魔弾戦姫リュウフォギア   作:ライダーファイト(ただいま療養中)

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6月になってようやく更新が出来ました。申し訳ございません!!!

描きたいのに描きたい気持ちが殆ど出ず、だらだらとしていたらこんなにも更新が遅くなってしまいました。本当に申し訳ございませんてした!
出来れば最後までお付き合いください!

もしかしたら少々キャラ崩壊が起きてるかもしれません。許してください!
それと次回予告の後に報告もございますので、そちらもお願いします。

読者様の感想や読者様の評価をお待ちしております!

小説情報を見て皆様の閲覧やお気に入り登録にものすごく驚き嬉しくありました。
心より厚く御礼申し上げます。

本当にありがとうございます!!!
これからもなんとか頑張っていきますので、どうかよろしくお願いします!!!!!


激突!装者ッ!

日曜日の朝。

 

 

「…………寝みぃ」

 

なんとか目覚めた俺ではあるが、未だにベッドからは出られないでいる。その理由は夜中の戦闘にあり、俺に襲い掛かってきたあの訳の分からない機械の鎧を纏った2人組の女にある。

 

「あの女ども…………よくも俺の貴重な睡眠時間を削ってくれたな…………」

 

俺は自分にしか聞こえない小声で言う。だがこれは不味い、あの女どもとの戦闘がこれからも続けば、いつもならノイズを倒し家に帰れば終わりなのに、あんな2人組の女どもとの戦闘が入れば俺の大切な睡眠時間が削られちまう。そんなことになったら日常生活に支障が出て、最悪大学の抗議で居眠りどころか遅刻するかもな。

 

(…………なんとしてもそれは避けないと、せっかく無遅刻無欠席で通ってるのに、ここから遅刻や欠席を大量に採ったら、大学を留年なんてことにはなりたくない!)

 

そんな考えが出た俺は、重い体を上げてベッドから起き上がり、今着ているパジャマを脱ぎ始め、私服に着替えていく。

 

 

「着替え完了。リュックの準備したら下に降りるか」

 

着替えを終えた俺は、今日の出掛けるための準備をする。準備と言っても肩の斜めに掛けるリュックに、財布と充電器等を入れるぐらいであるが、それが終われば脱いだパジャマを手に掛け部屋を出て1階へ降りていく。

 

「う~ん…………まだ体が睡眠を欲してんな、少し鍛え直さないとな」

 

ただいまの時刻は8時半過ぎである。階段を降りながら体を伸ばすが、どうにも体は睡眠を欲しているようだ。でも今日は響と未来と一緒に出掛けるためシャキッとしなければならない。

 

「おはよー」

 

1階に降りた俺は、一度洗濯機がある脱衣所に行ってパジャマを洗濯機に放り込み、そのままリビングへと向かって顔を出すとともに朝の挨拶をする。

 

「お、剣二起きたのか。おはよう」

 

「剣二。おはよう」

 

「おはよう剣二。朝ご飯はもうすぐで出来ちゃうから待ってて」

 

リビングに顔を出して挨拶をすれば、最初に新聞を読んでいた父さんが顔を離して俺に挨拶を返す、次に湯飲みを両手で落とさないように大事に持っている婆ちゃんが言い、湯飲みに入っているのは湯気が立っている温かそうなお茶である。最後はなんのイラストも描かれていなく色合いもない簡素なエプロンを着た母さんが言う。そしてただいま朝ご飯を作っております。

 

「ありがと、あれ?…………響の奴は?」

 

椅子に座ってお礼を言うも、響がリビングに居ないことに疑問になった俺は、周りをキョロキョロと見回しながら母さん達に聞く。

 

「ああ、響ね…………」

 

(なんか嫌な予感がする…………こう言うときはいつものアレだよな?)

 

母さんの言葉に嫌な予感がするも、とりあえず最後まで聞くことにした。

 

「実はまだ起きてこないの。剣二、起きてきたばかりで悪いんだけど、響起こしに行ってくれる?」

 

母さんの言葉に俺は一度盛大な溜め息を吐いて、髪をガリガリと乱暴に掻いて愚痴りながらも了承した。

 

「…………ったく響の奴、自分から出掛けようって言っときながら、その張本人が寝坊するなんて世話ねえぜ!」

 

そう言って、俺はさらに「ああもうっ!しょうがねえなあ!?」と言葉を付け加えながら椅子から立ち上がり、響の部屋へと向かう。

 

 

 

2階へと上がった俺はすぐに響の部屋の前に立って、目の前にある扉を乱暴にノックした。

 

「おいっ響!なにしてんだ!とっとと起きろっ!!」

 

乱暴にノックして大声を出すも、部屋にいる響からは返事も何もなかった。そのためもう一度俺は、部屋の扉を乱暴にノックして叫ぶ。

 

「響!起きろっ!さっさと飯食って出掛けるぞ!」

 

先程よりも大きな声で叫ぶが、一向に響からの返事はなく俺はふるふると体を震わせるもその怒りを必死に抑える。

 

そして俺は、3回目である最後のノックを扉にやる。

 

「響っ!いい加減起きろっ!じゃねえとお前の部屋に入るぞっ!!!」

 

ノックをした後に、下からも聞こえるような大きな声で叫ぶが、結局のところ響からの返事はなかった。そのため俺は、響がいる部屋の扉を勢いよく開けて躊躇いもなく入って進みながら、響が寝ているベッドの前に立つ。

 

「………………………………」

 

ベッドにはちょっとだけヨダレを垂らして、オレンジ色した水玉模様のパジャマを着て、気持ち良さそうに眠っている俺の妹の姿があった。その姿に俺は、ワナワナと怒りを震わして響に手を上げた。

 

「つむじーッ!!」

 

「にゃあ~!!?」

 

今日の立花家に、響の凄まじい悲鳴が通りに通った。

 

 

 

「うぅ、う~…………痛いよお兄ちゃん、何するのさ~」

 

「起きてこないお前が悪い、自業自得ってやつだ」

 

眠りから覚めた響は、ベッドに座って小さな蒸気が上がっているつむじ部分を両手で抑え、涙目で俺に顔を向けた。そんな目をされても悪いのは起きてこない響のため、俺は淡々と冷静に返した。

 

「うぅ~、身長伸びなくなったらお兄ちゃんのせいだからね」

 

「そんだけ身長あれば十分だろ?それよりさっさと起きろ、着替えて朝飯食ったら未来との待ち合わせに間に合わせなきゃならねえんだからな」

 

「は~い、すぐに行きます」

 

「早くしろよ」

 

 

つむじ部分を擦りながら身長が伸びなくなると言った響だが、150越えの身長を持っているためもう十分だと思うのだが、一体響の奴はどれくらい背を伸ばしたいんだ。とりあえず響を起こし伝えることは伝えたため、俺は響の部屋を出て階段を降りていった。

 

2階から1階へと降りた俺は、リビングへと戻って自分の椅子へと座り母さん達に報告する。

 

「響の奴、起こしてきた…………」

 

「ご苦労様お兄ちゃん。それにしても響のものすごい悲鳴が聞こえたけど、大丈夫なの?」

 

「軽くつむじを力一杯押してやっただけだよ…………」

 

「そんなことして大丈夫なのかい?」

 

「大丈夫だよ婆ちゃん。もしかしたら身長が縮むぐらいだから、それにあれぐらいしないと響はすぐに起きないからな…………全く、あんな寝坊しまくるのは一体誰に似たんだか?」

 

「本当に…………誰に似たんだろうな…………」

 

報告をすると、そこから母さん達との話し合いが始まり、婆ちゃんが響のことを心配するも、つむじを押された程度で何かが起こるわけでもないため身長がちょっと縮む程度だ。そのため心配ないと断言して寧ろ響の寝坊しまくるのは誰に似たのかを口にした。すると、新聞を読んでいる父さんが新聞から顔を離さず逆に自分の顔を隠すように発言した。

 

新聞で顔を隠している父さんを横目で見ながら俺は思う。

 

(ああして顔を隠すってことは、響のあの寝坊しまくりは父さんから受け継いだんだろうな。もしかしたら父さんも昔寝坊助だったのかもな?…………はぁ~、それにしても響の奴、父さんの悪い部分ばかり受け継いでんな。いやまあ人助けは悪いことではないが、もう少し父さんのましな部分を受け継いでないのか?)

 

横目で父さんを見ながらそんなことを思っていると、キッチンにいた母さんがテーブルまでやって来た。

 

「はい、朝ご飯できたわよ」

 

「あ、ありがと母さん!」

 

母さんが朝飯を乗せた皿を持ってきたため、俺は椅子から立ち上がってその皿を貰い受け、テーブルに奥から順に置いていく。

 

(…………今日の朝の献立は同じ野菜たちとハッシュドポテトか、まあ朝飯には調度良いぐらいだな)

 

「それじゃあご飯も入れちゃいましょうか!」

 

「母さんいいよ!俺がやるから」

 

茶碗と杓文字を持つ母さんに、俺が変わりにやると言うも、母さんは優しく微笑みながら俺に告げた。

 

「これぐらい大丈夫だから心配しないで、そんなことより今日あなたたち未来ちゃんと一緒にお出掛けするんでしょ。それなら早く朝ご飯食べちゃって準備した方が良いわよ」

 

母さんは俺の茶碗に白米を装いながら言って、装いきった茶碗を俺に渡した。

 

「はい剣二。どうぞ」

 

「…………ありがと」

 

そう言う母さんに、俺はちょっと気恥ずかしながらもお礼を言う。

 

 

 

「おはよーっ!朝ご飯できてるー!」

 

すると、階段からまたドタドタと足音が聞こえれば、私服姿の響がリビングに入ってきた。

 

 

リビングに入ってきた響に、俺は顔を向けて響に口を開く。

 

「響遅すぎだ。早く朝飯食って準備するぞ、それと大方パジャマは部屋に置きっぱなしだろ?準備が終わったら、1階に降りると一緒に脱いだパジャマ洗濯機に入れとけ」

 

「分かってるよお兄ちゃん。そんなに言わなくたっても平気だって」

 

「………………お前には耳にタコができるほど言わないと駄目なことが多かったと思うが?」

 

「……………お母さん。ご飯頂戴!」

 

目を半目にして響を見やると、その響はというと、俺から目を逸らし母さんに顔を向けてご飯を即した。

 

「ったく、しょうがねえ妹だな…………いただきます!」

 

俺は軽く悪態を吐くも、すぐに手を合わせて食に敬意を表して、朝飯を食べ始める。

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

俺が朝飯を食べ始めたちょっと後に、響も食に敬意を表して食べ始め、そして同時に朝飯を食べ終えた。

 

