串刺し公は勘違いされる様です(是非もないよネ!) 【完結】   作:カリーシュ

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37話 四月二十八日(It’s cloudy today)

 

 

 

 

 

1.一周年記念

ゔらどさんちの今日のごはん(デザート編)

 

 

 

――SAO開始から一年半程度

 

 

 ――転移エフェクトが収まった先には、ステンドグラス煌めくファンタジーな煉瓦造りの建物が広がっていた。

 ここは第三十四層。 アインクラッドの中でもガラスと楽器に関するNPCショップや、アイテムをドロップするモンスターがポップすることで有名な階層。

 

 ……でも、その煌びやかさに反して、プレイヤーの数は少ない。

 SAOだと、ガラスはホームに飾るか細かな装飾品の材料くらいにしかならない物だし、楽器は高価で演奏には専用の補助スキルかリアル技術が要求されるから需要が無いのもある。迷宮区がホラー要素満載だったのもその理由の一つだと思う。

 

 でも、何よりも。 大半のSAOプレイヤーがこの街を避ける理由は――

 

 

 転移門を抜けて、歩く事数分。 くたびれ、日焼けして、穴だらけの演奏会のポスターが所狭しと貼り付けられた路地に入り、その奥へと進む。

 分かれ道もない細い通路を突き当たりまで進むと、枠にサファイアの装飾が施された革張りの――例えるなら、コンサートホール入り口にある防音扉の様な大きな両開きの扉が、姿を表す。

 

 

 

 ――『ドラキュラ』ヴラドが率いる、アインクラッドでも最高格のプレイヤーだけが所属出来る、攻略組の憧れにして、最も畏れられている集団『ドラクル騎士団』。 この街には、その本拠地がある。

 

 昔はホラー系マップで、最深部のボスを撃破する事でギルドホームとして格安で買い取ることが出来た幽霊屋敷という(設定)のある『呪われたコンサートホール』というのは、その後情報屋が調べて出てきた話らしい。 その名残なのか、ただでさえ近寄り難いのに、未だ耐えない怪談話が人を寄せ付けない事に拍車を掛けてる。

 ……怪談の真偽は単なる噂としても、初期のギルドホームは本当にお化け屋敷だったみたいだからなぁ。 今でこそ改装が進んで内側はただのお城みたいになってるけど、キリトの話だとアスナさんどころかピトさんですら本気で怖がって泣きだすレベルだったみたいだし。

 

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 

 重たい扉を押し開けて、出来た隙間に身体を滑り込ませる。

 明かりの灯されたギルドの玄関口は、これまた通路。 しかも左右の壁には横に長い楕円形の鏡がずらっと十数枚並べられている。

 そんな不気味な通路を慣れた足取りで歩いて抜けると、今度は横向きの廊下に突き当たる。 今までのと違って今度の廊下はカーブがあって、円状。 円の内側、外側は等間隔で扉があって、それぞれ同じようなデザインの別の場所に繋がってる迷路になってる。

 ……まあ、扉にそれぞれ思いっきり道案内の張り紙があるから、誰かがイタズラして貼り替えない限り迷わないけど。

 

 ホラーも雰囲気も無視した親切な道案内に従って扉を開けて進む。

 目指す先は、キッチン。

 同じ場所に戻ってるんじゃないかと錯覚するほど似た(除:張り紙)円形通路を五回通り過ぎて。 最後に『キッチン』と書かれた扉を押しあけると、内側からコトコトと何かを煮込むような音が聞こえる。

勢いよく扉を開けると――

 

 

「む、サチか。 もうそんな頃合か」

 

 

 ――白いエプロンを着て、長い髪を後ろで束ねたアインクラッド最強が、鍋で料理をしていた。

 ……もう見慣れた光景だけど、それでいいのだろうか、最強。

 

