魔弾戦姫リュウフォギア   作:ライダーファイト(ただいま療養中)

8 / 10
最初の時は酷すぎました自分。
コンクリートの壁に10回以上は頭突きして、結果は額がえらい血が流れていました。

ただ今はもう額の傷は治って、少しだけ痕があるって感じですが。

ただでさえ、ストレスも解消できない嫌な状況なのに、これ以上は嫌な思いしたくありません。

何とかしろって言っても、その何とかができない状況なんですから。


VS(バーサス)最強の男!?見つけたぜッ!最初の獣王! 後編

「光のカノンの書が光り輝いている!?…………もう新しいページが出来上がったのか!?」

 

 家に帰ってきて部屋に入った瞬間、いきなりタンスの一番下の引き出しに入れてある、光のカノンの書が光り出したんだ。急にこんなことが起きれば驚くが、いやまあ実際に驚いたんだが、それにしてもおかしすぎる。

 今までの光のカノンの書の新しいページが綴られるには、後数日間は必要だと言うのに、今回は2日しか経たずにページが出来上がったのだ。しかも俺が帰ってきたのを見計らったかのように、いきなり光を出してきたんじゃ、もう確実におかしいとしか言いようがない。

 

「ま、考えても仕方ねえよな。不思議なことなんざいつも起きてるんだし」

 

 そう言いながら自分自身を納得させ、気になることを気にせずに俺はベッドへと座って、光のカノンの書の新しく綴られたページを開くことにした。

 

 

「えーっと、なになに~。“新たな出会いを果たした。しかし、次に来るのは最悪な敵、その敵を討てるかどうかは自分自身次第。生きるか死ぬかは貴君の力のみ、自分自身の運命は自分自身の力で斬り開くのだ。”…………は?」

 

 新しく綴られた光のカノン書のページを読んでみたが、俺は疑問すらも通り越した声が出たような気がした。

 

「どういうことだよ。…………今日には最強の相手と戦うことになるって言うのに、その次の喜一の家に泊まりに行く明日には最悪の敵だと?しかも、もしかすれば俺は死ぬかもしれないってのかよ」

 

 言いながらも、俺は自分の思いを頭の中で巡らせた。

 

 

(冗談じゃねえぞ、向こうでは鉄骨の下敷きになって死んだと思ったら転生して新しい生を得たって言うのに、下手をすれば死ぬってのか)

 

 俺は一呼吸置くために喋るのを止めるも、すぐに緊迫した表情で呟いた。

 

「なにか?…………まさか本当に、何かが起きる前触れなんじゃねえだろうな?」

 

 だが、口で言ったとしても仕方ないため、俺は次のページになにが綴られているのかを確認するため目を向けた。

 

「次のページは、“ここから貴君の本当の戦いが始まる。どう行動するかは己の心次第、そしてリュウケンドーに変身できる貴君は、いずれ最大の決断を迫ることとなる。それを肝に命じておくように”」

 

 光のカノンの書の次のページを読み終えた俺は、真剣な眼差しでそのページに綴られている文字を見詰め、小さな声で喋った。

 

「…………ここから俺の本当の戦いが始まる?そうかよ。いや、それどころか…………俺が生き続ける限りは俺の戦いに終わりなんてありはしない、助けを求めている人がいるのならば、俺はその手を掴むために伸ばすんだ!」

 

 そう言いながら、俺は自分の右手の平を見て力強く握り締めた。

 

 

「しかし、この文章が綴られているってことは、俺が生き残れる未来もあるってことだよな?だから光のカノンの書に続きのページが出たんだろうし。果たして明日は俺の命運はどっちに転ぶことやら、そして最大の決断を迫ることとなるか。…………さて次のページは何かな?“リュウケンドー。この出会いを果たした瞬間、貴君の戦いはしばらく落ち着く、だが別の方向で苦労をすることとなるだろう。だがそれすらも負けることなく、強く生きることを薦める”」

 

 次のページの文章を読んだ俺は、一気に無言となってしまい、目を半目にしてそのページを見たまま思ったことを口にした。

 

「…………なんだよ強く生きることを薦めるって、光のカノンの書は過去から未来、この世で起こるありとあらゆることが記載されている本の筈だろ?それなのに強く生きることを提案して薦めるって、光のカノンの書でも対抗できないことが起こるって言うのかよ。一体何が起こるって言うんだ?」

 

 俺は嫌な顔をしながらそう言い、頬に一筋の冷や汗が流れ落ちるも、「はぁ」と溜め息を深く吐いた。

 

「言ったところでしょうがないんだけどな…………それでもしばらく戦いがないって言うのに、苦労することになるって、一体俺になにが降り注ぐってんだよ」

 

 そう口で溢しながら、俺は光のカノンの書の次のページを捲った。

 

 

「今回は4ページも綴られたのか。久々に4ページも出来上がったな、それほど俺に危険を知らせたかったのかね」

 

 次のページに捲って目を向けて、それを自分自身でしか聞こえない声量で出した。

 

「“貴君の運命は定められた。しかし自身の力で貴君の運命を変えることは可能、ならば己の全てを持って戦うべし、そして己の戦う理由を忘れることなかれ”」

 

 まるでこの文章は、俺に対する忠告のようであった。俺は光のカノンの書を静かに閉じて、膝の上に置いたまま今度は天井を見詰めた。

 

(俺が戦う理由なんて忘れることはないさ、もし戦う理由を忘れちまったら、俺はなんのために戦ってきたのか分からねえし、俺が今もなお背負っているものに対する侮辱だ!)

 

 そう侮辱だ。だからこそ俺は一瞬でも自分自身が背負っているものと戦う理由を忘れてはならない、もしそんなことしてしまったら、俺には生きている資格もなければリュウケンドーに変身する資格もない。

 

 

 

「…………絶対に忘れるなんてこと、しちゃいけねんだ」

 

 静かに呟き、俺は壁に背を預けてボーッとしてしまおうとしたが…………。

 

『ただいま~!!!』

 

「!? やばっ響の奴帰ってきたのか!?」

 

 その瞬間に、響が玄関を開けて元気な声で入ってきたのが聞こえたため、俺は慌てるように立ち上がり、手元にある光のカノンの書を大急ぎで元あったタンスの一番下の引き出しに入れる。家族の誰か、特に妹の響にでもこんなもん見られたらかなりめんどくさいことにしかならない。

 

『あれ?誰も居ないの?…………でもお兄ちゃんの靴は置いてあるから、家には居るはずだよね?』

 

「急げ急げ急げ!急いで戻せッ!!おうわぁ~!!?」

 

 慌てて立ち上がったのがいけなかった、そのせいで俺は部屋に引いてあるカーペットに(つまず)いてしまい、派手にずっこけた。

 カーペットに躓いてしまったため顔面から落ちてしまったが、運良くギリギリのところでタンスにぶつかることはなかった。

 もう少し部屋が狭ければ、もう少し俺に身長があれば、危うく俺はタンスに頭か顔を思いっきりぶつけていただろう。

 

(…………想像しただけで痛そうだよ)

 

「部屋に居たんだねお兄ちゃん。なんか物凄い音がしたけど、大丈夫?」

 

 心の中で呟きながらぶつけていたらと思うとゾッとするが、俺の部屋の扉の前から響が声を掛けてきた。恐らく2階から俺がずっこけた音を聞いたため、それなりに急ぐような感じで2階にやって来たのであろう。

 とりあえず俺は、響に怪しまれないよう返事をしながら、光のカノンの書をそっと静かにタンスの中に入れようとする。

 

 

「ああ響か。おかえり、いや大丈夫だ。ちょっと部屋の中で転んだだけだ」

 

「そうなの?なんか慌てているようにも思えるんだけど…………?」

 

「だから大丈夫だって!安心しろ!別に怪我もしてねえし、なにも起きちゃいねえからよ!」

 

「…………お兄ちゃん、なにか怪しいことでもしてるのかな~?」

 

 響のなにか探りを入れるような言葉に少しドキッとしつつも、俺は響に悟られないようにしながら、いつも通りの平常心で答えた。

 

「怪しいことなんざしちゃいねえよ!大丈夫だからさっさと自分の部屋に行け!」

 

「ほんとに~?もしかして如何わしいものでも隠したのかな~?」

 

「おい響…………その言葉は俺に対して喧嘩を売ってるようなもんだぞ」

 

 誰がそんなもの買うか!そんなものを買うぐらいなら、俺は今すぐに全財産を寄付金に使うわ!

 

「それなら大丈夫でしょ。それじゃあお兄ちゃん、入るからね」

 

(ええい、ちくしょうめ!)

