魔弾戦姫リュウフォギア   作:ライダーファイト(ただいま療養中)

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お気に入りが100件を越えたことに私作者はとてつもなく驚き、涙を流しました。

本当にありがとうございます…………!!!!!


少し嫌な気持ちで文章を書いてるんですけど、何故でしょうね。嫌な気持ちで書いてると何故か文章がスラスラと書けてしまうんです。
でもそんな気持ちで作品は描きたくないため、なんとか気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。

読者の皆様、こんな情けない作者ですが、どうかお力添えのほどをよろしくお願いいたします…………!
そしてめちゃくちゃ長文ですが、諦めずに最後までお読みください。


黒のノイズ!?決めろ!全てを懸けた魔弾斬りッ!!

 ドンドンドンッ!

 

「お兄ちゃん!起きて、朝だよっ!!」

 

「……………………………………………」

 

「お兄ちゃん起きてってば!朝だって言ってるじゃん!!」

 

「スー……………………スー……………………スー……………………」

 

「もおっ!部屋に入るからね!!!」

 

 

 ガチャ。

 

「お兄ちゃん起きてってば!もう7時過ぎだよ!」

 

「スーッ…………スーッ…………スーッ」

 

「お兄ちゃんってば、いい加減起きてよ!!もうすぐ朝御飯もできちゃうんだよ!!!」

 

「スーッ…………スーッ……………………んあっ」

 

 深く眠っていた俺だが、目を半開きで開けてみれば1番最初に映ったのは妹の響であった。

 俺はベッドに横になったまま、寝惚け眼で口を開いた。

 

「響…………? なんで俺の部屋に入ってるんだ?なんかあったのか?」

 

 多少寝惚け声で響が何故俺の部屋に居るのかを聞けば、当の響は俺に向かって少しの呆れ顔を見せる。その顔に軽くイラッと来た俺は、昨日の戦いで人間を当に越えた化け物大男に傷付けられた重い体を上半身だけ起こして、木の素材で出来ているベッドの頭に背を凭れさせた。

 

「なんかじゃないよ!もう朝ご飯が出来るって言うのに、お兄ちゃんがいつまでも降りてこないから、確認しに来たんだよ!見てみれば、まだ寝てるなんて!」

 

「……………………ゲッ!マジかよ!?響、今何時だ!!?」

 

 響の言葉に俺は驚愕の顔をして、妹の響に慌てながら現在の時刻を聞いた。すると響は、またも軽くイラっとさせる呆れた顔をして、俺に現在の時刻を教えた。

 

「もうっ…………後少しで7時半になるとこ、だから早く起きてよ!」

 

「後少しで7時半か。…………分かった、そんじゃあ起きるとしますか!」

 

 そう言って俺はベッドからゆっくりと起き上がれば、体に激痛が走ってしまうが、響に気付かれないように動いていくも、響は何か気になったのか俺に疑問を投げ掛けてきた。

 

「あれ?どうかしたのお兄ちゃん?」

 

「え…………何がだよ?」

 

「いやその、お兄ちゃんの動き方がちょっとおかしかったような気がして、なんか動きが少し引き摺ってるように見えて」

 

「そう見えたか?俺は普通に動いたんだけどな…………」

 

 響の言葉に俺は一筋の汗が流れながらドキッとしてしまうが、今度は響に気付かれないよう上手く平気そうな顔をしながら、響の顔を向けながら疑問入りの言葉を放った。

 

「ん~?あたしの気のせいだったのかな…………?」

 

「んなことより響…………お前いつまで俺の部屋に居るつもりなんだよ?着替えてぇから部屋から出てくれよ。それとも俺の裸が見たいのか?」

 

 俺の返答に、響は首を傾げクエスチョンマークでも出ているような考える顔になるが、考える仕草をしている響に俺は声を掛け、パジャマに手を掛けて脱ぐ行動をすれば、それを見た響は面白いぐらいにみるみる顔を真っ赤にさせて叫んだ。

 

「もうっ!こんなときにからかわないでよ!お兄ちゃんのバカッ!!!」

 

 響はそう言って俺の部屋から素早く出ていき、バンッ!と乱暴にドアを閉めてドタバタと階段を降りていった。

 

「なに怒ってんだ?ガキの頃は一緒に風呂に入ってたって言うのに、俺の裸なんざ見慣れてるだろうが?」

 

 そう言う俺だが、響が1階まで降りていってくれたのは有り難かった。響が居なくなったのを良いことに、俺はいつも通りの普通の顔から、苦しい顔へと変貌し部屋の壁に凭れかかった。

 

「響に…………こんな苦しい顔と大怪我を見せでもしたら、あいつのことだ。大騒ぎしながら家族に知らせるのは目に見えてるからな」

 

 俺はそう言いながら上半身に着ているパジャマのボタンを外していけば、そこに出てくるのは俺が懸命に鍛えた肉体と、そして誰から見ても顔をしかめるような紫色の痣が出来上がっていた。

 

「うわっ、酷っ…………」

 

 しかもご丁寧に、拳の痕もしっかりとできている。

 

「ったく化け物大男め、リュウケンドーの鎧も突き抜けるほどの威力のパンチを放つってどんなだ!しかもぶち当てた膻中のところにしっかりと痣ができるって、あの野郎確実に人間じゃねえだろ?」

 

 

 昨日、俺は人間の姿をした化け物大男に襲われ、ヤバイところまで追い詰められたのだが、運良く獣王ブレイブレオンが封印されていたパワースポットに廻り合い、そこでブレイブレオンの封印を解いて、何とかビークルモードのレオントライクで逃走することに成功した。

 レオントライクで無事逃走することは出来たのだが、家に到着した時もかなり大変だった。ボロボロでフラフラな体だったのだが、玄関から入れば家族にバレてしまうかもしれないため、必死に屋根を登って自分の部屋へと入るが壁に寄りかかって10分ほど休憩を挟んだ。

 

 休憩を終わらせば再び体を無理矢理動かし、着ていた私服をベッドの近くに脱ぎ捨て、脱ぎ捨てたパジャマを着てそのままベッドへと就寝に入った。のだが、寝た時間が夜中過ぎであったため、ハッキリ言って結構眠い。

 

「本当に、冗談抜きでキツいな。バイク運転するときは気を付けねえと…………」

 

 ぼやきながら、俺はめちゃくちゃ痛む体を動かして、眠気と戦いながら私服へと着替えていった。

 

 

「おはよう。ふわぁ~あ」

 

 痛みを堪えながらなんとか私服に着替えた俺は、階段を下りながら数回ほど欠伸を噛み殺し、肩にはバックとパジャマを下げて、パジャマは洗濯機がある場所まで持っていき、次はリビングに行って家族に挨拶をする。

 

「おはよう剣二。ちょっと待っててね、今ご飯入れるから」

 

「それにしても珍しいね、剣二が朝寝坊するなんて?」

 

「確かに、それにまだ眠そうな顔してるな。大丈夫か?」

 

 母さん、婆ちゃん、そして父さん、三者三様で俺に向けて心配そうな声を掛けてくる。因みに響を含めた4人は、もう少しで朝御飯を食べ終わりそうであった。

 

「まあ大丈夫。でも眠いのは確かなんだよな、最近どうにも疲れが取れないし寝たっていう気がしないし、体が気候に付いていけてないのかな?」

 

「本当に大丈夫お兄ちゃん?それでバイク運転しても平気なの?」

 

 大男に与えられたダメージを懸命に我慢して隠し家族に平気なのを伝えるも、少し体を伸ばしながらぼやいてしまう。その言葉を耳にした響が疑問と心配が入り交じった質問をしてきた。

 

「大丈夫だから心配すんな。だけどバイク運転するときは思いっきり安全運転でいかないとダメだな。スピードも抑えられるだけ抑えなきゃならねえ」

 

 妹の響でさえもそんなことを聞いてきたため、俺はいつも通りの声調で響に言ってやった。そのままバックを自分の椅子に掛け椅子を後ろへ引いて座り、朝御飯を食べようとする。

 

「はい剣二、どうぞ」

 

「ありがと母さん、いただきます!」

 

 母さんがよそってくれたご飯を受け取り、俺はお礼を言って手を合わせて食事への感謝を述べ朝食を食べ始める。

 

「急いで食わないと、時間的に危ねえからな!」

 

「剣二、そんなに急いで食べると喉に詰まるから気を付けて!」

 

 そう言って俺は大急ぎで朝食を口に入れていき、白米も大急ぎで掻き込んでいく。大急ぎで朝食を食べていれば、それを見た母さんが心配半分お叱り半分を入れた器用な声で注意してきた。

 

「了解です」

 

 母さんの注意に俺はしっかりと返事をして、手のスピードを緩めて朝食を食べていく。

 

 

 

「ごちそうさまでした!」

 

