魔弾戦姫リュウフォギア 作:ライダーファイト(ただいま療養中)
う~ん…………直接やるより書き留めという行為の方が楽ですかね~?でもそうしたらそうしたで、後でこの場面の文章や表現が納得できないって言うのが出るかもしれないので、難しい問題です。
そんな感じですけど、今回は次回予告に“あれ!”を使いました。
反省も後悔もありません!ただ、やってやったぞ!という達成感がありました!
この次回予告にツッコミを入れるかは読者様次第です!ただ誤解なさらないでください!私はバカにはしていません!この作品でこれをやりたかったんです!!!!!
そしてあの作品も大好きです!!!!!!!!!!!!
立花家。
「……………………………………」
現在昼の13時。
俺は相棒であるバイク・HONDA CB400 SUPER FOURに簡易的なメンテナンスを行っている。
というか大学生の俺が、我が家で呑気にバイクのメンテナンスを
因みに俺の家族は出掛けている。親父と御袋は一緒にデパートへ買い物という名のデート、夫婦仲がよろしいことで。
祖母は地域の老人会に出席している。普通に爺さん婆さんで集まってお喋りしながらのお茶会だ。
たまにであるが、旅行用のバスを借りて老人達と数人の若い人を連れての旅行や遠足がある。と言ってもほとんどが旅行で温泉行ったり、こことは違う別の所に行っている。まあその度にお土産を買ってきてくれるから、俺達も嬉しい限りなんだが。
そんで俺にとっての頭を常に抱えている妹の響はと言うと、なんと今日は家に居るのだ。いつもなら幼馴染み件親友の未来か、中学校の友人と一緒にどこかに行くのだろうが、今日は珍しいことに家に居るのだ。
まあ未来が遊びに行かないという連絡が来ていたみたいだが、また珍しいことに響はそれを断ったようだ。本当に珍しいが、たまにはこういう日もあるだろう。それに俺としては今日ぐらい1日大人しくしていて欲しいものだ。あいつのせいで俺が一体どれだけ苦労しているか。
「ほんと、少しは分かって欲しいもんだぜ…………」
バイクの電装系に付着したオイル汚れを拭きながらぼやき、俺は「はぁー」と頭を下げながら重い溜め息を吐く。だがすぐに頭を上げて電装系を拭くのを再開するが、今の俺の表情は複雑そのもの、それはもちろん昨日の戦いにあった。
(俺は昨日人間を…………あの2人組の女を傷付けてしまった。しかもリュウケンドーの力で、だ。いくら朱色の髪の女がやったことが許せなかったとはいえ、リュウケンドーの力であそこまでやったのは許されざることだ!)
心の中で呟きながら、俺は右手で握り拳を作り顔の前まで持っていき、さらに左手の平で右手の拳を握った。バイクの電装系はゆっくりと地面に置いた。
(でも俺は!あの女の周りをよく見ない行動が許せなかった!…………俺は人間を守るリュウケンドーの力で傷付けた。しかも怒りに身を任せて、こんなことをしてしまった俺にリュウケンドーの力を使う資格はない!でもリュウケンドーにならなければノイズとは戦えないし人を守ることもできない!…………俺は一体、どうすればいいんだ!?)
俺は悩みながらも結局は考えが付かず、バイクの電装系を持ち電装系に付いていたパーツを付け加え、電装系を元の場所に挿し込んだ。
「…………さてと、後はエンジン内の汚れをブラッシングして落としたり、水洗いで拭いていくとするか」
俺は言いながらメンテナンスに使っていた工具を、工具箱に戻していき、俺の相棒の最後の仕上げをするとした。
※
特異災害機動二課。
司令室では重症を負った天羽奏と風鳴翼、二課の司令官である風鳴弦十郎、2人のマネージャーにして凄腕エージェントの緒川慎次、できる女科学者の桜井了子、そしてオペレーターの藤尭朔也と友里あおいが居た。
因みに奏と翼が負った怪我はあまりにも酷い、奏は右腕に三角巾を巻いていて、左目にはその目を覆うほどの大きなガーゼを貼られており、顔や腹、膝の数ヶ所には医療用のシップなどが貼られていた。
見るからに重傷者である。
しかし、それは相棒である翼も同じことである。彼女も左手で松葉杖を付き、右足には包帯を巻きギプスで固定している。そして奏と同じく顔や体に医療用のシップを貼っており右腕には包帯を巻いていた。
「…………くそっ、なんだったんだ昨日の未確認の騎士の奴は!?あいつの実力なら避けられたはずなのに、あたしの攻撃を受けたと思ったら急にキレやがって、しかもあたしに説教染みたことまで言いやがって!何が「かけがえのないものに気付けないお前達に!その力を持つ資格もなければ!戦場に
奏は我慢しきれない怒りを、口で吐き出しながら怪我を負っていない左手で机をガンッ!と強く叩いた。
「うん!私達だって覚悟を持って戦場に出ているというのに、未確認の騎士は私達の覚悟を侮辱した!…………でも奏、私達は昨日確実に未確認の騎士には敗北したのは事実だよ。あの凄まじい炎の力を纏った瞬間、未確認の騎士の力は何倍にも跳ね上がった。また未確認の騎士があの姿になれば、私達に勝機はない!」
「それは、…………そうだけど」
「…………………………………………………」