 

 光のカノンの書はタンスの中に戻したが、今の俺はタンスに背中を凭れ掛けている状態、タンスに背中を凭れ掛けさせていることなんてよくあることだが、何も持っていない状態で背を凭れさせていたら響であろうと怪しく思うだろう。

 最悪タンスの中になにか隠しているだろうと睨んで、俺のタンスを上から順に開けていくことは間違いないため、俺は“あるもの”を手に取り、それでこの場面をやり過ごそうと思い付いた。

 そしてガチャっと、俺の部屋の扉が開けられた。

 

 

「お兄ちゃん何してるのかな~。…………なんだ、転んだのを良いことに、タンスに凭れてギター弾こうとしてたんだ」

 

「だから言っただろ。怪しいこともなんもしてねえって」

 

 俺が手に取った“あるもの”とは俺が自腹で買ったギターである。響が扉を開ける一瞬のうちにギターケースからギターを取り出し、失礼ながらもケースをベッドに放り投げ、タンスに凭れ掛かりながらギターを弾いていたように見せたのだ。

 俺がたまにやっているこの場面に、響はすぐさまつまらなさそうな顔になり、口元が少しだけ尖っていた。

 

「そんなことより響。言ってるよな?俺が了承を出さなければ部屋の扉を開けるのは禁止だって」

 

「痛い痛い痛い痛い!?うにゃあ~!?ごめんなさいお兄ちゃーん!!!!」

 

 ギターをタンスに凭れかけさせ、俺は立ち上がって響の目の前まで行けば、響の鼻を摘まんで引いた。そのお仕置きをやれば、響は軽く涙目になって叫び謝罪を口にした。

 響の謝罪を聞いた俺は、すぐに響の鼻を離してやり、響から少しだけ距離を取る、響は涙目のまま自分の鼻を摩りながら俺を少し睨んだ。

 

「だってぇ~、お兄ちゃんって1人で背負うことがあっても隠し事をしてることなんてないからさ。なにかあたし達に隠していることでもあるのかな~って、気になっちゃって扉開けちゃったんだもん」

 

「あのなぁ~…………俺は別に家族に隠し事はしてないし、如何わしいものも買う気はない!そしてそんなアホな物に俺が手を出すわけないだろ、俺は男の中じゃ健全なんだよ、健全!!!」

 

 響の言葉に、俺は頭を抱えて疲れるように返す。まあ前者では俺が家族全員に隠している、世間で有名な未確認の騎士、魔弾剣士リュウケンドーなのだが。

 そして俺は後者の方の如何わしい物には俺は手を出してはいない、本当にそんなものに金を出すくらいなら全額寄付金に使うまでだし、それにそんなものに手を出してたら家族や親友たちが俺に対しての見る目が変わっちまうよ。

 

 

「あれ?お兄ちゃん、お兄ちゃんの机の上に置いてあるものってなに?」

 

 すると響は次に、俺の机の上に置いてあるものに気が付き、気になったようで机の上にある袋に人差し指を向けて聞いてきた。

 

「ああ、これか?ほい響。お前へのお礼だ」

 

「…………え?お礼?…………あたしに?」

 

「そうだよ。早く受けとれ」

 

「…………あたしお兄ちゃんに何かお礼されるようなことしたっけ?」

 

 机の上に置いてある袋に向けていた人差し指を、響は自分自身に向けてポカンとした表情で首を傾げた。理由が分からない響に、俺は至極簡単に説明をして終わらすことにした。

 

「つまりだな。昨日俺はお前のお陰で助かったんだよ、だからそのためにお礼の品を買ってきた!お前からしたらそれほどのことはしてないだろうが、俺からしたらお前に助けられたのは事実だ。だから俺はお前にお礼の品を送るって決めたんだ!」

 

「そんな…………あたしは別にお兄ちゃんが元気になってほしくてやっただけで、お礼が欲しくてやった訳じゃないのに…………でも、ありがとお兄ちゃん!」

 

 お礼を言いながら響は袋を受け取り中を確認すれば、響はまるで蕾の状態だった花びらが咲き開いたような笑顔を見せた。

 

 

 

「わあぁっ!!これって所沢さんのコロッケ!!?」

 

「そっ、お前。前々(まえまえ)から食べたいって言ってただろ?だから20個ほど買ってきた。全部響のもんだからよ、ちゃんと味わって食べな」

 

「お兄ちゃんも一緒に食べようよっ!!!」

 

「………………………………いきなり何言ってんだよ?」

 

 所沢のコロッケ20個は響のものだと言ったのだが、当の響はいきなり俺に顔を向け、名案でも思い付いたかのような声を出した。そして俺はいきなりすぎる響の突拍子もない台詞に長い間を作りながらも、出てきた言葉は疑問でありふれていた。

 

「別に良いでしょ!コロッケは20個もあるんだし、10個で分けて食べようよ!」

 

「いや、それは響のコロッケなんだぞ?ならお前が全部食べるべきだろ…………?」

 

「それならそれこそ、このコロッケはあたしのだからあたしの好きにしても良いでしょ!それにあたしはお兄ちゃんと一緒に食べたいの!だから良いでしょ、お兄ちゃん♪」

 

 響の台詞に俺は少々困った表情をしながら後頭部の髪を掻く、それにこう言うときの響は結構な頑固者になってしまう、だからどんなにこっちが下がろうとしても、響はまるで石に噛りついたかのようにガンっとして下がらず、逆に食い入るようさらに迫るため、そのため諦めて響の提案を受け入れた方がめんどくさくなくて済むのだ。

 

「分かった分かった、それじゃあ一緒に食べるとするか」

 

「うんッ!!!!」

 

 そして俺と響は1階へと降り、庭にあるベンチに2人同時に座り、ともに所沢のコロッケを味わって食べ始める。

 途中、響が6個目のコロッケを食べ終え俺が5個目のコロッケを食べていると、急に俺の右隣に座っている響が俺の方に顔を向け、目を閉じて「あーん」と言いながら口を開けてきた。

 急にそんなことをして来た響に俺は心の中で疑問に思いつつも、その疑問を一切口に出さず自然な流れで俺が口に加えていた食べ掛けのコロッケを口から離し、俺の食い掛けのコロッケを響が開いた口へと入れてやった。

 

「!!!!!!」

 

 俺の食い掛けのコロッケを口に入れると、響はなにも言えない驚愕の表情をして目を見開くも、俺の食い掛けのコロッケを小さな一口で少し食べた。

 次に響は面白いほど顔を右と左と順に振りまくり、それを何回かやるとほんのりと赤くなった顔を俺に向ければ、何かを言いたいのだろうが口は「あわあわ」と言っているだけで、響はなにを言いたいのか俺には一切分からなかった。

 そのため俺は響に一気に終わるよう、説明に入った。

 

「口を開けてるから、こっちの分も欲しかったんだろ?それならお前が全部食えばいいのに、今からでもコロッケやろうか?」

 

「あ…………えっと、その…………そう言う意味じゃ…………なかったんだけど。…………えっと大丈夫だよ…………お兄ちゃん」

 

 

 響は顔を赤くしたまま俯き、まるで恥ずかしがっているような感じでボソボソと小さい声ながらも、俺の耳に入ってくる声だった。

 じゃあなんで俺に開けた口を向けたんだ。と思ったのだが、なんだが聞くのは野暮のような気がして、再び俺はコロッケを口へと運んだ。

 だが俺は響のそんな小さな声よりも、顔を赤くしながら恥ずかしがるように俯いたことに疑問が出た。

 

(なんで恥ずかしそうな感じになってるんだよ?俺達は血の繋がった兄妹なんだから、そんな恥ずかしそうにする必要ないだろ?)

 

 そんなことを心の中で思いながら、俺は響がまた顔を赤くしている事について言及しようとしたが、昨日と同じ響が慌てながらも起怒って話題を反らしたのを思い出し、響の頬がほんのりと赤くなっていることへの言及は止めることにした。

 

 

「「……………………………………………………」」

 

 その後俺達は一言も喋ることなく、ただゆっくりと所沢のコロッケを味わいながら食べていった。コロッケを食べていれば丁度母さんと婆ちゃんが家に帰ってきて、響と一緒に出迎えた。

 母さんと婆ちゃんが家へと入れば、帰ってきたと言うのに休憩も入れず今日の晩飯の下準備を始めた。いきなり料理を始める母さんに心配して「大丈夫なの」と聞いたが、母さんは全然平気そうな口調で返せば、なんと驚くことに婆ちゃんも今晩の晩飯作りに加わった。

 婆ちゃんはそれなりにいい歳なので大丈夫なのかと同じことを聞いてみたが、婆ちゃんもまるで歳を感じさせないような元気な動きを見せて、母さんと一緒に晩飯作りを始めた。

 

「……………………………………」

 

 

 母さんと婆ちゃんのその後ろ姿を後にし、自分の部屋へと戻ることにした。同じく妹の響も俺と一緒に2階の自分の部屋へと戻ることにしたらしい。

 それならと思い響の今日の勉強を見てやろうと言えば、響は大喜びになるがすぐ勉強は見てやるが答えは教えない、してやるのは問題への助言だと付け足しておいた。

 

 それを聞いた響は大喜びから一気に元気がなくなった顔になり、軽はずみな足も元気のないトボトボ歩きとなった。そんな響に俺は軽く溜め息を吐くも、響を元気付けるように響の頭を優しく撫でてやった。すると響はさっきまでの元気のなさが嘘かのように元気を取り戻し、俺を自身の部屋へと招き入れ勉強を見てやることとなった。

 1時間ほど響によく分かりやすいように勉強を見てやれば、父さんが会社から帰宅しその10分後に晩飯も出来上がり、丁度よく響の勉強も終わって俺達は一緒に1階へと降りていった。

 そして家族全員で晩飯を食べ、晩飯を食べ終われば風呂に入ってパジャマに着替え、自分の部屋で軽い柔軟体操をやって就寝に入ろうとした。

 

 因みに今日の晩飯は、焼いた塩鮭とほうれん草のお浸し、そして白米と味噌汁で母さんと婆ちゃんが作ってくれたため、とても旨かった。

 

 

 

「ふぅ…………さてと、行くとするかね」

 

