骸骨の魔王と赫灼の焔王   作:エターナルフォースブリザード

7 / 17
第六話 楽しみ

(……どうしてこうなった?)

 

 薄暗い通路に立ち、壁に隠れて顔だけ少し覗かせて光溢れる空間を窺う。それはまるで巣穴から外を警戒する小動物のようであった。引き攣った笑みを浮かべ、フォーマルハウトは一際大きな溜息を吐いた。

 そして、もう一度自問する。

 

(どうしてこうなった……?)

 

 一度目よりも弱々しく、しかし疑問の色は強く。

 フォーマルハウトが立っている場所は第六階層闘技場のアリーナへと続く通路だ。アリーナは剣技魔法の飛び交うユグドラシルでも観客席に被害が出ないよう十分な広さをしており、魔法で作られた照明用らしき光球が中空から全体を照らしている。

 観客席はその逆で、照明が当たるアリーナ部分をより強調するためか魔法によって暗くされていた。完全な闇では無く、薄いカーテンが閉じられて僅かな月明かりが差し込む部屋くらいの暗さだろうか。

 闘技場は普段からこういった装いなわけではない。かつてユグドラシルにおいてナザリックへと侵入して来た侵入者たちを迎え撃った際も、このような状態にはなかった。

 ここは本来であれば闘技場とは名ばかりの劇場。或いは処刑場だ。

 幾層にも分かれた観客席にはゴーレムたちが居並び、その更に上に設置された貴賓席には至高の四十一人たるアインズ・ウール・ゴウンのギルドメンバーたちが座る。

 そして、見下ろすのだ。

 ナザリックに侵入してきた哀れな侵入者どもを、処刑人として選ばれたギルドメンバーたちが蹂躙する様を。処刑と言う名の喜劇を。

 しかし、今日この時だけは特別。特別な催しが開かれる。ゆえに処刑場(アンフィテアトルム)は正しく円形劇場(アンフィテアトルム)として、特別な装いを施されるのだ。

 観客席に並べられていたはずの無数のゴーレムたちは消え失せ、代わりにナザリックに住まうシモベたちが期待に満ちた表情を浮かべながらひしめき合っている。戦闘能力皆無なNPCである一般メイドたちから単なる防衛用に配置したに過ぎず、名前も存在しないモンスターたちまで様々だ。

 さらにその上に位置する貴賓席には漆黒のローブを纏ったナザリック最高支配者たるモモンガと、それに付き従うように階層守護者たち、そして立場上は他の者たちに一歩劣るヴェルフェニアが座っていた。

 言うまでも無く、ヴェルフェニアがそこに座っているのは特別待遇によるものだ。

 

「……はぁ」

 

 再び、今度は短く溜息を吐く。

 

(確かに、確かに守護者と戦ってみたいとは言った。でもこんなに観客がいるなんて聞いてないですよ、モモンガさん!)

 

 恨めしそうに貴賓室に座るモモンガへと視線を向ける。するとフォーマルハウトの呪詛が通じたのか、モモンガからの<伝言(メッセージ)>が届いた。

 

《フォーマルハウトさん、そろそろ時間なので最終確認お願いしますね》

「待て腐れ骸骨。何でこんなに観客が集まってるんですか」

 

 観客席は満員御礼。このナザリック地下大墳墓が完成してからこれまでで最も多くの観客を動員している。

 

《あー……それは、すみません。警備に穴を開けるわけにはいかないのでアルベドに相談したんですよ。そしたら是非観戦したいと言い出しまして……他の者も誘いたいと言っていたので警備に穴が開かないなら、と許可しました》

「で、これ、と」

 

 死んだような目で壁際から観客席を覗き込む。

 観客席はかつてないほどの満員御礼。忠誠を捧ぐ至高の存在の戦いを見れるとあっては見学希望者も後を絶たず、アルベドとデミウルゴスがその規格外の知能を以て警備スケジュールを調整し、各階層必要最低限の者のみを残して殆どのシモベがこの場に詰め掛けている。

 観客席にはNPCが優先的に入場を許され、入りきれなかったシモベたちはその空気だけでも味わおうと闘技場の外に集まっている。無論それだけではなく、闘技場外にいる者たちや警備の都合上第六階層へと訪れることが出来ない者たちへの救済措置として、マジックアイテムによる模擬戦の中継生放送が行われる。

 

《ここまで話が大きくなるとは思わなくて……すみません。でも、フォーマルハウトさん、公式PvP大会とかよく出てましたし、観戦ありでも大丈夫ですよね?》

「ここ、ゲームじゃないんですよ……現実なんですよ……それにユグドラシルでも緊張してなかったわけじゃないです。慣れてただけで」

《……えっと、頑張ってください。NPCたちもかなり期待しているみたいなので》

「プレッシャーかけんなぁ!」

 

