ゾンビが人間を守って何が悪い   作:セイント14.5

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レベル28.脱出

 

「なあ、そんなに怒らないでくれよ〜」

 

 

戦闘でボロボロになった岩場を抜けて適当に歩みを進めると、ザナリー3が手をもみながら気持ち悪い声を出して近づいてきた。

 

 

「………」

 

 

無視して歩き続けると、ザナリー3は手もみするのをやめ、何やら考えだした。反応が芳しくないので、作戦を変えるつもりのようだ。

 

 

「やっぱりさっきのマジックのタネが気になってしょうがないか?…ホントはもうちょい引き延ばしたかったが…ウン仕方ねえ、教えてやるよ!」

 

 

目も合わせず無言でいることをどう受け止めたのか、ザナリー3は我が意を得たりといった様子で人差し指をピンと立て、得意げに語り始めた。

 

 

「といってもやった事はシンプルさ。ケイがシルバー・フレイム号で拾ったらしい投射機でヤツらの中心めがけてフラッシュバンを放り込んで、動きが止まったスキに…バーン!俺のハンドキャノンが火を噴いた!100メートル超えの超・ロングショットだ!」

 

 

ワキワキとハンドキャノンを構える動作を取りながら、ザナリー3は自身の活躍をアピールする。

確かに100メートル以上の距離から、ハンドキャノンでカバルの(比較的)小さな頭を撃ち抜くのは常人技ではない。だが同時に、投射機ありきとはいえ同じ距離の遠投をやってのけたらしいケイが何のアピールもしないのは、やはり人間性だろうか。

 

 

「………」

 

 

「…あー…」

 

 

ひととおり説明した後、なおも無言を貫く俺に観念したのか、ザナリー3はしおらしくなった。

 

 

「…そりゃ助けが遅くなったのは悪かったと思うぜ?まあ火星に落ちるなりどっか行っちまったのはダンナだった気がするけど…でもさ、実際危ない場面だったけど大ケガもしてないし、ここは間に合って良かった〜でいいんじゃねえの?」

 

 

「……ザナリー、彼が気にしてるのは多分、そういうことじゃない」

 

 

傍で一方的なやりとりを眺めていたケイが口を挟む。

 

 

「じゃあ何だってんだ?」

 

 

ザナリー3が首だけケイに向けて聞き返す。

 

 

「というか、別に怒っていない…と思う」

 

 

ケイはそう言って、懐から浮き上がってきたライフに注意を向けた。

 

 

『…治療完了しました』

 

 

「……そうか」

 

 

歩きながら、身体の調子を確認する。人間のものではない腕や脚。それを自分の物のように曲げ伸ばしてみて、やはりいつもより倦怠感が強いと感じた。

 

 

『ご自身でお分かりでしょうが、活動限界が近いです。衛星タイタンから持ってきたエーテルはほとんどが墜落でロスト。装備していたタンクも生命維持の分を除いてほとんどストックがありません。今後エーテルの補給があるまで、戦闘は絶対に避けて下さい…やれても、数人規模の小さな部隊を1回。それが本当の限度です』

 

 

「フン…無茶をした報いだな」

 

 

『否定はしません。あなたの奇抜な行動にはいつも驚かされてばかりです。尊敬すら覚えます。それと、これは嫌味です』

 

 

ライフがくるくるとゾンビの周囲を回る。ゴーストに表情は無いが、そこには明らかな不満の色が見えた。

 

 

「…むしろ怒っているのは彼の方だな」

 

 

そんなライフを見て、ケイがそう呟いた。

 

 

「彼?」

 

 

「ライフ君」

 

 

「ああ…ふと思ったんだけど、ライフ君は、彼って言ってもいいのか?彼女だったりしないか?いやまあ確かに俺もライフ【君】って呼ぶけど…そもそも男とか女とか、ゴーストにそういうのあるのか?」

 

 

ザナリー3が首を傾げた。それを受けたケイも顎に指を当てて思考する。

 