 パジャマに着替えた俺は就寝に入ろうとしたのだが、最後にモバイルモードのゲキリュウケンを触れば、俺の脳内にノイズの出現場所を映し出し、その場面を見た俺は素早く上下とも運動用のジャージに着替え靴下を履き、机の一番デカイ引き出しに仕舞っている靴を取り出し、静かに窓を開けて出ようとした時だった。

 

「お兄ちゃん…………もう寝ちゃった?」

 

「おっ、と…………なんだ響、何か用か?」

 

 窓から出ようとした瞬間に、いきなり扉の前からまた響が声を掛けてきたため、俺は慌てようを隠しながら声を出した。

 それになんか、今の響の声質は少々不安のようなものが感じられた。

 少し変な感じだが、扉越しで俺達は会話を始めた。

 

「起きてたんだお兄ちゃん、寝ちゃってるのかと思ってた」

 

「ああ、今から寝ようとしたときに響が声掛けてきたから、なんか用かなと思ってよ。どうかしたか?」

 

「あ…………その、なんかね急に悲しいって言うか不安って言うか、そういった心が苦しくなってる感じなの?」

 

「…………心が苦しく?」

 

「うん。まだ大丈夫って分かってるんだけど、でもなんだか…………そのうちお兄ちゃんが遠くへ行くどころか、いずれ居なくなっちゃうんじゃないかって、なんか思っちゃうんだ」

 

「……………………………………」

 

 響の言葉に俺は苦しい表情をして無言になってしまう、響が口にしたことはある意味で当たっていると言ってもいい、俺はリュウケンドーに変身してノイズと戦っている、今のところ家族に気付かれることなく無事に帰ってきてはいるが、下手をしたらこの保たれている状態が一瞬のうちに壊れてしまうことだって有り得る。

 そうなってしまえば、俺は家族や親友たちを守りきれはしないだろう。もしかすれば家族や親友を捨てて戦いの渦中に身を投げるか、最悪を想定すれば家族や親友を失い、その悲しみから最早ノイズを滅ぼすことしか考えるしかない《獣》となり下がるかもしれない。

 

(このまま戦いを続けていれば、俺はきっと大切なものを分かりきった風を装って失っちまうバカになるかもな…………)

 

 そうならないよう気を付けているが、人間と言うものはいつの間にかそうなっていることが多いから怖いんだ。それでも俺は現在(いま)の日々が好きだし、ここにいる家族と親友たちが心の底から大好きで守りたいと思っている。

 だから俺は響に安心させるよう、力強く安心して頷けるよう告げることにした。

 

 

「安心しろよ響、なにか本当にとんでもないことが起こらない限り俺はどこにも居なくなったりしない!響達家族や未来達親友を守るために、俺は絶対に居なくなったりしないさ!」

 

「ッ…………うん!!!!」

 

 俺の言葉に安心したのか、響は元気な声を出して頷いたのが分かった。

 俺は微笑みながらそのまま続けた。

 

「ま、(いず)れは独り暮らしをするためにこの家から出ると思うが、そん時はきちんと心配させないよう、連絡ぐらいは入れるよ!安心しろ!!それにもう遅いんだ、明日のためにもう寝ちまえ!」

 

「はーい!お兄ちゃんありがとね♪お休みなさい!」

 

「おう…………お休み!」

 

 扉の前から響が消えたことを確認し自分の部屋に入ったことも確認すれば、俺は静かながらも素早く自分の部屋の窓を開け、次に靴を履いて窓を静かに閉じて、そして家族の耳に入る入らないかどうかの素早い身のこなしで降りていき、そして足が着地すればそのまま全速力でノイズの出現ポイントまで走り出した。

 

(絶対に居なくなったりしねえさ、絶対に死にやしねえさ、俺の心の底から思う者はここに居るんだ!だから俺は響にそんな思いはさせはしない!!!)

 

 俺は心の中で響を悲しませないよう強い決断をして、モバイルモードのゲキリュウケンを本当のゲキリュウケンの姿にして、持ち手に着いている開閉式の装置を上げればゲキリュウケンの顔も上がり、マダンキーの挿し込み口が現れ俺はリュウケンキーを挿し込んで回す。装置を下げてゲキリュウケンの顔も下がり音声が鳴る、そして俺は走りながらゲキリュウケンを振って叫ぶ。

 

「撃龍変身!!」

 

 この叫びとともに、ゲキリュウケンから青白の龍が出てきて一叫びすれば、俺の体に纏い俺を魔弾剣士リュウケンドーへと変身させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「司令ッ!ノイズの大群が出現!場所は住宅地!タイプは全て小型です!」

 

 機動二課では、ノイズ出現の緊急警報がなっており、オペレーターの藤尭はすぐさまノイズの出現場所の情報などを司令官である風鳴弦十郎に報告した。

 

「分かった!翼と奏には連絡したか?」

 

「はいっ!翼さんと奏さんに連絡を入れ、今はヘリの出撃所にいます!ヘリも今すぐに出せます!」

 

 藤尭の報告を聞いた弦十郎は頷いて返事をし、シンフォギア装者の奏と翼のことを聞けば、女性オペレーターの友里は素早い対処で弦十郎に返した。

 

 そして弦十郎は、一番重要なことを聞くことにした。

 

 

「…………未確認の騎士の方はどうだ?」

 

「いいえ。不思議なことに、今のところ未確認の騎士の姿も反応もなにもありません」

 

「そうか…………」

 

 藤尭の返答に、弦十郎は少し考える素振りを見せたが、しかし今はノイズの対処が先決のため、弦十郎は大きな声で指示を出した。

 

「とにかく、今はノイズが最優先だ!藤尭!友里!未確認の騎士を見つけたら即時連絡を頼む!」

 

「「了解ッ!」」

 

「俺は翼たちとともに、出撃する!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘリコプター内部。

 その中では天羽奏、風鳴翼、風鳴弦十郎が座って、ノイズの出現場所へと向かっていた。奏と翼は一緒に座り、向かい側の席では弦十郎が真ん中にドドンっと座っていた。

 

「奏、翼、俺との出撃は初めてだな」

 

「そうだな~。まさか旦那と一緒に出撃する日が来るなんて思いもしなかったよ」

 

「だけど叔父様、ノイズとの戦いは私たちに任せてください。できれば戦場には出てほしくないんですけど」

 

 ヘリの中、話題を出し話し出すも風鳴翼が心配そうな声で弦十郎に告げ、弦十郎の方も軽く頷き口にする。

 

「分かっているさ、とにかくノイズの方は専門家であるお前たちに任せる。だが未確認の騎士がそこに居れば、彼を捕獲と言う名の保護を行う。彼が何者であろうと、我々人間の味方であることには間違いないのだからな。2人もくれぐれも気を付けろよ」

 

「ああ、もちろんさ!」

 

「はい、分かっています!」

 

 弦十郎の台詞に2人は頷きながらしっかりとした返事をした、2人のこの返事に弦十郎は笑みを浮かべて頷きを返した。

 

 

「でも、ノイズの出現場所には未確認の騎士はいないんだよな?」

 

「ああ、いつもなら我々より先にノイズと戦っている彼が何故か今日はいないんだ」

 

「ふ~ん、なんか外せない用事でもあって今日は来れないのかね?」

 

「奏。いくらなんでもそれはないよ。…………もしかして、叔父様が捕獲なんて言ったから、それを感じ取って来てないのかな?」

 

「ああっ、それありそうだな!未確認の騎士は鋭いところがあるから、おっちゃんと戦うのを察知して今日は来るのを止めたのかな!」

 

 奏がリュウケンドーがノイズの出現場所にいないことを口にすると、弦十郎は腕を組んで思案し、奏はそんな弦十郎を見ながら思い付きなことを口走る。

 そんな奏の言葉に翼は呆れではなく困っている反応を見せながら、今回リュウケンドーが来ないことへの予想を立ててみれば、その予想に奏は賛同するように指を鳴らして指鉄砲にしたまま翼のことを指差した。

 しかし、弦十郎は腕を組んだまま翼のその予想に頭を横に傾け、今までのリュウケンドーについて語る。

 

「それは有り得ないと思うが、今まで彼は俺達がノイズの出現を確認する前に、既にノイズとの戦闘に入り対処をしている。彼のお陰でノイズの死亡者数は出ていないと言ってもいい、そんな彼の行動から考えれば…………ノイズを野放しにしておくなど考え付かないんだがな…………」

 

「「…………………………………………」」

 

 

「皆さん!もうすぐでノイズの出現ポイントに入ります。準備のほどをお願いします!」

 

 3人が話し合っていれば、ヘリを運転している操縦士が3人に顔を向けて報告をした。操縦士の言葉を聞いた3人は顔を見合わせ同時に頷き、シンフォギア装者である奏と翼はヘリのドアの前に立つ、そして弦十郎がドアを開けて言い放った。

 

「2人とも気を付けて行ってこいっ!!!」

 

「おうっ!あらよっと!行くぜ!!」

 

「はいっ!風鳴翼…………行きます!」

 

 装者の2人はヘリから跳び降りれば、さっそくシンフォギアを纏うための聖詠(せいえい)を唱えた。

 

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

 聖詠を唱えれば、奏と翼の首に下げられているペンダントが起動し、彼女たちの体に鎧が纏っていく。

 

「…………ふっ!」

 

「…………はあぁっ!」

 

 シンフォギアを纏った2人は互いの得物を持って、降下しながら態勢を決めた。

 そしてシンフォギアの力である歌を歌い始め、ガングニールの力を持った奏が先制攻撃とばかりに槍を投げた。

 

「喰らいやがれノイズどもっ!」

 

【STARDUST∞FOTON】

 

 投げ放たれたガングニールの槍は大量に増加し、広範囲に大量の小型ノイズに向かって貫き迫っていく。

 

『『『『『!?!?!!?』』』』』

 

 奏の先制攻撃がゴングとなり、リュウケンドーのいない中、シンフォギア装者対ノイズの戦いが始まったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せやあぁぁぁっ!」

 

 響を心配させないよう話し合ったためノイズの出現場所に遅れてしまったが、全速力の走りと跳躍を繰り返して出現場所に到着してノイズどもが出現した場所を確認すれば、機械の鎧を纏った朱色の髪の女と青色髪の女がノイズ相手に暴れていたが、所々で後退しているところや追撃を加えられないところがあった。

 

(やはりか…………怪我が治っていることには驚いたが、ただ見えないようにしただけ、ファイヤーリュウケンドーで負わせてしまった怪我はまだ感知しきってはいないか。…………だったら!!)

