骸骨の魔王と赫灼の焔王   作:エターナルフォースブリザード

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第十一話 束の間の平穏

 フォーマルハウトたちはヴェンデ村の遥か上空に立っていた。

 空中に足場があるわけではなく、<飛行(フライ)>の魔法による飛行だ。何もない空中で佇むように眼下の光景へと視線を向けている。

 結論から言えば村人たちはまだそこそこの数が生きていた。生き延びさせられていたというのが正しいだろうが。

 ビーストマンたちは村人に比べて数が少なく、三分の一ほどの数しかいなかった。それでも蹂躙出来るほど容易い相手だったために楽しくなったのか、殆どの者が村人たちをわざと逃がしては追い立てて、逃がしては追い立ててを繰り返していたようだ。

 その遊ばれていた村人たちの中にミリアの両親がいるのかは定かではないが、ひとまず村人が全滅などということになっておらず、フォーマルハウトは安堵に胸を撫で下ろした。

 助けに来たのに全員死んでましたでは流石に寝覚めが悪い。と言っても、すぐに助け出すつもりはないのだが。

 フォーマルハウトたちはヴェンデ村へと生み出したシモベを送り込んだ後、自分たちも村へ入るようなことはしなかった。

 まずは様子見として、死の騎士(デス・ナイト)炎精霊(フレイム・エレメンタル)を捨て駒にして相手の力を見る算段だ。

 死の騎士(デス・ナイト)は三十五レベル、炎精霊(フレイム・エレメンタル)は三十八レベルと大して強くはないが、それぞれが持つスキルの効果により相手の実力を測るのに丁度良い的となる。

 死の騎士(デス・ナイト)は敵の攻撃を完全に引き付けるスキルと、どんな攻撃を受けても一度だけHP一で耐えるというスキルを持っているため、相手の攻撃を受けさせるという意味では最適だ。

 一方で、炎精霊(フレイム・エレメンタル)は物理透過というスキルを持つ。中位以上の一部の精霊(エレメンタル)が持つスキルで、自分よりも二十レベル以上低い相手からのデータ量の低い――この世界では込められた魔力量の低い――武器による物理攻撃を完全無効化するスキルだ。もちろんフォーマルハウトも習得している。

 フォーマルハウトの場合は百レベルなので、八十レベル以下からの魔力を伴わない物理攻撃を完全無効化出来る。これだけ聞くとかなりのぶっ壊れスキルに聞こえるのだが、ユグドラシルにおいて、判定の基準となる一定以上のデータ量が組み込まれた武器での攻撃など珍しくも何ともない。

 プレイヤーが使う武器は言わずもがな、高レベルモンスターの攻撃は普通にこのスキルを無視してダメージを与えて来るものばかりだった。

 役立つ場面といえば遥か格下のモンスターを狩る時くらいの産廃スキルだ。

 ともあれ、このスキルにより敵のレベルが十八レベル以下なのかどうか、その攻撃には魔力が伴っているのかが判明する。さらに攻撃を受けたならば、炎精霊(フレイム・エレメンタル)が受けたダメージ量で相手の攻撃力をある程度把握することが出来る。

 もしも二体の召喚モンスターが一瞬で殺された場合、さらに少し強いモンスターを召喚して送り込み、ビーストマンたちの強さをより詳しく調べるつもりだ。

 だが、この計画は想定外の事態によって破棄することになった。

 

「何ということだ……」

 

 呟いたのはモモンガだ。風にローブをたなびかせながら、頭を抑える仕草を見せる。その顔は、泣いたような怒ったような表情が彫り込まれた南国風の仮面で覆われていた。

 嫉妬する者たちのマスク。

 クリスマスイブに特定の時間帯に一定時間以上ログインすると入手することが出来る何の効果も持たないイベントアイテムだ。このアイテムが実装された時はユグドラシル関連の掲示板が大いに盛り上がった。運営狂ったか、と。

 当然現実世界(リアル)で独り身であったフォーマルハウトも持っているのだが、装備してはいない。それは彼が人間の姿に擬態出来るためだ。

 ビーストマンの発言からアンデッドは通常使役されるものであって、一般的にそこら辺を人間と一緒に歩いているものではないと察した。ユグドラシルでは大して珍しい種族でもなかったのだが、この世界では――少なくともこの辺りではどうやら違うらしい。

 そのため、モモンガはアンデッドであることを隠すことにした。普段は開かれているローブの胸元もきっちりと閉められ、骨だけの腕や脚は篭手や脚甲で包み込まれている。一瞬見ただけではアンデッドであることなど分からない姿だ。

 既に骸骨の姿を見られてしまっているミリアは後で記憶操作の魔法を使い、初めから仮面を被っていたことにする予定だ。

 その状態で放たれた声は仮面に遮られて普段よりも聞き取り辛かったが、明らかな虚脱感が感じられた。

 理由は遥か下方で繰り広げられている光景にあった。

 