 アインクラッド新聞を発行してる情報屋ギルドが見たら、一通り発狂した後「あややややや! スクープですよスクープ!! 号外だぁぁ!」と、別途個人で新聞を出してるギルメンがその記事を書いて追加で一悶着を起こしそうな光景は一旦置いといて。 アイテムストレージに入れてきた調理道具一式を出して、エプロンをセット。

 その間にヴラドさんは鍋の中身(聞いてみたら、サルマーレというヴラドさんの地元でよく食べられるロールキャベツっぽい家庭料理、を再現したものとのこと)を人数分盛り付け、ダイニングに運ぶ。

 戻って来るまでの間、後付けで設置されたコンロとかの大型器具の片付けをする。

 

 数分経ってヴラドさんが戻って来る。 綺麗になってるキッチンをざっと見回して、それからストレージを操作。 調理棚に材料が所狭しと置かれて、

 

「では、やってみるがよい」

 

「はい。 今日もよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 ――ここは、誰もが怖がる怪物の巣窟。

その奥で今、少女の特訓が始まる――!

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 ……特訓とはいったものの、実際はひたすらに料理スキルを使い続けるだけ。

 アインクラッドだと、料理は大幅に簡略化されたシステムスキルの一つでしかない。 リアルでどれだけ腕の良い料理人だとしても、スキル値が低いと失敗する確率が高い。 つまり、美味しい料理を作るには経験あるのみ。

 でも、この世界の料理は、料理を始めることそのものが難しい。 ちゃんとした料理が出来る機材は高いし、設置も買取済みのホームにしか出来ない設定がされている。

 今までは殆ど外食か、ケイタに頼まれた時に安くて設置の条件が緩いキャンプキット程度ので調理してたけど、キリトを振り向かせるには足りない。 アスナさんなんて、KoBの高給に物を言わせて全部買ったらしいし。 リアルの話だし性別も逆な気がするけど、先輩も遠坂さんたちの胃をガッチリ掴んでたし。

 

 そんな事情もあって、私は練習する場所を求めた。 勿論最終的には自分の台所が欲しいけど、まだまだとてもコル(お金)が足りない。

 女の子の意地でキリトに頼るのは最後の手段にしたくて。 でも中層ギルドの一員でしかない私にキッチンのアテなんてと困っていたら、悪魔――

 ……というか、また何かやって三食麻婆豆腐、という名のエムさんすら拒否するナニカの刑に処されたピトさんが手を差し伸べてくれました。

 具体的には、追ってきたヴラドさんにピトさんを引き渡した時に相談したら、練習前後にキッチンの掃除をするならと、なんと場所だけじゃなくて材料も貸してくれることになりました!

 そこまで頼る訳にはいかないと断ったのですが、「なに、愉快な見世物が観れる予感がした故な。 それに、財とはその用途によって価値がつけられる物。 食物を只々貯め込んで如何する」と押し切られてしまい……

 

 結局、テツオたちに後押しされたのもあって、ここでお世話になる事にしました。 それ以来、大体週に一回くらいのペースで此処に来ています。

 

 

 

「――それにしても、最初は驚きました。 まさかあのヴラドさんが台所に立ってるなんて」

 

「む、それ程にか?」

 

「少なくとも攻略組にリークしたら、何人かひっくり返ると思いますよ?」

 

「ふむ。特に隠しているつもりは無いのだがな」

 

 幾つもの料理を作っていく傍で、優雅に足を組んで手軽な料理を袋に詰めていくアインクラッド最強。微妙に似合ってるのもあってシュール過ぎる。しかもあの袋、飾り包装こそないけど第一層教会で売ってる奴……え、小竜公ってヴラドさんのことだったの?