 

 リュウケンドーの視覚で視認すれば、俺は勢いよく跳び上がり大量の小型ノイズと機械の鎧を纏った2人組の女どもに向かって叫び放つ。

 

「悪いがここで真打ちの登場だノイズどもっ!…………来神!!!」

 

『『『『『!!!!!!』』』』』

 

「!! 未確認の騎士…………」

 

「!! 来てくれたのね…………」

 

 左手でゲキリュウケンを真横に構え、右腕を上に向けて真っ直ぐ向けて、ゲキリュウケンの剣に二の腕を当てているかのようなポーズを決めた。

 俺の登場に全ての小型ノイズは俺の方に向き、朱色の髪の女と青色の髪の女は俺が来たことにどこかホッとしたような雰囲気を出していた。

 

 だが俺はそんなことは気にせずに、ノイズを倒すために行動する。

 

 

「人間の命を踏みにじる貴様らは、絶対に許しはしない!はあぁーー!!」

 

 俺はそう言って、1回転跳躍をしてそのまま降下しながら、その降下先にいるクロールノイズに向かってゲキリュウケンを振るった。

 

「おらよっ!」

 

 そしてこの一撃が、俺とノイズの戦いの合図となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………相変わらず凄まじい戦いだな、未確認の騎士の戦い方は…………」

 

 

 ヘリを上空で飛ばせたまま奏と翼の戦いを見守っていた弦十郎、2人の戦い方に所々で体が上手く動かせていない辺り、まだ未確認の騎士に負わされた怪我が原因だと見ていた。

 加勢したいのは山々であったが、ただの人間でシンフォギアを纏えない自分では、ノイズを相手にしても簡単に死んでしまう。

 

(ッ!?…………未確認の騎士はまだなのか!?)

 

 弦十郎は歯痒い思いをしながら、リュウケンドーの助力を願っていた時である。

 

「悪いがここで真打ちの登場だノイズどもっ!…………来神!!!」

 

「!!??」

 

 聞き覚えのある声が聞こえ、その場所に目を向ければいつの間にかリュウケンドーがいたことに驚いた。そしてリュウケンドーが戦闘に加わった瞬間一気に戦況は激変し、まるでリュウケンドーは紙を切るかのようにクロールノイズやヒューマノイドノイズ、大量の小型ノイズを葬り去っていった。

 

 リュウケンドーのその戦いっぷりに弦十郎は、恐怖と賞賛を含ませた呟きをしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソッ…………数だけは大量にいやがって、キリがねえぇっ!!」

 

 ゲキリュウケンを振るってヒューマノイドノイズを3体葬るも、ノイズはまだまだ居やがる。まるで軍隊アリのようで嫌になる、機械の鎧を纏った2人組の女も頑張って入るが小型ノイズを減らすに減らせないでいる。

 そのため俺はさらに戦況を変えるために、左腰に装着させているマダンキーホルダーに手を掛け回して、目的のマダンキーに止まれば俺はそれを一気に引き抜いて発動させる。

 

「ナックルキー発動!」

 

『マダンナックル』

 

「来いっ!マダンナックル!!」

 

 ナックルキーをゲキリュウケンに差し込んで回せば、ゲキリュウケンから音声が鳴り、俺は住宅街の壁に向かって魔法を放ち、その壁から魔法陣が浮き出て魔弾戦士の共通武器であるマダンナックルが出てきた。

 俺は魔法陣から出てきたマダンナックルを掴み取り、ナックルスパークを放てるよう開放してノイズへと狙いを付けて向ける。

 

「ナックルスパーク!!!」

 

『『『『『!?!!?』』』』』

 

 ノイズに向けてナックルスパークを連射すれば、全てのナックルスパークは小型ノイズに着弾させ炭素の塊に変えた。

 俺は小型ノイズの大群から距離を取り、さらに精神を高めてナックルスパークのエネルギーを集中させ、大量の小型ノイズへと向けて派手に撃ち放った。

 

「はあぁぁぁ…………ナックルスパーク!!!」

 

『『『『『!?!?!?』』』』』

 

 エネルギーを集めて撃ち放たれたナックルスパークは、稲妻を纏った巨大なエネルギー砲となって撃ち放たれ、10体以上もの小型ノイズを炭素の山へと変えた。

 

「な…………なんて威力だ」

 

「すごい…………あれだけの武器で、あんなことが出来るなんて」

 

 10体以上もの小型ノイズが炭素の山に変わったこととマダンナックルの力に、機械の鎧を纏った女どもは驚愕の表情と言葉を表すが、俺は2人組の女の驚きに一切気にすることもなく力一杯怒鳴った。

 

「ボーッとしてんじゃねえっ、ここは戦場だぞ!そんな暇があるのならさっさとノイズを片付けるぞ!!」

 

「!? お、おう!」

 

「ご、ごめんなさい!?」

 

 俺の怒鳴り声に2人組の女はすぐに気を入れ換え、ノイズの戦闘へと身を引き締めた。

 

 

 

「ファイナルキー発動!」

 

『ファイナルブレイク』

 

「行くぜ、ゲキリュウケン!魔弾斬りッ!!!!」

 

『『『『『!!?!??』』』』』

 

「…………これにて殲滅完了」

 

 その後の戦闘もかなりの楽勝であった。

 機械の鎧を纏った2人組の女どもと共闘し大量の小型ノイズを葬っていった、所々でこいつらのフォローをすることとなったが、何かと困った妹のフォローをしていたため、苦もなくこいつらのフォローは簡単にできた。

 

(明日も早いんだ。帰るとするか)

 

 そう決めた俺は、1度だけ女どもの方へ顔だけ振り向かせて、女どもも俺の視線に気付いたらしくこちらを無言で見ていた。

 女どもへの視線を外し、俺はさっさと家に帰ることを決めたため、ゲキリュウケンの剣を肩に乗っけてこの場を去ろうとした。

 

 その時であった。

 

「!!!??」

 

 いきなり俺の真上に影が射し、暗くなったことに疑問を抱いた俺は、(雲でも差し掛かったのか?)などと思いながら上を見上げてみれば、俺の真上から足が降りてきていたのだ。

 何故俺の真上から足が降りてきているのかは分からなかったが、疑問が頭に浮かびながらも俺は即座に体を動かし、体を飛び上がるように動かして転がり回って避けた。

 

 

「…………あっぶねぇ~。なんなんだよ、ガチムチに鍛えた女の子でも空から降ってきたのか?」

 

 そんな下らないことを呟くも、俺が先程まで居た場所は冗談もなにも通じないくらいヤバイことになっている。

 俺が居た場所は今もうもうと土煙を上げており、恐らくクレーターが出来上がったほどコンクリートの地面は磨り減り下がっているだろう。

 

「………………………………」

 

 前が見えなくなるほどの土煙が上がっている場所を俺は無言で見詰めていれば、土煙の向こうから声を掛けられた。

 

「いきなりとんでもないことをしてしまってすまない、だが君の方は普通に無事のようだな」

 

「…………そうでもねえよ。危うく行動が遅れて下敷きになるところだったよ、とんだご挨拶の仕方だな?」

 

 声からして30代ぐらいの男の声だと睨むが、男は俺の台詞に「うっ」と言いながら体を少しだけ後退させる動きを見せた。

 

(さすがにあいつからしても、やってしまったって言う気持ちがあったか?)