「弱すぎる……アルベド、セバス、お前たちの目から見て、あのビーストマンたちは何レベルに見える」

「ハッ、恐らくですが……レベルは二桁にようやく届く程度かと思われます」

「私も同意見です。ですが、私たちは野伏(レンジャー)などの探知スキルを有する職業を習得しておりませんので、正確な数値までは……」

「構わん。お前たちの勘を信じよう。しかし、そうか、十レベル前後か……何というか、弱い者いじめをしている気分になってくるな」

 

 だろうな、とフォーマルハウトは心の中で同意した。

 召喚したモンスターたちには与えた命令を変更し、逃げようとする者を殺し、向かってきた者は一撃受けてから殺さない程度に痛めつけろという新たな命令を与えてある。

 生かさず、殺さず。この際なので徹底的に実験に付き合ってもらおうというわけだ。

 そのためビーストマンたちの数はそれほど減っておらず、死んだのは最初に逃げ出そうとした数匹だけだ。数匹殺されて逃げれば殺されると学んだようで、数の有利は未だビーストマン側にある。

 しかし、必死に戦っているように見えるビーストマンたちの攻撃は死の騎士(デス・ナイト)の堅固な鎧には傷一つ付けられていない。モモンガが言うには、既に幾度か爪や拳で攻撃されているにも関わらず、未だ死の騎士(デス・ナイト)のHPは満タンからほんの僅かに減っている程度だ。

 炎精霊(フレイム・エレメンタル)への攻撃に至っては物理透過がしっかりと発動し、体を素通りしている。

 そして、どちらの反撃を受けてもただの一撃で行動不能になっていた。

 巨大なタワーシールドで殴り飛ばされて地面に叩き付けられ、手足を炎に炙られる。その光景はルーチンワークを眺めているような退屈さすら感じさせるものだ。

 死の騎士(デス・ナイト)炎精霊(フレイム・エレメンタル)程度に蹂躙され、しかも物理透過が効果を発揮しているということは、レベルが十八以下。

 警戒して様子見しているのが馬鹿らしくなるくらいの弱さだった。

 

「モモンガさん、もういいんじゃ? 正直同情するレベルです」

「……そうですね。ちょっと予想外に弱すぎてタイミング逃がしちゃいましたよ」

「ではモモンガ様、生き残りのビーストマン共は如何なさいますか?」

「そうだな……」

 

 アルベドの問い掛けに、モモンガは思考を巡らせる。

 現状で何が最もナザリックの利益になるのかを。

 このまま逃がす選択だけは無い。

 まず、こちらの情報が何処に漏れるか分からない。このビーストマンたちは言うなれば実行部隊であり、下っ端も下っ端で上にはナザリックを脅かすほどの強者が居る可能性が無いとも言い切れないのだから。

 では殺すか。それも少し勿体無いとモモンガは思った。

 この世界の情報を持ち、かつ消えても問題の無い集団だ。情報源としての利用価値が高いのだから、安易に殺すよりは情報を抜き出した方がいいだろう。

 

「……生き残っているビーストマン共は全て捕縛してナザリックへと運び、情報を絞り出す。この場は我々で制圧し、運搬は後詰の部隊に任せる。行くぞ、あれらは雑魚だが強者が潜んでいないとも限らん。決して油断するな」

「「はっ!」」

 

 アルベドとセバスは気合の籠った返事を返し、モモンガの左右を固めて守るようにしながら共に降下してゆく。

 

「俺たちも行くか」

「……あぁ」

「……どうした、何か不機嫌じゃないか?」

「別に不機嫌ではない」

 

 そう言いながらも、ヴェルフェニアはマントの下で腕を組み、ぷいと顔を逸らした。青と金の瞳だけが、じっと恨みがましそうにフォーマルハウトの方を向いている。

 あからさまに不機嫌なヴェルフェニアの視線を受けて、フォーマルハウトは記憶を探る。何か彼女を不機嫌にするようなことはあっただろうかと。

 悩みながらも言葉が出ない様子を見て、痺れを切らしたヴェルフェニアは苛立っている様子を隠さずに叫んだ。

 

「お姫様抱っこだ!」

「突然何を――」

 

 言い出すんだと続けそうになって、ミリアをお姫様抱っこで運んだことを思い出した。

 十分程度しか経っていないとはいえ、意識してやったことではないので完全に忘れていたのだ。

 

「お前……妬いてるのか?」

「……フォーマルハウト、お姫様抱っこなんて他人にしたことはあったか?」

 

 そんな経験はフォーマルハウトの記憶には無い。

 そもそも現実世界(リアル)では女の影も形も無かったのだから当然だ。男同士でやるはずもない。

 

「いや、無――」

「だろう? 私はな、フォーマルハウト。お前の一番でなくては嫌なんだ。駄目なんだ。たとえ相手が取るに足らない村娘であっても――いや、だからこそ嫌なんだ。二番目や三番目はいくらだって他人にやる。だが一番だけは誰かに譲るのは嫌だ」

「……」

「私は、お前の初めてが全部欲しいんだ。手を繋ぐのも、お姫様抱っこも、添い寝も、デートも、キスもその先も何もかもが」

 

