ありふれた勇者と正義の味方   作:海・海

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日本に帰還したときのことを考えて、Fateとありふれのつじつまを合わせることは無理だと思いました。

私はこの二次創作を書き始めたとき、ありふれのアフターはあまり読んでなかったんです。今読んでみたら現実にエクソシストやら悪魔やら地獄やら陰陽師やら魑魅魍魎やらなんでもありになってる。

こんなになってるんだったら何も考えずにありふれの日本とFateを同じ世界の設定にしなかった!


仮に日本に帰るストーリーを作る時があれば、その日本はありふれよりFateに近いです。

ありふれの日本無茶苦茶すぎる。異世界の人間より日本の保護者のほうがキャラが濃いってどういうこっちゃ。

アフターにも使えるネタがあったら使いますけど、うまく使える自信がない。



ガンオタ

 「へえ、血抜きをするだけでも随分食感や味が変わるもんだな。それでもまずいが」

 

 これが血抜きした魔物の肉を食べた南雲の感想だ。

 

 「調味料がないからしかたないだろ。保存食はお前が全部食べちゃったし」

 

 「しょうがねえだろ。久しぶりのまともな飯で舞い上がってたんだ。どのみち魔物はたくさん食わないといけないしな」

 

 「私は血があればそれでいい。ハジメの血、美味しい」

 

 「「……うらやましい」」

 

 サソリもどきの肉を食べてパワーアップした俺は、背が伸びて、髪が白くなった。目も赤いし、まるで別人だ。

顔の骨格は変わってないから多少面影はあるが、クラスメイトに会っても自分だとは気づいてくれないだろう。

ちなみに、それ以降の魔物はちゃんと下処理をしたうえで食べている。血抜きなどのやり方はエミヤさんに教わった。けど調味料がないのは痛い。せめて塩が欲しい。

 

 ユエが本当にうらやましい。この奈落で美味しいという感覚が味わえるなんて……。

 

 「天之河、ステータスはどんな感じだ?わざわざ戻ってうさぎや狼も食わせたんだ。スキルがたくさんあるだろ?」

 

 「ちょっと見てみるよ」

 

 そういえばステータスを見るのは久しぶりだなと思いながら見てみたら、とんでもないことになっていた。

 

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天之河光輝 17歳 男 レベル70

天職:勇者/抑止の守護者(カウンターガーディアン)

筋力:2280

体力:2350

耐性:2300

敏捷:2660

魔力:2510

魔耐:1900

勇者技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読み・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠見・気配感知・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

守護者技能:英霊憑依[+意識交代]・英霊適合[適合率21%]・夢幻召喚(インストール)限定召喚(インクルード)・魔術回路・変化魔術・強化魔術・解析魔術・投影魔術

宝具:無■■剣■

 

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 勇者技能がたくさん増えていた。それだけではない。守護者技能も派生が増えて、適合率なんてものも表記されている。

 

 『意識交代は、この体の主導権を君から私に交代するものだろう。適合率は……光輝、少し上着を脱いでくれないか』

 

 「?……はい」

 

 意図はわからなかったが、言われた通り上着を脱ぐ。南雲とユエが急な奇行に驚いていたが、気にしない。

 

 「これは!?」

 

 服を脱いで分かったが、俺の胸のあたりの肌が浅黒くなっていた。

 

 『やはり、君の体を私の体が侵食している。いや、融合か?光輝、今のところ不調はないか?』

 

 「ないです。むしろ調子がいいくらいで……」

 

 『……どうやら、君の肉体を私の肉体に上書きするでもなく、ちょうどいいように融合されているようだな。原因は、守護者技能か?』

 

 エミヤさんが言うには、肉体の情報を完全に上書きする場合、俺の容姿や力、能力は完全にエミヤさんと同じになるが、今の状態は天之河光輝と英霊エミヤ、二人の能力が同じ肉体で使えるように丁度いい割合での融合が進んでいる状態らしい。

 

 (よかった。エミヤさんにはあこがれてますけど、能力はともかく、容姿も何もかも一緒はさすがに嫌です)

 

 『このスキルはまだ未知数だ。融合が進んだことによって不調があるならすぐ伝えてくれ。それと、守護者技能の使用には気を使ったほうがいい。魔物の肉を食べて強くなったのはよかったな。おかげで使用頻度が減った』

 

 「……あの激痛を味わってないからそんなことが言えるんですよ」

 

 あれは本当に痛かった。南雲もあんな思いをしてたんだと思うと同情できなくもないが、俺に魔物の肉を食わせたことは許せそうにない。

 

