魔弾戦姫リュウフォギア 作:ライダーファイト(ただいま療養中)
言いたいことは分かったんですけど、文章や言葉って怖いですね。特に療養している人間にとっては、その伝え方によって何が引き金になるか分かりません。
療養している自分には、心に歯止めが効かなくなって、そのせいで恩を返さなきゃいけない親をまた心配かけさせてしまいました。
気を付けなきゃいけないこの世の中なのに、酷い人間ですね自分は。本当に恐いです。
まあ、奏がリュウケンドーをあそこまで恨むのには、理由があるんですけど。
ドクン!
どこか静かで暗い場所、そこには誰にも理解できない真っ白で輝く丸いものがあった。
誰から見てもそれは全く持って分からない、端から見ればそれは巨体な球体。端から見ればそれは巨大な卵。
とにかくその謎の物体に分かっていることはただ1つ。どんな命よりも強い、命の鼓動を上げていたのだ。
ドクン!ドクン!ドクン!
その命の鼓動を放つ卵のような塊は、誰かを呼ぶようにとにかく強く鼓動を脈打っていた。
ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!
さらに鼓動は強く激しく脈打っていった。自分はここに居ることを気付いてほしい、ここから出してほしいのを伝えるよう、その球体はただとにかく命の証である鼓動を確実に打った。
ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!ドクン!
そして球体の中から赤く鋭い瞳が覗かれた、その瞳は待ち望んでいた、ここから解放され命を脅かす悪しきものと戦うことを。
『………………………………………………』
ドクン!
※
「はっはっ、はっはっ、はっはっ、はっはっ」
只今朝の5時半。
いつも通り俺は日課のランニングをしている。今日はいつもより早く起きることができ、そのため俺はジャージに着替えて柔軟運動と準備体操をすればすぐに朝のランニングへと出掛け、今走っている場所はいつものランニングコースの公園である。それと今日の俺はサングラスを掛けて、ランニングを行っている。
「はっ、はっ…………やっぱり朝のランニングはいいな、心も体も爽やかになってくる!」
俺は一旦走るのを止め、足を止めることはなく歩きながら言った。少し走り続けたせいもあり、俺はまだ「はぁはぁはぁ」と息を整えていく。
足を止めることなく公園内を歩いていれば、次第に息を整っていき、俺は歩きながら公園内を見回していく。
「後、この公園内を5週位したら家に帰るとするか!」
そう口にすれば俺は、初っぱなから全力で走り出し、公園内を5周してそのまま家に帰るために全力のまま走っていく。
「はっはっ、はっはっ、はっはっ、はっはっ」
走りを止めることなく家に帰ることができ、家の中へと入れば珍しいことに妹の響を含めた家族全員が起床しており、俺は家族に「ただいま」と伝え家族全員は「お帰り」と返して、その返事を聞いた俺はそのまま風呂場へと直行してランニングでかいた汗をシャワーで流していく。
俺はシャワーを3分ほど浴びて風呂を出ていき、昨日の夜から用意していた俺の私服へと着替えていく。ランニングで使ったジャージはきちんと分けて、洗濯機の中に放り込んでおいた。
我が家の家族は男の汗臭い臭いを気にすることはないため、1回目の服洗いと一緒に洗ってくれるため安心である。
(臭いなんてものを気にして洗濯してたら、電気代と水道代、洗剤代の無駄になっちまうからな。…………第一に臭いのは頑張ってる証拠じゃねえかよ。いくら臭いのが嫌だからってその頑張りを真っ向から否定すんじゃねえよ今の若人!特に女子高生は!)