 思い切って聞いてみれば、あっさりと返ってくる肯定の答え。

 

「何やってるんですかヴラドさん……」

 

「ふは、意外と此れが馬鹿にならぬ収入になるのよな」

 

「はぁ。まあ、事実美味しいですからね」

 

 最近食べたカップケーキの味を思い出して、口の中が湿っぽくなる。

 

 ……ケーキといえば、義姉さんはどうしてるだろう。

 ふとケーキから連想して、SAOにログインする前の事を思い出す。

 甘い物、特にケーキが大好物な義姉さん。義姉さんったら、ケーキバイキングとかがあるお店に似合う服持ってなくて、なのにそういうのを全く気にしない人で。時々一緒に行く時に困った事もあったな。

 

 ……数年前の事なのに、随分と懐かしく感じる。SAOがデスゲームに変わってからの事を考えれば仕方ないんだろうけど、それでも時々寂しさが込み上げる。

 

「――そうだ。折角だからケーキも作ってみよう」

 

 段々と暗くなっていく気分を多少強引に入れ替える。スキル熟練度も半分を超えたし、ケーキのレシピはある。マウント深山にあったお店の味も覚えてるし、ある程度は再現出来ると思う。

 そうと決まれば早速実行。台所の本来の主(ヴラド)がかなりの甘党なのもあって、ここでは甘味系の素材には事欠かない。当然の様に調理棚の材料に混ざっていた果実や卵、バター、砂糖――に、近いものを手に取る。

 

「……ほう。また珍しいものを。

しかしケーキか……」

 

「? どうかしましたか?」

 

 私が何を作るつもりなのか、材料を見ただけで当てたヴラドさんが呟く。

 NPCレストランのメニューからして味覚プログラムを書いた人がしょっぱいもの好きなのか、全体的に甘い物は少ない。それにキリトは結構辛めの味が好きらしいし。でも奉山麻婆だけは絶対再現しないし出来ない。

 段々手慣れてきたのか多少ならよそ見しながらでも間違えずに出来るようになったウィンドウ操作でボウルの中の材料を混ぜながら受け答えをする。

 

「なに、余の知り合いにもケーキ、というより甘味全般を好む娘が居ってな。ジルと揃って作れ作れと強請られた事もあったものだ。

……暫く会っていないが、はて。今頃どうしているか」

 

 過去を懐かしんでいるのか、何処か遠い目で呟くアインクラッド最強。外見もあって完全に昔の思い出に浸っている老人にしか見えない。それと思わず流しそうになったけど、ヴラドさんってリアルでも料理出来るんですか。通りでエプロンが似合う訳で。

 混ぜ終わったボウルのトロッとした中身を型に流し込んで、オーブンへ入れてタイマーをセット。第一線で闘う人らしく調理時間短縮のエンチャントが盛られた高級品だからか、リアルに焼こうとしたら絶対生のままの『5:00(後五分)』という時間が表示される。その間に生地に乗せるクリームを作る為に別のボウルを棚から出そうとすると、横から「ハイコレ」と差し出される。

 

「あ、ありがとうございます。ピトさん」

 

「ありー?気配は完全に消してたんだけど?」

 

 わざわざ隠密スキルバフ付きフードを被っているピトフーイが出しておいてくれたボウルを受け取って、氷水と生クリームを入れる。背後での「お前、もう散々食ったにも飽き足らずまだ食べるつもりか」「甘い物は別腹なのよん」ていうやり取りは無視……出来ないな。ユナとアインちゃんまで涎を垂らしながらスタンバってる。これ足りるかな?

 

 ――この後完成したケーキは、残念ながらあんまり美味しくは出来なかった。けど。

 いつか義姉さん――舞弥さんが美味しいと言ってくれるものを作ってみよう。そんな目標が、生きる理由が増えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.真実、その一端《恐怖の影に潜むもの》

 

 

 

「……なあサチ。俺たち、遅れてない、よな……?」

 

「え、えっと…… うん。時間ぴったり」

 

 須郷の元から助け出されて早ニヶ月程。リハビリも終わり、SAO帰還者用に創られた学校での学生生活にも慣れた最近。あのALO事件にも関わった旧SAOメンバーだけとはいえ、忙しい何人かのスケジュールに都合が付き、かねてから企画していた『アインクラッド攻略記念パーティー』が行われることになった。