 

「うん…研究者としてはゴーストの性について明確な線引きが欲しいところだが、そこは今後の研究命題に加えよう。現状で話せることとしては…そうだな。もっと即物的な印象として…話し方や性格が男性的、女性的なゴーストはいる、といったところだろうか」

 

 

「ライフ君は男っぽいゴーストってことか?」

 

 

「まあ、それでいい」

 

 

『…なんだかむずがゆいので…私の前でその検討はやめていただけると有難いのですが』

 

 

「恥じらい…いや困惑か?いや、非常に興味深い。ライフ君、今の君からはかなり上質なデータが取れそうだ。なに、少しだけ…少しだけ時間をくれないか?」

 

 

ケイが見たことのない表情でライフににじり寄る。

 

 

『………』

 

 

「俺を見るな。…好きにしろ」

 

 

「ありがたい」

 

 

ケイがライフに手を伸ばし、そのままカチャカチャと弄り始めた。

 

 

『そんな、見捨てられました…ああ…私は今とても哀れなゴーストです』

 

 

「ケイ、それが終わったら船を探すぞ」

 

 

「フフフ…ん?ああ…そうだな……フフ……」

 

 

『あの、撫で回さないで下さい…あっ、シェルの境目は指を挟むと痛いと思います…ええ……あの…やめて下さると…非常にありがたいのですが…』

 

 

「……なるほど…ああ、素晴らしいな…フフ…フフフ…フ…」

 

 

『あっ、あっ、やめて、やめてください』

 

 

「…なあダンナ、俺、今度からケイにライフ君の話するのやめようかな」

 

 

「……ああ………」

 

 

ケイの暗い笑い声とライフの悲鳴は、しばらく止むことはなかった。

 

 

……………………

 

 

「時間を取らせてすまない、ひと段落ついたよ」

 

 

ケイは心なしかつやつやしていた。

 

 

『痛くない拷問があるのは知っていましたが、体験したのは初めてでした。次は是非とも遠慮したいですね』

 

 

ライフは露骨に不満げだ。

 

 

「ケイ、船を探すぞ」

 

 

「わかっているさ。ゴースト、さっき話したものを」

 

 

ケイの肩の後ろから彼女のゴーストが姿を見せる。ゴーストは淡々と彼女の要求する情報を話した。

 

 

『検索は終了しています。近辺10km以内に候補地は一件…ブレイ関連施設跡、船舶の発着場と格納庫が残っています』

 

 

「候補はひとつか…大丈夫なのか?」

 

 

あてが1つしかないということは、そこがダメなら終わりということを意味する。

 

 

「何、むしろ迷わなくて済むじゃないか」

 

 

「む……」

 

 

「兎に角、こうしていても仕方ないのは確かだ…行こう。他に案があるなら聞くが」

 

 

ケイが腰に手を当て、2人を交互に見る。その態度には確信めいたものがあった。

 

 

「俺は無いぞ」

 

 

ザナリー3は即答した。

 

 

「…無い」

 

 

こちらも渋々といった表情で答えた。

 

 

「決定だな。ゴースト、ルートは?」

 

 

想定通り、といった風にケイが前を向き直す。初めからあとの2人に反論や対案などないと見越しての動きだった。

 

 

『算出してあります。最速で行く、危険をできる限り回避する、資材を集めながら行く…この3つのルートです』

 

 

「よし。急ぐ旅だが、それよりも戦闘はしたくない。危険を回避して行こう」

 

 

『了解しました。ヘルメットにウェイポイントを表示します』

 

 

「警戒は怠るな。カバルのレーダーは性能がいい。先に気づかれることを前提に動け」

 

 

「了解…う〜…不安だぜ…」

 

 

淡々と前を見据える。眉間に皺を寄せる。不安げに辺りを見回す。それぞれの思いを胸に、3人は歩きだした。

 

 

………………………

 

 

「着いた!やった!無事だ!イエー!」

 

 