そんなことを心の中で思いながら、俺は着々と私服に着替えていく。
「あー腹へった~。おっ、調度良いときに朝飯出来てた!」
私服に着替え終わった俺は、そのまま食事をするリビングへと入った。すると既に朝飯はテーブルの上に置いてあり、目玉焼きとウインナーは出来上がったばかりのようだ。
すると椅子の近くでは、響が俺の分の牛乳をコップに入れており、その向こうでは母さんが俺の分の 米を俺が使っている茶碗に入れていた。
母さんが俺の茶碗に入れていたことに、俺はすぐ母さんに謝罪した。
「悪い母さん、俺の分の米入れてくれたのか!?」
「別に気にしなくて良いわよ。私がやりたくてやったんだから」
「ああ~、本当にありがとう」
お礼を言いながら俺は椅子に座って、母さんから白米が乗せられた茶碗を受け取った。
「それじゃ、頂きまーす!」
「「頂きまーす!」」
「「頂きます」」
椅子に座って新聞を読んでいた父さんが、新聞を折り畳んで置いて朝食への挨拶をする。それに続いて俺と響、そして母さんと婆ちゃんが朝食への挨拶をする。
「もぐもくもぐ…………あむっ、もぐもくもぐ、んっくん」
「あ、そう言えば剣二。明日はどうするの?」
朝飯を食べ始めれば、白米をゆっくり食べている母さんが俺に顔を向けて話し掛けてきた。
「明日って?…………お兄ちゃん、明日なにかあるの?」
「ああ明日な、実は少し前から母さんには言っといたんだけど、明日喜一の家に泊まらせてもらおうと思ってな。喜一も明日なら親が居ないから大丈夫ですよ。って言ってたし、泊まらせて貰おうと思ってな」
明日に何かあると思った響は、大好物の白米を食べながら俺の方を向いて聞いてきた。別に黙っていることでもないと思い、明日俺が幼なじみの喜一の家に泊めてもらうと言えば、響が箸でも落としそうな感じで驚いた表情をして声を出した。
「ええっ!?それじゃあお兄ちゃん、明日お家には居ないの!?」
「だからそうだって言ってるだろ。大学が終わって帰るときにそのまま行こうって考えてるんだよ、だから鞄に着替えとタオルを入れておこうと思ってな。別に良いよな母さん?」
「大丈夫よ。でもあんまり瀬戸山君にご迷惑を掛けちゃダメよ」
「分かってる。迷惑掛けないよう気を付けるさ」
「そんなぁ~…………あ!それじゃああたしも泊まりに行って良いかなお兄ちゃん?喜一さんにもご挨拶したいし!」
「…………なに言ってんだお前?」
母さんと話し合っていれば、何故か寂しそうな顔をしている響が、いきなり妙案を思い付いた感じで突拍子もないことを言い出した。
「良いじゃん!あたし喜一さんに会いたいしさ、ねえあたしも泊まりに行って良いよねお母さん!」
「響。それはちょっと…………」
「ダメに決まってんだろ。このバカ!」
響の言葉に言い淀む母さんに変わり、俺がキッパリとダメだと言ってやった。それを聞いた響がすぐに俺の方に顔を向けて、大きな声で疑問を提示してきた。
「なんでダメなの、お兄ちゃん!?」
「あのなぁ!野郎2人が居るってところに、中学生の女まで泊まりに行かせられる分けねえだろ、常識的に考えて!そんなことしたら喜一の家で中学生の女の子を連れ込んだって噂されたら、瀬戸山家が嫌な目で見られるだろうが!今の世の中を考えろ!」
「えーっ、大丈夫だよそれぐらい」
「何を基準にして大丈夫だって言ってんだ!?絶対にダメだ!!!」
そんな響に俺はきちんと今の世の中の理不尽な厳しさと世間の冷たさを説明していると言うのに、案の定。響の奴は口を尖らせて、ブーブーと無茶苦茶なことを言い張る。
(どんだけ喜一に会いてえんだこいつは?…………まさか響の奴、喜一のことが気になってるのか!?)
「響、あんまりお兄ちゃんに無茶な注文を言わないの!お兄ちゃんが困ってるでしょ?それに最近の世の中は本当に大変なんだから…………響の我儘で、喜一君に迷惑掛けてもいいの?」
そんなことを思っていれば、向かい側に座っている母さんが響に向けて俺のことを名前で呼ばず、お兄ちゃんと呼びながらキッパリとぐうの音も出ないレベルで言った。
そう言われた響も、うぐっと苦しい表情をしながら顔が後ろに下がった。
「それは、そうだけど。でも…………む~っ」