 提案したはいいものの、気が付いたらオレ抜きに進みまくっていた企画――まあ某ドラキュラの存在を始め、泣きついて来た菊岡さんに企画の一部を任せる事になったからある程度は仕方がないにしろ――流石にもう既にパーティーが始まっているのは予想外だ。

 『ダイシー・カフェ』の看板が無愛想に下げられた無愛想な扉。その扉の隙間からは既にBGM、それもあの鉄の城にあったNPC楽団が奏でていたアルゲードの街のテーマが漏れていた。見るからに防音性の高そうな木の扉なのに外まで聞こえてるとなると、ボリュームは押して知るべしだろう。

 まあきっと、やたらと騒がしい毒鳥が何かサプライズでも仕込んでいるのかと予想して、偶には大人しくサプライズされようと扉を開けた。

 『砲』としか形容しようがない超巨大特注クラッカーで物理的に吹っ飛ばしてくれやがった毒鳥は絶許である。

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

「ったく。まだイテェ……」

 

 アスファルトで転んだ所為で未だに痛む節々やらその他諸々でへろへろになったオレは、なんとかカオス極まってる宴から一歩引いた位置にあるカウンターに沈み込んだ。

 

「災難よな」

 

「そう思うなら止めてくれ。マジの危険物を危険人物に預けるなよ」

 

 隣のスツールに座っていた黒シャツ白髪の男の言葉に、思わず愚痴る。お前なら止められただろうに。

 

「ふむ。確かに余であれば止められたであろうが、それではつまらんであろう」

 

「おのれ愉悦部め」

 

「まあ、一応火薬の量は確認したから大丈夫だったろう?」

 

 僅かに喉を鳴らす男――ヴラド。本名ブライアン・スターコウジュ。

 更にその隣には、苦笑いでマグカップを持っている菊岡さんの姿も。

 ……うん、胃が痛そうだ。実際オレも微妙に緊張が抜けない。

 何せ、『ドラキュラ』の異名でコッソリ呼ばれている実年齢三十七歳のこの男の正体は、――

 

「しかし、よく来れたなお前」

 

「おっと、今はその話は止めよ。此処に居るは、嘗て戦場を共にした仲間よ」

 

 そう言って、まだ量が残っていたコップを呷るワラキア公。

 

「それに、今更無礼を指摘して如何する?お前らを犬の(エサ)にすれば良いのか?」

 

「やっぱこの話はやめよう、うん」

 

 愉悦の笑みを浮かべる極刑王。本気では無いだろうとはいえ、念の為にしっかり断って……

 その時、今のヴラドの台詞に、嫌な違和感があることに気が付いてしまう。同様の違和感を察知したエギルはオレに烏龍茶だけ寄越してそそくさと逃げ、気づけなかった菊岡さんはのほほんとコーヒーを飲んでいる。

 

「……な、なあヴラド?」

 

「如何したキリト。そんなに顔を青ざめさせて。まるで目の前でエレベーターがこじ開けられた様な表情だぞ」

 

 あ、これはオワタ。

 ヴラドを吸血鬼(ドラキュラ)と呼んではいけない事は、アインクラッドでは暗黙の了解となっていた。うっかり呼ぼうものなら、あらゆるモンスターを真正面から捻じ伏せる怪物の逆鱗に触れる事になると。

 悪意マシマシな勇者の犠牲の元、旦那等、ある作品を元にした呼び方ならバレないということでその手の異名が流行ったのだが……

 この反応は間違いない。確実にバレてる。まさか、わざわざ日本に来た理由って――

 

 思わず震え、手元に視線を落とす。いつ横から杭が飛んでくるかと怯えていると、隣から笑い声が発せられる。

 

「ゔ、ヴラド……?」

 

「ククク。全く、冗談を間に受けるでない。

そも余を茅場の手の者などと邪推している時点で不敬千万。それを見逃し、不問としたのだ。今更何を以て処すと言うのだ」

 

 うっわ、あることあること全部バレてる!?