 <伝言(メッセージ)>を終了したフォーマルハウトはまたも溜息を吐いた。

 

「はぁ……仕方ない。装備確認でもするか」

 

 そう自分に言い聞かせて、フォーマルハウトは自分の体の各所を手と目で確認する。

 フォーマルハウトの武装はユグドラシルでも極めて高い水準で纏められている。

 まず全身が普通に入手出来る中では最高位である神器級(ゴッズ)アイテムだ。

 身を包むコート状の黒い軍服は、現実世界(リアル)での欧州アーコロジー戦争が勃発した時に話題になったネオナチが纏っていた軍服を参考に作成され、ボタンやベルトなど細部に至るまで精巧に再現されている。

 性能はと言うと、丈夫さと柔軟性、そして動きやすさを優先されているため防御力は神器級(ゴッズ)の希少金属製の鎧に一歩劣るものの、身体能力――取り分け筋力を大きく増加させる効果と、通常ではあり得ないほどの武具破壊に対する高い耐性を秘めている。

 艶のある皮で出来た軍靴はユグドラシルにおける超々希少金属である七色鉱の一つ、ヒヒイロカネで出来た合金板が埋め込まれたもので、その強度はもちろんのこと、移動速度増加や蹴り攻撃の威力増加などの効果が込められている。

 真っ白な手袋の上から付けられた指輪も全てが神器級(ゴッズ)だ。これらはフォーマルハウトへと極めて高い能力上昇や状態異常に対する耐性などのパッシブ効果を与えている。前衛として戦うフォーマルハウトには無くてはならない効果を持つものばかりだ。

 ただし、右薬指にはリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンが装備され、左薬指には何も付けられていない。

 全身の装備を揃えるのに一体どれほどのゲームマネーを使ったのか分からないほど高価な装備品ばかりだが、最も特筆すべきはその両手を覆う真っ白な手袋だ。

 見る者が見れば、全身一級品で固められた装備の中でも一際凄まじい存在感を放っていることがわかる。

 世界級(ワールド)アイテム、焔王の慟哭。

 ユグドラシルにおいて最初に生ける炎(クトゥグァ)となったフォーマルハウトに運営から贈呈された、専用世界級(ワールド)アイテムだ。その能力はフォーマルハウト専用にカスタマイズされており、フォーマルハウトが使うことによって百パーセントの能力を発揮出来る。

 それは悍ましいとすら称される能力を秘めており、手の甲部分には灰色の糸でその悍ましさを象徴するかの如き形容し難い奇妙な紋章が刺繍されている。

 見た目だけなら手袋のように見えるが、これはユグドラシルの分類上はガントレットに属する武器だ。防具や装飾品の類ではない。

 手の平を見つめながら幾度か手を開閉して感触を確かめ、笑う。

 手は僅かに震えていた。手だけではない、全身が小刻みに震えている。しかし、寒いわけではない。肉体を持たず、炎の化身である生ける炎(クトゥグァ)は寒さを感じない。そしてこれは恐怖からによる震えでもない。

 戦いの前にはいつもこうだった。ユグドラシルから変わらない。自分は変わらない。それを自覚して静かに笑みを浮かべる。

 

「すぅ……はぁ……。さて、楽しみだ」

 

 武者震いする体を深呼吸で落ち着けながら、フォーマルハウトは笑顔を浮かべる。

 緊張し、友人へ文句を垂れていた青年はもういない。

 そこにいたのは、これから訪れるはずの戦いを楽しみにする一人の男だった。

 

 ◆ ◆ ◆

 

 ひしめき合う観客たちの熱気と期待が渦巻く観客席の更に上にある貴賓席では、階層守護者たちとヴェルフェニアがその時を今か今かと待ち続けていた。

 本来であれば彼らはこの貴賓席に座る権利を持ってはいない。領域守護者であり、階層守護者と比べて立場が劣るヴェルフェニアは特にそうだ。ここは至高の四十一人のみが座ることを許された席なのだから。

 しかし、それでも彼らが座っているのはモモンガの提案によるものだからだ。

 モモンガとしては想定していたよりも大事になってしまったのはフォーマルハウトには申し訳なかった。だが、もう修正は不可能と判断した結果、どうせなら守護者たちと楽しく観戦しようと開き直った。

 守護者たちを誘わなければ四十一人座れる十分な広さを持つ貴賓席にたった一人で座って寂しい思いをしなくてはならず、それでは楽しめるものも楽しめない。だから、アルベドを始めとする階層守護者たちと、主役であるフォーマルハウトが創造したヴェルフェニアを貴賓席へと誘ったのだ。