「母さんの言う通りだろ!なら諦めろ。別に俺が居なくても寂しくもなんともないだろ?」
母さんの言葉に言い返せる言葉がなく、口を尖らせるそんな響に対し、俺も母さんの言っていることは全面的に正しいため、横から擁護した。俺の言葉に響は、まだ納得ができないような顔をして俺のことをじっと見ていた。
「もういいから食っちまうぞ、じゃねえと片付けられねえんだからな!」
響の視線を無視して俺は再び母さんが作ってくれた朝飯を食べていく、響は納得ができない顔のまま自分の朝飯を食べていった。
(やれやれ、困った妹だぜ)
「うぅぅ…………あたしって呪われてるかも」
朝飯を食べながら、響に視線だけを向けて心の中で呟く。
(てか我が妹よ、こんな下らないことで呪われてるって言ってたら、今後の人生で起きる出来事が大変としか言えなくなるだけだぞ)
「ごちそうさま。じゃあ母さん悪いけど後のこと頼むな、俺はもう行ってくるよ」
朝飯を食べ終わり、母さんに一言謝って俺は椅子から立ち上がり、出ることを伝える。
「大丈夫よ。気を付けていってらっしゃい、剣二」
「いってらっしゃい、剣二」
「気を付けて行ってこいよ。剣二」
「あ、お兄ちゃんいってらっしゃい」
俺の台詞に、母さんは平気そうな顔で返して俺に送る言葉をかけ、続けて婆ちゃんと父さんが言って、最後は響が口元にご飯粒を付けながら俺に言葉をかけた。
そんな家族に俺は笑って、響に口元にご飯粒が付いていることを伝えて、バックを2階から持ってくることにした。
「あんがと。それと響、口元にご飯粒が付いてるぜ」
そう言って俺は背を向けて2階へと行き、響はと言うと、恥ずかしいようで顔を少し赤めながら口元に付いていたご飯粒を素早く口元へと入れた。
「ん~、やっぱり体が疲れてるな…………肩が凝りまくってやがる」
バイクを運転して目的の大学へと向かっている俺は、バックを背負いながらも両肩の凝りがさらに増してしまい、俺は肩の凝りに愚痴を言った。
「たくっ、肩が凝るのは仕方ないとしても、もうゴリッゴリだよ。喜一の家泊まりに行くときに銭湯でも行ってくるか?確か車とかで行けば、距離的にはそこまで遠くないし30分ぐらいで済んだよな?」
肩の凝りに悩みながらも、俺はしっかりとハンドルの操作をして、通っている大学へと向かっていくのだった。
※
機動二課。
「はいっ検査終了。翼ちゃんも奏ちゃんも未確認の騎士に負わされた怪我は消えたわね!これもシンフォギアのお陰かしらね♪」
機動二課では、装者である天羽奏と風鳴翼の精密検査を行っていた。主治医はもちろん、自他ともにできる女である科学者の桜井了子。そしてその場所には司令官であり2人の親代わりの、風鳴弦十郎も居た。
翼と奏の2人は、検査のために着る検査着を着ていて、翼は先に検査が終わっていたようで、桜井了子の後ろにいて心配な顔で奏の検査を見ていたようだ。検査が終われば、奏も同じく機器を操作する場所に入ってきた。
「これにて終了!了子さん、状態はどうだ?」
「ええっ、2人とももう完全な健康状態よ。これならシンフォギアを纏って戦えるわよ」
それを聞いた奏と翼はそれぞれ別々の反応を見せた。奏は「うしっ」と喜びでも見せるようにガッツポーズし、翼は嬉しそうに微笑んで頷き、弦十郎は真剣な表情のまま無言で頷いていた。
そんな奏と翼の2人を反応を見ながらも、桜井了子は付け足すように、先程よりも声のトーンを上げて通達した。
「ただしっ!いくら戦えると言っても、怪我が完全に治ったわけじゃないわよ。2人の体はまだ本調子とまではいかない、それほどまでに未確認の騎士から受けた攻撃は凄まじいと言える、だから2人に言っておくわ。戦いに出るとしても、無茶な戦いは厳禁!無理のない範囲で戦って、基本的なノイズの戦闘は未確認の騎士に任せておくことね!」
そう言われた奏と翼の2人は、1度お互いの顔を見合わせ桜井了子の方に顔を向けて、深く顎を引いた。
「了解です」
「分かった」
奏と翼の反応を見た桜井了子も深く頷き、精密検査の機械から録った検査用紙に目を通していく。
「…………やっぱり正規適合者の翼ちゃんと違って、強制適合者の奏ちゃんは、LiNKERを挟みながら使っているから、少し危ない所があるわね」