 必死に訴えかけるように捲し立てられたフォーマルハウトは、顔が熱くなって体温が上昇するのを感じた。

 その顔は真っ赤に染まっている。

 フォーマルハウトは想像してしまった。真剣なヴェルフェニアには悪いと思ったが、聞き流せない言葉が出てきてそれを無視出来なかった。

 キスとその先。それをヴェルフェニアとすることを想像してしまった。

 腕を組んだり抱き着いたり。そういったヴェルフェニアの過剰なスキンシップには慣れた。時折マントの隙間から肌がちらりと見えるのも慣れてきている。しかし、そこまで直接的な方面にはまだ慣れていなかった。

 

「その……すまない」

 

 何と言えば良いのか分からず、消え入りそうな声で謝罪する。

 

「……っこだ」

「え?」

「お姫様だっこをしろ。あの小娘を上書きする」

「あ、あぁっ」

 

 軽い放心状態にあったフォーマルハウトは促されるままに慌ててヴェルフェニアを抱え上げる。ふわりとヴェルフェニアの体から良い香りが漂った。抱き着かれた時や腕を絡められた時に感じるものと同じものだ。

 ヴェルフェニアは不機嫌から一転、その表情は嬉しそうな微笑みへと変わった。ご満悦な表情を浮かべながらフォーマルハウトの胸板に頭を擦り付けている。

 

(うわぁっ、恥ずかしい! もう慣れたと思ったのに意識して普段と違うことすると凄いな! ……あぁ、でも何かこう、これだけ幸せそうな顔見せられると恥ずかしさとかどうでもいいな。もう少しフェニアに気を遣って行動するか)

 

 そう心に決めた後、そういえばとモモンガたちが降りていった方へ目を向けると、ヴェルフェニア越しに三つの視線がこちらに注がれていた。

 特にモモンガの仮面越しの視線は、彼が今抱いている心情を正しく表している。

 フォーマルハウトは優越感に満ちたまま、心の中で軽くモモンガへ向けて頭を下げる。抜け駆けしてリア充になってすまんなと。

 それが伝わったのかどうかは定かでは無かったが、モモンガから向けられる視線が強くなったように感じたのは気のせいではないだろう。

 

「……さ、そろそろ行こう」

「ではこのまま行くぞ」

「……マジで?」

「マジだ。何か問題があるか?」

「アッハイ」

 

 先ほどの負い目があったフォーマルハウトは気圧されるように頷いて、ヴェルフェニアを抱えたままモモンガたちと合流した。

 その後しばらくモモンガからの当たりが強くなったのは言うまでもない。

 アルベドがモモンガに同じことを強請ったのも言うまでもない。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 本当に些細な問題もあったが、村の救出は概ね上手くいった。

 ビーストマンたちは必死に戦っても傷一つ付けられない炎精霊(フレイム・エレメンタル)たちに心が折れかかっていたのか、その主であるフォーマルハウトたちが姿を現したと同時に絶望の表情で膝を折った。

 降伏勧告を出すまでもなく震える声で命乞いをし、地面にへたり込んで両手を挙げ、抵抗の意思が無いことを言葉だけでなく態度でも示してきたので、今は死の騎士(デス・ナイト)炎精霊(フレイム・エレメンタル)に見張りを任せて空き家に纏めて放り込んである。

 命は助けてやるので指示に従えと命令したが、そんなつもりは毛頭ない。

 後詰の部隊が到着後、村人たちに怪しまれないような手順を踏んでまとめてナザリックへと運び、拷問を含むあらゆる方法で情報を絞り出す。最後には肉食系のシモベたちがこの世界の生物を食べても問題ないかの実験、ユグドラシルとは違う挙動を示したアンデッド作成スキルに関する実験などに使う予定だ。

 生き残ったビーストマンたちは十体ほど。どれだけの情報が絞り取れるかは分からないが、現状ではこの世界の貴重な情報源だ。一体とて無駄に逃がすつもりはない。

 貴重な情報源という意味では村人たちもそうだが、こちらはビーストマンのように手荒に扱うつもりはない。

 助けた村人たちからは最初は恐怖を抱かれていた。自分たちを蹂躙していたビーストマンを蹂躙した存在の主であり、その目的も分からないともなれば当然だろう。

 そこでモモンガが機転を利かせ、報酬目当てで助けたということにした。

 するとようやく村人たちは安堵の表情を浮かべ、快く命の恩人としてフォーマルハウトたちを村へと迎え入れた。

 モモンガは今回の件の報酬と、ビーストマンの生き残りを確保するための話し合いをするべく、アルベドを護衛として伴って村長の家に行っている。

 正直なところ、報酬としての金銭は必要ない。こちらが求めているのは情報だ。

 恐らく村長は金銭で支払おうとするだろうが、これを上手く誘導して情報を貰えるように仕向けなければならない。

 その上で怪しまれないように話を誘導し、ビーストマンたちを確保する。

 そんな繊細なことはフォーマルハウトには出来ない。そのため、話し合いにはモモンガが一人で臨むことになった。

 ではフォーマルハウトはと言うと、初めに村外れの草原で待たせていたミリアにヴェルフェニアの記憶操作魔法を施し、村へ送り届けた。

 村に連れてきた時は幾人もの村人たちの無事な様子を見て安堵の笑みすら浮かべていたが、その中に自分の両親の姿が見えないことに気付き、浮かべられていた笑みは愕然とした表情へ変わる。