 

 心の中でそんなことを思いながら、土煙が晴れていき俺が居た場所に降ってきた正体は、少し暗めの赤い髪、髪の毛の色と同じ赤のカッターシャツを着て、ピンクのネクタイを締め、ベージュ色のスーツズボンを履いて、妙にお高そうな革靴を履いた身長2メートルはありそうな大男がそこにいた。

 と言うか。筋肉がこれでもかと言うぐらいにはち切れんばかりに鍛えられており、まるで赤い毛並みを持った変異種のゴリラのように思えてくる。

 

「…………何(モン)だてめぇ…………?」

 

「ん?俺か?俺はあいつらの…………保護者みたいなもんだ」

 

 俺は睨みながら大男について訪ねると、大男は自分を指差しながら、次に親指を機械の鎧を纏っている女どもの方に向け宣言した。

 

「そうかい、そいつらの保護者か。…………保護者ならしっかりと言い聞かせとけよ。お陰でこっちは余計なもんを抱え込んじまったよ」

 

「「!?…………」」

 

 俺の台詞に女どもは痛いところを突かれて、言い訳が出来ない苦い表情をした。

 

 

「それについても本当にすまなかった。…………さて、時間もそれほどないし、単刀直入に行こうか」

 

「……………………………………」

 

「未確認の騎士。どうか俺達と一緒に来てくれないか?」

 

 大男は1度頭を下げるも、すぐに頭を上げて俺の方を真剣な表情で見る。そのため俺自身も警戒をしながら大男の出方を待っていれば、大男の方は俺に右腕を向けて訳の分からないことを言った。

 

「は……………………?」

 

 大男の言葉に、すっとんきょうながらも疑問しかない声を出してしまった。

 しかし大男は俺の声に気にすることなく、続けて言い放った。

 

「疑問の声を上げるのも仕方ないだろう。だが君としてもそろそろ1人で戦うのは苦しいんじゃないか?俺達の組織に加われば、安全な保護を受けられる。例え君が人間でなかったとしても我々と同じくノイズと戦う志を持つものなら、どうか俺達と一緒に戦ってはくれないか!!?」

 

 なるほど。つまりは俺をこいつらの組織みたいな所で保護し、それ相応の権限みたいなもので守ろうってことか。

 まあこの感じを見たところ、こいつらは腐った政府に属している組織みたいなものだろう、俺自身もこの組織に属すれば高レベルの厳重な保護を受けられる筈だ、それはとてつもなく魅力的で有り難い上に心強いが、俺の答えは決まっている。

 

「…………………………悪いがお断りだね」

 

「「ッ!!?」」

 

「やはりそう言うと思っていたよ。…………できれば理由を教えてはくれないか?」

 

 俺のキッパリとした返答に、2人組の女は驚愕の反応を見せ、片や大男の方は分かりきっていた返事を予想していたらしく、それについての理由を欲した。

 

「まず第一に、今まで俺を襲ってきた連中がいきなり俺を守ろうだなんて烏滸がましいんじゃねえか?怪しさしか感じねえよ!」

 

「うっ…………」

「あ…………」

 

 俺の最初の断りの理由に、2人組の女はさらに苦しい表情を見せて顔を俯かせ、俺はそいつらの方には顔を向けずさらに続けることにした。

 

「第二の理由で、てめぇが信用できねえ。…………俺を保護するとか言って、その(じつ)、俺の力を研究したり調査したりして、お前らが所属している組織の兵器にでもされたら堪んねえかんな」

 

「…………………………………………」

 

 続きの言葉に大男は無言で俺を見る、逆に俺は喋りながらも大男に最大限の警戒をしながら、この最後の理由をこいつらの耳に残るようしっかりと言うことにする。

 

 

「これが最後の理由、俺にとって一番気に入られねえことだ。…………その女どもを戦場に出しているのが腹立たしいんだよ!」

 

「「「!!!??」」」

 

 俺の強気の台詞に、3人が目を見開くほどの驚きを上げた。

 

「そんな青春真っ盛りの10代の女を戦場に出すなんて何を考えてやがんだ!いくらノイズへの対抗手段がないからって、こんな青春真っ盛りの女を使ってる時点でお前らのことを信用なんて端から出来るかよ!!保護者を名乗るのなら、まずこいつらを危険に晒さずに守ってやるのが大人の役目じゃねえのか?それなのにそいつらをこんな危険すぎる戦場に出すなんて、俺は大人っていうものが分からなくなりそうだ!!!」

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ!?」

 

 俺がそう言い切れば、朱色の髪の女が一歩前に出て大男の擁護をしてきた。

 

「未確認の騎士!お前があたしらのことをどう思っているのかはよく分かったし嬉しい!!でも弦十郎の旦那をそこまで悪く言わないでくれ!旦那だって辛い思いをしながら決断をしてるんだ!それにだ、ノイズと戦うのを決めたのはあたしらの意思でもあるんだ!」

 

「奏の言う通り!未確認の騎士、お願いだからおじ様をそんなに悪く言わないで!!そして信じてあげて!今までのことは許されないだろうけど、おじ様は懸命に私達のことを守ってくれているの、だからお願い!私達の所にどうか来てほしいの!!!」

 

 朱色の髪の台詞に続けて青髪の女も大男の擁護へと入った、この2人にとってこの大男にかなり助けられ感謝しているであろうが、それでも俺にとって妹より2つ3つ歳上ながら青春を謳歌するべきなのに、戦場に身を委ねているのが許せることではなかった。

 

 

「だからなんだって言うんだ?それでその男の認識を改めろと?悪いがそれでもお前らが戦場に出ているのは紛れもない事実だろうが!!それにお前らがどんな覚悟や意思でノイズと戦っていようが関係ない、お前らの存在は俺にとってはただの邪魔物でしかないんだからな!!!」

 

「「!!??」」

 

 俺のハッキリとした発言に、2人の女は今までとは比べ物にならないほどの苦しい顔となるも、それでも黙っていることができず俺にもう一度進言をしようとする。

 

 

 だが…………………………。

 

 

「なら!おまっ「いいんだ奏」おっちゃん!?」

 

 大男が朱色の髪の女の言葉を遮り、女はそれに驚くも前にいる大男の背に目を向けて叫ぶ。

 

「いいんだ。彼の言っていることは間違っていない、大人である俺が子供であるお前たちに頼りきっているのが現状、例えどんなに擁護しようともそれは揺るぎのない事実なんだからな」

 

「ッ…………!?」

 

「おじ様………………」

 

 大男の言葉に朱色の髪の女は言葉に詰まり、青髪の女は複雑な顔で大男の背中を見詰める。大男は真剣な表情で顔を上げ俺を見ながら口を開いた。

 

「未確認の騎士。…………君の気持ちはよく分かった、俺達のことを信用出来ないと言うことも俺達をどんな風に見ているのかも…………だが未確認の騎士、言わせてもらうが何故君はそこまでして1人で戦おうとする?君はノイズを滅ぼした後、何をするつもりだ!?」

 

「………………………………………………」

 

 大男の台詞に1度無言になる、それに俺はノイズを滅ぼした後なにをするとかないんだけどな、ただノイズの脅威から人を守って戦うぐらいだ。企んでることもなければ世界征服なんてものもバカらしくてやる気はない。

 

(ただ俺は、家族と不自由なく平穏無事に暮らせればそれで良いんだよ。この幸せを邪魔するやつらがいるのなら、俺は全力で戦うだけだ。…………まあノイズがこの世から居なくなれば、リュウケンドーとしてやらなきゃいけないこともあるしな)

 

 心の中で思うも、これを言えば俺自身どころか家族にまで面倒を越えた危険が迫る。そのため俺は心の中で思ったことを口に出さず、家族と同じく大切なことを伝えることに決めた。

 

「別にその後で何をしようとかねえよ。世界征服だとか全人類抹殺とか地球滅亡なんてものも企んでない、ただ俺は戦わなきゃ守れない大切なものがあるからノイズと戦っているんだ!」

 

「そうか…………君のその思いに嘘はないだろう」

 

 俺のその言葉に大男はどことなく安心した風な息を吐き出し、息を吐き出せば俺を鋭い視線で睨み付けそこからまるで走り出してくるような構えを見せた。

 

「だが俺達にも込み入った事情があってな、君をこのまま行かせるわけにはいかないんだ。少々手荒な真似になるが、悪いが力ずくで俺達の所に来てもらう!」

 

「…………はっ、やっぱそうなるって訳か。警戒しといて正解だったぜ!」

 

 そう。なぜ俺が今まで警戒を解かなかったのには理由があった、それは今俺の目の前にいるこの大男である。

 初対面でありながら、俺はこの大男からは何か凄まじいものを感じ取ったため、あまり動かず一瞬の隙も見逃すとなく警戒しこちらもそれを晒すことなくしていた。

 だが、最早この膠着(こうちゃく)状態も終わりである、大男は既に動き出そうとしている所だ。そのため俺もゲキリュウケンを振りながら構え、警戒態勢全開で頭の中でこの大男から逃げ切る方法を考える。

 

(俺の経験からしてあの大男から普通に逃げ切るのは不可能だ。こうなりゃ、ありったけの土煙を発生させてリュウケンドーで出せるだけの速度の全速力で逃げ切るきゃねえ!)

 

「未確認の騎士…………行くぞっ!!!」

 

(ッ!?……………………早っ!!?)

 

 大男が動き出せば、踏み込みに使った地面が軽く吹き飛び、その勢いのまま大男は俺に突っ込んで、俺目掛けて力を込めた右ストレートを放った。大男の行動に目を疑ったが、その分大男の放った右ストレートの早さにも驚きを隠せず、俺は驚愕しながらもギリギリで体を下げて交わした。

 

「むっ交わしたか。…………だがッ!おおォォォっ!!!」

 

「!? ぐっ…………うおぁぁぁッ!?!?」

 

 右ストレートを交わしたが、大男はすぐに右足を踏み込んで回し、左脚の蹴りを俺にぶち当てた。俺自身もすぐさまゲキリュウケンを盾にして大男の蹴りを防いだが、かなりの勢いで後退させられた。

 俺はゲキリュウケンを盾にしたまま、俺は大男の方を警戒しながら思案する。

 

(…………はっきり言って、今の右ストレートはプロのボクサーでも交わせるものが10人と居ないレベルの拳だった。もし生身で当たっていたら口から内蔵が飛び出るどころか腹に風穴開くんじゃないのか!?)