 今明かされた衝撃の事実の内容に冷や汗が止まらないが、本人は愉快そうに笑っている。

 

 

「……キレない、のか?ヴラドからしてみれば、その、『ドラキュラ』って、祖先の忌名だろ?」

 

 気が付けば、疑問に思った事を口にしていた。多少オーバーな気がするが、今なら何故ヴラドが『ドラキュラ』呼びを禁句としていたのかは納得出来る。まず間違いなく殺気の一つは飛んで来ることを覚悟していたのだ。

 だと言うのに、現代の小竜公は穏やかな笑みを崩さない。再びコップを呷ると、少し間を開けて口を開いた。

 

「ふむ。そうさな。無知故の血を啜る化物(ドラキュラ)呼ばわりであれば、余はそれを如何なる手を以ってしても正そう」

 

 黒衣の男は一度そこで区切り、「だが」と続ける。

 

「同時に『ドラキュラ』――『竜の子(Drakulya)』は、我が祖が事実名乗った異名である。

領地を、民を、信仰を護るべく。有凡ゆる手を以って敵を討つべく名乗った異名こそが『小竜公』。キリスト教に於いて、悪魔と同一視される竜の子を名乗ったのである。

――なれば、余もそれに倣おう」

 

 コップの中身を一滴残らず飲み干し、ニヤリと挑発的に口角を吊り上げる。

 

「原典の内容すら満足に把握されていない小説の怪物よりも、立ち塞がるその総てを撃滅する戦闘狂が率いると思えば士気も上がろう。

……まあ多少なりとも不快ではあったがな」

 

 最後に付け加える様にそう呟いてから、恐る恐る戻ってきたスキンヘッドの店主にコップを返すヴラド。

 ……つまり、コイツは最初から全部分かってて、その上でキレたり見逃したりしてたって事か。

 

「……オレの寿命を返せ。どれだけビビったと思ってるんだ」

 

「ふははははは!経験が足らんのだよ少年」

 

 脱力してぐったりと突っ伏せば、隣から隠す気ゼロの笑いが聞こえる。

 他にもあれこれ聞きたい事はあったのだが、実は深読みのし過ぎで、本当は物凄い単純なことなんじゃないかという予想が出てくる。

 

「最後に一個だけ聞かせろ。ヴラドが三十四層のあのギルドホームに拘る理由ってなんだったんだ?」

 

「あぁ、魔女が奥に潜んでいたあの場か」

 

 ピトがヴラドを疑っていた、最大の根拠。

 方向音痴なヴラドが唯一一度も迷わず奥に辿り着き、わざわざ単騎で初見のボスに挑んでギリギリで勝ち。そしてそのままホームにし続けたダンジョン。

 今明かされるその真実は、

 

「……もう身分が知られている故言うが、実は余は私有地に、世界各国から集められるだけの英雄や伝承の遺物を集めた場所があってだな。

そういった物は殆どその国の財とされている故、持ち出せるのは大抵贋作とされている物や、呪いだのなんだのが染み付いているとされている物、或いは忌むべき代物として手放したがっている者から譲り受けた品でな。空気がそこと似ていたのだ。今度来るか?」

 

「誰が好き好んでリアルタ◯ーオブ◯ラーに行くか!」

 

 想像と全く逆ベクトルにブッ飛んだものだった。実はヴラドのリアルラックが低いのってそれが原因じゃないよな!?

 今度こそ力尽きたオレは、魂の叫び(ツッコミ)を最後にサチの方へ行くことにした。もうやだこのガチ貴族。

 

 

 

 

 

 

 

 ――それを狙ってやられたのだろう。

 何しろ、ヴラドの台詞にあった矛盾に。おそらくポロッと漏れてしまっただろう真実の切れ端に、気づけなかったのだから。

 

 

 

 

 

 










第2章 混合北欧領域アルヴヘイム



――状況終了――








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