岩山の隙間を縫うように進み、少しずつ人工物が見えてきたかと思うと、色あせた金属質の大きなゲートを見つけた。どうやら目的の施設に到着したらしいことで、ザナリー3は全身で自分の無事を喜んだ。

 

 

「入口はここのようだ。電力が生きてるのは奇跡と言って良いだろう」

 

 

ゲート横の人間用出入口はロックされていたが、ライフの働きですんなり開いた。中は天井付近に採光窓がいくつも取り入れられ、想像以上に明るかった。

配電盤を見つけたので色々と弄ると、まだ生きていた電灯がゆっくりと光り出した。

 

 

『ここは乗客用エントランスのようです。あちらに受付だったと思われるカウンターやモニターが見えます』

 

 

ライフやケイのゴーストが忙しく動き回り、状況を把握しようとする。

 

 

「そうだな、船はありそうか?」

 

 

『電力が無事な以上可能性はありますが…見てみないことには』

 

 

「それもそうか」

 

 

『受付のターミナルから建物内の情報を吸い出します。少し時間を下さい』

 

 

ライフはそう言うと、正面の大きな機械に取り付いてアレコレと作業を始めた。

 

 

「フーン…黄金時代は、ここも旅行客で賑わってたってことか?」

 

 

暇そうに砂ぼこりを蹴り上げたザナリー3は、今度は適当な金属棒を拾い上げてあちこちをつついて回る。

 

 

「あちこち触って壊すなよ?ここは貴重なブレイ関連の施設跡だ。…まあ、人の出入りがあったとしても、それは研究者や輸送業者だっただろうな」

 

 

ケイがたしなめるようにザナリー3に話しかける。

 

 

「なんだ、ならここでコンサートもしなかったのか…」

 

 

ザナリー3は残念そうに肩を落とした。

 

 

「コンサート?何故こんな所で?」

 

 

「黄金時代…いやその前から、人の集まる所には、目立ちたがり屋が目をつけたんだってさ。空港だけじゃない。ステーションや教会前、ただの道沿いでも、人がいて、ミュージシャンが歌えば、そこはコンサート会場になった…らしい」

 

 

身振りを交えて彼は語る。エクソの表情は読み取れないが、どこか嬉しそうに、また何かを懐かしんでいるように見えた。

 

 

「ジョークも交えずに饒舌だな…音楽が好きなのか?」

 

 

「そりゃそうさ!誰もチームを組んでもらえない俺に、ゴースト以外の声を聞かせてくれるのは音楽データくらいだったからな」

 

 

「……その、何と言うべきか…」

 

 

気まずそうにケイは少しうつむいた。

 

 

「いや、気にしてないぜ。俺はもうあの時みたいな俺じゃない。ダンナさえいればカバルの隊長だって一発で仕留めてやるさ!」

 

 

「…ま、あの頃は時間だけはあったからな。必死こいて黄金時代以前の音楽の名残を集めて回った…色々見つけたよ。ブルースにジャズ、ロック、ポップ、テクノ…それとミュージカルに…ああ、あとクラシック!何が面白いって、俺からしたら全部過去のもの(クラシック)ってことだな」

 

 

ケラケラと笑う。ケイは何も言わなかった。

 

 

「レコードやデータパックを見つけて、この曲はなんて言うんだ?って聞いたら、ゴーストはこう答えるんだ。『これはジャズです』」

 

 

「どうして分かる?と聞けば…そうだな―――

 

 

ザナリー3は不意にライフに目を向けた。

 

 

『データ吸い出し完了。施設の名前はエドワード・エルルエリ・エヴァンズ・エアベース。ここはそのE地点エントランスのようです。このまま左の壁沿いに歩けば格納庫です』

 

 

「名前まで分かるのか」

 

 

ゾンビが少し驚いたように返事をした。

 

 

『ええ。受付にそう書いてあります』

 

 

ライフはどこか得意気に見えた。

 

 

「………」

 

 

