このような駄文を好意的に受け止めてくださりありがとうございます。
今後もよろしくおねがいします。
~オルクス迷宮二十階層~
「俺が同行できるのはここまでだ」
「いえ、むしろここまで一緒に来てくれてありがとうございます。メルドさん」
おかげでだいぶ南雲救出のための力を温存できた。雫や龍太郎はほかのクラスメイトをまとめるため王宮に残ったままだから、この人の同行は本当にありがたい。
「この先は一人になる。なるべく早く帰ってこい。神託の絶大なる力云々は気にするな」
「はい。必ず南雲を連れて、生きて帰ります」
そして俺は、トラップを作動させた。
「グルァアアアア!!!」
「ベヒモス……」
この魔物には苦い思いでしかない。もっと自分に力があれば、早く決着をつけられれば。そんなマイナスな思いばかり募っていく。
「加減はしない。【
弓を構え、矢をつがえる。
「ガァアアアアア!!!」
ベヒモスが突進してくるが、遅い。矢を放つほうが速い。
「
矢が、ベヒモスごと地面をえぐる。そして、通過した後には何も残っていなかった。
「急ごう」
そして、破壊の跡には目もくれず、奈落に向かって飛び降りた。時々壁に剣を突き刺し、スピードを調節しながら。
~奈落~
「結構深かったな。こんなところから落ちて、南雲は本当に生きているのか?」
『君が弱気になってどうする。必ず助けると決めたのだろう』
そうだ。まだ確実に死んだと決まっているわけじゃない。絶対にあきらめてたまるか。
「少し暗いな。‘火種’」
魔法で明かりを作る。
『全属性適性……魔術師で言うところの
「攻撃力は剣のほうが高いですけど、魔法は色々応用がききますから、暇を見つけては鍛えています」
『究極の一が強力とはいえ、手数は多いほうがいいからな。多方面に才能があるなら全てある程度は伸ばすべきだ』
そんなやり取りをしながら進むと、目の前に影が見えた。人影にしては小さい。
(魔物か?)
出てきたのは、異様に両足が発達した小さいうさぎだった。
(なんだうさぎか)
小さい見た目に油断していると……
『気を緩めるな!』
エミヤさんの一喝が耳に入るのと同時に、うさぎが物凄いスピードで蹴りかかってきた。
「うわっ!?」
反射的に干将を振る。その動作が運よくカウンターとなり、うさぎは絶命した。
(あ、危なかった……。この目がなかったら、確実に死んでた)
『予想はしていたが、上の階層とは敵の強さが段違いだ。あのうさぎ、スピードはベヒモスより速い。こんな奴らがうようよしているのだとしたら、急がないと南雲君が殺されるかもしれんぞ』
エミヤさんの声には、明らかに焦燥が混じっていた。冷静なこの人が、声に感情を出すのは珍しい。つまり、今はそれほど危機的状況だということ。
「急がないと。待ってろ南雲!」
そして、奈落を探索していくうちに錬成や生活の痕跡を発見した。その跡は下に続いている。
「なんでわざわざ下のほうに?いや、どうでもいい。重要なのはスピードだ」
『あの少年がやけになって行動するとは考えにくい。何か生き残る手段を手に入れたのだろう。だが、おそらく下にいる敵はうさぎよりはるかに強いぞ』
「関係ない。やるべきことはもう決まってる」
俺は奈落の魔物に苦戦しながらも、どんどん下に降りていった。
そしてついに、巨大なサソリもどきと戦う人影を発見した。きっと南雲に違いない!
「
サソリもどきに命中。しかし、ひびが入っただけで倒せてはいない。
サソリもどきのことは一旦おいて、俺は南雲の前に立った。
「大丈夫か南雲!?」
しかし、そこにいたのは南雲ではなかった。最初に目に入ったのは痛々しい隻腕だった。そして、全体に目を向けると……
筋肉質な体、高身長、白い髪、赤い目、刺々しい雰囲気。あと小さい女の子も背負ってるし、どう見ても南雲とは別人だった。
「すみません。人違いでした」
こんなに明らかな別人と間違えるなんて、この人にも南雲にも失礼だ。
「いや待て待て待て。あってるから。違わないから」
「何がだ?」
「俺が南雲だ!」
……何を言っているんだ?