「そんじゃあ準備するか…………って言いたいが、俺はほとんど終わってるから準備するのは響だけだが…………」

 

「分かってるよぉ~。そんなに言わなくてもすぐに準備するってお兄ちゃん!」

 

そう言いながら椅子から立ち上がれば、響も俺に言い返して立ち上がり一足早くリビングから出て2階の部屋へと向かう。それを見た俺は、やれやれと言うかのように鼻で息を吐き首を傾げ、椅子を元の位置に戻して俺も2階の部屋へと行く。

 

 

自分の部屋へ行く前に、俺は響の部屋の前に立ち止まり、扉越しで声を掛ける。

 

「響、後どれくらいで準備終わりそうだ?」

 

「1分以内には終わるよお兄ちゃん!」

 

そう声を掛ければ、素早く響の返答が飛んできた。響の返答に俺は小さく笑って「分かった」と返事をして、自分の部屋へと入りリュックを右肩に斜め掛けする。そのまま俺は廊下に出て、歩きながら指で持っていくものを数えることにした。一応はリュックに入っている物を全部出し確認した、財布も開いて今日使うものはちゃんとあるかも確認したが、念には念を入れて確認を入れておく。

 

「えーっと、今日必要なものは…………金銭が沢山入ってる財布に連絡するための携帯、移動するためのバスカードや少しは金額を易くできる学生証と電池切れを防ぐための充電器。最後にみんなを守る変身アイテムのゲキリュウケン!必要なものはこれぐらいだな」

 

階段を降りながら数えるも、必要なものは全部リュックにあるため確認を終えた俺は調度良く階段を降りきった。

 

 

「…………うん、大丈夫だな」

 

言葉にして頷き、俺は廊下を真っ直ぐに歩いて玄関前まで来て靴を履き、準備に少しだけ手間取っている妹の響を待つ。

 

「急げ、急げ、いっそっげ~っ!」

 

靴を履いて玄関前で待っていると、小さな手提げ鞄を持った響が数秒程度で終わらせ、階段を降りてそのまま素早い動きで俺の目の前まで来て止まった。

 

俺の目の前で止まった響を見ながら、口を開く。

 

「…………数秒程度で来れたな。じゃあ早いとこ未来との待ち合わせ場所に行くぞ響」

 

「はーい!」

 

響はこの後のお出掛けが嬉しいのか、楽しそうな表情で笑って返事をして、靴を履く。

 

「そんじゃ行くか!」

 

「うんッ!」

 

俺の言葉に、響は満面の笑みで頷いて答え、俺も頷きで返して玄関の取っ手に手を掛け、二人一緒に声を合わせて外へ出る。

 

「「いってきまーす!」」

 

 

 

「ハッハッ、ハッハッ」

 

家を出た俺と響は軽い小走りで、未来との待ち合わせ場所に向かっていた。

 

「あ、おーい!未来ぅ~!!」

 

前を見て小走りで進んでいれば、俺達がどこかに行くときは必ず使う、ガキの頃からの集合場所には白を基調とした私服姿の未来がいた。そのため俺は、見つけた未来に声を掛け手を降る。すると、声を掛けたお陰で未来も俺達を見つけて、すぐに手を振り返してくれた。

 

「ふぅ…………すまん未来。待っただろ?」

 

「ううん、私も今来たところだから大丈夫だよ?」

 

右手だけを出して未来に謝り聞いてみれば、未来は顔を横に振って落ち着いた感じで返答をしてくれた。未来の返答に俺は安心して微笑みを称える。

 

「良かったね、お兄ちゃん!」

 

俺が笑っていると、響が横から顔を出して笑ったまま言ってきた。

 

「響。今日は遅れなかったんだ偉いね!…………って言うことは寝坊もしなかったんだよね」

 

「あ~…………うん、そうだね~…………」

 

響を見た未来は、響の名を呼んで次はかなりやっている傍迷惑行動のことを聞いてきた。そのため響は目線を動かしながら、少し苦しい感じで答えるも、俺はその響が言った答えを即座に否定した。

 

「い~や違うぜ未来、響の奴はいつも通り寝坊をした。そんで俺が無理矢理起こしたんだよ」

 

「響…………また剣ちゃんに迷惑掛けたの?」

 

「えーっと…………えへへ、お兄ちゃんに起こして貰っちゃいました」

 

「えへへじゃねーし得意気に言うな!ったく、起こすのに結構な労力を使ったぜ、いい加減自分の力で起きろよな」

 

「えぇー、そんなぁ~」

 

「もう、響…………いつまでも剣ちゃんに頼ってちゃダメでしょ?」

 

俺と未来で注意するも、響のあの悪すぎる寝坊は言ったところで治る確率は0パーセントに近すぎるため、言ったところで無駄だと思う。

 

「分かってますよーだ。それよりほら早く行こうよ!遊ぶ時間がなくなっちゃうからさ!」

 

そんな響の言葉に、俺と未来は響を見ながら口を開く。

 

 

「ああ言ってるけど、絶対分かってないよな?」

 

「それはしょうがないよ。だって響だもん」

 

「なるほどな、響だからか…………そりゃ言えてるわ」

 

「2人とも!それどういう意味!?」

 

俺が呟けば、その呟きが聞こえたようで未来はそれに静かに付け足した。未来の付け足された台詞に俺は頷いて理解すれば、響が泣きそうな感じの声を出した。

 

「自分の胸に手を当てりゃ分かることだろ?ほら行くぞ、時間がなくなっちまうんだろ」

 

「あ!?ちょっと待ってよ、未来!お兄ちゃん!?」

 

そう言って軽く手を振り響を放って俺と未来は動き出す、そうすれば響は慌てながら俺の横に並んで一緒に歩く。

 

「それでバスでデパートには行くけど、着いたらどうするの?」

 

「んー、そこんところはあんま考えてなかったな。まあ到着したら適当に色んなところ回ればいいだろ?俺は未来と響が行きたいところに付き合うからよ」

 

「えへへ、久しぶりの3人でのお出掛け楽しみー!」

 

響の言葉に俺達はお互いに笑い合い、デパートへ行くバス停に歩いていく。

お互い笑いながら、俺は顔を前に向けて思う。

 

(頼むから今日だけは…………ノイズもなにもなく平穏に終わってくれよ。俺の貴重な心の平穏を奪うのだけはやめてくれ)

 

ヒーローたるもの。そう思うのはいかんと思うし、多分こんな事態の中で思うのも贅沢だとは思うが、でも俺はこの大切な日常を邪魔されたくはない。

 

剣二side out 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異災害対策機動部二課。

 

今ここでは私服姿の2人の少女が椅子に座り身を縮込ませて、その目の前には赤いシャツを着た大男が腕を組んで2人を見ていた。その一面はまるで、イタズラをした子供を叱る親か先生のようなものであった。

 

「翼、奏…………なぜお前たちは昨日、未確認の騎士と戦ったんだ?」

 

「「………………………………………」」

 

「確かに未確認の騎士には捕縛命令が下されているが、俺は言ったはずだぞ?未確認の騎士との間には戦闘技能の差がある。下手に戦ってお前たちを失えば人類は終わりだと、あの戦い…………最悪を考えればお前たち2人は死んでいたかもしれなかったんだぞ!?」

 

大男の言葉に2人の女は無言になるが、大男の凄まじい覇気に根負けして、女2人は喋り出した。

 

「そうは言うけどよおっちゃん、あたし達にだって譲れない思いがあるんだよ!あたし達はノイズと戦うためにシンフォギアを纏ったんだ!」

 

「奏の言う通りです!私達は人類の守護を目的としています。それなのに民間人を助けノイズを倒してただ去っていく得体の知れない未確認の騎士の存在が許せないんです!」

 

「お前たち2人の気持ちは分からない訳でもない、だが未確認の騎士との戦いは止めるんだ!第一昨日お前らは未確認の騎士と戦って負けたんだぞ!」

 

「っ…………!?」

「それは!…………」

 

大男はそんな言葉を放ちながらモニターから昨日の戦闘の映像を映し出した。2人は言い返そうとするが、2人の言葉を言わせずに強く昨日の戦いのことを話し出した。

 

「翼は未確認の騎士と戦ったが、簡単にお前の剣はあしらわれて弾き飛ばされた!奏も投擲した槍を簡単に弾き落とされただろ!あんなことになった時点でお前たちの負けは確定していた!」

 

「そんなことはない!あたしたちはまだ未確認の騎士には負けちゃいない!」

 

「そうです!それに、次は奏と一緒に戦えば勝機は必ずあります!」

 

その返答に大男は目を見開き、2人に向かって強く言い放った。

 

「そういう問題じゃない!未確認の騎士との戦闘はよすんだ!」

 

「「ッツ!?」」

 

女2人は大男の聞いたこともない声に驚愕し、目を見開いて少しだけ体が後ろに下がった。大男はそんな女2人の驚愕の顔を気にせず続けて言う。

 

「お前たち2人は人類の希望だと言っているだろ!そんなお前たちを失うわけにはいかない!それに、未確認の騎士は今のところお前たちのことを殺す気はない、だがもしも何かの拍子でお前たちのことを殺しに掛かるか分からないんだ!奴の実力を考えれば、お前たち2人は一瞬で御陀仏になるぞ!」

 

「ッ…………!?」

「ですが…………」

 

「…………………………………………」

 

言い切れば大男は無言になるが、すぐまた口を開いて2人に謝罪を付けて話す。

 

「すまない言い過ぎた…………だがお前たち2人は唯一ノイズに対抗できうる鍵だ。そんなお前たちを未確認の騎士との戦闘で死んで欲しくないんだ。頼む、分かってくれ2人とも」

 

「…………分かりました」

「分かったよ。おっちゃん」

 

大男の言葉に、2人は顔を下げて静かに俯き返答し、大男は続けて言う。

 

「…………話は終わりだ。2人とも外へ出て構わない、今日も1日頑張ってくれ!」

 

「ああ!任せろおっちゃん!」

 

「はいっ、分かりました!」

 

大男の最後の言葉に、2人は笑顔で頷いて返答し、そのまま手を降り頭を下げてこの場を後にした。

 

「それじゃあな、おっちゃん」

「それでは叔父様、また後で」

 

 

「…………………………………………………」

 

(っと言ったが、翼や奏のことだ。どうしても未確認の騎士に勝ちたい気持ちが高すぎる。大方今回も未確認の騎士が現れれば、向かっていくだろうな)