検査用紙を見ながら桜井了子は発言し、その言葉に奏は少しだけ暗く俯いた。
「そうか、やっぱりあたしは、翼のように連続で戦うのは厳しいか」
「奏…………気持ちは分かるけどそんなに思い詰めないで、私は奏が居るだけで嬉しいから!」
「うん。…………ありがとな、翼」
暗く俯く奏に、翼は彼女にしっかりと伝わるように大きな声で言った。
翼のその言葉に奏は頷き、軽く微笑んで相棒にお礼を言った。
「とにかく、奏ちゃんは体の調子が悪くなってきたり違和感を感じたら、すぐに報告すること!無茶や無理を隠して出撃したら何が起こるか分からないからね!」
「了子の言う通りだ。奏、お前はかなり無茶や無理をしてガングニールを装着している。そんな状態で聖遺物を纏い続けていれば必ず体に異変が起きるだろう。だがそうなる前に、必ず医務室にくるんだ!起きてからでは遅いからな!」
「分かってるよ2人とも!」
了子と弦十郎の心配を含めた注意換気に、奏は笑いながらサムズアップをして強く頷いた。
それを見た弦十郎は笑み浮かべたまま頷くも、少しだけ無言になるがすぐに話をしだした。
「…………それならいい、それとお前らすぐに検査着から着ていた服に着替えるんだ。司令室で伝えるべきことがあるんだ」
「え?ここじゃダメなのかおっちゃん?」
「ああ、全員に聞いてもらうことだからな。悪いが2人とも、大急ぎで私服に着替えてもらえないか?もちろん、俺は廊下に出ておく」
「わ、分かりました。すぐに着替えます!」
弦十郎の台詞に疑問を抱きながら問う奏だが、弦十郎は顔を2人に向けて頷いた。弦十郎のその顔はかなり真剣な表情であり、その顔を見た2人の中で風鳴翼は慌てながら返答をした。
「フッ、慌てすぎて怪我をするなよ」
風鳴弦十郎は鼻で笑いながら言って、2人の着替えるところを見ないよう検査室を出ていった。
「………………………………………」
「なあ翼、一体おっちゃんが伝えたいことってなんだろうな?」
「さあ、それは私も分からないけど…………叔父様があれほど真剣な顔をなさるってことは、かなり重大なことだとなんじゃないかな?了子さんは何か聞いてますか?」
「いいえ、私もなにも聞いていないし知らないわ。上の方からなにか厄介ごとでも言われたのかしら?」
私服に着替え終えた奏と翼は弦十郎や桜井了子とともに、指令室に向かっていた。風鳴弦十郎を先頭に天羽奏、風鳴翼、桜井了子の3人は静かに着いてきていた。
すると、奏が無言で歩いていた空気に嫌気が差し、隣にいる翼に問いを掛けた。しかし、奏の弦十郎が伝えたいと言うことへの問い掛けに翼はさっぱり分からないと答え、隣を歩いている弦十郎が心から信頼を置いている天才科学者の桜井了子ならば、なにかを知っていないか聞いてみたが桜井了子もなにも聞かされていないと首を横に振りながら言った。
そして最後に、上層部が弦十郎になにか厄介な命令でも出したのかと予想を出した。桜井了子の予想を聞いた奏と翼は、納得がいったような頷きをした。
「……………………よしっと」
そんな話し合いをしていれば司令室の前に到着し、弦十郎は扉の隣にある機器を操作して扉を開けた。扉が開けば弦十郎はすぐさま司令室へと入り、弦十郎に続いて奏と翼、そして桜井了子の3人も司令室へと入った。
「あっ司令っ!」
「「「「「!!!」」」」」
「楽にして構わない」
弦十郎が司令室に入れば、一番最初に気付いた忍者の緒川慎次が敬礼をしようとすれば、司令室にいた他のオペレーターや隊員たちも敬礼をしようとすれば、弦十郎は片手を上げてそう言えば全員は敬礼をせずにただ了承したのか、深く顎を引いただけであった。
弦十郎の後ろから続いて、天羽奏、風鳴翼、桜井了子と順に入ってきた。
弦十郎は歩いて司令室の中央に止まれば、隊員たちの方に振り向き皆の顔を右端から見ていく。
司令室に入ればすぐに右端に並んだシンフォギア装者の天羽奏に風鳴翼、科学者の桜井了子、そこから次にオペレーターの藤尭朔也と友里あおい、それとこの二課に所属する隊員たち、そして忍者である緒川慎次。