苛立ちを吐き出す天羽奏の言葉に、風鳴翼も同意するがそれと同時に、昨日のリュウケンドーのことを冷静に分析しながら言う。翼の言葉に奏は返せる言葉がなく口を
司令官である風鳴弦十郎はそんな2人を腕を組みながら見ていたが、体勢を変えずに目線を巨大モニターへと変更した。巨大モニターにはファイヤーリュウケンドーにモードチェンジしたリュウケンドーが映っていた。
この映像はシンフォギアに取り付けられた隠しカメラで録られたものだ。ただ弦十郎はファイヤーリュウケンドーを鋭い真摯な瞳で見ながら、2人にとって信じられないと言ってもいい言葉を言い放った。
「奏、翼、悪いが今回ばかりはお前たち2人を擁護することができん!逆に未確認の騎士の怒りの理由と彼の言った言葉に納得がいく」
「「!!?」」
弦十郎のリュウケンドーを擁護する予想外の言葉に、2人は驚愕の顔をしながら弦十郎の方に振り向き、直ぐ様声を荒げながら言葉を放った。
「どういうことだよおっちゃん!?なんで未確認の騎士の肩なんて持つんだよっ!!!」
「そうです!それに昨日の未確認の騎士の行動理由に納得できるとはどういうことですか!?」
奏と翼の鬼気迫るような表情と言葉、しかし弦十郎はそれに一切臆することなく、1度目を瞑れば腕組みを辞めて2人に真摯な表情で見ながら言う。弦十郎のそんな表情に奏と翼の2人は押されるが、なんとか持ちこたえて弦十郎に面と向かう。
「翼さん、何故未確認の騎士があんなに怒りを顕にしたのか分かりませんか?」
「え…………?」
「奏ちゃん、未確認の騎士がなんであなたが放った攻撃を全て避けず、捌けることだってできたはずなのになんでそれをせずに背中で受け止めたのか考えなかった?」
「は…………?」
「2人とも、未確認の騎士が言った言葉の意味を…………理解することができないのか!」
緒川慎次、桜井了子、そして風鳴弦十郎の言っていることに天羽奏と風鳴翼は全くもって理解できず、奏は左腕を伸ばしてこう言った。
「そんなもん、未確認の騎士の気の迷いかなんかじゃないのか!?それかあたしらにこう言いたかったんじゃないのかよ。俺にはそんな攻撃なんて一切通用しないって言う!あいつの余裕だろっ!」
奏はそう言い、奏のその言葉に同意するように翼も頷いた。2人の反応に弦十郎は顔を斜め下に向け、溜め息のようなものを出した。それをやれば、弦十郎はオペレーター担当の部下に目配せをした。オペレーターの藤尭は頷き、巨大モニターから昨日の戦闘を映し出したが、場面はリュウケンドーが奏が繰り出した攻撃を背中で受けている場面であった。
「これはシンフォギアに装着していた隠しカメラで録画した、昨日の戦闘映像だ。そしてこの場面は勿論のこと、未確認の騎士が奏の攻撃を避けることも捌くこともせずに受けている場面だ」
「この場面が一体どうしたと言うんですか!?」
「未確認の騎士は攻撃を受けきった後に、怒りの感情を顕にした」
「ああそうだよッ!いきなりぶちギレたと思ったら、訳の分からないこと言い出して、姿を変えやがったんだ!」
「俺も、彼がなぜ怒りを顕にしたのか分からなかった。最初はただの我々には分からないものなのかと思った…………だが違っていた。彼の怒りには理由があった、だが俺はその理由を見つけることができた!」
「「!!?」」
未確認の騎士の怒りの理由、それを聞いた奏と翼は再び驚愕の表情をした。だが弦十郎はそんな2人の表情に全くもって目もくれず、オペレーターの藤尭に命令した。
「藤尭!未確認の騎士が右手を地面に添えているところを拡大し、画像を鮮明にしてくれ!」
「はっ!」
弦十郎の指示に藤尭朔也はしっかりとした返事をして、すぐ行動に入った。画面が拡大され、そしてその拡大された画面がより鮮明になっていった。
「!? そんな、これはッ!?」
「まさかあいつは…………!?」
より画面が鮮明になっていき、未確認の騎士が右手から離れていたものを見た2人は驚愕と複雑な表情が入り交じった顔になった。それはそうであろう、なにせ未確認の騎士の右手から離れたのは、多少薄汚れているが白い毛並みを持った仔犬だったのである。
「分かったようだな2人とも…………そう。未確認の騎士は白い仔犬の命を守ったんだ!」
この言葉とともに弦十郎は奏に顔を向け、奏も恐る恐ると言った表情で汗を流しながら弦十郎の方を向いた。そんな奏を見ながら、弦十郎は迷うことなく静かに口を開いた。
「奏。もし未確認の騎士がこの仔犬を守っていなければ、今頃この仔犬は跡形もなく死んでいただろう。ガングニールのせいで仔犬を殺してしまった。それを知ったらお前はその事実を受け止めきれるか?」
「! それは、その…………」
弦十郎の重みのある言葉に、奏は目を見開くも出せる言葉がなかった。奏は思考を頭の中一杯に巡らせていた。自分が守るべきものはノイズの脅威に晒されている人間の命、そして自分の望みはこの世からノイズを一匹残らず全滅させることである。そのためノイズと戦えるというのなら自分の身を遠慮なく犠牲にし悪魔と相乗りする覚悟さえもある。