 生き残った村人によると、ミリアの父親はビーストマンに襲われていた妻を救うべく、農具を持ってビーストマンに立ち向かったそうだ。

 果敢に立ち向かったものの、ただの農民であった彼では妻を助けることなど叶うはずもなく、腕の一薙ぎで壁に叩き付けられ、その後はよく分からないという。恐らくはそのまま食い殺されたのだろう。

 両親の最期を聞いて、ミリアは泣き崩れた。

 目の前で泣き崩れる少女を見て、生きていれば助けると約束していたフォーマルハウトは居心地の悪さを感じ取る。約束は破っていなかったが掛ける言葉が見つからない。

 蘇生魔法の存在が脳裏を過ぎるが、村人全員が暗い顔を浮かべているということは一般的でないか、或いはこの世界には存在しないのかもしれないとすぐに思い至る。もしもそうであれば安易にそれを行うわけにはいかない。

 死を与える者と死から救い上げる者。どちらがより面倒毎に巻き込まれるかは想像に難くない。

 結局その場で出来ることなどなく、ミリアのことは村人に任せて立ち去った。

 そして今は、ヴェルフェニアを傍に置きながら村の復興作業の様子を眺めている。

 

(前にもあったな、こんなの……)

 

 ぼぅっと復興の様子を眺めながら、第九階層で働くメイドたちのことを思い出す。

 労働を嫌がったわけでもサボっているわけでもない。

 ただ周囲がそれを許さなかった。

 ミリアが悲しむ様子を見て、せめて復興作業の手伝いでもしようとしたのだが、まずセバスがそれを止める。

 

「フォーマルハウト様の御慈悲には感服致します。しかし、主君に働かせるのは執事の恥。私めが代わりに働きますのでどうか座してお待ち下さい」

 

 そのやり取りを聞いていた村人の一人が続けて口を開いた。

 

「命の恩人である皆様に働かせることなど出来ません。粗末ですが椅子を用意しますので、どうぞ座って寛いで下さい」

 

 その言葉に頷いて同意を示した村人たちの目は感謝と尊敬の念、そして命の恩人にこれ以上迷惑は掛けられないという彼らなりの意地が込められていて、フォーマルハウトは口を開くことも出来ずに用意された椅子に座らされた。

 虐殺に遭ったばかりの村の中でどう寛げと言うのかと叫びたくなる衝動を抑え込んで、せめてセバスにくらいは手伝わせて欲しいと村人たちに頼み、セバスだけは何とか手伝いとして送り込んだ。

 初めは村人たちも恩人の一人であるセバスにも遠慮していた。しかし、百レベルの戦士職であるセバスが馬鹿げた力で山のような瓦礫を苦も無く運んでいく様子を見て、そんな遠慮は無用だと気づいたらしく、今ではセバスの周りには人だかりが出来ている。

 それを断りもせずににこやかな顔を浮かべて対応するセバスの人柄もあってか、村人たちには順調に受け入れられているようだった。

 

(暇だな……)

 

 まだ作業が始まって三十分ほどしか経っていなかったが、何もしていない時の時間の進み方は酷く遅く感じるものだ。

 

「……近場の散策にでも行くか」

「うん? 構わないが……ふむ、軽いデートだな」

「デ、デート? いや、言えなくもないが……まぁ、行くか。適当に村の中を見て回ろう」

 

 フォーマルハウトが椅子から立ち上がると、ヴェルフェニアが慣れた動作で隣に立って腕を絡める。

 この世界に転移してから既に何度も繰り返された動作であり、絡まれる側のフォーマルハウトもヴェルフェニアがそうしやすいように、腕と体の間に自然と小さなスペースを作り出していた。

 

「フォーマルハウト様」

 

 歩き出そうとしたところで背後から声を掛けられる。

 そこには瓦礫の撤去をしていたはずのセバスが恭しく頭を下げながら立っていた。

 主の前に立つからか、それとも一流の執事としての嗜みか、その執事服には埃の一つもついていない。本当に重労働を熟していたのか怪しい程に綺麗なままだった。

 

「セバス、どうした?」

「はっ、フォーマルハウト様がお立ちになられるのが見えましたので……どちらへ?」

「ずっと座って眺めるだけっていうのもな。その辺の散策にでも行ってくるよ」

「畏まりました。それではお供させて頂きます」

 

 セバスはそう言って頭を下げたが、近くを散策する程度でお供など必要だろうかとフォーマルハウトは首を傾げた。

 はっきり言って護衛の必要は無い。

 モモンガは未だ警戒しているが、フォーマルハウトはその必要は薄いと感じていた。というより物事を深く考えないフォーマルハウトに警戒心を抱かせ続けるには、今回の敵――ビーストマンたちは余りにも弱すぎた。