 『それについては本当にすまなかったな。だが、天歩や金剛など、君と相性のいい技能を得られたのは大きい』

 

 天歩は瞬発力をあげる技能、その派生で縮地という高速移動法を身につけ、空力で空中で足場を作ることもできる。豪脚で蹴りの威力も上がった。風爪で見えない攻撃が使えるようになった。金剛で防御力もあげられる。接近戦が得意な俺に相性のいい技能、魔物の固有魔法を手に入れることで、俺の攻撃手段が充実したものになった。

 

 (けど、それを無理矢理させた南雲に感謝はできない。けど、南雲に対する贖罪だと思えば耐えられる)

 

 その南雲は光輝を恨んでおらず、魔物を食べさせたのは自分がまずい肉を食べている間美味しいものを食べていたことへの私怨であるのが理由なのだが、それは知らぬが仏という奴だろう。

 

 「ステータスはどうだった?天之河」

 

 「いろいろ増えてたよ。魔物の固有魔法だけじゃない。俺自身の技能も、守護者の技能も」

 

 抑止力の守護者についての詳細は南雲には話していない。俺が世界の奴隷になるなんて、南雲が知る必要はない。

 

 「意識交代っていう技能があった。これを使えば、南雲たちもエミヤさんとスムーズに会話ができる」

 

 『おい、守護者技能の使用には気を使えといったばかりだろう!』

 

 「お!そうなのか。じゃあ頼む。俺もエミヤさんとやらと話がしたいと思ってたんだ」

 

 「私も」

 

 エミヤさんの静止を振り切り、意識交代を発動。

 

 「……なるほど。技能の発動の主導権は光輝の側にあるということか」

 

 『そうみたいですね』

 

 そして、肉体の主導権が入れ替わった。

 

 「こうして正面から向かい合うのは初めてだな。南雲君、ユエ君」

 

 「はじめまして、だな」

 

 英霊と吸血鬼と後の魔王が、ついに対峙する。

 

 「……君付け」

 

 「君付けはお気に召さなかったかな?では、Ms.ユエとお呼びしても?」

 

 「Ms.……おお、いい響き。天之河にもそう呼ばせ……いや、天之河には似合わないからやっぱりいい」

 

 俺もユエをMs.というなれない呼び方で呼称したくない。

 

 「ちょっといいか?俺、あんたにはいろいろ聞きたいことがあるんだが……」

 

 「私も君には言いたいことがあってな。まず、銃の手入れはどうしてる?」

 

 「あ?そういやしてねえな。まあそんなことより……」

 

 「そんなことではないわこの戯けぇ!」

 

 エミヤさんの普段の温厚な様子からは想像できないほど激情に満ちた声が発せられた。

 

 「消耗品であり、替えがきくし自分で作れるとはいえ、もっと愛着はないのか!?纏雷の技能で超電磁砲(レールガン)を生み出しているなら、銃身にかかる負荷は相当のはず。君は銃にかかる負担を計算しているのか?」

 

 「あ~、いや、道具を粗末にしてるつもりはないぞ。ただ、俺は銃に関しては趣味の範疇でしか知らない。自分なりに改良しているつもりだが、そこまで考えられなかった。生き残るのに必死で、手入れとか、そんな余裕はなかったしな」

 

 「確かに状況的に余裕はなかっただろうな。うむ。君の銃を改めてみてみると、研鑽(けんさん)の跡が感じられる。素人にしては構造も丁寧に作られている。だが、改善点がまだまだあるぞ。そもそも銃とは……」

 

 そして、俺やユエがついていけない領域の話が始まった。

 

 「こういう構造になっていてな……」

 

 「なるほど。確かに耐久性を重視した構造になってるな。無骨ながら、どこか引き寄せられる魅力を感じる」

 

 「ああ。機能美、合理性を重視したスマートな構造は魂を揺さぶる。まさに男の浪漫(ロマン)だ」

 

 ハジメは嬉しかった。銃について語れる身近な人物など、父親くらいしかいなかったから、あまり熱く語れなかった。しかし、ここに自分より詳しい人物がいて色々なことを教えてもらえる。オタクにとって、趣味が合う人間が現れたことは歓喜すべき貴重な機会なのだ。

 

 しかし……

 

 「……こういう歴史があって、それで……」

 

 「はいはい」

 

 「もっとこうして……それで……」

 

 「……」

 

 「さらに……」

 

 「……なげえよ!」

 

 自分の好きなジャンルのことになると話し出したら止まらないというオタク特有の習性に、自分もオタクであることを棚に上げてハジメは突っ込んだ。

 