 

2人が出たドアを無言で数秒見詰めながら心の中で2人の譲れない思いに悩むが、すぐに大男は視線を戻して、特異災害対策機動部二課の制服を着て機器を操作している若い男に声を掛けた。

 

「藤尭。昨日も現れた未確認の騎士の声は録音はできているか?」

 

「はい、もちろんできています」

 

「昨日は予想以上に声を出してくれたのが助かったな、それなら未確認の騎士の声紋鑑定を頼めるか?」

 

藤尭と呼ばれた男の言葉に、大男は頷いてすぐに次の指示を出すが、その指示を聞いた藤尭という男は、口をへの字にしてぼやいた。

 

「司令、声紋鑑定で未確認の騎士を特定しようとしているんでしょうけど、いくらなんでもそれは無茶ですよ。この日本だけでも総人口は1億を越えているんですよ。そんな中で一体誰が未確認の騎士かなんて特定できませんよ!」

 

藤尭はさらに司令の大男に続けて言う。

 

 

「それに未確認の騎士の声と身長からして若い男だと思いますけど、あんな若い声して高身長した男なんて下手をすれば40代まで居ますよ!この日本で尤も多い男の年齢層は10代から30代なんですから」

 

「……………………………………」

 

藤尭の話に大男は無言で聞ききながら見ていると、藤尭は大男の視線に気付いて一度謝罪を入れて言う。

 

「あ、すみません。でも未確認の騎士が人間であったとしても、未確認の騎士になるときにはきっと身長は変わってるんじゃないですか?」

 

「いや、確かにお前の言う通りだ。…………日本の人口数はトップに入るほどだ。そんな中、未確認の騎士の正体を探らせるというのは、今お前たちにどうでもいい無茶をさせてしまうからな」

 

「ええ、それに…………未確認の騎士はもしかしたら、まだ我々が知らない力を隠し持っているかも知れませんからね」

 

「そうだな…………未確認の騎士は俺から見ても、まだまだ本気を出していない。寧ろ、確実に俺達でも想像が付かない力を持っているだろう」

 

藤尭の言葉に頷き、大男は大型モニターに映し出されて一時停止されている未確認の騎士の映像を、鋭い目付きで見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大男が未確認の騎士の映像を睨んでいる時、少し前に部屋を出ていった2人組の女は、長い廊下をただ無言で歩いていた。しかしそんな無言を打ち破るかのように、青い髪の女が口を開いた。

 

「奏どうするの?叔父様の言葉に従って未確認の騎士との戦闘はやめるの?」

 

「……………………………………」

 

そう言ってくる相棒である翼と呼ばれた女の言葉に、朱色の髪の奏と呼ばれた女は無言であったが、その後すぐ首を横に振って、しっかりと翼の言葉に返事を返した。

 

「いいやっ…………おっちゃんには悪いけど、あたしはあの言葉に背くことにするよ翼!」

 

「奏…………」

 

「だってそうだろ翼!あたしたちは死に物狂いでシンフォギアを纏ったって言うのに、あの未確認の騎士はなんにもしないで、10年以上前からあんな力でノイズを何千体も倒してるんだ!あたしにはそれが許せない!まるで『お前たちが培っているもの全ては無駄だ』って言われているようで許せないんだよあたしには!」

 

立ち止まって我を忘れて叫ぶ親友の姿に、翼は目を見開いて驚き身を退いてしまっていた。同じく奏も荒げた声で親友に言ってしまったため、自分の声で驚かせたあげく退かせたことに謝罪をする。

 

「わ、悪い翼ちょっと頭に血が上っちまってた」

 

「ううん気にしないで、ちょっと驚いただけだから…………それに私も奏の気持ちは分かるから」

 

奏の謝罪に翼は首を横に振り、自分の気持ちも同じだと告げる。

 

 

「…………それじゃあ翼、未確認の騎士と戦うとき一緒に戦おう!」

 

翼の言葉に奏に無言で頷いて言って、翼も無言で頷き返し返答する。

 

「うん、一緒に戦って未確認の騎士に勝とう!奏!」

 

そう強く息巻いた2人は、友情を確かめ合うようにお互いの手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異災害対策機動部二課でそんな話し合いがされている中、その話の中心人物の立花剣二はと言うと…………。

 

 

剣二side

 

「ふぅえくしょん!!!」

 

「「ヒャッ!!?」」

 

バスに乗った後、きっちり15分でデパートに到着して今俺達はデパート内にあるそれなりの値段の洋服売場に居るのだ。まあここに居る限り俺の仕事は2人の荷物持ちだ。それに今日は久し振りの3人でのお出掛けだが、俺は響と未来が喜んでくれるならそれで良いため、多少の出費は目を瞑る。

 

しかし2人が洋服を見ていると、俺はいきなりドデカいくしゃみをしてしまい、2人を驚かせるどころか周りにいる客や店員にまで注目を集めてしまった。そのため俺は「しまった!?」という顔をするも、すぐに周りに居る他の客や店員の皆様に申し訳ない顔で会釈をした。

 

それでなんとか場は俺達から目を離したが、響と未来が俺に聞いてきた。

 

 

「ビックリしたぁ~…………いきなりくしゃみなんてどうしたのお兄ちゃん。風邪?」

 

「いや、なんかいきなり鼻がむず痒くなってな。急だったもんでくしゃみが出ちまったんだ」

 

「もしかして誰かが剣ちゃんの噂でもしてるんじゃない?」

 

「俺のことを噂するやつなんて居るのか?」

 

未来にそう言われたため、一応腕を組んで考えてみた。

 

(鈴か喜一か?…………いや、あの2人が俺のことをいちいち噂するなんてありえねえな。そんじゃあ俺がボコボコにした不良どもか?…………なんかありえそうだな。俺にボコボコにされた仕返しのために俺にやられた不良ども大量に集めてやって来そうだな)

 

考えるが一旦思考を中断して、響と未来の方に顔を向ける。

 

「それでお前らなんの服買うのか決まったのか?買うんだったら俺が全部買ってやるぞ」

 

「そ、そんな…………わざわざ服一式全部買って貰うのは悪いよ…………」

 

「別に気にすることねえよ。金ならそれなりにあるし、遠慮することはないぞ未来?」

 

「そうは言うけどさお兄ちゃん。前々から聞きたかったんだけど…………お兄ちゃんそんなにお金持ってるのなんで?お兄ちゃんバイトなんて一切してないよね?」

 

我が妹響は、俺の顔を見ながら疑問の言葉を放ち、それを聞いた未来は、見ていた服から素早く俺の方に顔を向けた。その顔は驚きと不安に心配している顔であった。

 

大方この顔から察するに、未来は俺がヤバいことに手を出しているんじゃないかと思っているんだろう。確かに自分でも認めているように、俺は結構荒いところがある。響と未来は俺のことをよく理解してくれているため俺がそんなヤバいことに手を出していないことは分かってると思うが、付き合いの短い奴だったら俺がヤバいことに手を出していると思うだろうな。

 

 

疑問の顔になっている響と不安そうな顔の未来に、俺は安心させるように返答する。

 

「安心しろって、別になんかヤバそうなことに手を出しているわけじゃねえよ。ただ知り合いのところ手伝って普通に金貰ってるだけだから心配すんなよ!なんか起きたらちゃんと言うからよ!!」

 

いつも通り安心させるように言ってやると、2人はホッと息を吐いて安心した。

 

(ま、そうは言ってるが、俺は響や未来、鈴や喜一、家族に話題沸騰の騎士のヒーロー、魔弾剣士リュウケンドーであることは言ってないからな…………)

 

ついでに心の中で、俺はリュウケンドーのことを付け加えた。そんなことを思っていれば、服を見ていた響と未来が一斉に声を出した。

 

「「決まった!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「♪~」」

 

服を決めて買い終われば、響と未来の2人はご機嫌であることを表すかのように、鼻歌を歌いながら買った服の袋を両手で持って、外を歩いている。因みに俺は2人の1歩後ろを歩いている。

 

歩きながら俺は、響と未来にあることを聞く。

 

「ところでよぉ、お前ら本当にそれだけで良かったのか?もうちょい選んでも良かったんだぜ、もし選びすぎても俺が全部買ってやるのに」

 

そう、響と未来が買ったのはシャツとスカートだけである。しかも2000円ぐらいにしかならない値段のものであった。

 

「だからそこまでしてもらうのは悪いってば、剣ちゃんにわざわざ服買って貰うなんて…………」

 

「そうだよお兄ちゃん、これはあたし達が選んだんだからあたし達のお金で買わないと、まあ結構キツくなったら言葉通りお兄ちゃんを頼るけどさ」

 

俺の言葉に、響と未来は俺の方に顔を振り向け2人で抗議をするように言ってきた。響と未来の言葉に、俺は「そうかい」と言って両手を肩の辺りまで上げ、軽く笑って2人の隣で並ぶように来た。

 

「ま、お前らがそれで良いのなら俺もそれで良いよ。それよりもう昼になったな、どうする?一旦昼飯食べてまた買い物にでもするか?それともこのまま続けるか?」

 

「ん~、あたしはお腹が空いてきたからお昼ご飯食べてからお出掛けの続きをしたいな!」

 

「私もお昼ご飯からでいいよ。お昼食べ終わった後、3人で色んなところ回ろうよ!」

 

響と未来の言葉を聞いた俺は、笑いながら頷いて答える。

 

 

「了解。それじゃあ昼飯にすっか!」

 

「「うん!」」

 

響と未来も満面の笑顔で返し、そして俺達はデパート内にあるファミレスへと足を向けた。ファミレスに入れば中にはそこそこの客が居たが、まだ3人客が座れる席も普通にあって、俺達は4人テーブルの禁煙席に座った。

 

「さぁぁぁて何にするかな?」

 

そう言いながら俺達はメニュー表を目にするも、すぐに注文するものが決まり、俺達は店員さんを呼ぶブザーを押した。ブザーを押せばすぐに店員が来て、俺達はそれぞれが決めたメニューを頼んだ。そうすれば、10分弱で俺達が頼んだそれぞれの料理が一気に運ばれてきた。

 

 

「まさか俺達が頼んだ料理が同時に来るとはな、それじゃあ食べるとするか!」

 

「うん…………!」

 

「食べよう!食べよう!」

 

俺達は食器を手に取って、手を合わせて一緒で言う。

 

「「「いただきます!」」」

 

因みに俺が頼んだ料理はハンバーグセット(サラダとライス)で、飲み物はジンジャーエールだ。未来はナポリタンのセット(サラダとコーンスープ)で飲み物は牛乳だ。

 

(…………未来はそんなに栄養を付けたいのか?)