 朝食を5分過ぎで食べ終えた俺は、最後に牛乳を一気に飲み干し、食への感謝を告げた。

 

「じゃあ母さん、悪いんだけど時間もねえから俺さっさと行くな。それと大学終わったらそのまま喜一の家に行くからよろしく!」

 

「ええ、あんまり瀬戸山君に迷惑掛けないようにね剣二」

 

「剣二、楽しんでこいよ」

 

「向こうで風邪引くんじゃないよ」

 

「そんなに言わなくても分かってるよ。じゃあいってくる」

 

 俺は立ち上がって前々から伝えていた喜一の家に泊まることを伝えれば、母さん、父さん、婆ちゃんの3人はそれぞれの反応を見せた。

 3人の言葉に俺はちょっとだけうんざりしてしまうも、俺を心配してのことのため、しっかりと返事を返しながらバックを肩に下げて、俺は3人に手を振りながら家を出ることにした。

 玄関の前に行って靴を履き、靴紐をしっかりと絞めていれば、俺はふとあることを考えた。

 

(そういや今日は珍しく、響の奴先に出たな)

 

 そうなのだ。いつもなら響の奴は俺より後に出るか、俺と同時に家に出るはずなのに、今日のあいつは俺が朝飯を食べ終わる少し前に、先に準備を済ませて家を出たのだ。

 

(未来との待ち合わせでもまだまだ間に合うだろうし、今日が日直なら俺を起こした後すぐに出るはずだし、なんか気でも変わって早く出ることにしたのか?)

 

 心の中で考えるが、響の行動はいつも焦らされたり頭を抱えたりするので、俺はもう考えるのを辞めにして玄関の扉を開けた。

 

「…………………………なにしてんだ響?」

 

 玄関の扉を開けて俺がまず最初に目にしたのは、響が通っている中学の女物の制服、そして次は満面な笑みで微笑んでいる俺の妹、立花響が居たのだ。

 どうして響が学校に行っていないのかが分からず、俺はそれに対して疑問の声を投げ掛けた。

 

「えへへっ、今日はお兄ちゃんのバイクで学校まで乗せてって貰おうか~なと思って待ってたの♪」

 

「はぁぁぁ?」

 

「だって今日お兄ちゃんと居られるのはこの朝の時間だけなんだもん。それならこの時間だけでもお兄ちゃんと長く居ようと思って待ってたんだ!」

 

「………………………………」

 

「だからねお兄ちゃんお願い!バイクに乗せてくれない!この時間帯ならゆっくりなスピードでも間に合うでしょ」

 

 昔からの響の能天気な考えに俺は言葉が出ずに呆れてしまい、当の響はパンッ!と手を合わせてお願いを重ねてきやがった。

 

「ったく…………よお」

 

 響のこの裏のない真っ直ぐなお願いに、俺は顔を下げて斜め下に向け、なんとも言えない声を出しながら後頭部の髪を掻けば、響の方に顔を向けて答えを伝える。

 

「わあぁぁったよ。…………門の前で待ってろ、すぐにバイク出してくるからよ」

 

「やった!…………だからお兄ちゃん大好き!」

 

「へいへい…………有り難みもなくその言葉を受け取っておくよ」

 

 体は凄まじく痛むのだが、妹の響のあの顔を見たんじゃ断るに断り切れなかった。そのため俺は溜め息を吐きながらも、俺のバイクを入れてある物置小屋まで行き、扉を開けてまずは予備に買ったヘルメットを手に取る。

 そこから手に取ったヘルメットをバイクのメーター部分に置いてから、俺はHONDA CB400 SUPER FOURを引っ張り出す。

 自分のバイクを引っ張り出し門からも出せば、妹の響に向かって予備のヘルメットを手渡した。

 

「ほらよ響」

 

「ん。ありがとう」

 

 ヘルメットを手渡せば、響は歩を進めてヘルメットを被りシールドを下げる、俺もバイクに跨がってハンドルに掛けていたヘルメットを被りシールドを下げる。

 

「…………それじゃあ行くぜ」

 

「うんッ、いつでも良いよ」

 

 響の返答を聞いた俺は、バイクのキーを回し起動させ、ハンドルを強く握って回せばエンジンを吹かす。そしてアクセルを踏んでバイクを発進させた。

 風を感じるほどのスピードを出すが、それでも激しく痛む体に、余計なダメージを与えないよう細心の注意を払って運転する。

 そして後部座席に居る響はと言うと…………。

 

「わあぁぁぁ…………やっぱりお兄ちゃんの運転って良いな~。ねえお兄ちゃん、もう少しだけ飛ばせないかな?」

 

「…………少しぐらいならな。それで良いか?」

 

「うんッ!お願い!!」

 

 響がもう少しだけスピードを上げて欲しいと頼んできたため、俺は事故らないよう確認してから響に少しだけ顔を向けて、周りのエンジン音が阻害してもヘルメット越しから聞こえる声を出せば、どうやら響には聞こえたらしく賑にこやかな微笑みを見せて、同じく聞こえるぐらいので声量で返事をした。

 

「分かったよ。行くぜ」

 

 響の返事を聞いた俺は、もう少しだけエンジンを回しアクセルを踏み込み、愛車のスピードを上げた。

 

「ふふっ~ん。お兄ちゃんと一緒のバイク~」

 

 スピードを上げれば、響はさらにちょっとだけ強めに抱き付いてきた。そうすれば響の中学生にしては発育の良い柔らかい部分が、さらに俺の背中に押し当てられムニュと潰れてきたような気がした。

 その感触がなんなのか分かった俺は、ヘルメット越しからでも握り拳を口の所に添えて、「ンンッ」と響には聞こえないぐらいの声量で声を出し、すぐに顔を前へと向けてハンドルをしっかりと握ってバイクを運転していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 機動二課。

 

 

「叔父様。腕の方は大丈夫ですか?」

 

「ああ、このぐらいの怪我なら大丈夫だ!見ろ。これぐらいの怪我を負っているのにも関わらず、こんなに腕を動かせッ…………いたたたたっ!?」

 

 機動二課の司令部では、殆どの隊員が集結している中、風鳴弦十郎は右腕に包帯を巻き、三角巾を結んで肩に掛けていた。

 その姿はまさに、数日前の天羽奏と同じであった。

 

 

 弦十郎は昨日のリュウケンドーのサポートアニマル、獣王ブレイブレオンの登場によりかなりの傷を負っていた。他の体の箇所は掠り傷で済んでいるのだが、1番の重傷は右腕であり、その理由は獣王ブレイブレオンによって右腕を集中的に攻撃を受けたためである。

 そのため昨日の戦いが終わった後は、奏と翼の2人で弦十郎をヘリに乗せ、緊急で起動二課に戻れば医務室に弦十郎を連れていき、右腕の治療をしたのである。

 

 

 平気そうな顔で腕を上げるも、激しい痛みに苦悶の表情を抱える弦十郎を見て、奏は椅子に座りながら背もたれに腕を乗せて、乗せた腕に顎を乗っけて呆れた顔で告げた。

 

「いくら心配させまいとは言え無理すんなよおっちゃん。その怪我しまくった腕、まだまだ痛むんだろ?」

 

「ああっ…………奏、お前の言う通りだ」

 

「はぁ~。やれやれ」

 

「それにしても右腕をあれだけ集中的に攻撃されて結構な怪我を負ったって言うのに、検査したら明日になれば治ちゃうなんて…………相変わらず弦十郎君の体はどうなってるのかしら?」

 

 奏の言葉に、弦十郎は少し苦しい顔をしながらも笑みを見せて、そんな弦十郎を見れば、奏は背もたれに乗せていた腕を横へと出して、さらに呆れた顔となって溜め息を吐きながら呟いた。

 その呆れが含まれた呟きに、奏の隣にいた科学者の桜井了子は、弦十郎のカルテを見ながら弦十郎の異常すぎる体の回復力に疑問しかない言葉を放った。

 

「普通なら全治1ヶ月以上は安静にしておくぐらいの怪我を負っている筈なんだけどね」

 

「了子さん、おっちゃんの体の異常性なんて今に始まったことじゃないだろ?もう気にする方が無駄ってもんだよ」

 

 疑問を浮かべる了子に対して、奏は手をヒラヒラと振りながら即答した。

 奏のその言葉に、桜井了子も「それもそうね」と納得を入れて、弦十郎の体の疑問とはおさらばをすることにした。

 そんなことを語り合う奏と了子に、当の弦十郎は至って真剣な表情を2人に向けて伝える。

 

「何を言っているんだ2人とも。俺のような過ごし方をしていれば、こんな体になるぐらい簡単だぞ?」

 

 平然と言ってのける弦十郎であるが、奏と了子の2人は光の速さもよろしくの速度で、「「いや、それは絶対にあり得ない(わ)」」と即答した。確かに弦十郎が普段しているようなことをしても、あれほどの異常としか言いようのない肉体が出来上がることは、絶対に不可能と断言できるであろう。