 それに、フォーマルハウトは思い切り自然に触れてみたかった。

 遠隔視の鏡(ミラー・オブ・リモートビューイング)越しに見ていた光景が、今は目の前、手に届く距離にある。ならば手を伸ばし、草に触れ、土に触れ、風を肌で感じたい。大地に寝転がってみるのもいいだろう。

 

(ヴェルフェニアの膝枕で……? うん、いいな。してくれると嬉しいんだけど)

 

 だが、そんな素晴らしい体験も、恐らくセバスが居ては台無しになってしまうとフォーマルハウトは確信している。

 セバスを邪魔に思うわけでは無いが、今までの様子を見る限りでは土に触れようとすれば手が汚れると止めるだろうし、森の中を歩いてみたいと言えば通り道を自然を全く感じられないほど美しく剪定するだろう。大地に寝転がると言えば、多分ベッドが準備される。

 それではダメだ。意味がまるでない。

 ありのままの自然に触れられなければ意味がない。それを許してくれるのは、対等であれと創造されたヴェルフェニアだけだとフォーマルハウトは思っている。

 加えてこれはヴェルフェニアが言っていた通り軽いデートのようなもので、出来ることなら二人きりで楽しみたいという気持ちもあった。

 かと言って邪魔だとストレートに言えば絶対にセバスは傷付く。何とかしてセバスを傷付けずに遠ざける方法はないだろうかと考える。

 しかし、セバスに苦言を呈したのはフォーマルハウトでは無くヴェルフェニアだった。

 

「お前は村の復興の手伝いをしろとフォーマルハウトに命じられただろう」

「その通りで御座います。しかし――」

 

 ヴェルフェニアもまた、フォーマルハウトとのせっかくのデートを邪魔されたくなかったために、セバスの言葉を遮って口を開く。

 ナザリックではどこかに必ず誰かしらが存在する。だからヴェルフェニアにとっても、二人きりで第八階層以外の場所で過ごすというのは貴重な時間だった。

 

「セバス、これは軽いデートだ。だというのにお前はついてくるつもりか? 別に何をするわけでもないが、私とフォーマルハウトを二人きりにさせてくれてもいいだろう?」

「こ、これは……デートとは、そこまで気が回らず……フォーマルハウト様、差し出がましいことをしてしまいました、申し訳御座いません」

 

 深々と下げられたセバスの頭を見たフォーマルハウトの胸中に、友人の子供に極個人的な理由が原因で頭を下げさせているのだという罪悪感が生まれる。

 頭を下げなければならないのはむしろフォーマルハウトだ。

 いくら安全だと思っていても、戦いがあったばかりの場所で周辺警戒の配置すらしていないのに、暢気に嫁と二人きりで散策に出ようとしているのだから。

 もしもセバスの生みの親であるたっち・みーがここにいて、この光景を目にしたら。そんな恐ろしい光景を想起したフォーマルハウトは僅かに身を震わせる。

 

「い、いや、気にするな」

「ありがとうございます。しかし、至高の御方であらせられるフォーマルハウト様ならば問題は無いと信じておりますが、十分にご注意下さいますよう」

 

 セバスは再び深々と頭を下げてから、今度はヴェルフェニアへと体を向ける。

 

「ヴェルフェニア様、フォーマルハウト様の護衛、くれぐれもよろしくお願い致します。何かあればすぐに<伝言(メッセージ)>を」

「分かっている。どちらにせよ私たちが戦えばかなり派手なことになる、お前もすぐに気付くだろう。さぁ行こう、フォーマルハウト」

「あぁ。行って来るよ、セバス」

「はっ! いってらっしゃいませ、フォーマルハウト様」

 

 ヴェルフェニアに腕を引かれながら、頭を下げて見送るセバスに背を向けて歩き出す。

 少しばかりセバスには悪いと思ったが、それも一瞬のことだ。フォーマルハウトの意識は既に村の東側に広がる森林に向けられていた。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 ヴェンデ村の東、歩いてすぐに辿り着く距離には巨大な森林が広がっている。

 その深く薄暗い森の入り口辺りにフォーマルハウトは立っていた。

 

「おぉ……」

 

 フォーマルハウトは呆けた様な表情で感嘆の声を漏らす。

 目の前に広がる大自然の威容は、まだほんの入口と言っていい程度しかその本来の姿を見せてはいないものの、自然という言葉が死に絶えたような現実世界(リアル)で生きていたフォーマルハウトにとって、それは圧倒されるほどのものに感じられた。

 大きく息を吸い込めば、土と草の混ざり合った青臭い匂いが鼻腔を通り抜ける。初めて嗅ぐその匂いは、それがユグドラシルとは違う本物の自然であるということをフォーマルハウトに強烈に印象付けた。

 

「見ろ、フェニア! 土だ!」

「あぁ、土だな」

「草だ!」

「あぁ、草だな」

「木だ!」

「あぁ、木だな」

 