 

俺は未来が頼んだ飲み物の牛乳を見ながら、首を傾げた。そして最後に、俺の妹の響が頼んだ料理は…………食材よりご飯がたっぷりのパエリアセット(大盛サラダ)である。そんで飲み物はオレンジジュースだ。

 

(朝にあんだけ米食ったのに、昼飯でも米を食うって大丈夫なのか、こいつは?)

 

そんなことを思いながらも、俺は右手で頬を付きフォークを持っている左手でハンバーグを刺して響に聞く。

 

「お前本当にご飯が好きだよな…………そんなに炭水化物の米ばっかり食べてると、カロリー増えすぎていずれ太るぞ」

 

注意するように言う俺だが、当の本人の響は大丈夫とでも言うかのように満面の笑みを称え、言ってきた。

 

 

「それなら大丈夫!いつも学校へ登校するときとかに走ってるから、カロリーはなんとかなってるよ!」

 

「それはお前が寝坊しているときだよな?そんなことを自信満々で言うんじゃねえよ!そんで寝坊も治しやがれ!」

 

満面の笑みのままピースをして言う響に、俺は呆れるように溜め息を付きジト目を響に向けて言って、注文したハンバーグをナイフとフォークで切って、フォークで刺したハンバーグを口に運んだ。

 

口に入れたハンバーグの味に俺は目を見開いて、感想を口にする。

 

「んっ! 相変わらずここのハンバーグはめちゃめちゃ上手いな。ソースの味もまるで飽きさせない味だし!」

 

そんな感想を言いながら、俺は次々とハンバーグを切っていき口へと運んでいく。時にはサラダやライス、付け合わせの食材を口へ運んでいき、休まずに食べていってハンバーグセットを10分以内に完食した。その後で響と未来が順番に昼飯を食べきり、軽く腹を落ち着かせれば俺達は店を出た。

 

因みに、自分で頼んだものは自分で払った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぃ~…………十分に食べたな。腹一杯だ」

 

店で金を払って出た俺達は今、2階デパートの外へと出ており次はゲームセンターへと向かっている。だがその前に、腹に入れた昼食を消失させるため、遠回りでゲームセンターへ向かう、そんな中俺は自分のお腹をポンポンと軽く叩いて言葉を口にした。

 

その言葉を発すれば、響と未来も同意するかのように言葉を口にする。

 

 

「うんッ、美味しかった。あたしも満足だよ~♪」

 

「でもちょっと食べ過ぎたんじゃないかなって思うよ」

 

満面な笑みで言う響に対して、未来は自分のお腹を見ながら擦り、心配そうな顔で自分のお腹を見る、そんな未来に俺は一応頭の中で精一杯出した言葉を言う。

 

「別に心配することはないんじゃないか?お前ら2人はまだ中学生なんだ。育ち盛りなんだからよしっかり食べとけ」

 

俺がそう言うと、大型デパートと一体になっている巨大な液晶テレビがかなりの音量で何かの宣伝CMを流した。

 

『ツヴァイウィングのCD!発売まで後3日!』

 

「ん?…………って、こいつらは!?」

 

デパートと一体になっている液晶テレビの街頭モニターに目を向ければ、俺は周りのことと響や未来のことも考えずに、驚愕の声を張り上げてしまった。だが俺は、周りのめも気にせずに今の驚愕を心の中で考える。

 

(どういうことだ、こいつらは昨日出会った機械の鎧を纏った女どもじゃねえか!?いや…………もしかすれば昨日のあいつらに似たそっくりさんか?いや絶対に違う!あんなにも髪の色や骨格が似たそっくりさんが居て堪るか!整形をしたんじゃあるまいし…………)

 

心の中でそんな考えをしていると、左隣に居た未来が俺が見ているモニターの方向に目を向けた。

 

「どうしたの剣ちゃん?妙な声なんか出して、ツヴァイウィングがどうかしたの?」

 

「ツヴァイウィング?」

 

「未来、何それ?」

 

未来の放った言葉に、俺と右隣に居た響は一斉に顔を向けて、ツヴァイウィングという聞いたことのない単語を口にし疑問へと変える。

 

「あー…………そう言えば剣ちゃんや響はあんまりそう言うのって知らないんだよね。まあ剣ちゃんに至っては興味がないんだよね」

 

「随分と失礼なことを言ってくれるな未来、俺でもきちんと最近の流行りや世の中のことを知っとるよ」

 

「ふ~ん、そうなんだ。そんなことより…………ツヴァイウィングって言うのはね」

 

結構な勢いで辛辣なことを言う未来にちょっと心が傷付くも、なんとか耐え未来相手にジト目で返すも、未来は俺の言葉をどこ吹く風と言わんばかりに俺の言葉を軽くスルーしてツヴァイウィングのことを歩き出し説明しだした。

 

(やれやれ、成長するにつれて結構冷たい奴になってないか未来の奴?まあ根本的な優しさを捨てないでいてくれる分には嬉しいけどな…………ッ!?)

 

そんなことを思いながら、未来のツヴァイウィングの説明を意識半分で聞き流しながらポケットに手を突っ込んで歩き出せば、ポケットに入れていたモバイルモードのゲキリュウケンが小さな光を放ち出し、ゲキリュウケンに触れていた俺の脳内にノイズの出現場所を映し出した。

しかも映し出された場所はこのデパートの近くの道路のため、俺はもうすぐで出現するノイズを叩くために響と未来に断りを入れてノイズが出現するポイントへと向かうことにする。

 

「響、未来、ちょっとトイレ行ってくるから悪いんだが先にゲームセンターに行っといてくれ」

 

「あたし達のこと気にしなくていいよお兄ちゃん。早くトイレに行ってきなよ」

 

「響の言う通りだよ。剣ちゃんを置いていくことなんてしたくないから、ここで待ってるよ」

 

響と未来は俺の方に顔を向けてそう言ってくる。まあ本当のところはノイズの出現ポイントへと向かうんだが、今は2人のこの答えに感謝するべきだな。

 

「そうか、悪いじゃあちょっくらトイレに行ってくるわ」

 

俺はそう言って2人に手を振って、トイレに行くフリをしてノイズの出現ポイントへと急ぐ。

 

 

 

 

響side

 

お兄ちゃんの背を見送っていれば、段々とお兄ちゃんの姿が見えなくなっていく。結構急いでいる感じだから、我慢してたんだろうなあ。

 

「あんなにも急いで、お兄ちゃんよっぽどトイレを我慢してたんだな~」

 

あたしはそんなことを言いながら、外のデパートの周りを見ながら心の中で呟く。

 

(まあしょうがないか…………何せこの辺りってトイレが全くないから、デパートの中に行くしかないんだよね。公衆トイレを作ればいいのに何故かデパート側の人は作らないし、やっぱり作ったら作ったで掃除が大変なのかな。公衆トイレって丁寧に使う人が少ないから、そんなことにならないようデパート側の人も作らなかったのかな?)

 

心の中で呟いて、あたしはお兄ちゃんが戻ってくるまで未来と他愛のない会話をするも、お兄ちゃんを待つこと5分が経過した。

 

5分経ってもお兄ちゃんが戻ってこなく、あたしと未来は一度お互いの顔を見合わせて口を開く。

 

 

「剣ちゃん遅いね。どうしたんだろ?まさか…………お腹痛めたのかな?」

 

「うーん、それはどうだろう?お兄ちゃんって小学生の頃から病気知らずの体だったんだよね。まあ風邪を引いたり体調崩すときもあったけど、それも3~4回程度だったからその可能性はかなり低いと思うよ?」

 

「そうなんだ…………」

 

そう。小学校の時から体を鍛えていたおかげかお兄ちゃんは、そんなに学校を休んだことはないし、全部と言っていいほど無遅刻無欠席でしかも成績優秀で運動神経抜群の文武両道な兄であった。他にも色々なエピソードがあるけど、それを説明するのはまた後にしようと思う。

 

「…………本当にどうしちゃったんだろうお兄ちゃん?未来、ちょっとお兄ちゃんに電話するね」

 

「あ、うん良いよ」

 

未来からの返答を貰い、あたしは携帯を取り出し通話履歴からお兄ちゃんの電話番号を出して、お兄ちゃんに電話を掛けようとしたその時だった。

 

ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!

 

「「!!?」」

 

あたしがお兄ちゃんに電話を掛けようとしたその時に、ノイズ出現の警報がそこら中から鳴り響いた。

 

「ノイズ!?こんなときにっ!?」

 

「そんな!?は、早くお兄ちゃんに電話しないと!」

 

あたしと未来はノイズ出現の警報に驚き、慌てながらもお兄ちゃんに電話をしようとした瞬間、あたしの携帯にお兄ちゃんの名前が出た。お兄ちゃんがあたしに電話を掛けてきたのだ。

 

「ッ!?」

 

一瞬あたしは驚いてしまうも、すぐに気を取り直してお兄ちゃんの電話に出る。

 

響side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響と未来にトイレに行くと誤魔化した俺は、デパートの中を走り外へと出て、今は多くの人垣を掻き分けながらノイズの出現場所へと向かっている。

 

しかし急いで出現場所へ向かっていれば…………

 

 

ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!