 守護者たちもヴェルフェニアも最初は固辞したが、やはり嬉しいのか今は自らの創造主たちが使っていた席に嬉々として着席している。アルベドだけはタブラ・スマラグディナの席では無く、モモンガの隣に座っているが。

 この場に居ない階層守護者は二人。アウラとコキュートス。付け加えるならば階層守護者ではないが、セバスもだ。

 アウラは第六階層守護者として司会として準備をしている。

 コキュートスは武器戦闘に長け、至高の存在に対しても武人として加減無く戦えるという理由と、本人の強い希望により模擬戦相手として抜擢された。

 セバスは一般メイドやプレアデスたちも観戦に出払ってしまう中、自分も観戦に向かって第九階層に誰もいないなどという状況は作れないと言って観戦自体を固辞した。

 

「シャルティア。守護者最強である君はどちらが勝つと考えるかね?」

 

 デミウルゴスが眼鏡のブリッジを持ち上げながらシャルティアに問い掛ける。

 シャルティアはガチビルドNPCとして生み出され、単体で物理攻撃、魔法攻撃、補助、治癒、回避が可能であり、索敵を除くあらゆることを一人で行うことが可能だ。その全てが高水準で噛み合っており、ナザリックに存在する百レベルNPCの中でも序列一位、総合力最強と言われている。

 

「……そうでありんすねぇ。心情的にはフォーマルハウト様の圧勝と言いたいところでありんすが、フォーマルハウト様は前衛でありながら魔法詠唱者(マジック・キャスター)と聞くでありんす。そうなるとステータスの差でコキュートスの方が有利だと思いんすが」

「なるほど」

「で、でも、フォーマルハウト様はコキュートスさんの弱点の炎属性に特化してる御方ですよ? だ、だから、フォーマルハウト様の方が有利なんじゃないんですか?」

「コキュートスも炎属性に対する完全耐性を持っているはずでありんす。至高の御方でありんすから耐性を貫通してダメージを与えてもおかしくはないでありんすが、ゼロが百になるとは考えられんせん。それに対してコキュートスは武器攻撃でありんすし、様々な武器を使うでありんす。前衛としての戦いに特化し、相手の魔法に対策した戦士と前衛として魔法も交えながら戦う魔法詠唱者(マジック・キャスター)では魔法の効きが悪い魔法詠唱者(マジック・キャスター)の方が不利だと思うでありんす」

 

 マーレの考えは正しい。

 コキュートスは炎属性を弱点としている。生半可な炎であればその体から放出される冷気で無効化出来るだろうが、相手はその扱いに特化しているフォーマルハウトだ、属性的に言えばフォーマルハウトの方が相性が有利だ。

 しかし、シャルティアの考えもまた正しかった。

 コキュートスは炎属性に対してアイテムなどにより耐性を獲得しているため、炎属性攻撃は軽減或いは無効化されてしまう。それに加えて二十一種類の様々な武器を有しており、それらを状況に応じて使い分ける高い対応力も持つ武器戦闘に特化した武人だ。

 話を聞いていたアルベドは驚愕の表情を浮かべていた。

 

「シャ、シャルティアがまともなことを言うなんて……モモンガ様、天変地異の前触れかも知れません、ご注意を」

「どういう意味でありんすか!」

「まともなこと、という事は君も同じ意見なのかね、アルベド?」

「……えぇ、そうよ。ただ、フォーマルハウト様の実力ははっきり言って未知数だわ。魔法詠唱者(マジック・キャスター)である以上筋力は戦士であるコキュートスと比べて低いはずだから、常識に当て嵌めれば概ねシャルティアが正しいとは思うわ。特に今回フォーマルハウト様は御一人だから、援護も望めないわけだし」

「ふむ、私も同意見だね。君はどう思うね、ヴェルフェニア?」

 

 このナザリックにおいて、唯一フォーマルハウトに創造された存在であるヴェルフェニアへと話が回って来たのは当然のことだろう。恐らくこの地でフォーマルハウトのことに最も詳しいシモベは、彼の被造物であるヴェルフェニアだ。

 

「……さて、どうだろうな。概ね私も同意見だ。感情的に言えばフォーマルハウトに勝って欲しいがコキュートスが万全な対策を施しているのならコキュートスが有利だろう」

「あなたもそう思うでありんすか? てっきり私たちが知らない御力を知っていて、自信満々にフォーマルハウト様が勝つと言うと思ったでありんすが」

「私は第八階層から出たことがないからな。あれが遊びに来ることはあっても、第八階層で他の御方々と模擬戦をすることはなかった。実のところ、私はフォーマルハウトの力についてお前たちよりほんの少し知っている程度なんだ」

「なるほど、そうでしたか。では、モモンガ様はどう思われますか?」

 