 

「まだまだ行くぞ。手加減はするが!遠慮はできん!!!!」

 

 大男はそう言うと、地面を割って跳躍しそのまま俺が居る所まで降下しながら拳を振り下ろした。

 

「!? くそっ!!?」

 

 力を込めた大男の拳が迫ってきたため、俺はすぐに左に転がり避けて大男の拳の被害範囲から出る。

 

「ハァハァハァハァ…………嘘だろ」

 

 大男の拳を転がり避け、すぐに起き上がりその場を確認すれば、あまりの状況に絶句仕掛けた。

 何故ならば、大男の拳が当たった場所はボガァァァン!と大きな音を発し、かなりの土煙が巻き起こるがそこの隙間から見ると、アスファルトの地面は砕け散り周辺にはアスファルトの破片が散らばっていた。

 大男の異常すぎる拳の強さに、俺は息を整えながら唾を飲み込み、呟いた。

 

「驚いている暇があるのか!未確認の騎士ッ!!!」

 

「ッ!?くそがッ!?」

 

 土煙を吹き飛ばして大男が迫ってきて、また俺に右ストレートを打ち放った。そのため俺もすぐさま両足に踏み込みを入れて、ゲキリュウケンを盾にするように構え大男の右ストレートを防いだ。

 だが俺は仮面の中で苦悶の表情を浮かべ、かなり踏み込みを入れた両足も凄まじい勢いで後退させられた。なので、今俺は大男と鍔迫り合い状態に似たことになっているのだ。

 

「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ…………」

 

「ほう?俺の拳を防ぐとは、やはり長年ノイズと戦っているだけはあるな!」

 

 大男は俺を見ながら軽く微笑んでそう言うと、鍔迫り合いのような状態で入れば、いきなり俺の脳内に小型ノイズがここに現れるのを映し出した。

 ゲキリュウケンが俺の脳内に送ってきた映像では、小型ノイズの数は(およ)そ30体だったため、何とかこの人間とは思えない力を持つ大男を引き下げ、ノイズの撃退を試みようと考えている。

 

「ノイズが…………来る」

 

「なんだと?」

 

 大男と鍔迫り合いのような状態に入りながら、俺は静かにノイズが来ることを呟けば、大男は俺の言葉が聞こえたらしく眉を上げ俺のことをじっと見れば、大男の耳にインカムでも装着されていたのかゲキリュウケンから拳を離し、いきなり耳に手を当てた。

 

 

『司令!ノイズの反応を確認しました!場所はここです!今すぐに出現します!!』

 

「なんだとっ!?未確認の騎士はノイズの出現すらも一足先に察知することができるのか!」

 

 通信機から来た連絡は恐らく新たなノイズの出現であろう、それを聞いた大男は驚いた顔をすれば俺の方にもう一度顔を向けた。

 そんなことをしていれば、上空から小型ノイズが現れこの場へと降ってきた。降ってきた数は30体であり、俺と大男の場所からは多少離れているが、俺はノイズが急に出現したチャンスを利用しようと思い、ノイズと戦いながらこの場から逃走しようと考えたが、俺の行動よりも早く大男の方が大声を出した。

 

「奏!翼!連戦になって悪いが、出現したノイズどもを蹴散らしてくれ!俺は未確認の騎士を捕獲する!」

 

「分かった!」

 

「分かりました!」

 

「ッ!!?」

 

 大男の指示に、俺達の戦いを見ていた朱色の髪の女と青色の髪の女は素早く了解をして出現したノイズの対処に当たり、俺はそいつらの対処の早さに苦虫を噛み潰したような顔になり、大男は俺の方に降り向き直り両手の拳を握り締めて言う。

 

「未確認の騎士、君の思い通りにはいかんぞ」

 

「俺を逃がさないためとはいえ、怪我が治ったばかりのあいつらに無茶させるなんて、とことん!てめぇは非道な大人みたいだな」

 

「君にはそう見えるかもしれんが、あの2人ならばあの数のノイズぐらいは簡単に対処できるさ。これは彼女たちに対する信頼の証だ」

 

「はっ!さすがは日本政府が生み出した組織の人間だ!そう言うことも信頼と言う建前で人を危険に駆り出すんだから、質が悪いぜ!」

 

「悪いがこれ以上俺達に対する失望は…………後で聞かせて貰う!」

 

「御生憎様、俺は信頼も置けねえくそったれな所に捕まる気はねえ!」

 

 大男は再び地面を踏み砕いて俺に突撃してくれば、凄まじいスピードとパワーを持った拳を連続で放った。

 

「うおぉぉぉぉぉッ!!!??」

 

 大男が放つ拳を紙一重で交わしていくが、俺は今ここで言わせて貰いたい、この大男の地面を踏み砕くほどの異常なスピードに、下手をすれば巡洋艦をも一撃で沈没させられるぐらいの異常過ぎるパワー、それに付いていけるこの大男の肉体構造。

 

 

(こいつホントに人間か!!?)

 

「貰ったぞ、未確認の騎士!!!」

 

「!? ごぶぅっ!??」

 

 そんなことを心の中で思っていれば、俺は大男相手に一瞬の隙を作ってしまい、胸の中央の膻中(だんちゅう)という場所に、ありったけの力を込めた鉄拳を打ち込まれた。

 この鉄拳が膻中に打ち込まれ、俺は自分自身の肉体をくの字に曲げて思いっきり吹っ飛ばされた。

 

「がはっ、こふっ、ゲホッゲホッゲホッ!?」

 

「ほう。…………かなりの力で当てたんだが、当たった直後一気に後方へと下がり、俺の拳の威力を流せるだけ流したか」

 

 大男の言う通り、こいつの拳が当たった直後に後ろへと下がり拳の威力を軽減させたのだが、それでもこの大男の拳の威力は半端なかった。もし歯を食い縛って気をしっかり持ってなかったら本当に意識が飛んでいた。

 挙げ句の果てにリュウケンドーの鎧に拳をぶち当てたって言うのに、その拳には傷一つ付いちゃいねえし、それどころか右手を軽く振りながら喋ってる。

 

(こいつ、人間辞めてんじゃねえのか!!!!!)

 

 膝を付いてリュウケンドーの鎧の胸に手を当て、苦しい表情をしながら心の中でそんなことを思いながらも、左腰に装着しているマダンキーホルダーに手を添えながらこの大男から逃げる方法を考える。

 

(くそっ!?一撃でこれだけの威力なら、下手すりゃ後1発でノックダウンになっちまう!それだけは絶対に避けねえと…………!!)

 

 俺は頭の中で、思考を続けていく。

 

 

(どうする?…………力には力でファイヤーキーで対抗するか?それか1度も使ったことがない“このマダンキー”を使うか?)

 

 俺は頭の中で考えながらもつい顔をマダンキーホルダーの方へと向ければ、俺の視線の先が大男に気付かれてしまい、大男は口を開きながら俺に突撃を仕掛けた。

 

「!! させん!」

 

「!!?」

 

 大男が突撃しながら拳を振り翳したため、俺は全力でその場から離れるも、俺が居た場所は派手に砕け散り(いく)つかの細かい破片が俺に当たるが、俺は一切そんなことを気にしていられないため、素早く態勢を立て直しマダンキーホルダーに手を掛けて回そうとする。

 

(考えてる暇はねえ!こうなりゃファイヤーリュウケンドーにフォームチェンジして上手いこと逃げるっきゃねえ!)

 

「させんと言った筈だ!!」

 

 決意してマダンキーホルダーを回そうとするが、大男は俺より素早く動き俺から距離を詰めて、普通の蹴りより威力が何倍にも上がっている、踏み込みを入れた左足の回し蹴りを放った。

 

「げふぅっ!!?」

 

 大男の回し蹴りは俺の鳩尾の部分に入りそうになったが、俺は右手に持っていたゲキリュウケンを盾にして、なんとか大男の回し蹴りを防いだ。

 威力だけはなんとか防げたが、勢いを止めることはできず、俺はそのまま体全体で飛び跳ねて、住宅街の近辺に発生した雑木林の中に入ってしまった。

 

 

「くそったれ…………マダンキーを使う暇もねえか…………」

 

 雑木林の中へと突っ込んだ俺はなんとか意識があり、蹴られた鳩尾の場所を手で抑えている。大男とかなり離れたため今ならマダンキーを使えるが、大男によって与えられたダメージのせいで体が思うように動かないでいる。

 

「未確認の騎士。いい加減諦めて俺達の元まで来てくれ、これ以上手荒なマネはしたくない。そして俺達のことを信用してくれ、絶対に君を守ると約束する!」

 

「うっ…………ハァハァハァ、てめえみたいな化け物が居る時点で、余計に信用なんてもの、出来やしねえよ」

 

 俺が入ったところから、大男が土を踏む音を出しながら歩いて言うも、俺は激しく痛む体に無理を通して立ち上がり、フラフラな状態でも迫ってくる大男に向かって、苦しくもお断りの返事をさせてもらった。

 

「はぁ、君も随分と強情だな。なら次の一撃で決めて、君を俺達の組織まで連れていく」

 

「ハァハァハァハァ…………だったらどんな手を使ってでも逃げてやるよ!」

 

 そう言って俺は、フラフラな体でも気をしっかりと持ちながら歩いて、森の中の奥へ奥へと進んでいく。

 

「残念だが、そうはさせん。はあぁぁッ!」

 

 大男はそう断言すれば、駆け出し俺に目掛けて拳を振りかぶった。

 

「!?…………一か八かだ!とあっ!」

 