 

「ッ!!?」

 

そこら中からノイズ出現の警報が鳴り響いた。警報が鳴り響けばそこら中に居た人達は「ノイズ!?」と騒ぎ散らしながら我先もと、シェルターに向かいだし、俺はと言うと路地裏に入り携帯を取り出し響の番号へ電話を掛ける。

 

『お兄ちゃん!?』

 

「響!未来!大丈夫か!?」

 

響に電話を掛ければ、3コールで出たため俺は2人が無事がどうか確かめる。

 

『う、うん!あたしも未来も大丈夫だよ!?そんなことよりお兄ちゃんの方こそ大丈夫なの!?今どこにいるの!?早く避難しよう!?』

 

響と未来は無事なようだが、響のこの口調からしてかなり心配されていることが分かるも、心配させたことに少し心を痛めるも俺はこの思いを捨て置き、すぐに響達に伝えるべき事を伝える。

 

「いいか響よく聞け!お前はこれから未来と一緒にそこから一番近いシェルターに避難するんだ!」

 

『え…………ちょっと待ってお兄ちゃんはどうするの!?』

 

俺の台詞に響は数秒固まったが、素早く気を取り戻して大慌てで聞いてくる。恐らくは響の隣に居て携帯の反対側に耳を傾けている未来も驚いているだろうが、俺はそんなことは一切気にせずさっさと納得して貰うための説明をする。

 

「俺は別のシェルターに避難する!この距離だとお前らが避難するシェルターへ行くよりはこっちにあるシェルターに避難した方が安全だろ!」

 

『それは、そうだけど…………』

 

俺の説明に納得はするも心では納得できず引き下がれない響達に、俺は安心させるためにも断言するように言い放つ。

 

「安心しろ。お前らに心配されるほどのことはしねえよ、それにシェルターでも連絡は通じる、お前らはとにかく自分の事だけを考えるんだ。だから早く避難するんだ!」

 

強く言うと、電話越しの響は今度は数秒間だけ黙り混むも、すぐに返事をしてくれた。

 

『うん!分かった!あたし達はこの近くのシェルターに避難する!だからお兄ちゃんも怪我とかしないように気を付けて避難してね!絶対に無事でいて!約束だよ!』

 

「……………………ああ、分かったよ。約束だ」

 

響の言葉に俺は鼻で笑い響と約束をする。その言葉を最後に、俺は電話を切って携帯を尻ポケットにしまい、路地裏から出て既に出現したであろうノイズの方へと険しい顔を向ける。

 

険しい顔を向ければ、すぐに不適な笑みを浮かべて告げる。

 

 

「さぁぁて…………約束しちまったからには、守らねぇといけねえなぁ!」

 

不適な笑みでそう告げた俺は、右腕を斜めにして顔の前まで持っていく、右手にはモバイルモードのゲキリュウケンが握られており、俺はモバイルモードのゲキリュウケンの名を叫び、剣の姿へとさせる。

 

「ゲキリュウケン!」

 

この名を呼べば、モバイルモードのゲキリュウケンは青白い光を放ちながら、真のゲキリュウケンの姿となる。俺はゲキリュウケンを強く握り締め、縦に掲げて持ち手部分の一部をガシャンと上にあげる。

 

「リュウケンキー、発動!!」

 

上にあげればゲキリュウケンの顔もあがり、鍵の挿し込み口が現れる。そして俺はどこからともなくリュウケンキーを出してリュウケンキーの絵を押してキーを出す。そこからゲキリュウケンにリュウケンキーを挿し込み回し、最後にガシャンと持ち手の一部を下へさげる。

 

『チェンジ、リュウケンドー』

 

その音声が鳴り、ゲキリュウケンから青白い光が強く発せられる。

 

「撃龍変身!」

 

俺はゲキリュウケンを両手で持って叫び、ゲキリュウケンからは青龍が出てきて遥か上空に飛び上がり咆哮を上げると、垂直で俺に目掛けて落下してくる。落下してくる青龍を体全体で受け止めれば、俺の体に青いスーツと白い鎧が身に纏い、そして龍の顔をした仮面が俺の顔に装着される。

 

俺の全てに仮面と鎧が装着されれば、俺は右手に持っているゲキリュウケンを1回だけクルンと回し、回したゲキリュウケンを力強く握り締め、ゲキリュウケンを2回振り空気を斬って決める。

 

「魔弾剣士リュウケンドー!…………来神!!」

 

ポーズと台詞を言って、俺は走りながら1回転ジャンプをし、一気にノイズの出現した場所へと距離を摘める。

 

「ゲキリュウケン!」

 

俺はゲキリュウケンを持って先制攻撃と言わんばかりに、視界に入ったヒューマノイドノイズを一閃とばかりに斬り裂いた。

 

「!!?」

 

いきなり俺に斬られたことにヒューマノイドノイズは、声とも分からないようなものを上げ、もがくような行動をして炭素の塊へと変わった。

 

「「「「「!!!!!!」」」」」

 

1体のヒューマノイドノイズが消され、そしてどこからともなく俺が現れたことに周りにいた小型ノイズは驚いて動きを止めた。俺はその隙を逃すことはなく、着地とともに走り出し、俺の目の前にいるノイズどもの隙間を走りながら大量の小型ノイズどもをすかさず斬っていく。

 

「「「「「!?!?!!?」」」」」

 

小型ノイズどもを斬り裂きながら隙間を抜けて、ゲキリュウケンをブォン!と強く振れば、その勢いとともにゲキリュウケンに斬られた小型ノイズの大群が炭素へと変わった。

 

「悪いがこちとら、せっかくの息抜きを邪魔されてイラついてるんだがな、一気に蹴散らせて貰う!」

 

背を向けながらもノイズどもを睨み付け言って、俺はマダンキーホルダーに手を掛けて、勢いよく使うマダンキー目掛けて回す。マダンキーホルダーが回りまくり、使いたいマダンキーに止まり、俺はナックルキーをマダンキーホルダーから勢いよく引き抜く。

 

「ナックルキー、発動!」

 

ナックルキーの絵を押してキーを出して、ゲキリュウケンの持ち手部分の一部を上へあげ、ナックルキーを挿し込んで回し、持ち手部分を下へさげればゲキリュウケンから音声が鳴る。

 

『マダンナックル』

 

「出でよ、マダンナックル!」

 

ゲキリュウケンを空に向け魔法のエネルギー波を放つ、そうすれば空中で魔法陣が現れて、魔法陣からマダンナックルが出てきた。

 

「よっと!……………………」

 

魔法陣から出てきたマダンナックルを左手に装着し、目の前に居るノイズに向ける。ノイズに向ければマダンナックルのキバが展開され、そこから9000ボルトを溜めた電流を纏った衝撃波をぶっ放した。

 

「消し飛べ!ナックルスパーク!」

 

ナックルスパークがノイズに向かって真っ直ぐ放たれれば、目の前にいた大量の小型ノイズが一瞬のうちに炭素の山となった。

 

「フッ!!」

 

大量のノイズが炭素の山になるも、俺は一切それを気にすることはなく、マダンナックルで狙いながらナックルスパークを放って、ゲキリュウケンを構えて突撃する。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

ナックルスパークで何十体ものノイズを葬っていれば、既にノイズとの距離はゲキリュウケンを当てられる距離に入っており、俺は迷うことなくゲキリュウケンを振った。

 

「おらぁっ!」

 

『!?!!?』

 

ヒューマノイドノイズはゲキリュウケンで真っ二つとなり、声とも分からないのを上げながら炭になった。だが俺は手を止めずゲキリュウケンを振りまくって小型ノイズを葬るも、リュウケンドーの蹴りにマダンナックルを装備した左手で、ナックルスパークの衝撃波を乗せた拳を小型ノイズに喰らわせて次々と葬っていった。

 

「おらっ!そらっ!だらあぁっ!…………おわあぁぁたぁぁっ!!!」

 

『『『『『!?!?!!?』』』』』

 

次々とノイズを葬っていき、最早残りのノイズの数はリュウケンドーの必殺技《魔弾斬り》で消し飛ばせる数となり、俺は目の前にいたクロールノイズをゲキリュウケン斬り倒し、残りのノイズへと目を向ける。

 

「残りのノイズは50体…………多いが、今の俺の機嫌はMAXで悪いんだよ。そんな数なら魔弾斬りで消し飛ばせる!」

 

俺はノイズを睨み付けてそう言いながら、マダンキーホルダーに手を掛けた。

 

「フンッ!…………ファイナルキー発動!」

 

マダンキーホルダーが止まれば、俺はファイナルキーを抜き取り発動させた。ゲキリュウケンに挿し込み回して入れれば、ゲキリュウケンが言う。

 

『ファイナルブレイク』

 

「おおおぉぉぉぉ!……………………ゲキリュウケン!魔弾斬りッ!」

 

『『『『『!?!?!!?』』』』』

 

ゲキリュウケンに必殺技のエネルギーが集まり、俺は50体のノイズに目掛けて、ゲキリュウケンを高く掲げて怒りを込めた魔弾斬りを叫びながら放った。

 

結果、50体の小型ノイズの大群は、魔弾斬りの威力で炭も残さず消し飛び、俺は小型ノイズが消し飛んだところを見詰めながら、ゲキリュウケンを1度回し(やいば)の部分に右手で触れて、ジャっと言わせて右手で刃の全体を触れば、俺は不機嫌に告げる。

 

「ケッ、俺の大切な休みを潰した罰だ…………」

 

そう告げて、俺はゲキリュウケンを左腰に下げ背を向け静かにその場を去ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

特異災害対策機動部二課。

 

「なんということだ…………!?」

 

モニターで未確認の騎士、魔弾剣士リュウケンドーの戦闘映像を見ていた風鳴弦十郎は声にもならないような顔になっていたが、なんとか声を発するも、顔には一筋の汗が流れ恐ろしいものを見たかのような顔である。

 

モニターに映されていたのは、未確認の騎士であるリュウケンドーが、10分程度で小型ノイズの大群を始末し終え、背を後ろに向けて静かに去っていったのだ。

 

「まさか、たったの10分であれだけいたノイズを倒してしまうなんて…………」

 

「それに未確認の騎士…………なんか、妙に機嫌が悪いように見えませんでしたか?」

 

スーツを着た緒川とモニターの目の前に居る藤尭が、それぞれが思ったことを口にする。そして藤尭の言葉に、風鳴弦十郎は首を縦に動かし口を開く。

 

「ああ確かに、藤尭の言うように今日の未確認の騎士は機嫌が悪いように見えた。何があったのかは知らんが、ああいう状態の奴はかなり厄介だ。下手に刺激をしない方がいいだろう」

 

弦十郎がそう言うと、司令室の廊下からドタバタと急いでくる2人分の足音が聞こえた。

 

「おいおっちゃん!出撃はしなくていいってどういうことだよ!?ノイズが出現したんだろ!?」

 

 

司令室に飛び込んできたのは、天羽奏とその後ろには相棒の風鳴翼がいた。2人は弦十郎に怒られたため、気分転換のために外で遊んでいたが、ノイズの出現を聞いて大急ぎで特異災害対策機動部二課へと戻った。

 

二課へ戻る前に未確認の騎士が現れたことも聞いて、2人は未確認の騎士への対抗意識を燃やし二課へ戻れば、既にヘリの準備は終わっており、2人はヘリに乗ろうとした瞬間、基地内から弦十郎からの連絡が入った。『出撃は中止だ!』というものだった。

 

それに驚いた2人は、すぐにヘリから出て司令室にいる弦十郎に物申しに来たのである。

 

「そうです!ノイズが街中(まちなか)に出たというのに出撃中止とはどういうことですか!?」

 