 「ハンドガンの話だけでどんだけ時間使ってんだ!?ユエや天之河だけじゃなく俺まで途中から置いてけぼりにされたわ!」

 

 「Zzz」

 

 ユエは途中から寝ていた。

 

 そして俺は……エミヤさんのキャラの違いに戸惑っていた。

 

 俺の中でエミヤさんは強くてかっこよくて冷静で、それでいて正義の味方という熱い理想を持っている。まさに完璧超人。そんな人物が、自分のよくわからないジャンルの話を引くほど力説しているのだ。普通に動揺する。

 

 『ちょっと整理する時間をください』

 

 「む?確かに一度にたくさん話しすぎたな。だが、それほど銃は奥が深いのだ。光輝も整理し終わったら、銃に対する理解度が深まるさ」

 

 『そっち()じゃなくて!』

 

 「?」

 

 自身のキャラ崩壊についてのことだとはみじんも思わないエミヤだった。

 

 「もう銃については嫌というほどわかった。今度は俺の質問に答えてくれ」

 

 南雲が今のグダグダな雰囲気を変えるほど真面目な顔つきになった。

 

 「生み出すことしかできないなら、その一つを馬鹿みたいに極めて見せろ。戦う相手は自身のイメージに他ならない。この言葉を教えてくれたのは、あんただろ?天之河が言ったにしては深みがあったからな。あんたが天之河を通して伝えたと考えれば納得がいく」

 

 「ああ、その通り。あれは私の言葉だ」

 

 「そうか……ありがとな」

 

 南雲は感謝の言葉を口にし、頭を下げた。

 

 「この銃を作る時、何千回も失敗して、心が折れそうになったんだ。やっぱり素人に銃を作るなんて無理だって。けど、不思議とあんたの言葉を思い出した。そのたびに、俺にはこれしかないんだ、自分に負けてたまるかって、そう念じて持ち直すことができたんだ。だから本当にありがとう。あの言葉がなかったら俺は、今も奈落で一人怯えて暮らしていたかもしてない」

 

 「そうか」

 

 エミヤさんはしばらく悩むそぶりを見せて、口を開いた。

 

 「その言葉は、私の人生そのものなんだ。生み出し、自分と戦い、研鑽する。私は私の人生があまり好きではなかったが、この言葉が君の救いになれたのなら、よかった」

 

 「本当に、あんたには感謝してるんだ。あんたのおかげで、俺は錬成師なんて非戦闘職でも自信をもって生き抜くことができた」

 

 「……君はきっと、いい職人になるよ。私が保証しよう」

 

 

 

 

 ……言葉で人を救ったこの人を見て、改めて思った。

 

 

 

 俺もこの人みたいに、誰かを救える人間になりたい。今までにのように都合のいい解釈で救ったと勘違いするのではなく、本当の意味で人を救えるような、正義の味方になりたいと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




作者「どうも読者の皆さんおはこんばんにちは。今日のゲストにはザビ子さんをお呼びしています」

藤村「よろしくね!ザビ子ちゃん!」

ザビ子「よろしくお願いします。う~ん。アーチャーは銃の話もそうだけど、家電の話も長いよ。ここは異世界だから家電の話は出ないけど、出たら銃以上に力説されてたかも」

作者「銃の話でもだましだまし力説してます感出そうとして出し切れてないのに、家電ではそれ以上を求められるなら絶対出しません。書ける気がしない」

藤村「fateニワカオタクだもんね作者君。銃も魔術もそんな詳しくないのにどうしてこの小説を書こうと思ったの?」

作者「ついテンションで……」

ザビ子「見た感じアーチャーと相性がいいのは光輝君より南雲君だと思うんだけど。銃の話途中までついてこれたし。それに光輝君ってアーチャーの嫌いなタイプだと思うよ。正義についてアーチャーは複雑な思いを抱えてるから」

作者「そうです。なので次回は本編ではなく特別編で、光輝とエミヤが他人だった時の話を描写してみようと思います」

藤村「本編からは想像もできないほど仲が悪くなりそう」

作者「それではまた次回。特別編でお会いしましょう」


ここからは真面目な話。

読者の皆様、このような駄文を読んでくださり感謝しています。本当に作者はFateニワカで、好きなだけで詳しくはないんです。ありふれも今wedを読み返しています。
読者の皆様の感想は私の知らない知識があって、そこから新しい発想、ネタが生まれたりするので大変参考、励みになります。

これからも感想を送ってくれると本当にありがたいです。

次回の特別編も、感想から思いついたネタなんです。

本当にありがとうございます。
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