東京喰種ーGhostー   作:マーベルチョコ

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#41 答えくらいわかるでしょ?

突然スクラッパーを殺害し、現れたうさぎの仮面を被った人物に周りの観客たちは動揺し、

 

「何者だ!?」

 

「ショーの邪魔するな!」

 

客達はうさぎ仮面に罵声を浴びせる。

すると今度は観客席と絋輝がいる場所にスモークグレネードがいくつも投げ込まれ、煙に包まれていく。

 

「おい!何だこれは!?」

 

「どうなっている係員!?」

 

「まさか…鳩じゃ……」

 

「そんな!?嫌よ!!」

 

客達は我先にと出口に向かい、逃げて行く。

そんな客達を面白そうに眺めている人影があった。

 

「おーおー面白いように逃げていくな」

 

「面白がってないで準備しろよ」

 

眺めていた雄二は銃を甫から投げ渡され、弾を確認する。

甫も弾を確認し、2人はマスクを被って顔を見られないようにすると2人の前に偏食家の私設部隊であるメイド達が取り囲んだ。

 

「何者ですか?」

 

部隊のリーダーである金髪のメイドが2人に質問すると、雄二はショットガンを向けて言い放った。

 

「ただの亜人だよ」

 

雄二が引き金を引くのと同時に取り囲んでいたメイド達が2人に襲いかかる。

 

 

ーーーーー

煙に囲まれた絋輝はうさぎ仮面を警戒していた。

 

「お前は……誰なんだ?何で俺を助ける?」

 

質問する絋輝にうさぎ仮面は突然首に抱きついた。

 

「無事で良かった…!」

 

マスクを被っているせいかこもった声だがその声を間違えるはずが無い。

 

「董香…か?」

 

仮面を取ると赫眼に涙を浮かべた董香の顔が目に入った。

 

「何でここが……」

 

「公園に行った時に誰もいなくて、もしかしたらと思って奴に協力してもらって来たんだ」

 

「奴、って誰?」

 

「話は後!今はここから逃げるよ!」

 

董香に連れられ、スクラッパーが出てきた扉から逃げた。

誰も通らない通路を走っていると絋輝が立ち止まってしまう。

 

「何で止まるの!?急ぐよ!」

 

「ちょっと待ってくれ……話がしたくて」

 

「それは後で……」

 

「いや、今言っておかないとブレそうになる………董香、俺が別れてくれって言ったのは俺といるとこういう事に絶対に巻き込まれる」

 

絋輝は両腕を開いて、自分が置かれている状況を見せるようにして分からせる。

 

「喰種達にも顔がバレた。下手したら人間の方にもバレるかもしれない。そうしたら董香や俺の家族、友達は絶対に巻き込まれる!俺はそれが堪らなく嫌なんだ……!」

 

自分のせいで水戸、荒木は目の前で死んでしまい、今でも罪悪感に押しつぶされそうになる。

恐らくこれは一生背負っていく十字架なのだろう、とも思っていた。

しかし、そこに家族や友達、董香が死んでしまっては絋輝は耐えられなくなる。

 

「だけど、董香と離れていてわかった。俺は董香か好きだ。心の底から好きだ!」

 

絋輝は自分の気持ちを叫び、言いにくそうに望みも話す。

 

「だから離れたくない……危険な目に遭うと分かっていても一緒にいて欲しいって思うんだ…………董香はどうかなって思って……」

 

董香の返事に自信がない絋輝は俯いて待つと董香は絋輝に近づき、両手で顔を掴むと、無理矢理上げさせキスをした。

 

「こんな場所まで助けに来たんだから答えくらいわかるでしょ?」

 

優しい頬笑みを浮かべて絋輝の不安を消すように告げる董香に絋輝は嬉しくなり、董香の暖かさを確認するように頬に当てられた手をしっかりと握った。

2人は手を繋いで先を急ごうとすると突然拍手が通路に鳴り響いた。

 

「ワッン……ダフルッッ!!!なんと素晴らしい愛なんだッ!!!」

 

突然の声に絋輝達は警戒し、董香はマスクを被り絋輝にある物を手渡す。

 

「絋輝、これ」

 

「マスク……さんきゅー」

 

董香から渡された自分のマスクを着けて顔を隠す。

すると奥の暗闇から人影が現れる。

 

「そんな素晴らしいものをこれから摘み取ってしまうなんて……ぁぁ、心が痛むよ」

 

現れたのは上品なスーツを着た美青年で20区の厄介者の1人、月山 習。

 

「……誰?」

 

「絋輝は関わらなくていい。おい!クソグルメ!何の用!?」

 

絋輝は突然現れたテンションがおかしい人物に疑問が浮かぶが董香はそれを遮り、月山に乱暴な口調で質問する。

 

「そんな言い方は良くないなぁ、霧島さん。僕のおかげで彼のいる所まで行けたんじゃないか」

 

月山の話で協力者とは月山のことだとわかった絋輝は礼の一つも言おうとするが月山の獲物を狙う目に警戒してしまう。

 

「その点に関しては感謝してる。だから、さっさとそこを退きな」

 

「Non Non……感謝しているなら礼の一つでも欲しいな……例えば彼の血肉……とか?」

 