 興奮に我を忘れていたフォーマルハウトは感情が振り切れて沈静化されても尚はしゃぎ回っている。

 突然しゃがみ込んで土を弄り始めたと思えば何かを思い出したかのように立ち上がり、手近なところに生えていた雑草をむしって匂いを嗅ぐ。それが思っていたよりも強い匂いだったのか顔を顰めながらも、次の瞬間には馬鹿げた跳躍力で自分の何倍もの高さを誇る樹々の枝へと飛び乗って、辺りを見渡して瞳を輝かせている。

 まるで初めて家の外へ出た幼子のように、フォーマルハウトには何もかもが輝いて見えた。

 

「凄いな! いやっほーうっ!」

 

 降り積もった落ち葉を態々かき集めて木の葉のベッドを作り、そこにダイブする様はまさしく子供だ。

 すぐそこにヴェルフェニアがいるということすら意識から抜け落ちていたため、ヴェルフェニアからはしゃぐ子供を見るような微笑みを向けられていることにすらフォーマルハウトは気付けなかった。

 木の葉の山に寝転がったままのフォーマルハウトの横に、ヴェルフェニアが腰を下ろす。

 淑やかな少女がそうするように、正座から足を横に崩した横座りだ。

 

「随分はしゃいでいるな?」

「そうだなー。こういう森を見るのは初めてだからな」

「初めて?」

 

 ヴェルフェニアはこてんと可愛らしく首を傾げた。

 

「これよりも凄い森が第六階層にあるだろう」

「うーん……」

 

 そのヴェルフェニアの質問に答えるのは難しい。

 フォーマルハウトにとって、第六階層の森は言わば模造品だ。

 自然を愛した男、ブルー・プラネットを始めとするギルドメンバーが心血を注いで創り上げた至高の贋作。今目の前に広がる真作に劣るとは思わないが、やはりこちらの方が輝いて見えた。

 しかし、ヴェルフェニアにとっては違う。

 第六階層の森もここの森も、彼女にとってはどちらも森は森だ。同じ森ならば、至高の存在たちが心血を注いで創り出した第六階層の森のほうが圧倒的に価値で勝る。ゆえに彼女はフォーマルハウトの言葉の意味が理解出来ない。

 

「こう、何というか……第六階層はブルー・プラネットさんたちが創ったものだろう? でも、ここは違う。どっちも森は森なんだが……まぁ、気分の問題というか、口にするのは少し難しいな」

「ふむ……良く分からんが、お前が言うのならばそうなのだろう」

「ははは」

 

 上機嫌に笑い返しながら、落ち葉を何枚か握り締めてみる。

 くしゃりとした感触が手に心地良く、未だ村長の家で話し合いをしているだろうモモンガの姿を思い浮かべる。

 

(今度はモモンガさんも連れて来るか。その時は流石に護衛がいるだろうから、ここまで寛げないだろうけど……)

 

 護衛がつくならせめて不可視化や隠密能力に長けたシモベがいい。そして口が堅くて、柔軟な頭を持っている者がベストだ。

 

「フォーマルハウト、少しいいか?」

「んー?」

 

 一言断ったヴェルフェニアは、体を弛緩させたまま生返事を返すフォーマルハウトの頭を持ち上げ、その下に自らの膝を差し込んだ。

 髪越しの後頭部から柔らかな感触が伝わる。

 

「どうだ、膝枕と言うんだろう?」

 

 目の前には見慣れたヴェルフェニアの微笑みがあった。

 小さく細い繊手がフォーマルハウトの髪を撫でつける。 

 それはまさしく、先ほどフォーマルハウトが妄想した光景そのものであった。

 

「……控えめに言って、最高」

 

 自分の状況を認識したフォーマルハウトは呟き、僅かに残っていた体の力を完全に抜いてヴェルフェニアに身を預ける。

 目を空へ向ければ吸い込まれるような青空が広がっていた。さぁっと通り抜けたそよ風が体を撫で、はしゃぎ回って火照った体をゆっくりと冷ましてゆく。

 

「しかし……緊急で仕方なかったとはいえ、外に出すなら着替えさせるべきだったか」

「ん? 何故だ?」

「何故ってお前……恥ずかしかったりしないのか? あと、お前が変な目で見られるのは少し嫌だ」

「……そうか、嫌か。ふふふ、そうか、そうか。他の男に変な目で見られるのが嫌か。ふふ、はははは」

 

 フォーマルハウトの独占欲から出たとも言える言葉が嬉しかったのか、その喜びを表現するかのようにヴェルフェニアの笑みが深まる。

 

「あぁ、別に恥ずかしくはないぞ。お前がそうあれと定めて私を生み出したのだからな。それに、どうしようもないと言うのはお前も知っているだろう?」

「……今度何とかする方法を考えよう」

「そうしたいのならばそうしてくれ、旦那様」

 