「こっちは真剣に南雲を探してるんだ。そんな茶化すような冗談はやめろ」
「冗談じゃねえよ!よく見ろ面影とかあんだろ!?」
「いや全くない。エミヤさんだって何年もたって徐々に変わっていったんだぞ。一か月もたってないのにそんな劇的に変わるか!別人だと認めろ!」
「知るか!誰だよエミヤさんって!?」
「ハジメ、この人だれ?知り合い?」
「ユエ。いや、知り合いってか、あんま仲良くはないんだが……」
「なりすましに加えて幼女誘拐……見下げはてたぞこの凶悪犯」
「少しは人の話を聞け!相変わらず思い込みの激しい野郎だな!」
話している間に回復したらしいサソリもどきが、針を放ってきた。ジャンプで回避する。
南雲を名乗る怪しい男も、この攻撃を回避するほどの実力はあるらしい。隻腕で、しかも人を背負っているのに大した男だ。
「おい天之河。なんでお前がここにいるのか、その力は何なのか、他の奴らはどうしているのか、聞きたいことは山ほどあるが……」
「こっちもなぜ南雲の名を騙るのか、その女の子はどうしたのか、聞きたいことはたくさんあるが」
「「まずはそこの敵を倒してからだな」」
俺は剣で、偽南雲は兵器で猛攻を始めた。
だが、互いに敵の毒攻撃に対処しながら攻撃を加えるも、頑丈な外殻はびくともしない。
「くっそ!熱でもダメとはな。あいつの外殻は何でできてるんだ?」
偽南雲の疑問に同感した俺は、解析魔術を使うことにした。
(
「偽南雲。どうやらこいつの外殻は、何らかの鉱物でできているらしい。本当に生物かこいつ?」
「偽南雲!?……この際それでいい!しかし、鉱物だと?もしかしたら……。天之河!あいつの動きを一瞬止められるか!?」
「エミヤさん……了解しました。
自分の周りに、なるべく頑丈な大剣を複数投影する。
「はあっ!」
そして、それをサソリもどきの関節部分に放つ。
剣はほかの部位と違い、簡単にその体を貫いた。
(エミヤさんの助言どおりだ。どんなに頑丈な生物も、関節だけは柔らかい)
「さすが勇者だな。錬成ぇえええ!」
関節を傷つけられて動けなくなったサソリもどきに触れた南雲は錬成を使って、外殻に穴をあける。
「‘蒼天’」
錬成で穴の開いた外殻に、女の子の強力な魔法が放たれ、サソリもどきは絶命した。
(予想通りだ。鉱物なら、たとえそれが魔物の一部だろうが錬成で加工できる)
それはさておき、この状況については天之河とじっくり話し合わなければ、とハジメは思った。
「その錬成術……まさか本物の南雲なのか!?」
「最初からそう言ってるだろうが!」
相変わらず思い込みが激しいな、と毒づきながらもその変わってない部分に少し安心感を覚えたハジメだった。
作者「今回のあとがきは、思ったより人気が出た別√短編について話し合おうと思います」
藤村「イエーイ!ゲストには別√の南雲一(以降√ハと表記)君とティオ(原作Ver)ちゃんをお呼びしてま~す」
√ハ「ど、どうも……」
ティオ(原作Ver)「なぜこの√では妾とご主人様の出会いがないのじゃ!?思いっきり蚊帳の外じゃと!?」
作者「清水の一件なしに√ハとティオが出会う展開が思い浮かばなかった。それに√ハならティオがいなくても何とかなるかなって」
ティオ(原作Ver)「ガーン。それを考えたらあ奴に操られたこと、感謝できなくもないのう。は~、ご主人様にいじめられたい(√ハをチラ見しながら)」
√ハ「いじめないよ!」
藤村「でもSの素質はあるんじゃないの?同じハジメだし」
√ハ「いらないよ!」
作者「ぜひ長編で読みたいとの声を多数いただいております。よかったね√ハ」
√ハ「読者の皆様ありがとうございます。けど世界と契約したくないです」
作者「そんな世界と契約しちゃった光輝のことはどう思ってんの?」
√ハ「天之河君は契約を解消できる方法があってもすすんで守護者になりそうで心配です」
作者「守護者になる可能性はぶっちゃけ五分五分」
藤村「光輝くーん。世界救済なんて詐欺同然の売り文句に騙されて契約しちゃだめよー。ちゃんと破棄して!」
作者「それでは読者の皆様。また次回お会いしましょう」