 

「第一におっちゃんがやっていることであんな異常な体が出来たら、それこそノイズ以上に世界が混乱することになるぞ」

 

「奏ちゃんの言う通りよ。それに未確認の騎士君だって、弦十郎君と対峙して化け物だって思ったんじゃないかしら?」

 

「…………………………………………確かに、そんなことを言われたような気はするな?いや、だが彼だって今から俺のように過ごせばそのうち…………」

 

「叔父様。大変に申し訳ありませんが、いくら未確認の騎士でもそれは不可能だと思います。昨日叔父様と戦った未確認の騎士も足がかなり覚束ない状態でしたから、かなり限界に近かったと思います」

 

「司令。いくら上層部の命令でも、やはり少しやり過ぎだったんじゃないですか?」

 

「…………………………………………………」

 

 奏と了子、2人の言い分に弦十郎はたじろぎながらも言い返すが、さらにそこから姪である翼の追い討ちの言葉に、さらには心から信頼を置いている緒川慎次の追撃の台詞に、弦十郎は最早なにも言い返すことが出来ず、黙ることしか出来ずにいた。

 

「……………………よ、よし!そんなことよりだ。昨日未確認の騎士が使役していたような、ライオンみたいなものについて少し考察しよう。藤尭、昨日の映像を出してくれ」

 

「話を変えたな」

 

「…………そうね」

 

 無言でいるものの、すぐに弦十郎は話題を変えるため、昨日リュウケンドーがパワースポットの封印から解いた。獣王ブレイブレオンについて語り始めることにした。

 モニターを操作しながら弦十郎の言葉に、オペレーターの藤尭は半目で弦十郎の方を振り向き見てボソッと呟き、藤尭の呟きが友里の耳には聞こえたようで、彼の言葉に同意を示した。

 

「…………昨日、未確認の騎士はかつてパワースポットとして有名だった場所から白い獅子を出現させた」

 

「そのパワースポットの場面は奏ちゃん達は見てはいないのだけど、シンフォギアに装着されていたカメラの映像を確認して見たんだけど、まさか未確認の騎士君にあんな仲間が居るなんて驚いたわ」

 

 弦十郎の深刻そうな表情に、桜井了子は頷きながら答え、さらに続けて言う。

 

「因みに映像だけでもあの獅子を解析したんだけど、解析結果…………あの獅子は未確認の騎士君と同等の力を持っていると判断されたわ」

 

「「「ッ!!?」」」

 

 了子のその言葉に、奏と翼と弦十郎の3人は戦慄でも走ったかのような顔付きとなった。

 

 それもそうであろう。

 

 

 機動二課で未確認の騎士という呼称で呼ばれている魔弾剣士リュウケンドー。

 

 彼は自分の持っている得物の剣で、まるで紙を斬るかのようにズバッと小型ノイズの大群を難なく斬り伏せている。そして大型ノイズにも怯むことなく立ち向かい、今まで積んできた戦闘経験を発揮して大型ノイズも見事に倒しているのだ。

 そのような正体不明の強者が存在しているにも関わらず、彼と同等レベルの存在が昨日いきなりパワースポットに現れ、リュウケンドーとともに去っていったのだ。

 

 そんな3人の顔が未だに戦慄が走っているが、それでも言葉を口から出した。

 

「未確認の騎士の野郎はあんな炎の力を持ってるだけじゃなく、自分と同等レベルの力を持つ奴が居たのかよ」

 

「もしかしたら…………未確認の騎士は私達の想像を遥かに越えた力を隠し持っているかも知れない」

 

「…………翼の言うことには一理あるな、俺と藤尭も彼はまだまだ力を隠していると踏んでいたが、まさかこう来るとは。…………全く持っての予想外だ」

 

 奏は難しい顔をしながら髪を掻き、翼は口に手を当てて考え込み、弦十郎は左腕を上げて降参でもするかのような仕草で言った。

 藤尭を含めた機動二課の隊員たちも悩む中、了子はまたモニターの画面に映っている、ビークルモードに変形しレオントライクに乗ったリュウケンドーを見て、再び思案する。

 

(ここまで私達の予想を越え抜いた力。…………やっぱり1番に障害になり得るのはシンフォギア装者ではなく、この未確認の騎士君になりそうね)

 

 

「そう言えば…………戦闘映像で拝見しただけなんですけど、未確認の騎士はあの獅子のことを名前で呼んでませんでしたか?」

 

「「「「え?」」」」

 

 少々固まった空気の中、その空気を破るように緒川慎次が口を開いた。緒川のその台詞に、4人は一斉に素の声を出しながら緒川の方に顔を向けた。

 そんな4人の視線に何も気にすることなく、緒川は自ら出したことについて語ることにした。

 

「いえ、ですから昨日の未確認の騎士…………あの時、自らの手で産み出したと言う、白い獅子のことを名前で呼んでいましたよね?声の方はかなりのノイズまみれで解読が出来ませんでしたが」

 

 緒川の言葉に、司令官の弦十郎は顎に手を当て頷きながら言う。

 

「…………そう言えばそうだな。未確認の騎士はあの獅子のことを名前で呼んでいたな」

 

「確か未確認の騎士、あたしたちの前であの白い獅子の名前言ってたよな。なんて名前だったっけ?えーっと…………プライド?いや違う、フラ?も違う。フレ?も違うしブラ!でもないし!えーっと?えーっと!」

 

「ブレイブレオン!…………未確認の騎士はあの白い獅子のことをブレイブレオンって呼んでたよ奏」

 

「! そうっそれだ!ブレイブレオンだ!ブレイブレオン。助かったぜ翼ッ!」

 

 弦十郎の言葉に、奏は人差し指を出してクルクルと回しながらブレイブレオンの名前を必死に口から出そうとするが、一向に名前が出てこず、このままでは話が進まなくなると気付いた翼は、少々呆れた様子で親友の奏にブレイブレオンという名前であったことを教えた。

 翼から獅子の名前を教えられた奏は、すぐにピンッと来て翼に人差し指を向けてお礼を言う。しかしそんな奏に翼は、呆れた顔のまま溜め息を吐いて奏に言った。

 

「もうっ奏!!戦いのことばかりじゃなくて、こういう他のことにもちゃんと気を配ってよ!」

 

「わ、分かってるって!?翼は本当に細かいな~」

 

「…………奏が大雑把すぎるだけでしょ」

 

 奏と翼のちょっとした言い合いが始まるが、それを見兼ねた弦十郎が止めに入った。

 

 

「そこまでだ。奏、翼」

 

「も、申し訳ございません叔父様!?」

 

「わ、悪かった!おっちゃん!?」

 

 弦十郎の声に、奏と翼の2人はすぐに姿勢を正して弦十郎に謝罪した。そんな2人の反応に弦十郎は軽く微笑んむが、それも一瞬。すぐに考え込む表情に変えて口元に手を添えて語る。

 

「それにしても、未確認の騎士がパワースポットから産み出したあの獅子の名前は、ブレイブレオン…………か」

 

「ブレイブレオン…………。訳すのなら勇ましき獅子。他には勇敢や勇気とも訳せますが…………」

 

「…………確かにあの白い獅子には勇ましい貫禄(かんろく)(うかが)えられたな、その名で呼ばれるのも納得がいく」

 

 緒川の言葉に、弦十郎はうんうんと頷いて納得する。

 だが気になることがあり、それを尋ねようと奏と翼が発言に入った。

 

 

「まあ…………あの白い獅子がブレイブレオンっていう名前は分かったけどよ。あたしはもう1つ気になることがあんだけど」

 

「「「「「???」」」」」

 

「私も奏と同じことを聞こうと思っていました。…………叔父様、上層部の方は大丈夫なのですか?納得してくれたのでしょうか?」

 

「ああ…………そのことか」

 

 奏と翼が気になっていたのは上層部のことであった。

 それもそうであろう。昨日、機動二課は上層部から、これを最後にどんな手を使ってでもリュウケンドーを捕獲しろと命じられていた。そのため機動二課の司令官である風鳴弦十郎が直々にリュウケンドーの捕獲に動いた。

 

 圧倒的な力の差でリュウケンドーを追い詰め、捕獲まで後一歩の所まで来ていたのだが、最終的にはリュウケンドーがパワースポットの封印を解いて、獣王ブレイブレオンを呼び覚ました。

 その結果、獣王ブレイブレオンが呼び覚まされたことにより、驚きに包まれていた弦十郎は不意を突かれてしまい、弦十郎はかなりの重傷を負わされてしまった。

 しかし、それだけの大怪我を負っていながら、明日になれば治ると言うのは、かなりおかしいことだが。

 

 

「上層部の件なんだが、未確認の騎士の捕獲は…………」

 