司令室に奏と翼がやって来るも、弦十郎は顔だけを振り向かせて2人を静かに見れば、すぐに前を向いて2人の言葉に答えを差し出した。

 

「……………………未確認の騎士がたった10分でノイズの大群を倒したんだ」

 

「「ッ!!?」」

 

弦十郎の言葉に2人は言葉が出なかった。それもそうであろう。2人にとって未確認の騎士は認められない訳の分からない存在であり、越えるべき壁のようなものなのだ。そんな存在が、たったの10分で大量にいたノイズを倒したのだ。それを聞いた2人はさらに対抗意識を燃やすかのように拳を強く握り締めた。

 

今の2人が力を合わせて戦っても、ノイズの大群を10分以内に倒すことは不可能である。2人でなんとかお互いの弱いところを補い助け合ってはいるが、天羽奏は不完全適合者であり制限時間付きでシンフォギアを纏って戦っている、片や相棒の風鳴翼はシンフォギアの完全適合者であるがノイズを滅ぼす覚悟の奏とは逆で所々に覚悟が弱いところがある。

 

そのためお互いをお互い支えあっていても、弱いところが強く出ていれば、ノイズを10分以内に倒すことは全くもって不可能である。

 

「くそ…………あたしたちはあんだけいるノイズを10分で倒したことなんてない、どこまで規格外でいれば気が済むんだ」

 

天羽奏はそう言いながらモニターに映っているリュウケンドーを睨みながら、歯を食い縛り拳を強く握り締めた。隣にいる風鳴翼も悔しい表情をして、奏と同じくリュウケンドーを睨んでいた。

 

「……………………そうだ。それとお前らに重要なことを伝えねばならない」

 

実力の差を突き付けられて悔しがる2人を、顔を半分だけ向けて見る弦十郎。無言で2人を見ていたが、2人に伝えるべきことがあるため、体全体を向けて真剣な表情で2人に伝えた。

 

「なんだよ、おっちゃん。重要なことって?」

 

「一体なんなんですか?」

 

疑問を浮かべながら言う奏と翼に、弦十郎は1度頷いて、2人に重要なことを話し始める。

 

「今回、未確認の騎士を見ていて分かったことがある!未確認の騎士には感情があるようだ」

 

「「ッ!?」」

 

弦十郎の言葉に2人は驚きを隠せないでいた。それもそうであろう、モニターで見ていた時や直接接触したときも、未確認の騎士は抑揚のない声で喋っていた。だがそんな未確認の騎士が感情を持っていることに2人は驚いたのだ。

 

「未確認の騎士に喜怒哀楽という感情精神があるのかは分からん。だが、あの時の未確認の騎士には怒りを表すような不機嫌さが感じた。それを考えるなら奴には怒りの感情があるということ、だからお前ら2人に伝えておく、未確認の騎士との戦闘は止めておくんだ!下手に奴の怒りを買ってお前たち2人を殺されれば終わりだ!」

 

 

「ッ…………了解しました」

 

「分かったよ。おっちゃん」

 

弦十郎の強い物言いに、2人は返す言葉がなく、ただ了承の返事をしたが、天羽奏は拳を強く握り震わせながら人を射殺せるような鋭い瞳で、モニターに映っているリュウケンドーに闘志を燃やしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在俺達は自分の家へと歩を進めていた。ノイズの大群を始末した後、俺は無事、響と未来に合流することができた。因みに2人からはめちゃめちゃ心配したと、涙を流しそうな目で見られながら言われた。心配を掛けさせてしまったのは俺のため、俺はバツが悪そうな顔で後頭部の髪を掻きながら、2人に謝り安心させるように2人の頭を撫でた。

 

頭を撫でてやれば、2人は悲しそうな顔から一片、1輪の花が咲くような感じで、笑顔を綻ばせた。そんな2人の笑顔に釣られて、俺も笑ってお互い笑い合うも、ノイズの出現騒動のせいで今日のお出掛けは中止となったため、俺はお互い頷きあい、家に帰ることにした。

 

「それにしても、なんかすまんな未来。久しぶりに3人でのお出掛けだったのに、中途半端に終わっちまって…………」

 

「ううん、剣ちゃんが謝ることじゃないよ!?確かに久しぶりに出掛けられたのに中止になっちゃったのは悲しいけど…………3人で出掛けられて私は嬉しいよ!」

 

今日のお出掛けに少し悲しそうな顔をする未来であったが、すぐに笑顔を取り戻して俺達に楽しかったという笑顔を見せる。

 

「うん!あたしも楽しかったし、嬉しい!嬉しい!」

と、未来に続いて、響が屈託のない笑みで未来の隣に並んで言ってきた。

 

 

未来と響の笑顔に、俺自身も溜め息混じりで2人に笑顔を見せてある提案をする。

 

「それじゃあ、今日はお出掛けが最後までできなかったが、その途中を再来週の休日に再開させないか?再来週だったら俺空いてるからよ!」

 

俺がその提案を出すと、2人、特に未来の方は響と同じぐらい、いやそれ以上の笑顔を見せた。

 

「賛成!賛成!再来週空いてるなら、お兄ちゃんの言うとおり、再来週に再開させようよ!」

 

「うんッ!剣ちゃんが再来週大丈夫なら私もちゃんと空けておけようにしておくよ!」

 

2人は強く頷きながら、賛成の返事をしてくれた。2人の返事に俺も「じゃ、再来週にするか!」と言えば、響と未来は笑顔でまた頷いた。

 

 

 

「それじゃあここまでだね。剣ちゃん、響、またね♪」

 

そう言って俺達の親友小日向未来は手を振り背を向ければ、家に向かって走り出した。だが、今の未来の走り方は、上機嫌であるかを現すような走り方であった。そんな未来の後ろ姿を見て、俺は鼻でフッと笑う。

 

「未来の奴…………最初はあんなに落ち込んでる風だったのに、俺が再来週空いてるって言ったらあんなに元気になりやがった」

 

「それくらい未来も嬉しいんだよ。まさかお兄ちゃんの方からそんな提案してくるなんて思ってもみなかったっていうのもあると思うよ?あたしもそうだし」

 

「俺お前らにどういう風に思われてるのか気になんだけど、ちょっと聞くのが怖いから辞めとくわ」

 

響と喋りあい、それを一旦終えて俺達2人は家の方向に向かって歩きだす。俺達が無事に家に帰ってくれば、家でニュースを見た父さん母さん婆ちゃんが心配して俺達の元までやって来て、本当に心配したと言うのを現していた。

そんな父さん母さん婆ちゃんに俺と響は、心配かけてごめんなさいとしっかり頭を下げて3人に謝った。

そんな俺達に、父さん母さん婆ちゃんは首を横に振り、無事ならそれでいいんだと言って、俺達を家に上げてくれた。

 

(転生して思うけど、本当に俺みたいなイレギュラーには良すぎる家族だよな…………)

 

そんなことを心の中で思いながら、俺は我が家と家族の温かさを感じる。

 

 

 

 

家に上がったあと、母さんたちから「疲れただろうから、晩御飯ができるまで休んでて良いわよ」と言われた。せっかくの家族の厚意のため、無下にするのは酷いため俺はそれを了承し、今は自分の部屋のベットに倒れている。

 

「もう6時過ぎか…………外もすっかり暗くなっちまって、夜だな」

 

俺はベットに倒れ込んだまま顔を横に向け窓を見れば、もう外は真っ暗闇と言ってもいいほどだ。

 

「母さんたちには休んでって言われたけど、寝たら寝たでそのまま明日になりそうだからな。はぁ~、こういう時に言うべきことではないと思うが…………暇だ」

 

そう呟きながら俺は、枕元の隣に置いてあるモバイルモードのゲキリュウケンを握り締める。俺の顔の前までゲキリュウケンを持っていき無言で見詰める。

 

「………………………………」

 

無言でモバイルモードのゲキリュウケンを見詰める中、ゲキリュウケンが急に光り、頭痛が来るような勢いでノイズの出現場所を俺の脳内に映し出した。

 

「ッ!?……………………昼頃に出現したのに、こんな晩飯時間からも出現するって、どういうことだ?何か起ころうとしてるのか?」

 

だがそんな頭に浮かんだことを言っても仕方がないため、俺はすぐにベットから起き上がり、バイクのキーを持って小走りの速度で1階へと降りていく。そして家を出る前に、台所で料理をしている母さんに声を掛ける。

 

 

「母さん悪い、ちょっと息抜きにバイクで夜の町を走ってくるわ」

 

「えっ!?剣二、外に出て大丈夫なの?疲れてるんだから部屋で休んだ方がいいんじゃない?」

 

「部屋に居てもあんまりやることがないんだよ。だからちょっとバイクで一走り走りたいんだ!」

 

「そう…………?分かったわ、出るのは構わないけど気を付けてね。事故とか起こさないようにね!」

 

「おう、了解」

 

母さんから外出の許可を貰った俺は、すぐさま玄関まで行き靴を履いて「じゃあ、ちょっと出るわ!」と言って玄関を出る。玄関を出れば、すぐに倉庫まで行きバイクを引っ張り出して門から出せば、バイクに乗ってキーを挿し込んで回しアクセル全開でバイクを発進させた。

 

「頼むッ!間に合ってくれよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アクセル全開でバイクを発進させ、後少しの距離でノイズの出現場所へ到着しそうだった時である。

 

ウーッ!ウーッ!ウーッ!ウーッ!