 大男の拳が当たるところまで来て、その現状に俺はここで諦めを覚悟したのだが、ギリギリで当たるところで足に負担もかけてジャンプをした。

 その結果、なんとか大男の拳は避けられたが、ギリギリであったため、大男の拳の威力の余波を受けてしまい、再び俺は吹き飛ばされ背中から落ちるが、背中に受けたのは土の感触ではなく、ゴトッと音がして平べったく少し固い板のような感じだった。

 

「おわぁぁぁぁ!?…………ごはっ、ゲホゲホ」

 

 背中をぶち当ててしまった俺だが、上半身だけを起き上がらせて周りを確認した。

 

「な、なんだここ。民家か何かか?」

 

 そこは今にも崩れそうなほどボロボロな、木材で出来たかなり大きく広い建造物であった。疑問を頭に浮かべながら周囲を見回していれば、月明かりが射している出入口の方から大男が入ってきた。

 

「袋の鼠。逃げることは最早不可能だ、ようやくこれで終わりだ。かなり手間取ったが、これで上も納得するだろうな」

 

「……………………………………!?」

 

 大男は入ってきて足を止め、リュウケンドーの仮面を見ながら言う。大男の言葉と視線に警戒しながら周囲を見回すも、ここは今にも崩れそうなほどボロボロだが他の場所から出られそうな所は一切なかった。

 

(絶体絶命…………これで終わりか)

 

 心の中でそう諦めて覚悟も決めた俺であったが、大男は1度このボロボロの建造物を見れば、一般人では聞き取れない声量で呟いた。

 

「…………確かこの場所は、10年以上前は有名なパワースポットだったな。だが不思議なことに人々はそれを忘れ去ってしまい、まさかここまで廃れてしまうとは」

 

(あ…………パワースポットだって?……………………そんな、まさかな)

 

 大男の言葉に出てきたパワースポットという台詞に、俺は気になるものを感じたが、すぐにその台詞を捨てて否定へと持っていた。

 

「!!?…………これは?」

 

 その時であった。

 リュウケンドーの左腰に装備しているマダンキーホルダーが、いきなり目も瞑るほどの強烈な光を放ち始めたのであった。

 

「な、なんだ!この光は!?」

 

 いきなり出てきた強烈な光に大男も驚き、目を向けていられないらしく、目を瞑りながらも左腕でこの光を遮っていた。

 

「このマダンキーは…………もしやここに居るのか?」

 

 光を放っているマダンキーがかなり重要なものだったため、俺はリュウケンドーの仮面からでも深刻な顔をしながらこの場所の周囲全体を見回した。

 

 

「! あれか!!」

 

 マダンキーホルダーから光を放っている1つのマダンキーを引き抜いて、1度マダンキーに目を向けるもすぐに広すぎる建造物の周囲確認をすれば、右斜め前方の壁の角隅に巨大な球体のようなもの、端から見れば卵のようなものが存在した。

 

 そしてその卵のようなものは、俺が手に持っている光を放つマダンキーに答えるように、その巨大な球体は心臓の鼓動が放つドクン!という音を放った。

 

「!? 一体なんだあれは!?」

 

 大男の方も、俺が視線を向けている方向に、左手でマダンキーの光を遮りながら目を向ければ、大男は巨大な球体を目にすれば驚きの声をあげた。

 

「ハハッ…………こんなところで会えるとはな。偶然か必然かは分からないが、出会っていきなりで悪いがお前の力を貸して貰うぞ!」

 

 俺は大男には気にせず宣言して、手に持っているマダンキーを発動させる。

 

「!? 何をする気だ未確認の騎士!」

 

 大男は俺の行動に疑問を放ちながらも、それをさせないとばかりに俺に飛び掛かって、拳を放ってきた。

 

「ッ!? おっと!」

 

 だが俺は激しく痛むこの体にムチを打ち、大男が放つ強烈な拳を転がりながら避けて、すぐ体勢を立て直し左手に持っているマダンキーの名を叫び、ゲキリュウケンに挿し込みこのマダンキーを発動させた。

 

 

 

「ダガーキー。発動!」

 

『マダンダガー』

 

「来いっ!マダンダガー!!!!」

 

 ゲキリュウケンを上へ向け、エネルギー派を天井に当てれば、その天井に魔法陣が現れ小さな剣が降ってきた。俺は降ってきた小さな剣を左手でキャッチし、出てきた小剣は普通の小剣より倍の大きさを持ち、真ん中にはドームのようなものを装着された、小剣にしてリュウケンドーにとって重要な装備【マダンダガー】である。

 

「小剣を出した?…………一体何をするつもりだ!」

 

 大男は俺が出現させたマダンダガーに一瞬疑問を浮かべるが、すぐに行動を始めて俺の行動を食い止めるため飛び掛かってきた。

 

「そうは行くか!悪いが少しだけ止まってて貰うぜ!」

 

 大男が飛び掛かって来るのは予想出来ていたため、俺は左手に持ったマダンダガーのドーム状の部分を大男に向けて、そのドーム部分からあるものを放たれるものの名前を言った。

 

「あの人間とは思えない化け物大男を止めろ。ダガースパイラルチェーン!」

 

「ぬおっ!?」

 

 俺がそう言えば、マダンダガーのドーム状の部分からダガースパイラルチェーンと言うものが出てきた。

 ダガースパイラルチェーンとは、先程言った通り、マダンダガーのドーム状部分から放たれ敵を拘束することができる技だ。

 

 このダガースパイラルチェーンの正体は光のカノン文字であり、そして本編の魔弾戦記リュウケンドーでは獣王の封印を解くものでもあった。

 そう。ここに封印されている獣王がなにかは分からないが、封印を解除する光のカノン文字の暗号によって解き放つことができるだろう。

 

(一体どんな獣王かは分からないが、とにかく今は俺に力を貸してくれっ!)

 

 そのため俺は、マダンダガーを獣王が封印されている球体に向けて、光のカノンの文字を叫びながら放った。

 

「光のカノン文字!獣王の封印を解きたまえ!!!」

 

 マダンダガーから光のカノン文字を獣王が封印されている球体に打ち放つ、光のカノン文字を受けた球体は、さらに強い光を発し、球体の中にいる獣王はまるで球体を破るかのような動きを見せていた。

 

「球体がさらに光っている!?未確認の騎士!お前は何をしているんだ!?」

 

 俺の行動に大男は驚愕しながらも問い詰めてきたが、俺は大男のことなど全くもって一切気にせず、獣王の封印を解くことに全神経を向けるも心の中で大変なことを言わせて貰いたい。

 

 (と言うかこの大男、バギン!とデカイ音を立ててダガースパイラルチェーンを破壊しやがったぞ、本当につくづく人間であることを辞めていないか?)

 

 その場面を見た俺は、一筋の汗を垂らしながらも、獣王が封印されている球体に全神経を集中させる。

 

「…………獣王よ!長年の眠りから目覚め!今こそこの地に姿を現せ!」

 

 この言葉を放てば球体が一気に消し飛び、そしてその球体から飛び上がり、空中で数回ほど回ればそのまま地面に着地してきた。

 

「な…………なんだあれは?」

 

「まさか…………最初に来るのがお前だったなんてな」

 

 俺の目の前にいる獣王は、赤い瞳に金色の(たてがみ)を持ち、金色の鬣の他に青い鬣のようなところもあり体は輝くような白い色であり、前足の肩部分と後ろ足の太股の後ろにはタイヤに似た部分が装着されており、そしてその獣王は勇ましくも俺を守るように大男に向かって大きく吠えた。

 

『ガアアアァァァァァァッ!!!!!!!!』

 

「「!!!??」」

 

 

 その獣王は勇気の力を持った誇り高き獣王。

 

 名を【ブレイブレオン】と言う。

 

 

「ブレイブレオン。…………お前はブレイブレオンだな」

 

 俺は静かに獣王の名前を呼べば、ブレイブレオンは1度俺の方へ顔を向けコクリと頷けば、そのまま俺の頬を後ろ足で蹴りやがった。

 

「ごはっ、何故だ!?」

 

 痛いと言う程の威力ではなかったが、何故訳も分からずブレイブレオンに蹴られたのか理解できず、蹴られた頬を抑えながらブレイブレオンに顔を向け俺は言う。

 

 

「ブレイブレオン!てめぇ封印から解放して、ようやく出会えた主人に対して、いきなり後ろ足で蹴るなんざ何様のつもりだ!!獣王としての役割分かってんのか!?」

 

『……………………………………………………』

 

 言い放つも、ブレイブレオンは俺の言葉なんぞ無視をしてそっぽも向いていた。

 

「俺の話を無視すんじゃねえ!ブレイブレオンッ!!!…………ったく、初対面でこんなことになるなんてな」

 

 話を聞かないブレイブレオン相手に、俺は頭を抱えながら溜め息を吐くも、俺は真剣なブレイブレオンに向かって真剣な表情と声で尋ねる。

 

「ブレイブレオン。せっかく目覚めて悪いんだが、地球の精霊で誇り高きお前にこんなことを頼んじまって心苦しい、お前はこんなことをしたくないだろうが頼む!俺はあの大男からなんとか逃れたい…………頼む。今回だけは俺を助けてくれ!!」

 

『……………………………………』

 

「? ? ? かつてのパワースポットに妙な球体のものがあって?と思ったら彼が出した小さい剣から…………白い獅子が産まれた?一体全体どういことなんだ!??」

 