そんな狂気のような覚悟があれど、天羽奏という人間は非道で残酷な人間ではない、困っている人がいれば普通に助けるし、命が危険に晒されていれば自らの危険も省みず助けにいく、そんな心優しい少女である。
しかし昨日の自分は、儚く小さな命を自らの手で奪おうとしていのだ。恐らく昨日の自分なら、仔犬の命を奪ったことに気付かず未確認の騎士に向かっていただろう。だがもし自分が小さな命を奪ったことに気付けば、自分は小さな命を奪ってしまったという激しい罪悪感に苛まれ、下手をすればそれがトラウマとなりノイズを滅ぼすどころか戦場に起つことさえできなくなっていたかもしれない。
それを考えれば未確認の騎士は、一匹の仔犬の命を守っただけではなく、天羽奏という一人の少女の心も守ったことになるのだ。
「あたしは、あたしは……………………」
「奏…………………………………………」
それに気付いた天羽奏は、苦しそうな声でただ頭を抱えた。相棒である風鳴翼は親友の天羽奏の方を向いて、彼女の名前を呟くしかなかった。そんな悩む2人に、風鳴弦十郎は今回は辛く厳しい台詞を2人に突き付けた。
「“視野を広くせず、ただノイズを殲滅すること、いや暴力をも越えた危険な力を振り回して、かけがえのないものに気付けないお前達に、その力を持つ資格もなければ戦場に起つ資格もありはしない!”」
「「!!!!!????」」
「…………昨日未確認の騎士が言った言葉だな!」
弦十郎の口にした台詞、それは昨日未確認の騎士が激しい怒りを顕にしながら言い放った台詞である。その台詞を耳にした奏と翼は弦十郎の方に顔を向けた。
「未確認の騎士の言う通りだな。奏、翼、お前たちの気持ちはよく分かる。だがノイズの殲滅を建前に、逆に未確認の騎士に戦って勝つことを本音にして、その力を私的乱用し続けるお前らに!ノイズと戦う資格も!人類の希望であるシンフォギアを使う資格もない!」
「「!!!!!!!!」」
弦十郎の2人を思っての辛く厳しい言葉に、奏と翼には口に出せる言葉がなかった。
「本来ならお前たちのシンフォギアを取り上げお前たち2人を軟禁するつもりだったが、そんな体じゃシンフォギアを纏うことなどできないだろう。しっかり安静して、自分達がどれだけ取り返しの付かないことをしていたのか、よく考えろ!」
「「…………はい」」
ようやく出せた言葉には、2人の複雑な心を表しているようだった。そして弦十郎は、今この司令室にいる部下たちにあることを伝えた。
「そしてこれより俺達機動二課は、未確認の騎士とは協力体制に入る!上層部からは未確認の騎士の捕縛を命令されているが、昨日の彼の行動から彼の目的は1つでも多くの命を守ることだと分かった!ならば俺達のやることは未確認の騎士と協力関係になり、そして彼と力を合わせノイズを対処するんだ!さらに大変になるだろうが、みんな!俺に力を貸してくれ!」
「「「「了解(よ)(です)!!」」」」
弦十郎の見せる司令官ぶりに、ここにいる全員は否定の言葉を出さず、力強い返事をした後で頷いた。
心機一転。という雰囲気を出しながら、司令官である弦十郎はモニターに映っているファイヤーリュウケンドーに目を向けながら、心の中であることを考えていた。
(だが問題は…………未確認の騎士が快く俺達と協力体制を取ってくれるかどうか?なにせ俺達は彼の怒りを買ってしまった。それだけではなく情けないことに、今の俺達の現状はノイズに対抗できうる戦力を1つでも多く見つけることだ!そんな俺達に彼は協力をしてくれるか?)
ファイヤーリュウケンドーを見ながら思案する弦十郎の隣で、同じく科学者である桜井了子も心の中で思案していた。
(うーん、未確認の騎士君にはまだ何か隠されている。とは思っていたけど、まさかあんな形態変化をする能力があったなんて、しかもあの炎の龍の力を纏った瞬間、彼の力が格段に上がった。彼の力にはまだまだ何か隠されているとは思うけど、それはこれからに期待かしらね)
桜井了子もリュウケンドーについて考えているが、それは楽しみも入っているが、もし剣二がこの場に入れば何か邪なものも含まれていると感じ取っていたであろう。桜井了子は司令室に居る全員に気付かれないように、そんな顔をしていた。
※
「ふぅ…………これで全部終了だな。やっぱり3ヶ月に1回はメンテナンスと掃除はするもんだな。結構埃まみれになってたりオイル汚れが付着してたりするもんだ」
バイクの清掃が終わったので倉庫に戻し、俺はバケツに入っている濁った水を捨てて、また新しい水を入れてジャブジャブとオイル汚れを拭くのに使った雑巾を絞りながら呟いた。
「それにしてもかなりの汚れだったな。もう雑巾やブラシがボロッボロのギトッギトだぜ!これもう捨てた方がいいな」
そう言いながら、俺は出来るだけの汚れを落としバケツに入っている汚くなった水を捨て、液体石鹸で清掃に使ったバケツを
「ふぅ…………あ~……………」
さらにベンチに手を着いて顔を上げるも、ただ夕焼け空を見詰めるだけである。それでも今の俺の顔は昨日のことで一杯だった。