皆、司令官である弦十郎に対して、真剣な表情である。いつも話し半分で聞く奏も今日は真剣な眼差しで弦十郎を見ていた。全員の表情を見た弦十郎は静かに頷き、口を開いた。
「みんなに伝えることがある。上層部がどんな手を使ってでも未確認の騎士を捕らえろと指示があった…………」
「「「「「!?!!?」」」」」
弦十郎の台詞に、この場に居る全員に数多くの反応を見せたが、その全てには言い表せないほどの困惑が滲み上がっていた。
「司令、上層部は未確認の騎士を捕獲しろと仰ったんですか?」
「ああ、上層部は確かにそう言ったよ、緒川」
代表するかのように緒川慎次が弦十郎に確認するように聞けば、弦十郎は深く頷いて肯定した。
「そんな…………未確認の騎士を捕獲しろだなんて…………」
「上層部はなにを考えてるんだよ!!嫌って言うほど未確認の騎士の戦闘能力を見たって言うのに、まだ捕獲をしろって言うのか!?」
「寧ろその逆だろ、あんだけの戦闘能力を持っているからこそ、捕獲しろだなんて言うんだろ?考えてるように見えて言ってるが、上の連中は実際はなにも考えちゃいねえんだろ」
「それが上のやり方なの?あれだけ奏さんや翼さんが傷ついたって言うのに、上層部はそんなに未確認の騎士を捕らえたいの?」
「司令ッ!!わざわざこんな命令に従うことはありません!これ以上未確認の騎士を刺激させれば、我々は今度こそ翼さんと奏さんを失うことになります!!!」
「そうです!どんなに言っても分からない上層部ですが、シンフォギア装者のお二人を出せば、上層部もこんなバカげた命令を
ざわざわと隊員たちが語りだし、オペレーターの藤尭 が朔也が意義を唱え、その藤尭に続いて友里あおいも異議を唱えた。
藤尭と友里の発言により、それを聞いた他の退院たちも「そうだ!その通りだ!」「こんな命令を聞くことなんてない!」と賛同の言葉を出していく。
「………………………………………」
弦十郎はと言うと、隊員たちのそんな言葉を静かに無言で聞いていた。
「あたしと翼、2人で戦ってもシンフォギアの必殺技を放っても、未確認の騎士には録に通用しなかった。…………あたしたちの実力じゃあいつには敵うどころか、勝てることだって出来やしないのに、ッ!」
「…………未確認の騎士は、私達と違って戦うことの大切さを誰よりも心得ている。それに昨日も使ったあの炎の力を考えれば、きっと未確認の騎士はまだ私達の予想を越える力を持っているとも考えられる!」
「ああ。…………捕獲のことを考えて戦って勝つなんて、
「………………………………………」
隊員たちが命令を聞くべきではないと騒ぐ中、実際にリュウケンドーと対峙して敗北を喫した奏と翼の2人は、リュウケンドーにある種の尊敬の念のようなものを入れながらリュウケンドーの実力を言い放つ。
奏と翼のその変化に、弦十郎は嬉しく思いつつも今の状況で決して顔には出さず、一度目を瞑ってすぐに開き、冷静に隊員たちに向かって言った。
「…………上層部はノイズに対抗できうる力と機動二課の更なる実績が欲しいんだろう。残念だが、ここは大人しく従うしかない」
「「「「「ッ…………」」」」」
弦十郎のこの言葉に、皆は一気にしーんと静まり返ってしまい、隊員たちはなにを言えばいいのか分からなかった。
「だが、上層部もこれで未確認の騎士の捕獲が無理であれば、捕獲は諦めてノイズの対処に集中してくれて構わないと言った」
「「「「「!!!!!!!!」」」」」
「おっちゃん!それって、つまり!!」
「…………ああ、これで未確認の騎士の捕獲は終わると言う訳だ」
奏の尋ねる台詞に、弦十郎は小さな笑みを見せリュウケンドーの捕獲はお蔵入りとなることが決定したことを伝えた。
それを聞いた奏、翼やオペレーターである藤尭、友里、そして二課の隊員たちはわっ!と喜ぶように叫んだ。
「でも弦十郎くん、上層部が未確認の騎士の捕獲を諦めたのは有り難いけど、諦めるのなら諦めるだけの証明みたいなものが必要なんじゃない?」
「桜井さんの言う通りです。上層部が未確認の騎士を捕獲を諦めさせるには、諦めさせるほどの証拠映像を見せることになります」