 満を持して、といった雰囲気だ。他の守護者たちからの期待の視線がモモンガの背中へと突き刺さる。

 普段であれば、期待の込められた視線に晒されて沈静化などを起こしてもおかしくはなかったのだが、今のモモンガはとてもリラックスしていた。モモンガにとっては答えの知れている質問だったからだ。

 

「ははは」

 

 愉快そうなモモンガの笑い声を聞いて、守護者たちは戦慄した。それが嘲笑の類だと思ったからだ。

 考えてみれば、自分たちはなんと不敬な発言をしていたのだろうか。あくまで勝負事であるから公平な目線での勝敗予想だった。しかし、それでも至高の四十一人の勝利を疑った。なんという不忠か。それを聞いて、呆れ果てた最高支配者は愚かな自分たちを嘲笑しているのだ。

 そう後悔した守護者たちの背筋を冷や汗が伝う。

 もし失望され、モモンガが他の者たち同様にナザリックを去ったら。もしかしたらフォーマルハウトまでも一緒に去ってしまうのではないか。それはまさしくこの場にいる全員にとっては悪夢以外の何物でもない。

 

「も、申し訳ありません、モモンガ様!」

 

 アルベドが青い顔をしながらモモンガに対して頭を下げる。それに倣うように守護者たちも椅子から床へと跪き、頭を下げる。

 その突然の豹変ぶりにリラックスしていたはずのモモンガは虚を突かれ、びくりと身を竦める。

 幸いにもその挙動は頭を下げていた守護者たちからは見えなかったようだ。

 

(えっ!? 何で突然謝ってるの!? 謝るようなことなんてしたか!?)

 

 守護者たちが沈痛な面持ちで俯く中、モモンガの先ほどまでの余裕は吹き飛んで沈静化が発生する。しかし、何とか声を絞り出せたのはギルドマスターとしての矜持からだろう。

 

「う、うむ。気にする必要はない」

 

 沈静化が引き起こされて冷静になった頭でも結局守護者たちが蒼褪めている理由は分からなかったが、とりあえず鷹揚に頷いて許しを述べておく。

 

「し、しかし、不敬にもフォーマルハウト様の勝利を疑うかのような発言。至高の御方々にお仕えするシモベとして許されるものでは……」

 

(あぁ! そういうことか! 俺が『何言ってるんだこいつら馬鹿か』的な感じで笑ったと思ったんだな! それで失望されたと勘違いして謝ってるのか! 忠誠心高すぎるんだよなぁ。それ自体は嬉しいんだけど行き過ぎているというか……少し震えてるし)

 

 顔を蒼褪めさせながら恐怖に震えている守護者たちを安心させるように、モモンガはなるべく優しく諭すようにして話す。

 

「良い、良いのだ。それと、笑ったのはただ愉快だったからだ」

「ゆ、愉快で御座いますか?」

「そうだ。いや、誇らしくもあったからか。今この場にいる者でフォーマルハウトさんの力を知っているのが私だけだという優越感、と言えばいいか。ふふ、まるで子供の様だな」

 

 楽しそうに喋るモモンガを見て、守護者たちはほっと胸を撫で下ろした。

 

「お前たちの予想は正しい。私とて何も知らなければお前たちと同じ考えをしていただろう。いや、そういう意味ではむしろお前たちはフォーマルハウトさんを過大評価していると言えるだろう」

「ど、どういうことですか、モモンガ様?」

「マーレよ、ユグドラシルの常識に当て嵌めればにおいて彼はとても歪な存在なのだ。魔法詠唱者(マジック・キャスター)として高い能力を持つ精霊(エレメンタル)であるにも関わらず、戦士系職業の基本職であるファイターを取得し、パイロマンサーなどの魔法詠唱者(マジック・キャスター)系の職業も取得している。そして前衛として戦う戦闘スタイルだ。通常であれば、そんなことをしていると中途半端になりがちなのだ。だから常識に当て嵌めて考えるのならば、中途半端な彼ではコキュートスに対して勝率が極めて低くなるだろう」

 

 モモンガは得意気に語る。

 無二の仲間たちであるアインズ・ウール・ゴウンのメンバーたちのことを語るのはとても気分の良いことだ。聞き手であるナザリックの者たちも興味津々と言った様子で瞳を輝かせながら聞いてくれる。

 普段は余り饒舌とは言えないが、この時ばかりはすらすらと言葉が口から滑り出していた。

 

「だが、彼は歪なのだ。ユグドラシルの常識に当て嵌められないほどに。異常と言ってもいいだろう」

「では、モモンガ様は知られており、私共では知らない力をフォーマルハウト様は有しておられる、ということでしょうか?」

「そうだ」

 