リュウケンドーの力で人を傷付け怒りに身を任せて戦ってしまったことに、確率は高いがもし今日もノイズが出現すれば、今の俺で大量に出てくるノイズと満足に戦うことができるのであろうか、いや絶対にできやしない、下手をすれば悩んでいるせいで出してはいけない被害を出してしまうかもしれない。
だが、そんな最悪な事態を俺自身の弱さのせいで産み出したくはない。
「…………結局のところ、迷いながらでも戦うしかないってことだよな~」
この言葉を誰にも聞こえない声で小さく呟くも、やはり悩んだまま夕焼け空を見続けていれば、後ろから静かな足音が聞こえた。大方気付かれないように俺に近づきたいみたいだが、こちとらノイズと数え切れないほどの戦闘と経験を積んだため、そう簡単にやられることなどしない。
「何か用か、響?」
そのため俺は後ろを振り向いて、やって来る妹の名前を言ってやった。
「あ!?気付いてたんだお兄ちゃん」
自分の名前を呼ばれたことに響は多少なりとも驚いた顔をするが、すぐに微笑みを見せ返事をする。だがやって来たのは妹の響だけではなく、響の両腕には俺がガキの頃自分の金で買った、白のクラシックギターを両手で落とさないように大事に抱え持っていた。
「響…………えらい懐かしいモン出してきたな!」
「えへへ、あたしとお兄ちゃんが一緒に使ってる共同倉庫にあったから取り出してきたんだ。流石にギターケースごとは重くて無理だったんだけど、中にあったギターはなんとか持ってきたんだ!」
「それで、なんで俺が高校まで使ってたギターなんて持ってきたんだよ?」
響が持ってきたギターに懐かしさを覚えていれば、響は照れ笑いをしながら俺のギターを持ってきたらしいが、でもなぜ響がギターを持ってきたのかその理由を聞いた。
「だってお兄ちゃん、朝からなんか悩んでるみたいで元気なかったし」
響のその台詞に俺は少しドキリとし、気付かれないよういつもの俺であることを取り繕うように返事を返す。
「そ、そうか?俺?そんな感じだったか?」
そう聞き返すと、響は「うん」と言うように頷いて今日の俺について語り出した。
「そうだよ!朝起きたときの返事、ほとんど元気なかったし!あたしたちの中で一番早く食べ終わるお兄ちゃんが、今日一番遅く朝ご飯食べ終えてたし!それに普段ならコーヒー作って飲むはずなのに、コーヒー作らないで溜め息してたんだから!今日のお兄ちゃんなんか変だし、心配してるんだよあたし!!」
「うえっ、そうか?」
響の言葉と今日の自身の行動に、俺は一切気付いてなく首を傾げて疑問を口にすれば、響はうんうんと力強く首を縦に動かした。隠していた気になっていたが、確かにそれを聞けば上手く隠せてないどころか思いっきりバレバレだったな。
「お父さんやお母さん、お婆ちゃんは疲れてるんじゃないのかって言ってたんだけど、でもおかしいよ!いつものお兄ちゃんなら疲れてるときはしっかりと休むはずなのに、それをしないなんて!嫌だよあたし!いつものお兄ちゃんでいてくれないと寂しいんだからさ!」
(…………なんともまあ勘のいい妹だな。それに俺のことをよく見ていやがる)
一緒に暮らしているからか、響その観察能力には俺は舌を巻いて驚かされる。まあ多分こんな能力なぞ、兄貴である俺か幼なじみの未来ぐらいにしか通用しないだろう。できればその能力は、普段やっている人助けに活かしてほしいのが俺の願いだ。
「それで?そんな悩んでそうな兄貴様に、ギターを持ってきて何しに来たんだ?」
「うんッ!お兄ちゃんが悩んでいるみたいだから、久し振りにあの歌のメロディをギターで弾いてよ!歌はあたしが歌うからさ!!」
「……………………は?」
そんなことを考えながら、俺は響に何故俺のギターを持ってきたのかを聞いてみれば、持ってきたその理由を聞けば、疑問の一言を口にして口を開けたまま呆けた。
「だ・か・ら!久し振りにお兄ちゃんが子供の頃よく歌ってたあの歌ギターで弾いてよ!歌はあたしが歌いたいからさ!」
「お、おう。まあ…………別に良いけどよ。久し振りにギターなんて弾くな。3年か4年ぶりぐらいか?指覚えってっかな~」
発言しながら俺に無理矢理白のギターを手渡し、そしてその響は密着する距離まで来て俺の隣に座る。ギターを手渡された俺は、少し困惑な言葉を述べる。
因みにこれはどうでもいい話だが、何故俺がギターを持っているのかには理由がある。まあその理由はもちろん特撮ヒーローにあるのだが、幼い頃から特撮ヒーローが好きだった俺は色んな特撮ヒーローを観て、そして楽器を持ったヒーローがあまりにもカッコ良すぎてその反動で楽器の1つであるギターを買ってしまったのだ。
まあ前世でも楽器を持ったヒーローへの憧れがあったからギターを買って、動画を見ながら練習したもんだ。そして響が言うあの歌とは、もちろん魔弾戦記リュウケンドーの第一期OPのことである。
俺がギターを買っての初っぱなで魔弾戦記リュウケンドーのOPを弾いて歌った。その時両親と祖母は出掛けていたのだが、運悪く響が帰ってきたことには気付かずその場面を響に見られてしまい、そのせいで半ば響の強制力でよく弾いては歌ったり、2人でデュエットをしたりした。