ゾンビは騙されたような気分で顔をしかめた。

そんなやり取りを見て、ザナリー3は話を再開した。

 

 

「ああ、まさにああやって答えたんだ。『レコードの表紙に書いてあります』ってな。何故か自慢げだった。ああ、そのあたりはよく似てる。うん。本当に…いい親友だった」

 

 

「…君のゴーストに敬意を表する」

 

 

「ありがとな。まったく似合わないこと話しちまったぜ!…ダンナが呼んでる。行こうぜ」

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

この会話に深い意味はない。だが、彼が亡くなった時、私はきっと誰かにこの話をするだろう。ケイはなんとなくそう思った。

 

 

………………………

 

 

ところどころ破損した薄暗い通路を抜け、なんとか目指した部屋の扉にたどり着く。

ライフがロックを外した扉を開けると、大きな部屋に一台の宇宙船が置かれていた。

旧時代式のフレームに、白を基調として青のラインがいくつか走っている。欠けたパーツなどは特に見受けられず、エンジンに火が入れば今にも動き出しそうだ。

多少の傷こそついているが、ほぼ万全な状態の船が丸々残っていたのは、幸運というほかなかった。

 

 

『ここが格納庫のようです。セキュリティが思いのほか強固で苦労しましたが、それだけに中身が無事でよかった』

 

 

タラップを上り、中に入る。かなり埃が積もっており、長年人の手が入っていないことがわかる。

 

 

「相当な旧式だ」

 

 

『それはそうでしょう。クロビスブレイが研究者を集めたのも黄金時代の話…もはや歴史の領域ですから。私としては、彼らの作った物のほとんどがブラックボックスと化しているのが残念でなりません』

 

 

「そうか」

 

 

パイロットシートを見つけ、周囲の埃を払う。視界を覆うほどの埃が舞い、今だけは、マスクをつけていて良かったと思った。

 

 

『露骨に面倒臭そうにしないで下さい。きちんとリブートを試してます』

 

 

「動くか?」

 

 

とりあえず最低限の掃除を済ませるため、適当な道具を探すことにした。ライフにはその間に船の起動をしてもらうことにする。

 

 

『シルバー・フレイム号に比べればどんな船だって完璧な船です。外装も剥がれてませんし、肉抜きもされてません。大丈夫、動きますよ』

 

 

「…思いのほか早く船が手に入ったな」

 

 

『そうですね。まさしく幸運です』

 

 

「ライフ、これなら間に合いそうか?」

 

 

シティの奪還作戦の支援を依頼されている。追い出されるようにしてだが、作戦予定日よりかなり早めに出発している。作戦には当然間に合うだろう。

だが、懸念しているのはそれではなく…

 

 

『時間には多少の余裕があります…それこそ、寄り道できる程度には。ですが、例の場所とシティは距離があります。そう長い時間は取れません』

 

 

「よし。すぐに出発するぞ」

 

 

掃除道具を見つけたので、ザナリー3に投げ渡す。

話をぼんやり聞いていた彼が情報を整理し終わると、ハッと気がついたようにして慌てはじめた。

 

 

「…えッ?いや待て待て!バンガードの反攻作戦までまだ時間があるだろ?地球はカバルの親玉がいてここよりゼッタイ危ないと思うし、もうちょい火星で準備したほうがいい!」

 

 

「…いや、すぐに行く」

 

 

「でも…いや、ダメだ。ダンナ、なんだってそんなに急ぐんだ?」

 

 

ザナリー3がいつになく真剣な声色で聞いてくる。

 

 

「………」

 

 

「教えてくれよ、そうじゃなきゃ納得できねえ」

 

 

ザナリー3がその場に座り込んだ。不満であることを表明しているようだ。

 

 

「……全く…」

 

 

「…やはり、光を取り戻しに行くんだな」

 

 

ケイが口を挟んだ。

 

 

「…!」

 

 

「光!?光って言ったのか!?」

 

 