 愉快そうにヴェルフェニアは笑った。

 二人きりで微笑み、時折言葉を交わしながら穏やかな時間を過ごす。

 どれだけの時間そうしていたのだろうか。

 理想の少女に膝枕をされて頭を撫でられながら談笑し、空を眺めながら何をするでもなく時間を浪費する。なんと贅沢な時間の使い方か。

 やがて会話も尽き、沈黙が訪れる。しかし、それは両者にとって忌避すべき沈黙などではなく、むしろ心地の良いものだ。

 結局、二人が村へと戻ったのは、いつまでも帰って来ない二人に痺れを切らしたモモンガが<伝言(メッセージ)>で帰還命令を出してからだった。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 燦然と輝く星空の下、ヴェンデ村を後にしたフォーマルハウトたちは散歩がてら談笑しながらナザリックへの帰路を歩いていた。

 周囲には後詰の部隊として到着したアウラとマーレを指揮官とした八肢刀の暗殺蟲(エイトエッジ・アサシン)の部隊が伏せられ、二人の近くは百レベル三名が守っている。警備体制は万全だ。

 そんな物々しい警備の中、フォーマルハウトはモモンガと共に満天の星空を飛び回っていた。

 

「はははははっ! 凄い! 凄いですよモモンガさん! 月の明かりだけでものが見えます! 星だってこんなに!」

「えぇ! 凄いですね!」

「ブルー・プラネットさんが居たら泣いて喜びながら飛び出して行きそうですよね!」

「はははは、確かに!」

 

 笑い合いながら、まるで舞い踊るように夜空を自由に飛び回る。

 その姿は先ほど森で見せたような、初めて家の外に出る子供染みたものだ。あれほど支配者としての威厳に気を遣っていたモモンガもまた、同じ様に紅い瞳を輝かせながら空を舞っている。

 支配者の威厳も何もない振る舞いに、アルベドを始めとする守護者たちは失望することはない。むしろ微笑みすら浮かべて飛び回る二人を見守っていた。

 

「まるで子供の様……普段のモモンガ様の凛々しい御姿からは想像も出来ないわ」

「だが良いものだろう? 私はフォーマルハウトの似たような姿をついさっき見たところだが、あれはあれでこう……母性というのか? それが刺激される」

「そうね。えぇ、確かに。それにとても楽しそうにしていらっしゃるわ。あぁ、モモンガ様……なんてお可愛らしい」

 

 頬を紅く染めながら愛しい男たちを見つめる乙女の横で、セバスは独り冷静な面持ちで周囲を警戒しつつ、主たちが喜びを露わにして飛び回る夜空を見上げている。

 その胸中にあるのは喜びだ。

 二人の主が楽しそうに笑顔を浮かべている様子を、これほど間近で見ていられることに対する喜び。主の喜びは、配下の者の喜びでもあるのだ。

 配下からそんな慈しむような視線を向けられているとも知らずに、フォーマルハウトたちはようやく落ち着きを取り戻して中空に佇んでいた。

 

「はぁー……最高。ブルー・プラネットさんじゃないけど、自然っていいですね」

「そうですね。月まで手が届きそうだ」

「もっと高く昇ってみましょうよ。雲の上まで」

「いいですね、行きましょう!」

 

 二人は楽しそうに笑い合い、さらに高くへと飛び上がる。

 

「モ、モモンガ様、フォーマルハウト様! 余り離れられては! くっ、ヴェルフェニア、私とセバスに<飛行(フライ)>を!」

「世話の焼ける夫だ……<全体飛行(マス・フライ)>」

 

 ヴェルフェニアはアルベドの指示に従い、複数人へ一度に<飛行(フライ)>の効果を付与する<全体飛行(マス・フライ)>を発動する。

 ふわりと体が宙に浮くと、アルベドたちは大慌てで既に豆粒ほどの大きさになっていた主たちの後を追う。

 興奮の余り、後を追って来ている護衛の存在など完全に頭から抜け落ちていたフォーマルハウトは、モモンガと共に振り返ること無く雲の上まで辿り着く。

 

「おぉ……」

 

 月明かりに照らされた夜空から見える景色は最高のものだった。

 現実世界(リアル)は疎か、ユグドラシルでも味わったことの無い感動に、フォーマルハウトは自分の体が打ち震えるのを感じる。

 

「素晴らしい夜空だ……」

「まさしく、モモンガ様の仰る通りかと」

 

 呟いたモモンガの後ろにはいつの間にか追いついたアルベドが立っていた。その少し後ろにはセバスも立っている。

 ヴェルフェニアの姿が見えないことに違和感を覚えたフォーマルハウトが視線を巡らせると、不意に左手に何かが触れるような感覚が生じた。もはや慣れ親しんだと言っても過言ではない、小さくも柔らかく、温かな感触に笑みを零す。

 

「二人で星を見るなど、モモンガ様でなく私とやって欲しいものだな」

「はは、すまないな」

 

 左腕を抱き締めるように密着したヴェルフェニアに苦笑を返して、再び星々へと目を向ける。

 

「本当に美しい世界だ、まるで宝石箱のような……」

 

 目の前に広がる幻想的な雰囲気に当てられたのだろうか。モモンガが呟いた言葉は、普段の彼ならば絶対に口にしない言葉だ。

 しかし、それを聞いたフォーマルハウトも不思議とそれを茶化すつもりにはならなかった。

 