この歌について響は聞いてきたのだがそれはちぐはぐに誤魔化し、それなのに響はこの歌がお気に入りになってしまい、昔は歌ってくれ弾いてくれとせがんできて、俺はそれに根負けしよくやったもんだ。
「う~ん、上手くやれっかな~?」
そんな懐かしいものを持ってきたとこだが、俺は困りながらも一応懸命に弾くことを響に伝える。
「とりあえず弾いてみるけどよ。恐らく失敗するところも多くあるだろうから文句は言わないでくれよ!」
「文句なんて言わないからさ!早く弾いてよお兄ちゃん!!」
「へいへいっ…………それじゃあ行くぞっ!」
響の元気な返事を聞いて、俺は軽い返事で返して白のクラシックギターで魔弾戦記リュウケンドーを弾き始める。
「決して、未来の、邪魔はさせ~ない~♪」
「3!2!1!GOッ!」
「熱く燃えさかれ♪GAGAGAッ!♪」
俺と響はお互いに笑いながら楽しく、魔弾戦記リュウケンドーを歌った。
「はーっ、久し振りに歌ったからスッキリしたあー。やっぱりあたしこの歌大好きだなぁー!!!この歌について全然知らないけど、この歌を歌うとエネルギーが沸き上がるって言うかさ。楽しい気持ちになるな!」
「そうかい、そう言ってくれるのなら、俺も嬉しい限りだよ!」
「でもお兄ちゃん、この歌についてちっとも教えてくれないよね?お兄ちゃんが作ったの?知ってるのなら、歌の名前ぐらいは教えてよ!!?」
「嫌だね。それに俺がこんなかっけえ歌作れるわけねえだろ!俺には作詞作曲の才能なんてありゃしねえよ!それと歌の才能もな!」
本当にそう言うこと言うのは勘弁してくれ響、そんなことをすれば俺は色んな意味で消されるかもしれないんだからな。そんで俺には作詞作曲の才能なんてこれっぽっちもない、前世ではカッコいい曲を作りたいという思いがありやろうとしたが、結果は惨敗。
全く持って作ることなどできず自分の才能のなさに涙が出たもんだ。それと歌の才能もないと言ったが俺は音痴ではない、大事なことなのでもう一度言うが決して音痴などではない。ただ俺の歌声なぞ微々たるものであり、日本全国どころか文化祭の祭りにすら出せないレベルだ。まあそんなレベルだが、一応はカラオケに行っても恥ずかしくないレベルであることは分かっている。
うん、それでもね。人間には時として自身にある事実を直視できず隠したいものが1つや2つはあるんだ。だからこそ人間はそんなものを持ちながらも、懸命に生きれる強さがあると俺は思うのだよ諸君。
途中からこんなどうでもいいことを思案してしまったが、俺は夕焼け空を見上げた。今の俺の顔は悩みのない晴れ渡った笑顔をしているに違いない。
「あ!お兄ちゃん今日ようやく笑ったねッ!悩みが吹っ飛んだの!!?」
「………………………………………」
響の台詞に俺の無言になるが、顔を振り向かせて思案する。ったく、まさか妹の響に助けられるとは、今回ばかりはこいつの思いやりに感謝だな。
「ああ、お前のお陰で助かったよ。ありがとな…………響!」
響に感謝の言葉を伝え、俺はこいつに向かって最高の笑顔を見せた。
「あ…………」
「ん?どうかしたのか響?」
「う、ううん!?何でもないよ!何でも!?」
笑顔を見せれば、何故か響は時が止まったかのように俺を見ていたが、そんな響に疑問を抱いた俺は笑顔を解いてどうかしたのかと聞けば、響はハッとなりすぐに返事をすれば体全体を後ろに向けた。
そんな変な行動をし出した響に俺は近づき、問い質すことにした。
「いきなり後ろに向いてどうしたんだよ響。なんか顔赤いけど風邪でも引いたか?」
「な、なんでもないったら!?ただ夕日のせいで顔が赤くなってるだけだよっ!!」
「あ?夕日のせいって…………半分以上まで降りてんのにそこまで赤くなるか?つか、さっき見たところ顔全体が赤くなってた気がすんだが」
「だから気のせいだよっ!!?そんなことより中に入ろうよ!日が沈んでるから冷たい風が吹いてきてるし!」
「あ、ああ。確かにそうだな、家に入るとするか」
問い質そうとするも、響は慌てながら必死に誤魔化すようにすれば、夕方のため冷たい風が吹いてきて中に入ることを即し、響は先に家の中に入り俺も了承しながら家の中へと入りベランダの戸を閉めた。
「それで響、お前何であんなに顔赤かったんだ?もしも風邪なら病院行って診てこいよ。風邪引いて移されちゃ溜まんねえからよ」
「だから何度も言ってるでしょ!?大丈夫だって、夕日のせいで顔が赤くなっただけだよっ!!」
「って言ってるけどよ、今も顔赤いぞ」
「そんなの気のせいっ!!!」
家の中に入り再び響に聞いてみるも、それなりのデカイ声で否定され、顔が赤いことを突っついてみるも気のせいだと一蹴されてしまった。
そんなこと無限ループみたいなことをしていれば、調度良いときに同時で両親と祖母が帰ってきて俺と響は一緒に出迎え、その後は父さんと母さんがデパートで買ってきた鮮度の良い鶏肉で晩飯は鳥鍋となった。
晩飯の鳥鍋ができれば、俺と響は鳥鍋の上手さに感動し鳥鍋とご飯を4杯もおかわりしてしまった。本当に上手すぎて困る、米と鳥鍋を一緒に食べれば上手さが倍になるから本当に手が止まらなくなるかと思った。
晩飯を食べ終われば、俺はいつも通りに風呂に入って出れば、パジャマを着て軽く柔軟体操をしベッドに眠りに就こうとしたが。