 フォーマルハウトが本気を見せるのは専らナザリック外でのことだ。

 ナザリックでギルドメンバー同士の模擬戦などを行うこともあるが、それは身内同士の訓練のようなものであって本気で相手を殺そうとしているわけではない。だからフォーマルハウトがナザリック内で本気で戦う場面はとても少なく、例外があるとすれば侵入者迎撃の時のみだ。

 それにユグドラシルでは守護者たちは単なるNPCという認識であり、わざわざ模擬戦や迎撃戦を見せようとは思わなかったし、当然だが本人たちが観戦を希望する声を上げることもなかった。

 守護者たちNPCが創造主たちの力を知る機会があるとすれば、運良くギルドメンバー同士の会話を耳にするか、偶然に模擬戦や迎撃戦を目にするか以外はない。

 

「では、モモンガ――様はフォーマルハウトが勝つ、と?」

「……ふむ。それは難しい質問だな、ヴェルフェニアよ」

 

 ユグドラシルであればフォーマルハウトが勝つと即答していただろう。

 ゲーム内では単なるNPCであったコキュートスは設定されたAIに従って動くだけの存在だ。臨機応変に行動し、AIの穴を突くことが出来るフォーマルハウトが勝つのは間違いない。しかし、ここはゲームではなく現実の世界だ。

 ゆえに曖昧な返事を返したモモンガだったが、実際はどうしてもフォーマルハウトが負ける光景が想像出来なかった。

 

「まぁ、見ているがいい。もうすぐ始まるのだから、正解はその目で確かめよ。そして、どのような結果になろうとも自らの糧とするのだ」

『はっ!』

 

 声を綺麗に揃えた守護者たちはそれぞれの席へと着席し直し、引き締まった表情でアリーナを見つめる。

 これからそこで行われるのは敬愛する至高の四十一人の一人、フォーマルハウトの戦いだ。滅多に訪れない貴重な機会を無為にするつもりは元よりなかったが、最高支配者たるモモンガに命じられ、より一層気を引き締めた。

 

 ◆ ◆ ◆

 

『さぁ、時間となりましたので始めさせて頂きます! ナザリック地下大墳墓が支配者! 至高の四十一人が一人! 偉大にして至高なる暴虐の王! フォーマルハウト様の御入場です!』

 

 マイクの形をした拡声用マジックアイテムでアウラが催しの開始を告げる。

 通路でその時を待っていたフォーマルハウトは最後にもう一度だけ深呼吸をして、光が溢れているアリーナへと歩を進めた。そして、フォーマルハウトがアリーナへと姿を現した途端に闘技場が歓声で包まれた。

 

(暴虐の王は確定なのか……もっとこう、格好いいの無いのか? 赫灼とか使ってほしいな、響きも字面も格好いい。というか、警戒態勢中なのにこれは大丈夫なのか? せっかく隠蔽しようとしてるのに外に音が漏れてたりしないだろうな)

 

 シモベたちの状態はもはや一種の狂乱状態にあった。

 今か今かと待ち侘びていたところに姿を現した支配者の堂々たる風格に、シモベたちは喉が張り裂けんばかりの歓声を上げている。その音量はナザリック全体が揺れているのではないかと錯覚するほどの大音量だ。

 事実フォーマルハウトはそれによって引き起こされた空気の振動を肌で感じ取っている。

 少しだけ未知の世界に対する心配をしながらも、その意識はすぐにアリーナの中央部分で佇んでいる大きな人影に向けられた。

 白銀のハルバードを携えた、二・五メートルはありそうな巨大な影。ライトブルーの鎧のような外骨格に身を包んだ二足歩行の人型昆虫。周囲に広がる霧のような白い靄はパキパキと凍てつくような音を立て、上空の特別照明を反射して煌めく。

 第五階層守護者、凍河の支配者コキュートスだ。

 その四本の腕には煌びやかな手甲を付け、足には白銀の足輪が装備されている。首からは黄金色の巨大な円盤型のネックレスが下げられていた。

 これらはコキュートスが本気で戦う際に装備するアクセサリ類だ。

 フォーマルハウトの入場を確認すると同時に、興奮を抑えきれぬ様子でブシュウと大顎の奥にある口腔から冷気を放出し、コキュートスは跪く。

 

「……」

 

 フォーマルハウトがコキュートスの下に辿り着く。しかし、何も起こらない。

 

(……え、あれ? これ、俺が何か言うの? 何も聞いてないんだけど?)