しかし皆が喜ぶ中、その喜び用を科学者である桜井了子は疑問の表情で弦十郎に聞いてきた。同じく緒川慎次も、桜井了子の言葉に頷きながら上層部を納得させることが重要だと察する。
桜井了子と緒川慎次の言葉に、風鳴弦十郎はまた真剣な表情へと戻り、深く頷いて語り出した。
「うむ。上層部を納得させるにはそれ相応の証明が必要だ」
「「「「「……………………………………」」」」」
弦十郎の真剣さに、全員弦十郎の言葉を聞き逃さないようにするも、次に弦十郎は全員が驚愕することしかできない一言を言ってのけた。
「そのため、上層部を納得させるために司令官である俺自身が出ようと思う!」
「「「「「!?!?!?」」」」」
「司令官直々に出て未確認の騎士を相手にすれば、流石の上層部も納得して諦めるだろう。…………いや、あいつらを納得させるにはそれぐらいしなければならない!!」
この言葉に再び奏や翼、この場にいる全員が騒ぎ出し、隊員の1人が新たに意義を申し立てた。
「危険すぎます司令ッ!?いくら上層部を納得させるためとは言え、司令自身が出撃するなんて危険が大きすぎます!?」
隊員の言葉で、先程より隊員たちは一気に騒ぎ出し、賛同したり頷いたりをした。
「確かに、未確認の騎士と戦うのは危険が大きい。だが他にどうやってあの上を納得させるんだ?シンフォギアで捕獲が不可能だと言うのに、上層部はこれを最後に捕獲しろと言っている。なら、あいつらを納得させるには司令官である俺が直々に出て戦うしかない!それぐらいのものを見せれば、上層部も完全に未確認の騎士を諦めるだろう」
「それはそうですが…………」
「それにだ。彼の行動から考えて、人間の命を奪うことはないだろうしな。彼の弱点を狙うようで卑怯だが、手加減なしで俺は彼と戦う。そしてもしも彼を二課まで連れてくることができれば、彼を二課で守ろう。例え彼が人間でなくとも、子供でなかろうと、守ってやるのが俺達大人の使命だからな!」
「「「「「…………了解ッ!!!」」」」」
機動二課にとってリュウケンドーは未知の存在であるが、例え人間かどうかも分からないものでも守ろうとする弦十郎の思いに、隊員たちは心打たれ弦十郎の思いに応えるように敬礼をした。
「そう言うわけだ。奏、翼、ノイズが出現すれば今回は俺も一緒に行くからよろしくな。ノイズとの戦闘が終われば俺は未確認の騎士に戦いを挑む、だがお前らは一切の手出しはするな、できるか?」
「分かったよ。おっちゃん!」
「私も分かりました。ですが司令、くれぐれも気を付けてください!」
奏と翼の方に顔を向け弦十郎はそう言えば、奏と翼は頷いて返事をした。
「これでこの話は終わりとする。みんなノイズが出現したときは、よろしく頼むぞ!」
「「「「「はいっ!!!!!!」」」」」
弦十郎の言葉と隊員たちの気合いの入った返事でこの場は終わり、全員はそれぞれの役割へと戻っていった。そんな中、シンフォギア装者の天羽奏と風鳴翼は弦十郎を心配そうに見て、弦十郎も心の中で呟いた。
(しかし、もし未確認の騎士の怒りを買ってしまえば、俺も無事では済まないだろう。果たしてどうなるか…………)
※
「なあ鈴、昨日は本当に悪かったって!頼むからもう機嫌治してくれよ!!」
「………………………………………」
「喜一~、鈴の機嫌治すの手伝ってくれよ!!?」
「流石にこれは僕でもどうすることもできないよ。それに一番の原因は、昨日約束をほっぽり出した剣二が悪いんじゃないですか」
「それはそうなんだけどよ!説明したじゃねえかよ!!」
現在は放課後であり、半分の学生たちは帰り支度を終えて大学を出ている。まあどうせこの後は何人かでつるんで、どっかの遊び場とかに行くんだろう。
このまま帰る奴なんてあんまり居ないだろうし、それでも残り半分は大学に残って今回の講義の予習をしたり、大学の体育館や外でスポーツをしているだろう。
そんな中、俺は廊下を歩きながら幼なじみで親友の左京鈴の機嫌を必死に取っていた。
「いくらなんでも酷すぎじゃない剣二!一昨日、一緒に犬を探そうって約束したのに、それを忘れて昨日はバイクの調整に丸一日潰すだなんて!!」
「だから悪かったって言ってるだろ!?一昨日にお前らと別れた後、ちょっと俺自信に問題が起きちまったんだよ。そのせいで色々と心の中で悩んじまって、お前らとの約束のことも思い出せずに夕方まで悩んじまったんだよ!!!」