「……………………お出でなすったか、ノイズ」
モバイルモードのゲキリュウケンが強い光を発したため、俺はゲキリュウケンを手にすれば俺の脳裏にノイズが出現する場所が映し出された。そのため俺は私服に着替えずパジャマのまま、部屋に隠している靴を履いて窓から飛び出した。
「迷いは吹っ切れた。なら今はただ真っ直ぐにノイズを叩き潰すだけだ!」
※
場所は変わり、ノイズが出現したショッピングモール街に俺はいる。既に俺は魔弾剣士リュウケンドーに変身し、ゆっくりと歩を進めながらノイズの大群に言い放つ。
「ノイズッ!ここから先は俺が相手だ!!」
『『『『『!?!!?』』』』』
「魔弾剣士リュウケンドー…………来神!!!」
暗がりから現れたリュウケンドーに驚くノイズ、しかしそんなことを気にせず、俺は右の腰に掛けているモバイルモードのゲキリュウケンを本当の姿にして、リュウケンドーの決め台詞を言ってゲキリュウケンを構えたポーズを取った。
「行くぞ!!」
そしてこの言葉とともに、俺はノイズの大群に飛び掛かっていく。
※
機動二課。
「司令ッ!ノイズの出現ポイントに未確認の騎士も現れました!」
「分かった。だが奏と翼が戦えないのでは、情けないことに俺達に出来ることはなにもない、未確認の騎士頼りだ。黙って見ることしか出来ないんだからな」
「そうですね…………」
風鳴弦十郎の言葉に、オペレーターの藤尭は小さな声で返し、同じオペレーターの友里あおいと弦十郎の部下の緒川慎次は無言で頷いていた。
「「……………………………………」」
その後ろでは重傷の天羽奏と風鳴翼がいた。2人も無言ではあったが、モニターに映っている未確認の騎士、魔弾剣士リュウケンドーの戦闘を見ていた。リュウケンドーの戦闘を見ながら、天羽奏は意を決して立ち上がり、なんとか歩いて弦十郎に進言した。
「おっちゃん頼む!あたしを未確認の騎士のところに行かせてくれ!」
「奏…………!?」
弦十郎の元まで行った相棒の言葉に風鳴翼は驚きの声を上げ、反対に司令である弦十郎は奏の方に振り向けばその顔つきは真剣そのもの、いやそれだけでなく、かなりの威圧感を出して奏を見ていたのだ。
「うっ…………!?」
弦十郎の威圧のある瞳に奏は1度後退る、弦十郎のその瞳はしっかりとした言葉でなければ許されないものだった。もし奏が「ノイズを叩く!」などと言えばすぐさま弦十郎に取り抑えられるだろう、しかし奏は素早く同じ真剣な顔付きで弦十郎を睨み返し言った。
「あたしは、未確認の騎士のあいつに謝りたい!自分自身の視野の狭さやシンフォギアの力を持つ事への甘さを!そしてあいつにお礼を言いたいんだ!あたしと小さな命を救ってくれたことを!」
「………………………………………………」
「ッ…………!?……………………」
奏はそう言いきり、弦十郎は鋭い目付きのまま無言で奏を見ていた。弦十郎の鋭い目に奏は下がることをなんとか耐えるも、すぐにそれが崩れそうだった時である。
「…………その答えがあれば充分だ。行ってこい奏、既にヘリの準備はしてある」
「ッ…………ッ…………ッ!!」
弦十郎はフッと鼻で笑い、顔付きも優しい笑みを称えた顔となり奏を未確認の騎士の元まで送る許可を出した。弦十郎のその言葉と先を見通した行動に、奏は満面の笑みを称えれば頭を下げてお礼を口にした。
「ありがとう!おっちゃん!」
「緒川。時間が勿体ない、お前の力で奏をすぐにエレベーター前まで送ってやれ」
「分かりました」
「待ってください司令!私も…………私も未確認の騎士の元まで行かせてください!私も彼に謝りたいんです!!」
すると、今まで黙っていた翼もなんとか立ち上がって、自分も未確認の騎士の元まで行き謝りたいと言い出した。
「分かった。緒川、翼も一緒に連れていってやってくれ!」
「畏まりました」
きっと翼も言うだろうと予想していた弦十郎は、すぐに翼の同行を許可して部下の緒川に頼んだ。緒川自身もニコニコ笑顔で、快く引き受けた。
(待っててくれよ、未確認の騎士!)
奏はモニターでノイズと戦っているリュウケンドーを見ながら、彼に自分自身の言葉を伝えようとする。
※
「おらあっ!」
『!?!?!?』
ゲキリュウケンでヒューマノイドノイズを横一線で斬り裂けば、ヒューマノイドノイズは声か分からないものを出しながら炭素の塊となった。
しかしそれでも俺は、目の前を事態に目を向けながら舌打ちをした。
「チッ!?いくらなんでも数が多すぎんだろ!いったい何体いやがんだ!つーか、横一列に並んで歩くとかお前ら軍隊か!!?」
今回はヒューマノイドノイズしか出ていないが、しかしその数がおかしすぎる。今この商店街の通り俺の目の前では、ヒューマノイドノイズが横一列5体で並んで、さらには縦一列の大群で並んでいたため、俺達はそれにツッコミを入れたのだ。
(ちくしょう、倒しても倒しても進んできやがる。そのせいで俺が後退させられちまってるし、どうでもいいが、これ見てるとなんかアレだな。大怪獣バトルNEOの大量のキングジョーブラックの行進みたいだな!)