 

 現実ではただの会社員であったフォーマルハウトに咄嗟にこんな状況に対応出来る能力などあるはずもなく、混乱して硬直する。

 目の前で跪いているのは部下だ。部下とスポーツを楽しもうとして試合会場に訪れたら相手が跪いて待っていたのだ。そんな経験がある人間は極めて稀有な存在だろう。

 混乱しているフォーマルハウトに対し、コキュートスは身動ぎもしない。目の前に立つのは至高の四十一人であり、自らが敬愛し、忠誠を誓う主の一人だ。許しが無い限りは頭を上げるべきではないし、口を開くべきでもない。そもそもそうするつもりもない。しかし、内心では焦っていた。

 自らの前に立ち、じっと静かな視線を向けつつも口を開かぬ主の様子に、何か失態をしただろうかという自責の念が押し寄せる。

 目の前にいて視線を注いでいるのだから、自分の存在に気付いていないはずはない。跪いて頭を垂れているためにその表情は窺えないが、自らがの創造主によって与えられたスキルによって向けられている視線を感じ取ることは出来た。しかし、主がその口を開くことは無い。

 その原因に心当たりはなかった。少なくとも臣下として、完璧な礼節を見せたと自負している。

 

(……マサカ)

 

 必死に思考を巡らせ、ようやく一つの仮説に辿り着く。

 

(私ガ浮カレテイルコトニオ気付キニナラレ、咎メテオラレルノカ……?)

 

 まさしくコキュートスは浮かれていた。

 いつかは至高の存在と手合わせをしたいと常々思っていた。その考えは一介のシモベに過ぎない身でありながら不敬であると自認していたが、それでも武人として生み出された者の性として密かに願い続けていた。そして、それが今日叶ったのだ。

 真剣勝負では無く模擬戦という形ではあるが、そんなことは些末なことだった。ただコキュートスにとって重要なのは二点、至高の四十一人の一人と手合わせ出来るということ。そして、模擬戦相手という栄誉を賜ったからには満足させるに足らなければならないということだけだ。

 しかし、目の前の主はそれが気に入らなかったのだろうと思い至った。では何が正解なのだろうか、それはコキュートスにはさっぱりだった。

 

「コキュートス、顔を上げろ」

「ハッ!」

 

 コキュートスが再び思考の渦に飲み込まれそうになったところで、フォーマルハウトは口を開いた。

 

(危なかった……モモンガさんから<伝言(メッセージ)>がなかったらあのまま立ちっぱなしだったな)

 

 コキュートスが様々なことを考えている間に、フォーマルハウトはモモンガからの<伝言(メッセージ)>を受けてようやく膠着状態から脱する手を得た。

 モモンガ曰く、こちらから何かアクションを起こさなければダメ。

 そう言われてシモベたちの狂信的なまでの忠誠心を未だ舐めていたことに思い至って、心の中で面倒臭いなと叫びながら口を開いたのだ。

 しかし、コキュートスは再び混乱していた。自らが気付くまで終わりが無いと思っていた状況が突如として動いたのだ。そして恐怖する。待てども問題に辿り着けない自分に呆れてしまったのではないか、と。

 恐怖に肝を冷やしながらも、主の命令に逆らうことは出来ない。何が失態なのかすら仮説である状況ではあるが、これ以上失望されるわけにはいかないのだから。

 

「コキュートス、まずは忙しい中でこうして模擬戦の相手を名乗り出てくれたことに感謝しよう」

「ハッ! シカシ、感謝ナドオ止メ下サイ。私ハ至高ノ御方々ノ忠実ナルシモベ。フォーマルハウト様ニゴ満足頂ケルヨウ、全身全霊ヲ以テオ相手ヲ務メサセテ頂キマス」

「……ふむ。少し緊張してるか? コキュートス、一つ聞こう。お前は何だ? お前はどういう存在だ?」

「ハッ、私ハ一振リノ剣デアリ、ソシテ一人ノ武人デ御座イマス」

 

 コキュートスは自らを一振りの剣と見做している。

 主の命に従い、その邪魔をする者の悉くを斬り伏せる一振りの剣。それこそが創造主である武人建御雷に武人として生み出された己の存在意義。

 一点の曇りも無く告げられたこの答えに、フォーマルハウトは愉快そうな笑顔を浮かべた。

 

「なら余計なことは考えるな。武人なんだろう? 剣なんだろう? だったら余計なことは考えず、今は目の前にある戦いだけを想えば良い。そして楽しめ。建御雷さんはいつもそうしていたぞ?」

 

 その言葉に、コキュートスは言葉を失った。そして同時に気付く。これだ、と。

 武人建御雷に創造された武人として、剣として、誰かを楽しませるなんてことは考えずに、ただ目の前に迫っている戦いだけを想え。妙なことは気にせずに敬愛する創造主のように、戦士としての輝きを見せてみろ。そう言いたいのだと。

 コキュートスの身が歓喜に震える。自分の正しい在り方を再認識し、それを主に示して貰えたという喜び。相手を楽しませるなど何と無粋なことだろうか。

 

(ソンナ事ハ道化か吟遊詩人(バード)ニデモ任セテオケバ良イ。ナラバ私ガスベキ事ハ、至高ノ御方ト剣ヲ交エル喜ビヲ噛ミ締メナガラ、タダ全力デ剣ヲ振ルウ事ノミ)