「モモンガ様、お望みとあらばナザリック全軍を以てこの宝石箱を手に入れて参ります」

 

 アルベドから告げられた言葉に、モモンガは静かに笑う。

 

「ふふふ、世界征服か……」

 

 愉快そうに呟きながら、かつて『ユグドラシルの世界の一つぐらい征服しようぜ』、そう冗談で言い合っていた四人のギルドメンバーの姿を思い浮かべる。

 ウルベルト・アレイン・オードル。ばりあぶる・たりすまん。るし★ふぁー。ベルリバー。

 四人の仲間たちの姿を思い浮かべたモモンガは、そうしてみるのも面白そうだと感じた。

 

「それも、面白いかもしれないな……」

 

 もちろんモモンガだって、本気で言っているわけではない。

 ただかつての仲間たちがそう言っていたのを思い出したのと、雰囲気に酔っ払って口が滑った程度のことだ。

 それは同じく雰囲気に酔っていたフォーマルハウトも理解していた。だからこそ、つい自分の考えの赴くままに口を開いてしまう。

 頭の良いヴェルフェニアたちならば、ただ雰囲気に酔っ払って吐いた戯言と思ってくれると信じて。

 

「ははは、ウルさんたちみたいですね。いいかもしれません」

「征服したらどうしましょうか。理想郷でも作りますか? 人間も亜人も異形も、種族に関係無く笑っていられる理想郷を」

「いいですね。あの糞ったれな現実世界(リアル)とは真逆の世界にしてやりましょう。アインズ・ウール・ゴウンの名の下に理想郷を!」

 

 気分が高揚した二人は笑い合いながら、その妄想を加速させてゆく。

 もちろん冗談だ。いつもユグドラシルでしていたような軽い冗談の言い合いだ。

 しかし、彼らのすぐ傍で佇む者たちはそうは思っていない。

 ヴェルフェニアも、アルベドも、セバスも……そして後にここでの二人の会話を知らされることになるナザリックの全てのシモベたちが誓う。

 

「畏まりました、いと高く、いと尊き我らが至高の御方々。正統なる支配者たる御身らに、必ずやこの宝石箱を」

 

 呟かれたアルベドの言葉は二人の耳に届くことはなく、夜空へと溶けて消えた。




 たぶん例の夜空シーンはデミウルゴスじゃなくてナザリックのシモベなら誰が相手でも勘違いして世界征服始まっちゃうよね。
 はい、と言うわけで世界征服ルートです。英雄を目指すルートとか色々考えたんですが、二人が突然英雄になりたいなんて言い始めるのも不自然だと思いました。

 前回の誤字報告ありがとうございました。
 結構誤字が多くて申し訳ありません。今回もあるかも。
 普段は書き終わった後、時間をおいて読み直して手直しし、その後投稿直前にざっと確認するみたいな手順を踏んでいるんですが、前回は少し忙しくて疎かになってしまいました。
 あとウォール・オブ・プロテクションフロムアローズとか文字に対してルビが長すぎてちゃんと機能していなかったりするのも確認出来ていませんでした。

 前回の後書きに書き忘れたのですが、ギンヌンガガプの武器形態は完全に妄想です。
 アルベドは原作ではギンヌンガガプの所持を許可しないと言われてたけど、今回は言われてないので持ってます。
 そして原作だとアルベドはバルディッシュ持ってたし、ギンヌンガガプも斧なんじゃね? と安直な予想をしました。

 物理透過のスキルですが、転移後の世界ではモモンガ様の上位物理無効ほどではありませんが役立つスキルだと思います。
 ちょっと分かり辛いかなと思うので効果を詳しく説明すると、効果の発動条件は二つ

 ・自分のレベルより二十レベル以上低い相手からの物理攻撃であること

  例)自分が100レベルの場合は100-20=80レベル以下の敵からの物理攻撃
    魔法による物理攻撃扱いのダメージではないこと(純粋な物理攻撃でないとダメ)

 ・上記に当てはまる物理攻撃に使用される武器が一定以上のデータ量を持たないこと

  例)単なる鉄で出来た何の能力も組み込まれていない武器が使われている
    能力が組み込まれていないとしても、それが非常に弱い
    素手の場合は


 この二つの条件を満たした場合に、その物理攻撃が効果を発動し、体を通過します。
 どちらか片方しか満たしていない場合は発動せず、普通にダメージを受けます。
 要するに相手が一レベルでも、ゴッズクラスの武器による攻撃ならダメージを受けるということですね。逆に八十レベルでもただの鉄剣ならノーダメージで済みます。
 現地産武器だとキリネイラムならダメージを与えられると思います。あれがユグドラシルアイテムだとどの等級に属するのかは分かりませんが……。
 あとガゼフきゅんのレイザーエッジなら物理透過を無視して攻撃が通ります。
 やったねガゼフきゅん!
 まぁ戦闘力単位きゅんがフォーマルハウトと戦うかは分かりませんけどね!
 
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