それを聞いた瞬間に董香の眼は赫く染まり、殺気を帯びて月山を睨む。

 

「冗談で言ったとしたら半殺しで許してやるよ……だからさっさと消えな」

 

「霧島さんも知っているだろう?僕は食事に関しては冗談を言わない主義なんだ」

 

董香の殺気を感じ取った月山の眼も赫く染まり、ゾッとする程の寒気を覚える笑みを浮かべる。

董香は狙われている絋輝を下がらせようとするがその前に絋輝は董香の横に並び立つ。

 

「危険な目にも一緒にいてくれるんだろ?」

 

「……うん」

 

絋輝の言葉に董香は嬉しそうに微笑んで頷き、2人は月山と対峙する。

 

 

ーーーーー

その頃、田中兄弟は偏食家のメイド部隊と戦っていたが雄二は甫と分断され、メイド長は先に弱そうだと思った甫を狙い、その他のメイド達は雄二を攻撃していた。

メイド達は訓練されており、見事な連携で雄二を追い詰めていく。

雄二も負けじと応戦するが人間と喰種では身体能力に大きな差があるため、圧されている。

 

「殺しても構いません。もし本当に亜人ならば、確保します」

 

1人のメイドがそう言うと全員が赫子を出し、本気で来ることがわかり、雄二はマスクの下で冷や汗をかいて苦笑いを浮かべた。

 

「やば……っ!」

 

羽赫による遠距離の攻撃をバックステップでかわすと態勢が崩れたところに甲赫持ちが追撃してくる。

雄二はそこにアサルトライフルに着いたグレネードを打ち、爆発を利用して更に後ろに転がるように退がる。

 

「たくっ……!グレネードでも傷つけるのは難しいか」

 

甲赫で防ぎ、焦げ目がついただけの赫子を見てうんざりしたように愚痴を溢すと、背後から突然尾赫で貫かれた。

 

「ごぼっ!?」

 

口から血を吹き出しながら振り向くと尾赫持ちのメイドが背後から雄二を突き刺していた。

震える手でライフルを向けようとすると鱗赫持ちが赫子でライフルを持っていた手を抉り取った。

 

「くそっ……ぅ」

 

雄二は気を失うように項垂れ動かなくなってしまう。

それを確認した串刺しにしたメイドが雄二を降ろすが、赫子は抜かず、そのままにした状態でだ。

 

「何が起こるかわかりません。警戒を怠らないように」

 

『はい』

 

メイド達が一斉に返事をした瞬間、雄二の袖から細長い筒を取り出し、メイド達の前に投げた。

その瞬間、凄まじい音と光が辺り一面を襲った。

怯んだメイド達が目を漸く開けると尾赫には雄二の姿無くなっていた。

 

「っ!探しなさい!!」

 

辺りを見渡すと少し離れたところに血濡れた戦闘服を着て、傷がない肌を露出させている雄二が立っていた。

羽赫持ちのメイドが動きを止めようと羽を雄二に向けて飛ばすが羽は雄二に当たる途中で不自然に止まってしまった。

 

「そろそろ、こっちも終わらせるぞ。迎えにいかないといけないんでな」

 

雄二の前に黒い影が徐々に姿を現わす。

筋骨隆々で2mを余裕で超える巨体、体は黒一色である。

その顔は形は人の物だが目が釣り上がっており、口には不揃いの牙が並んで獣のようだ。

 

「いくぞ、ヴェノム」

 

『オーケー』

 

田中 雄二が操るIBM『ヴェノム』が暴れ出す。

メイド達は突然現れたヴェノムに動揺するがすぐに冷静さを取り戻し、攻撃を仕掛ける。

尾赫持ちが体に攻撃しようとするが尾赫を掴まれ、ヴェノムの方に凄まじい力で引っ張られ、その勢いのまま顔を殴られ、顔が爆散した。

次に鱗赫持ちが動こうとするがそれより早くヴェノムが目の前に移動し、顔を殴ると首から骨が折れる音と共に首が不自然な方向に曲がって倒れた。

更に甲赫持ちがヴェノムに向かって赫子を振るい、ヴェノムを怯ませる。

効いていると分かった甲赫持ちは連続で攻撃していき、ヴェノムは防ぐことしかできない。

 

「ぐぎゃあぁっ!!?」

 

すると、雄二が装填したグレネードを顔に向かって放ち、視界を塞いだ。

顔に凄まじい衝撃と痛みが走り、見るも無残な状態となってしまった。

怯んだ瞬間にヴェノムは顔を掴み、握り潰して殺した。

 

「ひっ……!?」

 

倒される仲間を見て、羽赫持ちは恐怖心が勝ち、逃げようとする。

幸いに倒された3人よりは絶対に早い羽赫持ちは逃げれる自信があった。

しかし、背中を見せて走り出そうとした瞬間に両足に鋭い痛みが走り、倒れてしまう。

 

「あぁっ!?」

 

足を見ると両足が撃たれ、雄二がQバレットの弾丸を撃ったのだ。

這い蹲って逃げようとする最後のメイドにヴェノムは歩いて近づき、その巨大な手で掴んで持ち上げて、自分の方を向かせ、大きく口を開いて、鋭利な牙を見せつける。

 

「や、やめ…て……」

 

『イタダキマス!』

 

 

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