昨日のこととはつまり、俺と鈴と喜一で一昨日に出会った、あの薄汚れた白い毛を持つ仔犬の飼い主を探してあげてやることだ。
…………だったのだが、俺は一昨日の戦いであの2人組の女を重傷レベルまで傷付けてしまい、リュウケンドーの力で傷付けたことを後悔しながら悩んでしまった。
まあ可愛い妹の響のお陰で悩みが吹き飛び、ノイズと戦えるレベルまで回復できた。
(今回は響に助けられたな、感謝しとかないと…………)
「…………剣二。剣二が悩むと言うほどの悩みなんて、物凄いものだと思うんですけど、大丈夫だったんですか?」
鈴へのご機嫌取りに苦戦を強いられている俺は、苦い表情をしながら後ろの髪を手で掻きながら、心では妹の響に感謝を伝えることにした。すると後ろにいた喜一が、思いっきり深刻そうな表情で俺の悩みについて聞いてきた。
「そこまで深刻そうな表情で聞いてくるのは分かるけどよ、大丈夫だよ。悩みなら昨日の夕日が沈んでいるときに解決してくれたからよ」
喜一の気持ちも分からんでもない、昔っから俺は大抵の悩みなんざ一気に吹き飛ばす勢いで行動してたからな、それでも耐えきれないほどの重すぎる悩みなら思いっきり悩んでいたところだが、その度に家族や友人、教師に「相談しろ!」と言われいるのだが、如何せん問題が問題のため、俺一人で片付けなければならないものも多いのだ。もちろん俺一人で片付けきれない問題は家族や友人とかに相談して供に解決してもらっている。
俺がノイズと戦っていること以外はだが……………………。
「大丈夫だって!昨日妹の響が悩みなんて吹き飛ばしてくれたからよ!」
鈴と喜一が今度は心配そうな顔で俺を見ていたため、俺は2人を安心させるように大丈夫であることを口で伝えた。
「そうですか。…………それは良かった」
「…………大丈夫ならそれでいいのよ。それで!」
「それよりも早く行こうぜ!今日は3人であの白い仔犬を探すんだろ?時間はそんなにねえんだ。行動あるのみだぜ!」
「あっ、待ってよ剣二!?」
「ちょ、ちょっと2人とも!?いきなり走ったら危ないですよ!?」
そう言っていきなり走り出した俺に、鈴と喜一は俺に追い付くため慌てながらも足を早めた。
※
「ふぅ…………よいしゃ、っと」
俺はバイクで廃工場の前に来ていた。誰に説明しているのかは知らんが、ここの廃工場は予想通り、俺が一昨日あの機械の鎧を纏った2人組の女と戦った場所だ。
ここを戦いの場にしたせいで廃工場は派手に崩れ落ちてはいないが、人の大きさ以上もある穴が開いていたり、地面にはえげつない数の穴や一昨日の戦いの痕跡がまだ残っているし、そして廃工場の周りには立入禁止と危険の文字が書かれた看板が立っており、さらには黒い文字でkeepoutと英語で書かれている黄色のテープが廃工場の周辺一帯に張り巡らされていた。
その前に何故俺が廃工場に居るのかを説明しなくてはならないだろう、本当に誰に説明するのかは知らねえが、説明は大事だからな。
大学を出た俺達はそのまま一昨日白い仔犬と出会ったあのゲーセン近くのフードコードへと行ってみたのだが、結果は予想通りのダメダメ。
3人でフードコート周辺を散り散りになって探してみたが、あの白い仔犬どころか他の仔犬の姿形も見当たりしなかった。
一切仔犬の姿が見掛けなかったため、俺は鈴と喜一に一昨日またあの仔犬を見掛けたから、もう1つの場所に行ってみると言って、バイクに乗り動こうとしたのだが、鈴と喜一が同時に「「行く!」」と言い出したのだが、念のためにここにもう一度現れるかもしれないからと言い聞かせ、2人にその場を任せ俺は白い仔犬を探しにこの廃工場まで来たんだ。
「にしても…………看板やテープはあんのに、なんで警官が1人も居ないんだ?」
この廃工場は入れば危険だ、子供たちが遊び半分で勝手に入る確率もあると言うのに、その監視役としての警官が居ないのかがものすごく気になる。
(リュウケンドーである俺に対する罠か?それともやることだけやり尽くしたから、警備も置いとかずに看板とテープだけやって帰ったのか?)