 

 己の無粋さと、武人であれと創造されたにも関わらずそうあれなかったコキュートスは自らを恥じたが、それ以上に晴れやかな気持ちだった。

 

「ハッ! 申シ訳アリマセン、余計ナ事ヲ考エテオリマシタ!」

「謝る必要はない。さぁ、俺は模擬戦を希望しただけで今回のルールとかは何も聞いてないんだ。だから何かルールでもあるのなら教えてくれるか?」

「畏マリマシタ。基本的ニハ相手ヲ死ニ至ラシメルヨウナ事ヤ観客ヲ巻キ込ムヨウナ事ヲシナケレバ良イトモモンガ様ヨリ伺ッテオリマス」

「なるほど、まぁ当然だ。他には?」

「ハイ、世界級(ワールド)アイテムノ効果ヲ使用スルノハ禁止トノコトデス。装備スルダケナラバ問題ハナイト仰ッテオラレマシタ」

「分かった。もう無いか?」

「ハッ」

 

 モモンガが今回の模擬戦に関して決めたルールは三つだ。

 まずは当然のこととして相手を殺してはいけない。

 NPCであるコキュートスはユグドラシルの仕様に基づくならばデスペナルティ無しで容易に蘇生可能だが、それがこの異世界でも可能という保証はない。さらに言えばNPCの蘇生にはユグドラシルにおける金貨が必要だが、それがこの世界でも手に入るとは限らない。手に入る当てがない限り気軽に消耗するわけにはいかないだろう。

 そしてプレイヤーであるフォーマルハウトの場合はもっと問題だ。

 デスペナルティはあるのか。蘇生魔法の仕様にユグドラシルとの違いはあるのか。そもそもプレイヤーが蘇生出来るのか。調べなければならにことが山積みの状態で死人を出すのは余りにもリスクが高すぎるとモモンガは判断したのだ。

 観客も同様だ。そして二人よりも死亡する可能性が極めて高い。

 何せ観客のほぼ全てがフォーマルハウト、コキュートスよりもレベルが低い。一般メイドに至っては一レベルだ。ユグドラシルではレベル差が十あれば、生じるステータス差によってほぼ絶対に勝てないと言われている。もしも百レベルの攻撃に一レベルの一般メイドが巻き込まれれば、痛みを感じる間もなく消滅してしまうだろう。

 そして、世界級(ワールド)アイテムだ。

 世界級(ワールド)アイテムは文字通り世界に匹敵するアイテムだ。物によっては運営に対し、ユグドラシルの仕様変更を要求することが出来るほどの壊れアイテム。それを異世界で使って何か起きてからでは取り返しが付かない。

 モモンガもフォーマルハウトも現在装備中であり、装備する分には問題無いことは確認できているため、効果の起動さえしなければ良いと結論を出した。

 

「では始めようか。開始の合図は?」

「アウラガ合図スル事ニナッテオリマス」

「良し、では楽しもうか」

「ハッ! 楽シマセテ頂キマス!」

 

 会話を終え、二人は距離を取った。

 互いの距離を五メートルほど離したところで立ち止まり、戦闘開始の合図に備える。

 コキュートスは虚空から取り出した武器を四本あるそれぞれの腕に持った。

 上側にある二本の腕はそれぞれ白銀のハルバードを一本ずつ構える。それは本来ならば両手で扱う巨大な武器であるはずなのに、大きな体を持つコキュートスが構えると片手で扱うことが普通であるかのように小さく見えた。

 下側の右腕には赤黒い片刃のロングソードを持っている。刃幅の広いサーベルのような形状をした剣は黒が血を吸って赤く染まったような禍々しい色をしている。左腕には反りの浅い見事な鋭利さを持つ刀だ。一見何の変哲もないように見える刀だが、柄も鍔も見事な造りであり、光りを反射して輝く刃を見ればそれが普通の物でないということが分かる。

 フォーマルハウトはそれを見ても何もしなかった。構えるようなこともしなければ、腰を落とすことすらなく、あくまで優雅に佇んでいる。その顔は薄く笑みを浮かべており、傍目から見ればコキュートスを侮っているようにも見えた。

 しかし、コキュートスもアウラもそれに疑問を感じない。至高の存在がそうしているのであればそれが正しいのだ。

 

『フォーマルハウト様、準備は宜しいですか?』

「あぁ」

『コキュートスは?』

「問題ナイ」

『両者準備が整ったようなので、そろそろ試合を開始したいと思います! あたしがこのベルを鳴らしたと同時に試合開始です!』

 