そんな下らないことを考えながらも、俺は大量に迫ってくるヒューマノイドノイズ軍団を片っ端から全力で葬り去っていった。だがしかし、そんなにやってもヒューマノイドノイズの軍団は一向に減らない、寧ろやられてもやられてもザッザッザッと進んでくる始末だ。
「多すぎにも程があんだよッ!!!」
俺はそう愚痴りながらも、すぐに右腰にあるマダンキーホルダーを回して、マダンキーを抜き取った。
「ナックルキー発動!」
『マダンナックル』
「来たれマダンナックル!」
ナックルキーを挿し込めば、壁に目掛けてゲキリュウケンから魔法陣発動のエネルギーが打ち出す。すれば壁に魔方陣が展開されそこからマダンナックルが飛んできた。
「よっと!…………初っぱなからナックルスパーク!!」
『『『!?!?!!?』』』
マダンナックルを右手に取った瞬間、一気にヒューマノイドノイズに向かってナックルスパークを撃ち放った。撃ち出されたナックルスパークにヒューマノイドノイズは驚いたような声か分からない声を出して、ヒューマノイドノイズが数体消し飛んだ。しかしそれでもヒューマノイドノイズは大量に居るため、ナックルスパークで消し飛ばした程度ではヒューマノイドノイズの行進が収まることはない。
「ああもうっ!ならこうするまでだ!」
この数を片付けていくことに嫌気が差した俺は、思い切りの行動に出た。
「ナックルスパーク!ナックルスパーク!ナックルスパーク!おらよおっ!!!…………とうっ!!」
『『『『!!?!??』』』』
「しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!しょい!」
『『『『『『『!?!!?』』』』』』』
「よいしょおーーーっ!!!」
ナックルスパークでヒューマノイドノイズを3体を撃ち消して、ゲキリュウケンで踏み込みの斬撃を放ち周りにいたヒューマノイドノイズを斬り崩す。
そのままジャンプをすれば、ヒューマノイドノイズの顔や肩を踏み台にして俺は前に進んでいく、俺のその行いにヒューマノイドノイズは何もできず、だが俺はそんなことなど気にせず前に進んでいけば、商店街の出口が俺の目に入った。
出口まではジャンプすれば届く距離であったため、俺は最後のヒューマノイドノイズの顔面を思いっきり踏みつけ、この踏みつけとともに勢いのあるジャンプをして商店街から見事抜け出した。しかし素早く起き上がり、俺はヒューマノイドノイズたちに向かって挑発を与えた。
「おらっどうしたノイズども、俺を倒したきゃとっとと出てきな!」
『『『『『『!!!!!!!!』』』』』』
ヒューマノイドノイズの大群は俺の挑発に簡単に乗り、全てが俺に向かって行進してきた。それを見た俺もすぐに行動に入ることにした。
「さぁぁてお片付けだ。一気に決めるぜ!」
そう言って、俺は右手に装着したマダンナックルを地面に置き、右腰にあるマダンキーホルダーを回して目的のマダンキーを引き抜いた。
(あの数相手に魔弾斬りなんてやったら、商店街にまで迷惑が掛かる。なら全部出てきたらこいつで倒すまでだ!)
「マダンキー! ファイヤーキー…………発動!」
『チェンジ ファイヤーリュウケンドー』
「火炎武装!てりぃやあぁぁっ!」
昨日怒りのまま使ったファイヤーキーを今日も使い、ファイヤーキーを挿し込んで回せばゲキリュウケンから炎を纏った龍が出現し、天高く昇って吠えれば俺に向かって突撃してくる。俺は炎の龍を受け止め、炎の龍は昨日と同じようにリュウケンドーの体に身に纏い、リュウケンドーの白い鎧が炎のような赤い色に変わった。
俺はゲキリュウケンを振るい上げ、声高々に宣言した。
「ファイヤーリュウケンドー!来神ッ!!!」
この宣言をすぐに終わらせ、再び俺はマダンキーホルダーに手を掛けて回す。俺が望んだマダンキーを手に取り発動させ、ゲキリュウケンに挿し込んで回しゲキリュウケンが応答する。
「ファイナルキー発動!」
『ファイナルブレイク』
「はぁぁぁぁぁぁぁ……………」
ファイナルキーを発動するも、ゲキリュウケンにファイヤーキーの炎の力が集まるのを待ち、それと商店街から全てのヒューマノイドノイズが出てきてこちらに来るのを待つ。
『『『『『!!!!!!!!』』』』』
しかしそれを待つ必要はなく、ヒューマノイドノイズはいつの間にやら商店街から全て出てきており、俺に向かって突撃してきた。それが調度よく、俺はリュウケンドーの仮面の中で笑みを溢すが、ゲキリュウケンに集まったファイヤーモードの炎を打ち出した。
「消えな!ゲキリュウケン!!火炎斬りッ!!!!!」
ヒューマノイドノイズの大群に向かって、火炎斬りの炎を打ち放てば、その炎はヒューマノイドノイズに直撃し火炎斬りの炎に包まれバタバタと悶え苦しんでいた。だが数分程で、100体近くいたヒューマノイドノイズは一瞬のうちに炭素の塊となって敢えない終わりを迎えた。
「なんか…………今回は別の意味でいつも以上に、疲れたな」
ヒューマノイドノイズの大群の終わりを見届けそんなことを呟いた俺は、ファイヤーリュウケンドーのままこの場を去ろうとした時である。
「ッ!!!」
後ろからヘリコプターのローター音が聞こえれば、俺はすぐに後ろを振り向いた。後ろを振り向いてみれば予想通りそのヘリは軍が使っているヘリコプターであった。軍用ヘリコプターを見た俺は内心で舌打ちをして思った。
(チッ、またあいつらか!今頃になってノコノコやって来るとはな。あんだけボコボコにしてやったのに、まだ懲りてねえと見えるな。くそったれが!)