 

 

「チッ!?もう少しの距離だって言うのに、間に合わなかったか…………しょうがねえ!」

 

ノイズの出現の警報が鳴れば、周りにいた人々はシェルターに向かって走り出した。逆に俺はこのパニックを利用して、バイクを道路の端に無断駐車させバイクから降りて路地裏へ入る。

 

路地裏には入ったがすぐには変身せず、左ポケットに入れていたスマートフォンを取り出し、そこから母さんのメアドを出した。俺は素早く本文を打って送信した。本文は『シェルターに入ったから心配しないでくれ』である、何せ俺は今からノイズと戦うのだ。それなら家族の誰かにはメールを送っておかなければいけない、心配はされるであろうがメールをせずに心配されるよりかはマシだろう。

 

「さて、もう一度いくか。…………ゲキリュウケン!」

 

そう言って俺は、モバイルモードのゲキリュウケンを本当の姿にして、右ポケットに入れてあるリュウケンキーを出す。

 

「リュウケンキー、発動!」

 

『チェンジ、リュウケンドー』

 

「撃龍変身!」

 

リュウケンキーをゲキリュウケンに挿し込んで回し、ゲキリュウケンから変身できる声が出てくる。ゲキリュウケンに強烈な蒼白いエネルギー派が集まっていき、剣から蒼白の龍が出現した。

 

蒼白の龍がゲキリュウケンから出てきて空まで(のぼ)ると、空中で停止すれば、そこで1度吼え、俺の肉体目掛けて飛び込んできた。

 

俺に向かって飛び込んでくる蒼白の龍を体全体で受け止める。 

 

 

「ぐっ、うぅぅぅっ…………ハァッ!」

 

体全体で受け止めると、俺の体と顔全体に青いスーツと白い装甲が装着されれば、ここに《魔弾剣士リュウケンドー》が誕生した。

 

リュウケンドーに変身すれば、俺は右手で持っているゲキリュウケンを振って、右手を後ろに持っていき左手を前に向けて宣言する。

 

「魔弾剣士リュウケンドー!…………来神ッ!」

 

この宣言とともに、俺はノイズが出現しようとしているポイントに向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動二課。

 

「司令ッ!未確認の騎士が現れました!?そのままノイズの出現ポイントに向かっています!」

 

「やはり来たか…………奏と翼の到着時間は後どれくらいだ?」

 

「2人が乗っているヘリの現場到着時間はおよそ10分です!」

 

「分かった。至急2人が乗っているヘリに通信を繋いでくれ!」

 

女性オペレーターの友里あおいが、リュウケンドー出現の報告を司令の風鳴弦十郎に報告すれば、弦十郎は素早く装者のノイズが出現したポイントの到着時間を聞けば、もう1人の男性オペレーターの藤尭朔也が10分だと告げる。その言葉に弦十郎は頷いて2人の乗っているヘリに通信を繋げるよう頼むと、藤尭が「分かりました!」と言って、ヘリに通信を繋いだ。

 

『どうしたんだよおっちゃん。なんかあったのか?』

 

『司令、いきなり通信なんてどうしたんですか?』

 

ヘリに通信を繋げれば、すぐに奏と翼の2人が出る。弦十郎もすぐに伝えられるように通信用のマイクに口を近付けている。

 

「お前ら2人に伝えることがあるんだ。よく聞け、今ノイズの出現場所に未確認の騎士が向かっている」

 

『『ッ!!?』』

 

「いいか、くれぐれも未確認の騎士とは戦うんじゃないぞ。未確認の騎士と協力してノイズを倒すんだ!…………いいか、もう一度言うぞ!くれぐれも未確認の騎士とは戦うな!未確認の騎士と協力してノイズを倒すんだ!倒した後も奴と戦うなんてことは考えるな!分かったな!」

 

『……………………分かりました』

 

『分かってるよ。おっちゃん』

 

弦十郎の言葉に、2人は渋々了承するように言ったが、きっとノイズとの戦闘が終わればリュウケンドーと戦うだろう。風鳴弦十郎も2人がリュウケンドーに戦おうとするだろうと内心分かっているも、(わざ)とそれに気付いていないフリをして最後に2人に告げる。

 

「2人とも…………気を付けろよ」

 

『りょ~かい』

『了解しました』

 

弦十郎の言葉に、奏と翼はしっかりと返答をしてそれを終わりに2人の通信も切れた。通信が切れれば弦十郎は、数分前からモニターでノイズとの戦闘を繰り広げているリュウケンドーに目を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おらあぁぁッ!!!」

 

『!?!?!!?』

 

「今度はこれだ。ナックルスパーク!」

 

『『『『『!!?!??』』』』』

 

橋の近くで5分程前から俺は、出現した小型ノイズと激しい戦闘を繰り広げていた。最初はゲキリュウケンでヒューマノイドノイズを6体ほど葬り去り、そこから素早く一気にナックルキーを発動させマダンナックルを装備すれば、大量の小型ノイズを消し飛ばしてゲキリュウケンで斬り裂いていった。

 

「…………悪いが、人の命を脅かすてめえらノイズに俺は情けなんて掛けやしねえからな」

 

1度動きを止め、ゲキリュウケンをノイズに向けて俺は冷酷に言い放った。するとその時、かなり向こうからであるが、前方方面からヘリの音が聞こえた。

 

「!? ヘリのローター音!まさかあいつらか…………?」

 

俺がそう呟くも予想は当たり、前方方面から軍用ヘリがやって来て、ヘリの扉がガラッと勢いよく開けば、昨日の2人がヘリから飛び降りて歌詞か分からないものを歌うように口にした。

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

青い髪の女と朱色の髪の女が歌えば、そいつらの体に機械の鎧が武装された。そして地面に着地すれば、青い髪の女は己の武器である巨大な刀を振り、朱色の髪の女も巨大な武器である槍を強く向けた。

 

「………………………………」

 

「未確認の騎士!?」

 

「昼頃はたっぷりとやってくれたようだが、今回はそうはいかねえぞ」

 

 

着地したあいつらを無言で見ていれば、あいつらも俺を見てなにかを言ったようだが、そんなものは俺は一切気にすることはなく、俺の目の前にいる小型ノイズへと目線を変え、近付いてゲキリュウケンで斬り裂く。

 

「ふんッ…………でぇぇぇぇあ!」

 

『!?!!?』

 

「せいっ!やあっ!はっ!らあぁっ!おわあぁぁたぁっ!」

 

『『『『『『『『!?!?!!?』』』』』』』』

 

ゲキリュウケンで多くの小型ノイズを倒していくと、俺の目にあの機械の鎧を纏った2人組の女が入り、俺の少し先にいた小型ノイズを数体葬った。

 

「ハァッ!」

 

「らぁッ!」

 

2人組の女は俺のことを気にすることなく、そのまま続けて小型ノイズの殲滅へと入った。2人組の行動に俺は心の中で考えを巡らせる。

 

(昨日は俺に襲い掛かってきたのに、今日は俺のことを見てはいたが、今は俺のことを気にせず、ノイズに集中している。まさか上の命令で俺には手を出すなとでも言われたか?…………だが、いくら命令されているとは言え、ノイズの戦闘が終わればあいつらはまた俺に襲い掛かって来るかもしれない、そうなる前にノイズの戦闘が終わったら退散するか!)

 

心の中で考えを巡らせてそう決めれば、俺はゲキリュウケンとマダンキーナックルを強く握り締めて、小型ノイズへと飛び掛かっていく。

 

「うおらあぁぁっ!!!」

 

 

 

「せあっ!…………これで、終了か…………」

 

目の前のクロールノイズを斬り裂いて、ゲキリュウケンの刃を肩に置いて一旦立ち止まる。そこからノイズの残りが居ないかどうか周りを見回したが、ノイズは1体も残っておらず、寧ろそこら中に炭素の塊がたっぷりとあった。

 

「ノイズとの戦闘終了」

 

「ま、こんなもんか」

 

青い髪の女と朱色の髪の女も、落ち着きを払いながら周囲を見回していた。

 

(…………さてと、ノイズがもう出現しないのなら長居は無用だな。あの女どもとも戦いたくはねえし、今のうちに退散するか)

 

念のために全方位を警戒したが、なんの気配もなかったため、心の中で決めてゲキリュウケンを下げて女どもに気付かれないように静かに動こうとした時である。

 

「逃がすと思っているのかよ!未確認の騎士!!」

 

「今日こそは逃がしはしない、神妙にしろ!」

 

俺が背を向けた瞬間、朱色の髪の女と青い髪の女が俺に向かってお互いの得物を向けてきた。その2人の行動に、俺は背を向けたまま顔だけを向けて内心では溜め息を吐くも、静かに伝えることした。

 

「…………昨日も伝えはすだ。俺の敵はノイズ、お前たち人間ではない」

 

そう言うも、朱色の髪の女は何かが気に入らなかったのか声を荒げて返す。

 

「うるさい!お前の言葉なんて関係ない、あたし達はお前のやり方が気に入らないんだ!」

 

「そう、そのような訳の分からない力でノイズだけを倒し、ただ静かに去っていく!貴様は正義の味方気取りか!」

 

この2人の言い方に俺は内心傷付いてしまったが、まあ2人の言い分も分からないわけではないが、リュウケンドーの力で人は傷付けたくはないし、それにノイズがもう居ないのなら俺のことを心配してる家族の元にさっさと帰って安心させてやりたい。

 

「…………俺の力は人を傷つけるためにあるんじゃない、人を助け守るためにあるんだ。それに、これ以上時間を無駄にしたくないんでな」

 

告げて俺を前に戻して、再び足を動かし始めた。

 

 

「~~~ッ!ふざけんなッ!」

 

「!?……………………」

 

朱色の髪の女は何故かキレて、武器である槍を強く握り締めて俺に振る。俺はその槍の一振りを避けるが、朱色の髪の女は手を止めず俺に狙いを定めて槍を連続で振るう。

 

「……………………………………」

 

だが俺は長年のノイズとの戦闘や得意のスポーツのおかげで、槍の軌道がよく見えるため難なく避けることができる。

 

「っこの、ちょこまかと…………当たれッ!」

 

俺に槍が槍が当たらない苛立ちか、朱色の髪の女は俺に勢いのある刺突を繰り出した。

 

「! ふっ!!」

 

朱色の髪の女が繰り出した刺突に対して、俺はすぐに右へと下がれば、女が繰り出した刺突は空気だけを破り、俺はその槍の隙を狙って右足を上げて勢いよく下ろした。

 

「ッ、なっ!?」

 

「……………………」

 

俺の右足を勢いよく下ろした結果、右足は槍の腹へと当たりそのまま槍はコンクリートへと沈んだ。俺の行動に驚いたのか、それとも槍が沈んだことに驚いたのかは分からないが、女は俺と槍を1度交互に見て驚愕の表情をした。

 

「奏!?このっ!」

 

青い髪の女は相棒である朱色の髪の女が危ないとでも思ったのか、一気に俺の左側へと距離を詰めて、持っている巨大な刀で凄まじく勢いのある斬撃を放った。その斬撃に対して俺は二の腕を盾にして、青い髪の女の斬撃を左の二の腕だけで受け止めた。

 

「なんだとっ!?防人の剣を受け止めただと!?」

 

「…………………………………」

 

俺は無言で2人の女を見ながら、右足で朱色の髪の女の槍わ槍を蹴飛ばし、青い髪の女の刀を左の二の腕で弾き飛ばした。

 

「うあっ!?」

「くっ!?」

 

そして俺は2人から距離を取れば、持っているゲキリュウケンをモバイルモードにして左の腰横へと掛ければ、リュウケンドーの腕を2人に構えてこう言い放った。

 