少し疑問に思ってしまうが考えていても仕方ないため、俺は叱られることも気にせず、黄色のテープを潜り抜け廃工場の中へと入っていった。
「失礼しますよ~っと」
軽快に廃工場に入ってみるも、警報装置のようなものもなく、簡単に廃工場の中へ入れてしまった。廃工場へと入った俺は、少し大きめの声を出しながら仔犬を探し始めた。
「お~いワンちゃ~ん!!どこだ~!居るんだったら出てきてくれないかー!!!!!」
言ってみたが結果は無言の空気、この廃工場にも仔犬の鳴き声どころかなんの生き物の気配がなかった。とりあえずと思い、俺はもう一度声を出しながら呼んでみることにした。
「ワンワンワンワーン!ワンちゃ~ん。居るなら出てきて頂戴!!」
ちょっとアホなこともやってみたが、結果は全くもって同じ、返事もなにもなくただ静かな空気が流れるだけであった。
(もしかして、一昨日あんなことが起きちまったから、縄張りを移動したのかな。)
その可能性は高すぎるため、俺はかなり居た堪れない気持ちになってしまった。
「……………………はぁ、もういい時間だし、今日はこれぐらいにするか。鈴にも電話するとするか」
そう言って俺は、ズボンのポケットから黒色のスマートフォンを出し、鈴の電話番号を映し出して押した。スマホを耳に翳していると、3コールで鈴が電話に出た。
『もしもし剣二。どうだった?』
「悪いダメだった。心当たりはあったんだが、ここにもあの仔犬は居なかったよ」
『そう…………』
「鈴、そうガッカリすんなと言いたいんだけどよ。今日はここまでにしとかないか?そろそろ帰らないと夜になっちまうし、明日だって大学があるんだ。なんなら明日また探してみないか?」
『…………うん、そうね。そうしようか!それじゃあ今日はここまでにして、明日またあの仔犬を探すことにしよう。…………瀬戸山君、今日はもう諦めて帰りましょう!それじゃあ剣二、あなたもそのまま家に帰っていいけど、明日も一緒に探してよね!!』
「分かってるよ。だけど鈴、明日も見つけられなかったら探すのは一旦諦めようぜ。ああ、ああ、そうしよう。じゃあお前らも気を付けて帰れよ」
電話を終わらせ、スマートフォンをポケットに入れて、最後にもう一度廃工場の周辺を見回し、俺は廃工場から去っていった。
「…………ったく、あの仔犬一体どこにいるんだよ?」
※
ブオオオォォォォォン!
「やっと家に帰ってこれたぜ!まあ約束ほっぽった俺が悪いんだけどよ…………」
バイクをかなりのスピードで走らせ我が家に到着すれば、ヘルメットを脱いで少し愚痴り、バイクをさっさと倉庫へと入れ、背中に掛けているバックから紙袋が入ったビニール袋と家の鍵を取り出した。
「えーっと、中身のやつは全部無事だな。…………ただいまー」
紙袋の中を確認してみると紙袋に入っているものは全部無事であり、俺はホッと一安心して家の中に入った。
「…………あり?」
家の中に入ってみたが、家の中はシーンと静まり返っており、顔を下に向け玄関前の靴置き場を見てみれば、母と祖母の靴がなかった。
「母さんと婆ちゃん居ねえのか?2人して買い物にでも行ったのかな?珍しいこともあるな」
家に誰も居ないことを確認した俺は、そのまま自分の部屋がある階段を上っていき、上がりきって自分の部屋の扉を開けて入った。
自分の部屋へと入れば、そこにはいつも通りの電灯が付けられた机、机の上にある特撮ヒーローモノの雑誌やインターネットが繋がっているパソコン、服が入ったタンスにロッカー、マンガやバイクの雑誌やパワースポット雑誌が入れてある本棚、ヒーローモノのフィギュアやおもちゃ、就寝するベッド、そして壁にはギターケースが立て掛けられている。
このギターケースは昨日響が俺のために出してきたものであり、その後は2階の倉庫に仕舞うのも面倒だったので、俺の部屋に置くことにしたのだ。
「あ~…………疲れた」
買ってきたものを自分の机の上に置いて、俺はベッドの上に座り、そのままボスっと寝転んで両腕を伸ばした。
「帰ってきたのはいいけど、今はなんもやる気がしねえな~。どうすっか」
そう言いながら俺は体を起き上げて、体を力一杯伸ばし始めた。
「んーーーー…………ッ!?あれは!!?」
体を力一杯伸ばしていれば、タンスの一番下の引き出しから光が漏れていたのだ。そしてその光は段々と強さを増していったのだ。
そうこの光は、光のカノンの書が次なる未来を記した光なのだ。
to be continued.
文章量が多くなりそうなため、前編後編で分けました。もし1話にしてほしい人が居たら言ってください。出来上がり次第、そうしますので。
現在は魔弾戦記リュウケンドーの第一期OPを聞きながら執筆のモチベーションをなんとか作っています。
もしもですが、読者の皆様も久し振りにご視聴してみてください。
すごいですね、音楽って。
感想と高評価をお待ちしております!!!!!
皆さまのエネルギーを私に与えてください!!!!!!
それと【これがヒーローだ!】についても報告がその内ございます。リュウフォギアのファンの皆様は、活動報告のご確認のほどとご理解のほどをどうかよろしくお願い致します!