「「「「「「……………………」」」」」」

 

「未確認の騎士の捕獲は完全に取り止めとなった。」

 

「「「「「「ッ!!?」」」」」」

 

 弦十郎の雰囲気に、皆は緊張を表すように唾を飲み込んで黙ったが、次に弦十郎の放った言葉に、皆はワッと言うかのように喜びを出した。

 そんな皆の喜びの反応に、弦十郎も続けて微笑んで続ける。

 

 

「流石の上層部も…………未確認の騎士が持っているあの炎の力とブレイブレオンと呼ばれる強力な白い獅子を観れば、首を縦に振らずにはいられなかったさ」

 

 みんなに伝えれば、弦十郎はいきなり顔を下に向けて「くっ…………くっ」と笑っており、なぜ弦十郎は笑っているのかと疑問を持ちながら奏たちは首を傾げるが、弦十郎はみんなが疑問を浮かべて首を傾げていることに気付かず、笑いながら言った。

 

「それにしても、ブレイブレオンと呼ばれた白い獅子の力を見た上層部のあの顔は傑作だったな!全員顔を青白くさせて、首を縦に振ったんだ。あれは傑作すぎる」

 

「アッハッハ!そいつは確かに傑作だな!でもよぉ、おっちゃん!上層部のそんな顔見て笑うなんて、おっちゃんも悪い奴だな」

 

 弦十郎のその言葉に二課全員が笑い、奏も笑いながら答え、弦十郎はさらに口角を上げて言い放つ。

 

「まあこれで、厄介な面倒ごとが1つなくなったんだ。これぐらいはしても罰は当たらんだろ」

 

『『『アッハッハッハッハ!!!!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弦十郎たちが機動二課の指令本部で笑っている頃、リュウケンドーに変身する立花剣二と妹の立花響と言うと。

 

 キイイィィィッ!!

 

「ほらよ響、お前の通う中学校に到着したぜ」

 

「はーい。ありがとねお兄ちゃん♪」

 

 妹の立花響が通う中学校の校門前にバイクを停めて、響はご機嫌に後部座席から降りれば、ヘルメットを脱いでそれを兄あに剣二けんじに渡す。

 

「ああ、ちゃんと勉強しろよ。それから授業中に居眠りこくんじゃねえぞ」

 

「分かってるってばお兄ちゃん!それじゃあねぇ~!!」

 

「おう、お人好しも程々にな」

 

 元気な声で手を振っている響を見送る剣二、響が背を向け学校に行けば、軽く鼻で溜め息を吐いて、上げたヘルメットのシールドを再び下げ、バイクのエンジンをかき鳴らし、アクセルを踏んで発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 弦十郎を含めた機動二課の面々の笑い声が響くが、数分程でその笑い声は収まれば、弦十郎は左手の握り拳を口に当て、少し離してゴホンと咳払いをした。

 

「はーっ、こんなに笑ったのは久し振りだな。…………さて本題に戻るが、俺達にとっての厄介ごとは1つ無くなったわけだが、それでもまだまだ難題が残っている。みんな!まだまだ苦労するかもしれないが、油断のないよう事に当たってくれッ!!」

 

「「「「「了解ッ!!!!」」」」」

 

 司令官である弦十郎の言葉に、二課の隊員たちは姿勢を正して、活力の入った返事をした。

 

 部下たちのそんな返事を聞いた弦十郎は、笑みを称えて深く頷き「よしっ、それじゃこれで解散だ。それぞれの持ち場に着いてくれ」と言った。

 そして二課の隊員たちは、また「了解ッ!」と返せば、自分たちが担当する持ち場へと向かっていった。

 

 隊員たちが持ち場へと向かっていくと、椅子に座っていた奏が立ち上がり言う。

 

「それじゃ、あたしらもこれで退散するか!行こうぜ翼」

 

「あ、うん。そうだね奏」

 

 奏の言葉に、翼も反応して返答し彼女の元まで近寄る。そんな奏と翼に、弦十郎は彼女たちの方へ向いて聞く。

 

「確か奏と翼は今日はライブもなにもないんだったか?」

 

「ああ。だから今日は翼と一緒に学校に登校しようと思ってる!」

 

「はい。いくら私達がアイドルでも、学業の方も出来るだけ疎かにしないため、今日は行こうと思っています」

 

 因みにだが、今日の2人の服装はいつも彼女たちが着ている仕服ではなく、彼女たちが通う学校の制服であった。

 

「そうか。2人には無理をさせてすまないな、俺が言うのもなんだが…………学園生活、しっかりと楽しんでくれ」

 

 弦十郎の言葉に、奏と翼は満面の笑みを称えて大きな声で元気よく答えた。

 

「はいっ!ありがとうございます!」

 

「ああ!楽しんでくるよおっちゃん!」

 

 そう答えて奏と翼は手を振りながら司令室から出ていき、弦十郎も笑ってそんな2人を見送った。

 

 

「……………………」

 

 司令部から出た奏は1分ほど走っていたが、足の速度を緩めて歩きへと変えた。しかし表情の方はなにか思案しているような顔であった。

 親友のそんな顔を見た翼は、奏の横顔を見ながら尋ねた。

 

「どうかしたの奏?少し深刻そうな顔してるけど?」

 

「ッ!ああ、ちょっと気になることがあってな」

 

 奏の言葉が気になる翼は、「ん?」と言って首を傾げて疑問を出すも、翼の方も色々と気になり思いきって聞くことにした。

 

「一体どうしたの奏?何かあるんだったら言ってくれる?」

 

「ッ…………」

 

 翼の真剣な表情に押された奏は、困った顔をして後頭部の髪を掻けば、その後で降参という顔をして両手を上げて喋った。

 

「分かったよ翼、降参。素直に話すから、そんな真剣な顔は止めてくれ。肩が凝っちまうからさ」

 

 言って奏は肩を竦めると、そんな微かな動きとともに彼女の胸元の大きな2つの塊がゆさっ、と効果音が付きそうな勢いで揺れた。

 

「……………………………」

 

 親友が持つその大きな塊の揺れを見た翼は、一瞬のうちに目のハイライトが消えて、半目で奏の胸を見た。

 

「ど、どうかしたか翼?」

 

 親友が纏っている雰囲気が変化したのを感じ取った奏は、多少たじろぎながらも翼に声を掛けた。

 

「あっ!?な、なんでもないよ奏!それより奏の気になってることってなんなの!?」

 

「お、おう。実はな…………」

 

 奏の声にすぐ意識を取り戻した翼は、奏に両掌を見せて慌てながらも返事を返した。相棒のその行動に、奏は少々たじろぎながらも、今自分が気になっていることを口にする。

 

「未確認の騎士が新しい力を得ただろ?まああれが新しい力と見るべきかは、ちょっと分からないんだが…………あいつとは色々とあったからさ」

 

「うん…………まあ、そうだね」

 

「でよ。これまでの戦いで考えちまったんだ、未確認の騎士が隠し持っていた力とブレイブレオンって呼ばれた獣の力…………近いうち、もしかしたらもうすぐそこまで、何か恐ろしいことが迫ってるんじゃないかって、あたしは考えちまったんだ!」

 

「……………………………」

 

 そんな天羽奏に、風鳴翼も深刻そうな顔となった。

 

 ある意味で彼女の言葉は的を得ていた、魔弾剣士リュウケンドー変身者である立花剣二が持つ光のカノンの書にはこう書かれていた。

 【”次に来るのは最悪な敵、その敵を討てるかどうかは自分自身次第。生きるか死ぬかは貴君の力のみ、自分自身の運命は自分自身の力で斬り開くのだ”】と、下手をすれば今回の戦いでは、恐るべき最悪の敵が彼と彼女たちに襲い掛かり、死ぬことになるかもしれない確率があるということだ。

 

 しかし、そのようなことが起こるとは2人は知ることはない。だが、それでも天羽奏は深刻ながらも真剣な表情で翼に顔を向けて告げる。

 

「色々と気になるんだよ。あたしらどころか、この機動二課ですら想像の及ばないことが起きていて…………もしかしたら、シンフォギアじゃ対抗できないんじゃないかって考えちまうんだ、情けないけど不安なんだ」

 

「奏…………」

 

 明るく振る舞う親友のそんな姿を見て、翼はただ彼女の名前を呟くことしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「最後の講義終了。お疲れさんッと」

 

 最悪の講義が終わりを告げ、俺は体を真っ直ぐに伸ばす、しかし途中で体に激しい痛みが走ってきたため、俺はすぐに体を伸ばすのを止めて、自分が座っている席から立ち上がった。

 俺が席から立ち上がれば、斜め後ろの席に座っていた鈴があの話を持ち掛けてきた。

 

「ねえ、今日もあの白い仔犬の捜索しない?」

 

 鈴のその言葉に、俺は顔を向けて言い返す。

 