 ざわついていた観客席が静まり返る。否、静寂に包まれるのはナザリック地下大墳墓全階層だ。ほぼ全てのシモベたちが、マジックアイテムによる中継映像を固唾を飲んで見守る。

 音が消えた世界で、フォーマルハウトは瞳を閉じた。

 

(……この感じ、懐かしいな)

 

 戦闘開始前、観客たちが固唾を飲んで見守る僅かな静寂。参加者へと向けられる観客たちの視線。緊張に胸は高鳴り、武者震いで体は僅かに震えている。

 静寂は心地良く、視線は不快なものではなく、鼓動はこれから始まる戦いへのカウントダウンだ。

 結局最後まで慣れはしなかったが、ユグドラシルで幾度も味わったこの感覚が嫌いではなかった。

 NPCたちも期待している。そうモモンガは言っていた。その言葉はプレッシャーにもなったが、もはやそれすらも心地良い。

 

『試合……開始!』

 

 アウラの手の中にあったベルが発した。

 刹那、コキュートスは凄まじい速度で距離を詰めた。

 フォーマルハウトとコキュートスの間には五メートルの距離があったが、百レベル同士の戦いではそんな距離は無いに等しい。瞬きする間に詰めることも出来る。即ち、フォーマルハウトの立ち位置は既にコキュートスの間合いにあった。

 近接戦を得意としているとは言え、魔法詠唱者でありながら本職である戦士に距離を詰められても反応を見せないフォーマルハウトを訝しく思いながらも、コキュートスはその迷いを断ち切るかの如く二本のハルバードを上段から同時に振り下ろす。並の相手ならば盾ごと粉砕する威力を持つコキュートスの攻撃を見ても尚、フォーマルハウトは動かない。

 白銀のハルバードの刃がフォーマルハウトへと触れる刹那――

 

「!?」

 

 コキュートスは驚愕する。

 目の前の敵手がようやく示した反応を見て、驚愕し、背筋を悪寒が駆け上る。刹那にも満たない時間の間にゾワリと背筋が振るえ上がる。

 嗤った。

 フォーマルハウトが示した反応はコキュートスの踏み込みの速度に驚愕で目を見開くでもなく、迫る暴力に恐れに慄くでもなく、ただ嗤う。まるで三日月のように口元を歪めながら、愉悦に満ちた表情で嗤って見せた。

 人外の一撃が目の前に迫る状況でこれほど歪んだ笑みを浮かべる主を見て、コキュートスは僅かに恐怖を感じた。

 装備によって外的要因から来る恐怖という精神作用に対する耐性を持つ自分が恐怖を感じた事に驚愕しながら、その恐れを打ち砕かんと振り下ろすハルバードに更なる力を乗せた。

 このままフォーマルハウトへと刃が触れればその肌を切り裂き、肉を抉り、骨を断つだろう。狙っているのは肩であるため死にはしないが、戦闘不能は免れない。

 フォーマルハウトはその一撃を目で追いつつ、愉悦の笑みを浮かべながらその一撃を受け入れる。

 爆発音と言えるほどの轟音と共にコキュートスのハルバードが大地を打ち砕き、粉砕された地面が巻き上がって二人を覆い尽くした。




 いよいよ次話でガチ戦闘です。模擬戦ですが。
 戦闘描写ってかなり難しいですよね。文字だけで戦闘の緊張感を表すのが難しいというか。
 あと今回フォーマルハウトの専用世界級アイテムが登場しました。
 名前にかなり悩みました。クトゥグァにちなんだ名前にしたかったんですが、ニャルとかと比べるとかなり情報が少ないんですよね。ニャルが多すぎるとも言えますが。
 ちなみにニャルはニャルラトッテプと呼ぶ派です。ニャルラトホテプやナイアルラトホテップとかは余り好きじゃないです。
 好きな外なる神はアブホースです。

 ところでモモンガさんの専用世界級アイテムの名前○○○○・オブ・モモンガはスフィア・オブ・モモンガかワールド・オブ・モモンガじゃないかなと思ってます。安直ですが。
 皆さんは何だと思いますか?

【焔王の慟哭】
 ついに登場したフォーマルハウト専用の世界級アイテム。
 世界級アイテムを運営が直接贈呈するかどうかは分かりませんが、習得が難しい隠し種族を習得したら記念にもらえても良くない? と思いましたまる
 ただそんなことしてたらすぐ二百個いっちゃうんで、多分ないんだろうな。
 手袋型の武器で、分類はガントレット。パラメータ的にもちゃんと攻撃力が存在します。
 形状は運営から贈呈される時にフォーマルハウトが手袋型の外装を希望したため。
 黒い軍服に白手袋って映えますよね。
 それだけならただの珍しい形した武器なんですが、他の例に漏れずぶっ壊れた能力があります。その内容はまだ明かされませんが。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。