心の中で思いながら、俺は動きを止めてあの2人組の女が出てくるのを待ってやった。大方俺に戦いを挑みに来たんだろうが、なら今度はあいつらの所持している得物を叩き壊して戦意を喪失してやると決めた。
「来るなら来いよっ」
奴らが来るのを待っていれば、何故か不自然なことに軍用ヘリコプターは俺から少し距離を開けて着陸した。そんな不自然さに俺は最大限の警戒をして、警戒を一切解かず軍用ヘリコプターを睨んでいた。すると軍用ヘリコプターの扉がガラッと開きそこから慌てた声を出しながら女が出てきた。
「ま、待ってくれ!落ち着いてくれよ!今日は別に戦いに来たんじゃないんだ!それに、こんな体じゃ戦おうにも戦えねえよ!」
「奏の言う通り!警戒する気持ちはよく分かるけど、警戒したままでも良いから、聞いてほしいことがある!」
「?」
ヘリコプターからあの2人組の女が出てきた、その姿は見るからに重傷者と言っていいだろう。だが俺は昨日のこともあったため、決して警戒を緩めることなくゲキリュウケンに手を掛けたまま2人の女を睨んだ。だが2人組の女はヘリから出ただけでそこからは一歩も動くことはなく、そこで立ち止まりなにかモゴモゴと言いたげだった。
なにをするのかと警戒をしていると、朱色の髪の女が息を大きく吸って叫んだ。
「未確認の騎士!昨日は本当にすまなかった!それと本当にありがとう!」
「………………………………あ?」
叫んで頭を下げる朱色の髪の女に、俺はたった1つの疑問の声を出した。すると続けて青髪女も頭を下げながら叫んだ。
「私からも謝る!本当にすまなかった!未確認の騎士、あなたのあの言葉は私達を思っての言葉だった!それなのに私達は自分のことしか考えず戦ってしまった。本当にすまない!」
女2人組のこの言葉に、俺は心の中で納得し思考した。
(心変わりの演技か何かかと思ったが、どうやら昨日の行動と言葉の意味を理解したってことか)
そう思考していれば、朱色の髪の女が俺の昨日の行動について語り始めた。
「お前は昨日命を助けた!それだけじゃない、あたしも助けてくれた!だけどあたしたちはそれに気付くどころか目も向けずに、ただお前に勝ちたいなんて言う下らない思いのために突っ走りすぎた!…………お前の言う通りだ。そんなあたしたちにシンフォギアの力を纏う資格なんてない」
「奏…………それは私も同じだよ。気付かないうちに視野を狭くしすぎて、守るべき大切な存在にきちんと目を向けてなかった!人々を守る防人のはすが、命を奪おうとしたんだから…………」
思いっきり反省の色を見せその意味を理解できた2人に、俺は心の中で安堵するが、大切なことに気付いてくれたことにはありがたいが、それでも俺はこの2人にキツい言葉を言っておくことにした。
「…………何を勘違いしているのか知らないが、俺は仔犬を守っただけだ。お前なんざ助けてなければ、はっきり言ってどうでも良い」
「「!!?」」
俺のこの言葉に2人は驚愕の表情をするが、すぐに真剣な表情になって俺のことを見る。
「ただお前らに言っておく。これ以上ノイズとの戦いにしゃしゃり出るな、邪魔なだけだお前らは」
「それは…………」
「そうかもしれねえけど…………」
俺の放った言葉に傷付く2人だが、それでも俺は遠慮なく言わせてもらう。
「それに、それだけ大きな力を持っていれば、いずれ後悔がやってくるぞ。…………力には常にそれ相応の責任が付きまとい、そしていつかそれ以上の代償がやって来る。それがやって来る日は案外近いかもな、それがやって来たとき…………お前たちはお前たちでいられるか?」
「「………………………………………………」」
俺が言ったこれからの戦いに大切なことに、朱色の髪の女と青色の髪の女は黙ったまま顎を引いた。言い切った俺は踵を返し、背中を見せるもリュウケンドーの顔を半分振り向かせこの言葉を最後にする。
「それが出来ないのなら戦場に出てくるな…………お荷物は邪魔なだけだ」
静かに言って、俺はただこの場を離れていった。
※
ノイズの出現した場所を離れた俺は、さっさと自分の家がある方面へと入り、自分の部屋へと帰宅した。それでも俺は自分のベッドに座り真剣な顔で呟いた。
「…………迷いはなくなった。…………それでもこれが俺の答えだ。どんな風になってもこれだけは絶対に変えられない、俺の覚悟だ!」
静かに呟き、俺は疲れた体を癒すためにベッドに入って穏やかな眠りに就くことにした。
to be continued.
さて、どうなりますかね。
今回はちょっと場面が少なかったでしょうけど、たまにはこういう感じも悪くないんじゃないんでしょうか?
感想や評価よろしくお願い致します!私に皆様のパワーを分けてください!!
それとある二次創作を思い付いてしまったため、申し訳ございませんが今度はそちらを描かせて下さい!はい、本当に申し訳ございません!!!!????
一体いつになったらダイレンジャー描けますかね。
次回予告。
昨日はかわいい妹響の行為と2人の女の謝罪に、俺の悩みはぶっ飛んだ。
まあそれでも、俺にはまだ悩みの種は沢山あるんだけど、いくら俺が悩んで苦労していようともノイズの発生は終わりはしない!
みんなを守るために戦うだけだ!
するとそんな時、上空から1人の大男が降りてきやがった!しかもこの大男コンクリートの地面を踏み砕きやがった!?
こいつホントに人間か!!!??
挙げ句の果てにリュウケンドーの鎧に拳をぶち当てたって言うのに、その拳には傷一つ付いちゃいねえ!!?
こいつ人間辞めてんじゃねえのか!!!!!
人間を辞めているような大男に追い詰められて、俺は終わりを覚悟した…………その時である!
俺が所持しているマダンキーが強烈な光を放った!まさか、これは!?
次回!魔弾戦姫リュウフォギア!
こいつはすごいぜぇっ!!!