「探すのは良いけどよ。どこかアテあるか?」

 

「申し訳ありませんが剣二の言う通りです。闇雲に探しても見つからないと思いますよ?」

 

「それは、そうだけど…………」

 

 俺と喜一の言葉に言い返すことができず、鈴は呟きながらも押し黙ってしまうが、そんな鈴を見て俺は「言い過ぎちまったかな?」と気まずそうな顔をするも、すぐに立ち上がって言った。

 

「分かった分かった。とりあえず俺達があの白い仔犬を見た場所まで行って、あの周辺を三手に別れて探してみよう!」

 

「剣二…………!」

 

「ただし鈴!1時間以上探しても見つからなかったら止めにするぞ。近頃ニュースでノイズの動きがおかしいって言ってるらしいからな、それに今日俺は喜一の家に泊まるって決めてるしな!」

 

「えっ、なにそれ!?」

 

 俺の台詞に鈴が驚愕の声を上げて、まるで必死な表情で俺に詰め寄って来た。そんな鈴の行動に、俺は軽く引きながら、戸惑いながらも説明を始めた。

 

「いや俺、今日は喜一の家に泊まるんだよ。喜一の家…………今日は両親が2人ともいないみたいだから、なら丁度良いし泊まろうかなってよ」

 

 鈴にそう説明してやると、鈴は俺に顔を近付けて言ってきた。

 

「それなら私も瀬戸山君の家に泊まりに言ってもいい?私も久し振りに泊まりに行きたいし、良いでしょ!?」

 

 鈴のその台詞に、俺と喜一は首を傾げながら渋った。

 

 

「鈴、流石にそれは…………厳しいだろ?」

 

「ええ、いくら幼なじみとはいえ、男性の家に泊まるとなると…………最近の世間の目はキツいですから」

 

「う…………確かにそうかもしれないけど、でも良いんじゃない?久し振りに3人で泊まってみようよ!」

 

「ならまずは鈴の家族からも聞いてみたらどうだ?多分ダメだと思うけどな」

 

「僕も剣二と同意見です。鈴さん、さすがに今の世間のことも考えるとなると僕も大変ですから、泊まらせるのは厳しいですよ」

 

 俺と喜一がそう言うと、鈴は納得がいかないようで頬を膨らませて怒った一面を見せる。

 

「分かったわよ。それじゃあ家族に聞いてみるから、許可が降りたら私も瀬戸山君の家に泊まらせてよね!」

 

 などと言って携帯を取り出し、少し俺達から離れて家族に電話を掛けに行った。

 

「多分どころか…………絶対に無理だと思うけどな」

 

「ええ…………僕もそう思います」

 

 互いに顔を見合わせながらそう言うと、少し離れた先では鈴がなにか言い合いをしているようで、大方家族から反対されているのであろうが、鈴の奴も必死で説得しているようだが、あれは完全にダメであろう。

 そんなことを重いながら見ていれば、鈴は電話を切って俺達の方に振り向けば、まさに分かりやすさ全開でとぼとぼと俺達の方へと戻ってきた。

 

「ダメだった。お母さんがワガママ言わないで、ちゃんと家に帰ってきなさいって」

 

 それを聞いた俺は軽く苦笑混じりの笑顔を見せて、立ち上がる。

 

「しょうがねえだろ!今のご時世それが普通だ。…………そんじゃ、鈴の電話も終わったことだし、仔犬探しに出ようぜ」

 

「そうですね!」

「…………うん」

 

 俺の言葉に喜一は良い返事をして、鈴の方は未だに納得できていないようで、元気のない返事をした。そして俺達は大学から白い仔犬の探しに急いで出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結局、今日も見つかんなかったな」

 

「仕方ないですよ。こうなることは誰もが予想してました。でも、鈴さん悲しい顔してましたね」

 

 そう言いながら俺はさらにバイクのスピードを上げる。

 後部座席には喜一が座っており、バイクから振り落とされないよう俺の腹に手を回している。

 

 いくら親友でも男を後部座席に座らせているのは、なんともまあ複雑なもんだが、喜一の家に泊まらせてもらうのに、俺はバイクで喜一の家に行き、当の本人は歩きというのは酷すぎるので、携帯で連絡をとって喜一を拾い、その次に鈴とも連絡をとって合流し、さよならをして別れた。

 

 そして今は、喜一の家の方面に向かってバイクを走らせている。

 

(それにしても鈴の奴、最後の最後まで納得できない顔してたな~。気持ちは分からないでもないが、こう言う時は潔く諦めるべきだぞ、鈴)

 

 バイクを走らせながら心の中で呟けば、ある疑問が頭に浮かび、俺はバイクのスピードを少し下げて、後部座席にいる喜一に顔を向けて尋ねた。

 

 

「そういや喜一よ」

 

「ん?どうかしましたか剣二?」

 

 声量を上げて喜一に尋ねれば、喜一の方も聞こえたらしく、喜一も聞こえるぐらいの声量を出す。

 

「いや晩飯はどうするのかと思ってよ?今から行く銭湯で飯食うのか?それともお前の家にある材料で、俺がなんか作るか?」

 

「ああ、それなら大丈夫ですよ。今から銭湯に到着して入っても僕たちなら2時間ほどで銭湯から出るでしょうから、8時半過ぎには寿司が届くよう予約してますよ!」

 

 晩飯の事を聞けば、喜一は既に寿司の予約をしているようで、俺達が銭湯から喜一の家に戻っている時間帯であれば、10分ほどで寿司がやってくるだろう。

 

 それを聞いた俺は、バイクのハンドルを握っている力を強めて笑った。

 

「はっはっは!既に寿司を予約してんのか。さすが喜一、抜け目がねえぜ!」

 

「前々から剣二が泊まるのは聞いてましたから、それにお寿司を買うぐらいの貯えはちゃんとありますよ!」

 

「そんじゃ、晩飯は美味い寿司を食うために、さっさと銭湯へと行きますか!さっきよりスピード上げるぜ喜一」

 

「ええ、よろしくお願いします。剣二」

 

 銭湯に到着した俺達は、素早く風呂に入りゆったりと寛ぎ、風呂から出ればしっかりと髪を乾かしたり体を(ほぐ)したりして、最後にコーヒー牛乳を飲んで銭湯を出た。

 その後はどこへも寄り道することなく喜一の家まで向かい、晩飯の寿司が来るまで適当に遊び、時間通りに寿司が来て俺と喜一は4人前の極の寿司をペロリと食べた。

 

 

 

「ふぅ~、食った食った…………ごちそうさんと」

 

「食べましたね。それでも少し多かったんじゃないかと思いますが」

 

「俺達はまだまだ若いんだ。あれぐらいしっかり食べておかないとダメだと思うぜ?」

 

「……………………そうでしょうか?」

 

 寿司を食べ終わった俺は喜一と軽く駄弁り、冷蔵庫にある飲み物を貰おうとした瞬間、俺の後ろポケットに入れてあったモバイルモードのゲキリュウケンに軽く触れた時、今までとは違う勢いで俺の脳内に認定特異災害のノイズの出現場所を映し出した。

 

 しかし、俺の脳内には映し出された場所の情報量が凄まじく。それだけではなく、今までにはなかった断片的ながらも、まるでこれから起こるかのような感じで俺や機械の鎧を纏った2人組の女、そしてノイズとの激しい戦闘のシーンとヒューマノイドノイズにやられている俺達の映像が流れた。

 

「ぐっ…………!?ぐぎッ…………あがっ、ずっ…………はっ、はっ!?」

 

 あまりにも激しい情報量に俺の脳だけではなく体も付いていけなくなり、鋭い頭痛がやってきて俺は両手で思いっきり頭を抑え、喉も閉められるほどの息苦しさがやってきて、その苦しさに耐えられず膝を折り曲げてしまった。

 なんとか倒れそうになるのを抑えて、俺は気をしっかりと持って落ち着きながら息を吸い、目を瞑った。

 

「剣二!?どうかしましたか…………?」

 

 いきなりの俺の異常事態に、喜一は心配しながら俺に声を掛けながら駆け寄って来る。

 

「すまん大丈夫だ。心配すんな」

 

 駆け寄ってきた喜一に心配を掛けないよう、掌を向けて大丈夫だと伝え、俺はなんとかふらつくことなく立ち上がる。

 

「悪い喜一、ちょっと外の空気吸ってくるわ。ついでにバイク雑誌も買ってくるわ」

 

「え?…………ええ、それは別に構いませんが、大丈夫なんですか剣二?かなり苦しそうでしたけど」

 

「ああ大丈夫大丈夫。多分息苦しいとかそんなもんだろう?外の空気目一杯吸えば大丈夫だよ」

 

「それなら良いんですけど…………何かあってらすぐに電話してくださいよ」

 

「へいへい、そんな心配しなさんなって、大丈夫だからよ」

 

 喜一の心配性まみれの言葉を右から左へと受け流し、俺は手を振りながら喜一の家の玄関に立ち止まり、1度振り向いて喜一に声を掛ける。

 

「そんじゃちょいと出てくるわ。ま、もしもなにかあった時は連絡するし、俺の親から確認の電話がきたら誤魔化しよろしくな!」

 

「…………まったく、出来るだけのことはしておきますよ」

 

 互いに、いつも通りのやり方を伝えて、俺は喜一の家へと出た。

 

 

「…………今までにないゲキリュウケンからの報せ、そしてまるでこの後に起こるかもしれないと言う現実味すぎる映像…………まさかこれが光のカノンの書に出た最悪な敵ってことか?」

 

 喜一の家を出た俺は、歩きながらゲキリュウケンが見せた映像に思案を巡らせたが、今はそんな思案などすること自体が無意味なため、俺は考えることをやめた。

 なぜなら、ゲキリュウケンが俺の脳内にノイズの出現場所の映像を見せたということは、今日ノイズが現れるのは絶対だ。

 迷う気もさらさらねえしな。

 

(それに、例え最悪な敵だろうと逃げるわけにはいかない。死ぬことになったとしても家族を悲しませる結末になっても、俺の命と引き換えにしてでも最悪なノイズを倒してやるさ!)