ザナリー3が立ち上がり声を上げた。明らかに声色が明るい。

 

 

『ケイ』

 

 

「確かに信憑性に欠ける話だ。軽率な話はしたくない君の気持ちも分かる…だが希望を持たせるのは悪いことじゃない。君がどこでその話を聞いたかは知らないし、私は衛星タイタンの研究者から聞いただけだが…君が話さなければ、私から言わせてもらう。元々、そのつもりだったしな」

 

 

「……好きにしろ。元々、俺は面倒だから話さなかっただけだ」

 

 

面倒になり座り込む。あとはケイが勝手に説明するだろう。

 

 

『…あなたの判断を尊重します』

 

 

ライフもそれに従い、口を挟むのをやめた。

 

 

「…よし、聞かせてくれ!」

 

 

ザナリー3が手刀を前に突き出し、腰を深く落とした。

 

 

「何のポーズだそれは…何、そこまで身構える話じゃない。例の…光を取り戻したガーディアンがいたという話を覚えているか?」

 

 

「ああ、この前スゲエやつもいるもんだなって話したぞ」

 

 

「では問題だ。彼は、どうやって光を取り戻したと思う?」

 

 

「それもこの前話したぞ。確か……そうだ、ピンチに陥ったガーディアンが、突然ガーディアンとしてのステージが一段上がって、スーパーガーディアンになったってのが結論だった!」

 

 

ザナリー3がピンと二本指を立てる。誇らしげだ。ケイがため息がちにその指に手を重ね、丁寧に両方折りまげた。

 

 

「当然ながら違う。…バンガードの聴取では、地球のとある場所に落下して放置されていたトラベラーの破片から、新たな光の力を受け取ったらしいのさ」

 

 

ケイが砂と埃まみれの地面に図面を描く。神経質な曲線と円で、【彼】の道筋が簡潔に示されている。

 

 

「なんだって!」

 

 

ザナリー3が跳ね、風圧でケイの図が台無しになった。

ケイがザナリーを睨む。

 

 

「………はあ。私も当初は驚いた。トラベラーは高度なテクノロジーでできた機械の神だと言われる。ならばその破片は結局のところ単なる大きな機械の1パーツに過ぎず、それが本体の大部分から切り離された時点で、トラベラーとしての機能を果たす能力を失っている。それが私の考えだったからだ」

 

 

「ん?うん。そうだな、もちろんそうだ」

 

 

首を傾げながら分かったフリをしている。難しい話だと思ったようだ。

 

 

「……それで、我々も彼の行動を模倣することで、光を手に入れよう、というワケだ。これは理解できたか?」

 

 

「つまり、光を取り戻せるんだな!」

 

 

ぐっ、とザナリー3が両手で拳を作った。

 

 

「……それを約束はできないが、やる価値はあるかもしれない。その程度の話だ」

 

 

「いや、それでいい!なら早く行こう!絶対光を取り戻すぞ!」

 

 

「…だ、そうだが?」

 

 

ケイがこちらに振り向いた。説明は終わったらしい。

 

 

「…分かったならさっさと乗れ。船の起動とルート構築は済んでる」

 

 

「なあ、今度も俺が運転していいだろ!?」

 

 

「ダメだ。今度は格納庫じゃなくて宇宙空間に放り込むぞ」

 

 

「流石にスパローレースの気分で乗り回されるのは…もう遠慮したいね」

 

 

「なんでだよ!小惑星や宇宙デブリスレスレのスリル、スピード!四方八方から身体に降りかかるG!それこそ宇宙船だろ!」

 

 

「ダメだ」

 

 

「…だったら、今度俺のマジでとっておきの、絶対一年に1回しか言わないって決めてるジョーク聞かせてやるよ!それなら…!」

 

 

「尚更ダメだ」

 

 

「チクショー!!」

 

 

船はなにごとも無く発進した。ザナリー3は押し込まれた後部座席で泣いてみた。種族柄、やはり涙は出なかった。特に心配もされなかった。

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