「仕方ない…………少し遊んでやる。来い…………ハンデ付きだ。徒手空拳で相手をしてやる」

 

「「!?!!?」」

 

俺の発言に、2人の女は驚愕を通り越した訳の分からないとでもいう顔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動二課。

 

「くそっ、奏と翼め…………やはり未確認の騎士に戦いを挑んだか!あれほど戦いを挑むなと言っておいたのに!」

 

モニターで見ていた風鳴弦十郎は、拳で強く機器を叩くが、すぐに自分の後ろにいる信頼できる部下。緒川(おがわ)慎次(しんじ)に指示を出した。

 

「緒川!大至急翼と奏の元へ向かえ!もしあいつらが危機に陥ったらすぐに避難させるんだ!」

 

「了解しました!」

 

緒川は弦十郎の指示を聞けば、すぐにその場から消えた。まるでその動きからして忍者のように思えるほどに…………。

 

「翼、奏、頼むから無茶だけはするんじゃないぞ」

 

弦十郎はモニターで2人を見ながら、無茶をしないように呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あたしたちを嘗めてんのか!」

 

朱色の髪の女は怒りを全身で現したように、槍を両手で強く握り締めて俺に突撃してくる。

 

「そらあぁーっ!」

 

女は槍を横凪ぎに振るうが、俺はその攻撃を屈んで避け女との距離を詰めた。

 

「なっ!?」

 

「……………………」

 

「うあぁぁぁぁッ!?!!?」

 

女との距離を詰めれば、巨大な槍の持ち手部分を握り、逆上がりをするような感じで女を回転させた。結果、女はいきなりなことで逆らうことができず、地面に背を叩き付けてしまった。

 

「くそっ、やりやかったな」

 

「奏!?よくも奏を!はあぁッ!」

 

朱色の髪の女は苦の表情を見せ、青い髪の女は慌てたように動き出し、横一線で刀を振った。

 

「そんなっ!?」

 

「…………ふん、だぁぁぁあっ!!!」

 

「かはっ…………がっ!?」

 

「翼!?…………翼!大丈夫か!?」

 

横一線で振った刀を右の二の腕で防ぎ、そのまま流れるように右腕を動かし刀の峰のところを脇で挟み、刃の部分を手で挟むように持った。そして刀を挟んだこの右腕で女を引き寄せ、青い髪の女の鳩尾部分に目掛けて左上段蹴りを放った。

 

左上段蹴りを喰らった青い髪の女の体は、くの字になるかのように息ができない掠れた声を出して、女は少し向こうまで吹っ飛んでいった。朱色の髪の女は名前を呼びながら一気に起き上がり、少し向こうまで吹っ飛んだ青い髪の女の元まで走った。

 

「奏、私は大丈夫。寧ろ、未確認の騎士は私達相手に手加減をしているみたい」

 

「手加減だと…………くそっ、どこまでも嘗めやがって」

 

俺を見ながら何かを言っているようだが、俺にとってはそんなもの関係ない、て言うかとっとと家に帰って家族と響を安心させてやりたいため、俺はこの2人に向かってもう一度言う。

 

「もういいだろ?…………お前ら2人じゃ俺には勝てやしない。それに、俺はもう帰りたいんだよ」

 

「…………翼。あたしと一緒に同時に出てやるぞ」

 

「うん、分かった。あたしたち2人の戦いを未確認の騎士に見せよう!」

 

発言するも、2人の女はなにか小声で話し合ってるようだが、どうにもリュウケンドーの聴覚では聞き取れなかった。すると、2人組の女は俺に向かって全くもっての同時

で動き出し、同時にお互いの得物を振ったのであった。

 

「りあっ!」

 

「はあっ!」

 

「ッ…………!?」

 

2人が繰り出した同時攻撃を、俺は両腕をクロスさせて防いだ。だが、朱色の髪の女と青い髪の女は一気に俺の後ろへと回り、俺の背中を狙ってまた同時に武器を振るった。

 

「もらった!」

 

「そこだ!」

 

「…………まだだ」

 

「「なっ!?」」

 

俺の後ろへと回っての同時攻撃だが、2人の同時攻撃を俺は後ろを向いたままであるが、2人の女の武器を受け止めた。武器を受け止められたことに、女2人は驚愕の表情と声を出した。

 

 

驚愕している2人に、俺は軽い助言をすることにした。

 

「それなりに良い戦法だ。だが、攻撃の軌道が単調すぎる。それじゃあ受け止めてくださいと言わんばかりだぞ?」

 

そう言いながら俺は、女2人の武器を受け止めたまま元居た場所へと投げ戻すことにした。

 

「…………そらっ!」

 

「なっ…………おわあぁぁっ!?」

 

「くっ…………ああぁぁぁっ!?」

 

投げ飛ばされた2人は受け身も何も取れず、ただ地面に背面をぶつけたのだから。

 

「やれやれ、これだけ言っても分からないって言うのなら仕方ない、きちんと理解してくれるように少し痛い目にあって貰おうか?」

 

冷酷に小さな怒気を含めて言えば、女どもは冷や汗をかいたような青ざめた顔になり、俺はその一瞬の隙を見逃すことなく駆け出した。

 

「ッ!?!?」

 

「しまった!?」

 

「…………遅いっ!」

 

俺の怒気に怖じ気づいて動けなくなっていた2人は、駆け出したことに今ごろになって気付くも、対処できる距離ではなく俺は50%ぐらいの力を込めた正拳突きを放った。

 

「ッ! なんだと?」

 

正拳突きを放ったのだが、正拳突きが当たろうとした瞬間に女達がいきなり丸太の木へと変わったのだ。

 

 

「これは?…………忍者の術の変わり身の術ってやつだよな?ってことは誰かが来たってことだな」

 

丸太の木を放り投げて後ろを振り向けば、誰かは知らないが、スーツを着た優男が2人の女の腕を抱えてかなり後ろへと下がっていた。

 

「緒川さん!?何でここにッ!!?」

 

青い髪の女はスーツを着ている優男に顔を向けて、驚きの声で優男の名前を言って、ここに来た理由も聞いた。

 

「司令からの指示でお二人を助けに来たんです。案の定、未確認の騎士相手に苦戦を強いられたみたいですね」

 

「うっ!?それは…………」

 

「申し訳ございません」

 

「いえ、お二人が無事で何よりです」

 

優男はここに来た理由を答えれば、俺を見ながら女2人の現状を口にすれば女は2人は苦しい表情をして顔を沈める。そんな2人に優男は人の良さそうな笑みを浮かべた後、真剣な表情となって俺の方へと向く。

 

「2人から3人に変わっただけと言いたいが、お前のその足の運び方からして、かなりの技量…………実力を持っていると見るべきだな」

 

「あなたこそ卓越した観察眼をお持ちのようで、ただ高い戦闘能力を持っているだけではないようですね」

 

「「……………………………………」」

 

お互い言葉を出した後、俺達はお互いを無言で見合う。

 

 

無言の中俺は口を開いて、両手を広げてこう言った。

 

「これ以上は本当に時間の無駄であれば、無駄な争いあいにしかならないな…………ここらでおさらばさせてもらおうかな」

 

そう言って、俺は足を動かして橋のところまで行って手摺の上に立った。

 

「えっ!?」

 

「な、なんのマネだ!?」

 

「おい、まさかあいつ!?」

 

「…………じゃあな、バカども」

 

優男と2人の女が信じられないとでも言う声を出し、朱色の髪の女が想像したように、俺はさよならを告げて手摺から足を離して、そのまま勢いよく川へと身を投げたのだ。

 

「しまった!?」

 

「そのまま逃げる気か!?くそっ!?」

 

2人組の女が悔しそうな声を聞いたが、俺はそんな声を一切気にすることなく、川へと落ち川の流れに逆らいながら上流を泳いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、疲れた」

 

ザバァっと川から上がった俺は、愚痴を溢してリュウケンドーの変身を解除した。変身解除すれば、後頭部の髪を掻きながら俺は今居る場所を見回した。

 

「…………ここからバイクを停めたところまで走っていくと30分は掛かるな、そしてそこから家に帰るとするだろ。…………うわぁ~、響や父さん達がすんげぇ心配してるだろうな~」

 

その事を考えただけでゲンナリしてしまう俺だが、覚悟を決めて全力ダッシュでバイクを停めたところまで走り、バイクに乗って起動させればアクセル全開のスピード全開で走り出し、大急ぎで家へと帰った。

 

家へと到着すれば、一応インターホンを押して反応を待てば、ドタドタと大慌てをしたような足音が聞こえ響や父さん達が玄関を勢いよく開けた。玄関を開ければ響や父さん達はしばらく固まり、俺は頭を下げてこう言った。

 

「心配かけてごめん。ただいま」

 

俺がそう言うと、響や父さん達は笑って俺にこう返してくれた。

 

「「「「お帰り!」」」」

 

「無事で良かったよ。お兄ちゃん!」

「「「無事で良かったよ。剣二!」」」

 

そう返して両親と祖母と妹の響は、俺の無事を喜んで家へと上げてくれた。

 

 

その後俺は、母さんの美味しい晩御飯を食べ、風呂に入って寝間着に着替えれば、響のまだやってなかった宿題の問題集を丁寧に教え、自分の部屋へと入れば目覚ましを7時にセットしてベッドに倒れ込むように睡眠へと入ったのである。

 

to be continued.




次回予告。

昨日はノイズとの戦闘が2回もあった挙げ句に、また機械の鎧を纏った女どもの相手をすることになって散々だった。

いつもの日常の始まりだ。と言いたいところだけど、ノイズの出現は収まることはないから出動だ!

なのに機械の鎧を纏う女どもがやって来てまた俺に襲い掛かってきやがった!そんな中、朱色の髪の女は周りをよく見ずに俺の怒りを買いやがった!

朱色の髪の女ァッ!てめえはやってはいけないことをやったぜ!!
そして俺はあの力を使う!


次回!魔弾戦姫リュウフォギア!

燃えろ怒りよ!熱き炎となれ!

次回はみんなが待ってた力で突っ走るぜ!!!



3万文字を越えてようやく書き終えれました。ここまで長くなってしまい、本当に申し訳ございませんでした!!!
どうかこの作品を見捨てることはなく、お付き合いくだされば嬉しいです!
さて、そんな感じなのですが、前書きの報告はとあるユーザー様から許可を頂いた作品を描こうと思います。そしてそれと同時にリュウケンドーをもう1話書いて、それを書いたらダイレンジャーを書こうと思います。

よろしくお願いします!!!!!
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