 

 心の中で絶大な決意を固めた俺は、喜一の家から充分離れたことを確認して、道のど真ん中に立ち止まる。

 

「行くぜっ!ゲキリュウケン!!」

 

 ノイズと戦うための覚悟を口にし、俺は尻ポケットに入れてあるモバイルモードのゲキリュウケンを取り出し、名前を呼んだ。そうすると、モバイルモードのゲキリュウケンが光出せば、一気にゲキリュウケンは剣の姿となった。

 

「リュウケンキー、発動!」

 

 ゲキリュウケンのマダンキーを挿し込むための開閉装置を上げて、俺はリュウケンドーに変身するためのマダンキー・リュウケンキーを発動させた。

 発動したことにより、キーの部分が飛び出し俺は勢い良くリュウケンキーをゲキリュウケンへと挿し込むとともに、開閉装置を下げて変身を行う。

 

 

『チェンジ リュウケンドー』

 

「撃龍変身!」

 

 

 ゲキリュウケンから青白く発行するエネルギーが出てくれば、俺は右手に持っているゲキリュウケンと左手でも持ち、俺の前まで持って来て言った。

 そうすると、ゲキリュウケンから青白い龍が飛び出し天高く舞い上がる。龍は空中で止まり巨大な咆哮を放ち、真下に居る俺目掛けて降りてくる。

 

「……………………!」

 

 俺は龍を全身で受け止め、顔には龍の顔を思わせる仮面、体には白と青と金の鎧が俺を纏った。

 

「ふっ!…………魔弾剣士リュウケンドー。来神ッ!」

 

 魔弾剣士リュウケンドーに撃龍変身した俺は、ゲキリュウケンを振ってポーズを決め、力強く台詞を口にする。

 そのまま俺はマダンキーホルダーを回して、1つのマダンキーを引き抜き、ゲキリュウケンに挿し込んで回し発動させる。

 

「マダンキー!…………レオンキー発動!」

 

『ブレイブレオン』

 

「いでよ!ブレイブレオン!」

 

 レオンキーを発動させたゲキリュウケンを前の地面に向ければ、ゲキリュウケンから召喚魔法が放たれ地面に当たり魔方陣が現れれば、現れた魔方陣から勇気を司る獅子獣王・ブレイブレオンが出現した。

 

 

『ガアアァァァァァッ!!!!』

 

 魔方陣からブレイブレオンは現れれば、力強い咆哮を上げた。

 

「ブレイブレオンッ!!ビークルモードだ!」

 

 しかし俺はブレイブレオンの咆哮を気にすることなく、獣王ブレイブレオンにビークルモードへのチェンジを指示した。

 

『ガアァァァァァッ!!』

 

 俺の指示を聞いたブレイブレオンは、跳躍するとともにビークルモードのレオントライクへと変形した。

 

「一気に行くぜ、ブレイブレオン!」

 

 レオントライクへと変形したブレイブレオンに俺は跨がり、ハンドルを握りアクセルを踏み込んでノイズが出現する場所に向かって発進させた。

 

 俺がブレイブレオンに声を掛けた時、レオントライクに変形していたブレイブレオンは、俺の言葉に返事をするように唸り声を上げ、赤い瞳が強く光った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!

 

 

「司令ッ!ノイズの出現を確認!!それと未確認の騎士は既に出現ポイントに居ます!」

 

 ノイズの出現を確認した機動二課では、けたたましいほどのサイレンが鳴っており、オペレーターの藤尭が司令官の弦十郎に報告した。

 

「場所はどこだ!数は何体だ!?」

 

「出現場所はスクランブル交差点!!数は…………ッ!?…………100体を優に越えています!!?」

 

「「「「「!!!??」」」」」

 

 

「そんなっ!?」

 

「嘘だろっ!?」

 

 弦十郎がノイズの出現場所と出現数を聞けば、司令室にいる数多くの隊員たちが驚愕の表情となっていた。

 それを聞いた奏と翼は驚愕の表情をしながら声を上げ、司令官の風鳴弦十郎も衝撃を受けながらもオペレーターに再度問いた。

 

「100体以上だと!?一体どういうことだ!!?」

 

「分かりません。…………ですがレーダーには100体を越えるほどの数が出ていますし、これからモニターにも映します」

 

 友里あおいはキーボードを操作して司令室のモニターを映し出せば、モニターに現れたのは100体も軽く越えるほどのヒューマノイドノイズと、100体以上のヒューマノイドノイズと懸命に戦う魔弾剣士リュウケンドーの姿であった。

 

 

 モニターに映し出されたリュウケンドーの姿を見た弦十郎は、すぐさま奏と翼に緊迫した表情で指示を出した。

 

「奏!翼!大至急出現ポイントに向かってくれ!未確認の騎士の彼を援護するんだ!!」

 

「はいっ!」

 

「分かった!」

 

 弦十郎の指示を聞いた2人は素早く返事を返して、司令室を出ていった。

 2人の背中を見送った弦十郎は、すぐにモニターへと目を移し、ヒューマノイドノイズと激戦を繰り広げているリュウケンドーを心配そうな目で見ながら呟いた。

 

「本当に、一体どういうことなんだこれは!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「確か出現場所はここだったな?」

 

 100体以上のノイズが出てくる数分前。

 

 レオントライクに乗ったリュウケンドーが、100体を越える小型のヒューマノイドノイズが出現するスクランブル交差点へと到着した。レオントライクにブレーキを掛けたリュウケンドーは、レオントライクから降りて一言呟き周囲を見回した。

 

 

(戦う場所はこのスクランブル交差点のど真ん中、今までになかった出現場所。そして俺でも苦戦するほどの最悪の敵…………ッ!?)

 

 心の中で思案していると、いきなり俺の背中を撫でるかのようなゾッとするほどの気配を感じ、俺は後ろを振り向いた。

 

「おいおい嘘だろ?今までなかったぞ、こんなこと!?」

 

 振り向いて見た俺は、その光景に意義を申し立てるも、それに答えてくれるものなど何処にもいない。なぜならそこに現れたのは100を越える処か、寧ろ1000を越えているのではないかと言わんばかりだ。

 

「これはいつも以上の覚悟で戦わなきゃならないみたいだな…………!」

 

 俺の体はあの人間を越えた化け物男との戦いでかなりの怪我を負っている、下手をすればこの戦いで俺の怪我は余計に酷くなるだろう。

 それでも俺は、覚悟を決めゲキリュウケンを力強く握り締めて、今体に入ってしまった余計な力を抜き出すように叫びなから決める。

 

「魔弾剣士リュウケンドー…………来神ッ!」

 

 叫びながら決めて、俺はゲキリュウケンを出てきたヒューマノイドノイズの大群に向けた。

 

「掛かってこいノイズッ!…………ブレイブレオン、お前の力も貸してくれ!」

 

 俺はレオントライクのままになっているブレイブレオンに力を貸してくれと頼むと、ブレイブレオンは赤い瞳を光らせて『グルゥウゥゥ』と唸り声を出せば、レオントライクから一気にブレイブレオンの姿へと変わり、先制攻撃と言わんばかりにヒューマノイドノイズの大群に勢い良く飛び掛かっていった。

 

『ガアアァァァァァァァァァッ!!!!!!』

 

『『『『『!?!!?』』』』』

 

 ブレイブレオンが飛び掛かってきたことに、ヒューマノイドノイズは驚愕するも、そんな行動も関係なく。ブレイブレオンは10体ものヒューマノイドノイズを吹き飛ばし、後ろ足で4体のノイズを蹴り飛ばし、1体のヒューマノイドノイズに噛み付き、踏み込みを入れて噛み付いたヒューマノイドノイズを投げ飛ばした。

