き成り屋上の扉が開き、昨日急遽軍に入隊することとなった早乙女が現れた。
「助けて・・・優君!」
「まーた いじめられてんのか?」
「それが・・・「待ってくださいよ与一さ〜ん」
背後から現れたのはこの前、早乙女を虐めていた少年達だったはずだ。
「与一さん、あのエリートが集まる吸血鬼殲滅部隊への配属が決まったらしいじゃないですか!」
「今までいじめていたことマジで謝りますから、俺を舎弟にしてください!お願いします!」
「そ、そんな・・・僕舎弟とかそんなのいらないし・・・」
少年1が早乙女に詰め寄ってると、百夜がいることに気付き、百夜の方を見る。
「あ!優一郎の兄貴!自分山中です!あなた方と与一さんに吸血鬼から救ってもらった山中智です!!」
「妙な尊敬の矛先を俺に向けるな!」
「やれやれ、随分お友達が増えましたね」
「で、お前ら一体何をたくらんでる?」
「そ、それが・・・実は今、俺らすげぇ困ってて・・・」
「はっ、困ったらいじめてた相手に平気で頭下げんのかよ?最近の不良は随分プライドはねぇんだな」
そう優一郎が吐き捨てるように言う。
「・・・いや、あんなことした俺がお前らに頼めるような義理じゃねぇのはわかってる。でも祐二が、俺たちの仲間が《開かずの扉》に行ったきり帰ってこなくて」
「《開かずの扉》?」
少年1は下を向き言った。
「はっは~ん、あなた達、軍管理下の立ち入り禁止区域に入ったんですね?」
「えっと・・・その・・・」
「度胸だめしで入ったのか・・・」
相変わらずバカばっかり・・・何で軍の禁止区域に入ろうとするのか・・・。目的もない癖に。
「あそこに入ったものは軍に捕まり、厳しい罰を受けます。・・・死刑の可能性もあります」
「そんなことが・・・吸血鬼殲滅部隊のエリートのあんた達なら助けることが」
「無理ですね。諦めてください」
シノアはバッサリと切り捨てて、視線を俺に向ける。
可愛そうだが、はっきり言って俺にはリスクを冒してまで助ける必要性はない。俺はそのまま、屋上を後にする。シノアも続いて屋上を後にする。その後を優と与一も続く。
「なぁ、《開かずの間》ってなんだよ?」
「何処の学校にもある七不思議の様なものですよ」
「そんな訳あるかよ。軍が管理してるんだろ?」
「ああ、そうだ。七不思議なんてちょっとした隠れ蓑。実際は違う」
俺は《開かずの間》の真実を話す。
「あそこは吸血鬼殲滅部隊の隊員を養成するための場所になってる。訓練を受けてない者が入ると鬼に取り憑かれる可能性がある」
「鬼・・・まさかそれって・・・」
「言ったでしょ。もう訓練は始まってるって。・・・そろそろ次のステップに進んでもいいでしょう。付いて来て下さい」
百夜と早乙女の二人を連れ、地下にある《開かずの間》へと向かう。
「ここは?」
百夜が地下へと続く階段を降りながら尋ねる。
「かつて台風とかで川の増水を防ぐために渋谷の地下に作られた巨大な水路だ。今は、吸血鬼殲滅部隊の訓練場になってる」
「ま、この学校自体が殲滅部隊の訓練場になってます。つまり、この学校自体壮大な人体実験場なのです」
「マジかよ」
「こんな狂った時代に、平和な学校があるとでも思ったか?」
そして、俺達は《開かずの間》の扉の前に着いた。
「ここから先は私たち殲滅部隊が呼んだ人材か、鬼に呼ばれた者しか入れません」
「じゃあ、あのお仲間さんは後者だな」
「そうですね。鬼に心を喰われてるかも」
「心を鬼に喰われたらどうなるの?」
「吸血鬼より質のわるい人喰い鬼に化します・・・ですから心の修練がいるんです」
百夜がその扉の前に立つ。そしてその扉を開ける
「要は、負けなければいいんだろ?俺には復讐のための力がいるんだよ。鬼だろうが悪魔だろうが力が入るなら何でもいい」
と言いながら・・・
その部屋の中には沢山の武器があった。そしてこの部屋の丁度真ん中には儀式陣があり、そこに武器を持った男子生徒が立っている
「遠目で見るだけで手は出さないで下さい。彼は殲滅部隊で・・・・・・」
そんなシノアの言葉を聞かず、百夜は自信に満ち溢れた表情でで笑う。
「あの斧まだ契約できてねぇんだろ?なら俺が頂く!」
そのまま走っていく百夜。
「ま、待ってください」
止めようとするシノアを俺は止めた。
「何で止めるんですか?」
「問題ないからだ」
百夜・・・もしその名が百夜孤児院と関係があるのなら、彼は終わりのセラフの因子を体に宿しているはず・・・。少し、様子を見る必要がある。
シノアは俺が普段よりも強く止めたのに驚いてか、あっさりと引き下がり黙った。
優が鬼の武器を奪う。
「おっしゃぁ、武器を奪ッ・・!?」
ドサッ
鈍い音を立てながら、百夜は武器を奪った瞬間に倒れた。そして、少しして優が目を覚ました。
「・・・嘘でしょうまさか自力で戻ったんですか?」
シノアは信じられなさそうに、目を見開く。
「ん?戻ったって何が?」
「「「・・・・・・」」」
「今、優さんは鬼に幻覚を見せられてたんです。でもそれを意思の力だけで破って調伏しちゃった・・・契約呪も無しに・・・」
「つまりどゆこと?この斧は俺のもんなの?」
「いえいえそう簡単にはいきません。鬼を使役するには手順がありますし、どの武器を与えるかもグレン中佐が決めます」
「・・・でも俺は鬼に勝った、そうだよな?」
「えーと」
視線を泳がせて、目を合わせようとしないシノア。端からから見ても困ってる、そんな姿がやっぱり可愛いなと思う。あ、俺はシスコンだけど、一般的なシスコン以上にシノアを思っている。シノアか世界かと言われれば、世界を亡ぼせるくらいには。
「グレンの馬鹿も無視できねぇ、そうだろ?」
「あー・・・そうですね。一応上には報告をしておきます。明日からでもここに・・・この吸血鬼殲滅部隊の訓練校に通うことになるでしょう」
その言葉を聞き優はよっしゃああ!と叫ぶ百夜。
「俺からも頼んでおこう」
シノアは、勝手に決めて私は怒られるかなぁ、という表情をしているのでフォローしておいた。
それにしても、やっぱり今回の件だけじゃ判断がつかないな。でも、フェリドバートリーはセラフの生き残りがいると断言していたし、この前盗み見た柊の資料にもセラフの実験があった。恐らく、兄さんもやっている人体実験・・・。あんまり、シノアに近づけたくないな~。シノアに危害が及ぶようなら、殺してしまうか。
この辺は、どうしても原作通りの展開にしないといけないから思うようにキャラが動かせない…