 俺の必死な思いに、ブレイブレオンはこちらに顔を向ければすぐ大男の方に顔を向ける。やはり地球から産み出された精霊のため、人間と戦うのは獣王の誇りとしても出来ないことだろう。

 それと向かい側では、大男は獣王の封印が解放された場面に立ち合ったため、かなり疑問の声を出しながらの混乱を起こしていた。

 

 

(まあ初対面で、こんなとんでも場面に立ち会うことになったら誰だって混乱するわな。俺だって混乱する)

 

『グルゥゥゥゥ…………ガアァァッアアァァァァッ!!!』

 

「「!!??」」

 

 心の中で大男に同情していれば、いきなりブレイブレオンは耳をつんざくような咆哮を轟かし、いきなりの咆哮に俺と大男は同時に驚けば、ブレイブレオンは駆け出して大男に飛び掛かった。

 

「ぬおっ!?ぬうぅぅぅ!!?」

 

 飛び掛かってきたブレイブレオンに大男は驚くも、大男はブレイブレオンの突進(とっしん)と噛みつきの攻撃に、両腕をクロスさせて防御するも気を抜いていたため、大男は派手にこのパワースポットの建造物から出ていった。

 後に残ったのは、呆然と座り込んだリュウケンドーである俺と、俺の前に飛んできたパワースポットの建造物の木材の破片であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃。

 

「「ハァハァハァハァ」」

 

 獣王ブレイブレオンが封印されていたパワースポットがあった雑木林の場所に、シンフォギア装者である天羽奏と風鳴翼が走っていた。

 2人はリュウケンドーと風鳴弦十郎の戦いの立ち合いをしていたが、いきなり20体の小型ノイズが出現し弦十郎から小型ノイズの対処を任された。

 ノイズの対処を快く引き受けた2人は、小型ノイズとの戦いに突入し互いの力を合わせて小型ノイズを殲滅させていき、今はリュウケンドーと弦十郎がいる雑木林の所まで向かっていた。

 

「ハァハァ、それにしてもえらく長い戦いを繰り広げてるなおっちゃん。やっぱりおっちゃんでも未確認の騎士の相手は厳しいのか?」

 

「ハァハァ、有り得ないこともないけど、今はとにかく叔父様の元へ急ごう!!」

 

 奏と翼は息を切らしながら走っていれば、リュウケンドーと弦十郎が居る雑木林の場所まで到着し、一旦2人は足を止めて息を整えていた時である。

 

 

「うわっ!?」

 

「きゃあ!?」

 

「ぬうぅぅぅぅぅ!!?」

 

『ガアァァァァァァァアッ!!!!!!!!』

 

 いきなり2人の前にあった木々を吹き飛ばして、そこから司令官である弦十郎と白い獅子のブレイブレオンが出てきて戦っていたのである。

 そんな理解など及びつかない状況に2人は驚きの声を上げて、雑木林の中から出てきたものに驚愕しながらも互いの顔を1度見合わせ、同時に声を上げた。

 

「司令ッ!?」

「おっちゃん!?」

 

 2人の驚愕しか入っていない大きな声に、弦十郎は両腕でブレイブレオンの攻撃を必死に防いでいれば、苦しい表情をしながら何とか奏と翼の2人に顔を向けて手早く伝える。

 

「奏!翼!ここから離れろ!俺はこの獅子をなんとかしなければならない!」

 

「えっ!?でもおっちゃん!未確認の騎士はどうしたんだよ!?それにこのライオンは一体?」

 

「説明している暇はない!!早くここから離れろ!この獅子を投げ飛ばす!」

 

 手早く伝えるも、奏と翼は状況が飲み込めず奏が率先して聞いてみるも、弦十郎はその質問を飛ばして、アスファルトの地面を踏み砕くほどの踏み込みを入れ、ブレイブレオンの上顎と下顎を掴めば、その両腕にも筋肉の血管が浮き上がるほどのとんでもない力を入れ、そのまま弦十郎は力任せにブレイブレオンを真上へと投げ飛ばした。

 

「うおぅらあぁぁッ!!!!!」

 

 ブレイブレオンは風鳴弦十郎に垂直に投げ飛ばされるも、ブレイブレオン自身は一切慌てることはなく、冷静に空中でグルンと1回転をして態勢を立て直せば、空中で1度『ガアアァァァァ!』と咆哮を鳴らし、弦十郎に狙いを定めてそのまま降下していった。

 

「なっ!?空中で態勢を立て直すこともできるのか!!?」

 

 ブレイブレオンはそのまま降下する勢いとともに、風鳴弦十郎にぶち当たっていった。

 

「ぐおぉぉぉぉう!?」

 

 ブレイブレオンの行動に驚いた弦十郎は、攻撃への対処が遅くなってしまい、ギリギリで腕をまたクロスさせてブレイブレオンの体当たりを防ぐが、弦十郎は汗を流し苦しい表情を見せていた。

 

「ブレイブレオン!十分だ。その辺でいい!」

 

「「「未確認の騎士!?」」」

 

「ブレイブレオン!ビークルモードだ!」

 

 奏と翼はこれだけ苦戦を強いられている弦十郎を始めて見て、自分達も弦十郎に加勢をしようと決めたときに、機動二課が未確認の騎士と呼称している魔弾剣士リュウケンドーが雑木林から出てきた。

 リュウケンドーの登場に3人は驚くが、リュウケンドーの方は奏と翼と弦十郎の反応など無視して、ブレイブレオンに指示を出した。

 

『ガアァァァァア!!!』

 

「ぐおっ!?」

 

「叔父様!!?」

 

「なんだぁ!あのライオン野郎変形(へんけい)しやがったぞ!?」

 

 リュウケンドーの指示を聞いたブレイブレオンは反転して、後ろ足で弦十郎の両腕を蹴った。ブレイブレオンの後ろ足蹴りを喰らった弦十郎は、両腕をクロスさせたまま後退させられた。

 ブレイブレオンはその後ろ足蹴りで跳び、彼が持つもう1つの姿、三輪バイク・レオントライクへと変形していった。

 弦十郎が後退させられたことに、翼は弦十郎の心配をして声を掛け、奏はブレイブレオンがビークルモード・レオントライクに変形したことに大きく驚いた。

 

 レオントライクに変形したブレイブレオンはそのままリュウケンドーの元まで行った。ブレイブレオンが目の前まで来たことにリュウケンドーは多少驚いたが、すぐレオントライクに跨がりハンドルを握るが、奏、翼、弦十郎の方を振り向いて一言告げてレオントライクをアクセル全開でこの場を去っていった。

 

「…………あばよ」

 

「な、なんなんだ彼は一体?」

 

 弦十郎は大怪我を負った両腕を下げながら、去っていくリュウケンドーの後ろ姿を見詰めていた。奏と翼は弦十郎が負った怪我を心配して彼に寄っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体感時間的には既に夜中の1時は思いっきり過ぎているであろう夜、俺はフラフラの体で家族の誰にも気付かれないよう懸命に窓を開けて自分の部屋へと入る。

 

「ぐうぅぅッ!?…………ハァハァハァハァハァ」

 

 なんとか部屋に入るも体に強烈な激痛が走り、俺は冷や汗を流しながら苦しい顔もして壁に寄りかかった。

 

「くそっ…………なんなんだあの大男は?宇宙からやって来た未確認生命体とかじゃあるめえな」

 

 俺は冷や汗を拭かずそんなことを考えてしまう。本当に有り得るんじゃないだろうか、いくら人間でもあんな身体能力やら頑丈さや力を持てるわけがない。本当にあの大男は人間の姿を借りた地球外生命体じゃないだろうか。

 

「…………ま、そんなことよりも…………ようやく獣王を手に入れられたことを喜ぶべきだな」

 

 凄まじいほどのダメージを体に受けたせいで、喜ぶことなどできないが、俺は右手に持っている獅子の絵が描かれたマダンキー、レオンキーを確認する。

 俺はレオンキーを見れば、口許を上げて不適に微笑み、俺にしか聞こえない声量で呟いた。

 

「これからよろしく頼むぜ。相棒、ブレイブレオン!」

 

 俺は獣王を心から信頼してマダンキーになったブレイブレオンにそう伝えれば、ブレイブレオンは俺の思いに応えてくれたのかは分からないが、レオンキーは柄の部分が一瞬だけキラッと輝いた。

 

「…………ありがとな」

 

 それを見た俺は、レオンキーに向けてお礼と優しい微笑みを称えた。

 

 

to be continued.




最初の獣王はブレイブレオンでした。

感想と高評価!何卒よろしくお願い致します!!!!!!



次回予告。

パワースポットの封印を解き、獣王ブレイブレオンの力でなんとかあの化け物染みた大男を退けることができた。

俺の肉体はかなりの大怪我を負っちまったが、そんなもん気にしててもノイズは手加減なんてしてくれやしねぇ、怪我に負けてたら誰かを助けることなんざ出来ない!


人を守るのがヒーローの戦いなんだからな!!!


そしてノイズと戦っているとき、戦場から黒いノイズが現れやがった!

一体なんだあのノイズは!?!?

黒のノイズは凄まじい力で俺達を圧倒する、ピンチに陥った俺は覚悟を決めたッ!!!!!

次回!魔弾戦姫リュウフォギア!!!

黒のノイズ!? 決めろ!全てを懸けた魔弾斬りッ!!!!!

次回は!
リュウケンドーの全てを懸けて!突っ走れ!!!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。