 

 

「…………すんげ」

 

 ブレイブレオンのその凄まじい戦いぷりに、感嘆と驚愕が入り交じった言葉を放ってしまう。

 

「って、そうじゃい!?…………行くぜッ!」

 

だが俺はすぐに気を取り戻し、ゲキリュウケンを握り締めてヒューマノイドノイズの大群に突撃していく。

 

「おらぁっ!…………せいっ!ふんっ!だあッ!いい加減しつこいんだよッ!!!」

 

 ヒューマノイドノイズの大群の中に飛び込めば、俺は勢い良くゲキリュウケンを振りまくってノイズを炭素にしていく。周りにいたノイズを片付けて、そのまま素早くマダンキーホルダーを回してナックルキーを引き抜き発動させた。

 

「こんなに数が居るのなら、一気に掃討してやる!ナックルキー発動!」

 

『マダンナックル』

 

「召喚。マダンナックル!!」

 

 ゲキリュウケンでナックルキーの魔法陣を展開させれば、そこからマダンナックルが飛び出してきて、俺は魔法陣から飛び出してきたマダンナックルを左手でキャッチし装備した。

 

「ナックルスパーク連続発射!!」

 

『『『!!!??』』』

 

 マダンナックルを装備すれば、ヒューマノイドノイズにマダンナックルのキバを展開してナックルスパークを連射した。細かく連射したナックルスパークによって、大量のヒューマノイドノイズは炭素になっていくが、俺は動きを止めることなく、人類の敵であるノイズに手加減もせずに攻撃をする。

 

「そらそらそらあっ!!!…………マダンナックルもどうだっ!」

 

 ゲキリュウケンの斬撃でさらにヒューマノイドノイズを葬っていき、マダンナックルでもノイズをぶん殴って炭素にしていく。

 

『ガアァァァァア!!』

 

 ブレイブレオンの方も、俺に続いて大群のヒューマノイドノイズを葬っていく。

 

(やっぱすげぇな獣王の力は…………ブレイブレオンが一緒に戦ってくれるだけで、俺の負担がかなり減っていくぜ)

 

 俺はノイズを斬り倒しながらもブレイブレオンを見て、獣王の戦闘力に心の中で称賛を上げていれば、どこからともなくヘリのジャイロ音が聞こえ、俺は目の前にいたヒューマノイドノイズ1体をゲキリュウケンで葬ってから、そちらの方へと顔を向けた。

 

 

「チッ…………あいつらが来やがったのか…………」

 

 ジャイロ音が聞こえた方へ目を向ければ、その方向から凄まじいスピードの軍用ヘリが俺の頭上を通過すれば、危険としか言いようがないのスピード全開のヘリから、2人の女が歌いながら飛び降りてきた。

 

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

 

 やはり飛び降りてきたのは朱色の髪の女と青髪の女であった、飛び降りながら歌の一文を口ずさめば、あの2人の全身に機械の鎧が纏っていき、互いの専用装備の槍と剣をどこからともなく出して手に持った。

 

「そらあぁぁっ!」

 

「はあぁぁっ!」

 

 そして2人組の女は降下すれば、互いの得物を力強く握り、地面への着地とともに振って数体のヒューマノイドノイズを葬った。

 

「……………………………」

 

 俺は2人組の女を見ながらも、マダンナックルをヒューマノイドノイズに向け、エネルギーを集中させたナックルスパークを放ち、6体のヒューマノイドノイズを炭素にする。

 

(…………チッ、またあのお荷物どもが来たのか。いい加減戦場から離れさせてやって、普通の青春送らせてやるべきだろう、がっ!!)

 

 俺は心の中で思いながら、俺に襲い掛かって来ようとした1体のヒューマノイドノイズを葬った。

 

「ブレイブレオン!!一気に片付けるぞッ!」

 

『ガアァッ!アァァァァァァァッ!!!!』

 

 ブレイブレオンに向けて指示を出せば、ブレイブレオンは咆哮を上げてさらにヒューマノイドノイズを片付けていき、俺もさらにリュウケンドーの能力を上げてノイズを倒していく。

 

「よしっ、翼!あたしらも負けてらんねぇぞ!」

 

「うん!私たちも遅れを取ることなく頑張ろう!」

 

 俺とブレイブレオンの戦いを見て当てられたのか、機械の鎧を纏った2人組の女は更なる張り切りを見せていた。

 

(張り切らなくていいよ。寧ろお前らは戦場から撤退してくれ)

 

 心の中であの2人の事を一応は心配するも、俺は大量に出現したヒューマノイドノイズの対処が重要なため、俺はゲキリュウケンをさらに強く握り締めて、ヒューマノイドノイズを倒していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おわぁったぁー!!」

 

 大量に出現したヒューマノイドノイズを葬っていき、時間は凡そ20分ほどが経過した。

 

『ガアァァァァッ!!!!』

 

「こんのッ!」

 

「せあっ!」

 

 特に俺とブレイブレオンで倒したのだが、朱色の髪の女と青髪の女の共闘で、1000体も越えるほど居たヒューマノイドノイズの数は、最早10体程となっていた。

 

「それじゃ…………一気にファイナルキーで決めるとするかね!…………ッ!?」

 

 そう言ってファイナルキーを取り出そうとする俺だが、後方から身の毛もよだつ気配を感じ取り、俺はすぐに後ろの方へと体を向けた。

 

「なんだ、このおぞましい気配は!!?」

 

 後方へと全神経を向けた警戒を置けば、そこからまるで空間を引き裂くかのように、どこからともなく今まで見たことがないノイズが現れた。

 そのノイズはヒューマノイドノイズであったが、今までニュースで上がっていた色のノイズとは見たことも聞いたこともなかった。

 

 何故なら、その現れたノイズの色は黒なのだ。

 

 言うなれば、深い闇を思わせるかのような恐ろしいほどの黒さであり、そして数々の戦闘経験を積んだ俺だから分かるように、そのノイズからは俺が今まで感じたことのない圧迫感を感じ取り、さらには背筋を凍らせる処か俺達の命を脅かす程の危険をこの身で感じ取った。

 

(こいつは…………ヤバすぎる!?)

 

 黒いノイズは俺達の方向をじっと見れば、急激にとてつもない危機を感じ取った俺は、直ぐ様ヒューマノイドノイズと戦っている2人組の女の方へと危険を呼び掛けることにした。

 

「散開だっ!お前ら今すぐそこから離れろっ!!」

 

「…………えっ?」

 

「未確認の騎士…………?」

 

 俺が叫ぶと、2人組の女は俺の言葉に疑問を持って動きを止めるも、黒いノイズは視線を俺から外して2人組の女の方へと向いた。

 

「!? 急いでその場から逃げろっ!!?」

 

『!!!!!』

 

 黒いノイズが動き出すのを感じ取った俺は、もう一度2人組の女の方へ危険を叫べば、黒いノイズは少しの動作で猛烈なスピードを出して、2人組の女がいる場所へ突撃した。

 

 

「は?…………黒いノイズ…………ッ!?」

 

『!!!!!!!』

 

「!?…………奏ッ!!?」

 

 黒いノイズは朱色の髪の女に向かって、アイロン状の腕を振り翳した。が、朱色の髪の女はギリギリで反応して攻撃を飛び退いて避けたが、その攻撃が朱色の髪の女と戦っていた(だいだい)(いろ)のヒューマノイドノイズの液晶ディスプレイのような顔面を貫き、一瞬橙色のヒューマノイドノイズはジタバタと踠くが、あっという間に炭素の塊へと変化してしまった。

 

「ノイズが…………ノイズを、殺しただと…………?」

 

「なんだよこのノイズ!?」

 

「今までのノイズとは…………違う」

 

 俺達はそれぞれの感想を()らすが、黒いノイズは自分と同じノイズを炭素にしたことなど気にも止めることなく、今ここに残っているヒューマノイドノイズを消しに掛かった。

 

『!!!!!』

 

『『『『『!!??』』』』』

 

 黒いノイズの行動に残り少ないヒューマノイドノイズは逃げ出そうとするが、黒いノイズは一気に動いて残りのヒューマノイドノイズを一瞬のうちに炭素の塊へと変えてしまった。

 

 そのあまりの残虐性に、俺はただ恐ろしさを感じながらも、重要なことを思い出して呟いた。

 

「まさかこいつが…………光のカノンの書に出ていた。最悪の敵か!?」

 

『!!!!!』

 

 そう言葉にした瞬間、黒いノイズは俺目掛けて突撃をしてきた。

 

『!!!!!』

 

「ぐうぅぅぅぅ!?」

 

「「未確認の騎士ッ!?」」

 

 黒いノイズの一撃に、俺は何とか反応してゲキリュウケンを使って防ぐが、黒いノイズの一撃があまりにも重く、ゲキリュウケンで防ぐのもかなり辛かった。

 

「離れやがれっ!真っ黒ノイズ!!」

 

『!!』

 

 俺は体が悲鳴を上げているのも気にせず、地面を思いっきり踏み込んで黒いノイズを弾こうとするが、黒いノイズは自ら退き、俺からかなりの距離を取った。

 

「これでも喰らいやがれッ!!!」

 

 黒いノイズが離れたことで、俺は左手に装備しているマダンナックルを向けて、巨大な電流の衝撃波のナックルスパークを4発ほど放った。

 

『!!!』

 

「やっぱりこいつには通用しねえか…………」

 

 だが、マダンナックルから放たれたナックルスパークは黒いノイズには通用せず、アイロン状の腕で簡単に弾き飛ばされてしまった。

 ナックルスパークが弾き飛ばされてしまったことにより、4発のナックルスパークはビルや壁に着弾して破壊した。

 

「くそっ、ブレイブレオン!俺に続けっ!!」

 

『ガアァァァァァァァア!!!!!』

 

 しかし、そんなことを気にしている暇は俺にはなく、とにかく黒いノイズを何とかするために、ブレイブレオンとともに向かっていく。

 

 

「おらあぁぁっ!」

 

『!!!!!』

 

『ガアァァァァッ!!』

 

『!!!!!』

 

『グガァァァ!?』

 

「ブレイブレオン!?」

 

 

 俺がゲキリュウケンで斬り掛かるも、黒いノイズは俺の攻撃を難なく片手で受け止め、その大きな隙をブレイブレオンが狙って鋭い爪で攻撃しようとしたが、黒いノイズはアイロン状の左手でブレイブレオンを地面へと叩き付けた。

 

「この野郎!!」

 

『!!!!!』

 

 ブレイブレオンが地面に叩き付けれたことに驚愕した俺だが、すぐに目の前の黒いノイズへと視線を戻し、力を込めた斬撃を繰り出していくも、それら全ては簡単に防がれていき、そして俺は黒いノイズのアイロン状の左手で思いっきりぶん殴られた。

 

「ぶほっあぁっ!?」

 

「「未確認の騎士!?」」

 

 黒いノイズにぶん殴られた俺は、軽く飛びながらも何とか空中で体制を立て直し、捻りを入れた回転で地面へと着地した。

 

(あのヒューマノイドノイズ…………どんだけのパワーを持ってんだ!?)

 

「翼!あたしらも行くぞ!」

 

「うん!奏!!」

 

「!? やめろ!お前らの実力じゃ敵いっこねえ!」

 

 俺がやられたことに、2人組の女は動き出して黒いノイズに飛び掛かっていき、それを見た俺は全力の声量で2人を呼び止めるが、あいつらは俺の言葉など聞かずに黒いノイズへと互いの得物を振るった。

 

「らあぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「はあぁぁぁぁぁっ!!!」

 

『!!!!!』

 

「「なっ!?」」

 

 しかし、2人組の女が振るった武器を黒いノイズは簡単に受け止め、そしてアイロン状の両手で2人組の女をぶっ飛ばした。

 

「うあっ!?」

「きゃっ!?」

 

『……………………』

 

『ガアァァァァァアッ!!!!』

 

「ブレイブレオン!お前だけで挑むんじゃねえッ!?」

 

『!!!!!』

 

 黒いノイズが機械の鎧を纏った2人組の女をぶっ飛ばした瞬間を狙い、ブレイブレオンは黒いノイズに破壊力のある牙を喰らわせようとしたが、黒いノイズはブレイブレオンの牙をアイロン状の腕で防ぎ止め、すると黒いノイズはそのままブレイブレオンの巨体を持ち上げて、そのまま地面へと叩きのめした。

 

『ガアァァァッ!?』

 

「ブレイブレオン!?くそっ、ダガーキー発ど…………」

 

 このままでは不味いと心の中で断言した俺は、素早くマダンキーホルダーを回してダガーキーを取り出し発動しようとするも、キーの先は押し出すことはできたが、そこから先が出来なかった。

 

「………………………」

 

 何故なら俺の右腕には黒いノイズのアイロン状の腕が巻き付いており、黒いヒューマノイドノイズは俺の隣にいつの間にか居たのだ。

 

 大方、俺達では確認できない速度でやって来たのだろう。

 

『!!!!!』

 

「ごはっ!?」

 

 

 黒いヒューマノイドノイズは俺を空中へと上げ、砕かれた地面に何十回も俺を叩き付け、そしてそのまま思いっきり俺を投げ飛ばしたのだ。

 

「ぐあぁぁぁぁぁ!?がはっ、ごはっ、があっ!?」

 

「未確認の騎士、大丈夫!?」

 

「なんなんだよ…………あの黒いノイズは?」

 

 

 投げ飛ばされた俺は、3回ほど地面を跳ね飛び、背中を打ち付けダメージを負いながらも膝を付きながらも立ち上がる。

 

 だが最悪なことに、先程黒いノイズに投げ飛ばされたことにより、俺はダガーキーを手放してしまったのだ。

 

(しまった…………ダガーキーを手放した挙げ句にとんでもない距離まで行っちまった。これじゃあ奥の手の必殺技も放てねえ、下手に回収に行けばやられるだけだ)

 

 そんなことを思案するも、朱色の髪の女が気になることを口にした。

 

「あの黒いノイズがヤバイってのは分かったが、なんであのノイズ自壊しねぇんだ?いい加減自壊しても良い頃だろ?」

 

「それは確かに、奏の言う通り…………なんで自壊しないんだろ?」

 

 朱色の髪の女が言ったことはその通りであった。いつも通りのノイズならば制限時間があり、制限時間が来れば炭素へと自壊してしまう。

 

 なのにこの黒いノイズはそれが来ることがないように見える。確かにこの黒いノイズは普通のノイズと違うところがあれば、同族であるノイズを殺し俺達とも対等以上の力を見せている。

 

 そんなことを考えれば、俺はふとある答えが浮かび口に出した。

 

「まさかこのノイズは、自壊することがないんじゃ?」

 

「「!!?」」

 

 俺の言葉に2人組の女は絶望的な表情となり、俺の方を見て言葉を放った。

 

「そんな!?そんなことって…………」

 

「だけどそう考えれば、あのノイズが自壊しない理由も分かるぞ」

 

(自壊の制限もなく戦えるノイズかよ。…………確かにこれほど最悪な敵はいねえな…………あの魔弾キーはリスクがデカすぎるから使えない、しょうがねえ!こうなったらダメ元の命懸け、あの必殺技に俺の全てを懸ける!)

 

 心の中で強い決意を固めた俺は、ゲキリュウケンを強く握り締めてブレイブレオンを呼び叫んだ。

 

「ブレイブレオン!!!!!」

 

「「ッ!?」」

 

『?????』

 

『! ガアァァァァァァッ!!!』

 

 2人組の女は黒いノイズに獲物を構えながら警戒していたが、俺の叫び声に驚いて俺の方に顔を向け、黒いノイズも静かにゆっくりと俺の方へと顔を向けた。だが俺はそんなことを気にすることなく、ブレイブレオンに次なる指示を出す。

 

「ビークルモードになってこっちに来い!」

 

『ガアァァァウゥゥッ!!!』

 

 ブレイブレオンは吠えて赤い瞳を光らせれば、俺の元へと駆けながらレオントライクに変形し、俺の所へとやって来た。

 

「……………………行くぞ」

 

 レオントライクが来れば、俺はゲキリュウケンをモバイルモードに変化させ左腰に装着すれば、すぐにレオントライクへと跨がり、朱色の髪の女と青髪女に1度視線を配るも、心苦しい思いをしながらも俺はレオントライクを発進させた。

 

「なっ!?おいっ未確認の騎士!?」

 

「このノイズを放って逃げるというの!?」

 

 2人組の女の声に耳を傾けず、俺は全速力でこの場から距離を取ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あたしは今、信じられないものを目にしてしまった。

 

 

「未確認の騎士は諦めたって言うのかよ!?」

 

「そんな、未確認の騎士が逃げるなんて」

 

 本当に信じられなかった。いや、確かに今相手にしている黒いノイズは恐ろしい強さだ。あたしだってもう弱音を吐いて逃げ出したかったが、それをせずに済んだのは近くに未確認の騎士の存在が居たからだ。

 それなのにあいつは、あたしたちに1度目を向けるも、すぐさまマシンになったライオンに跨がってこの場から去ったのだ。

 いくらなんでも酷すぎる、それにこのままではあたしと翼は確実にこの黒いノイズに殺されるだろう。

 

「ああぁぁぁぁっ!?」

 

「きゃあぁぁぁっ!?」

 

『!!!!!』

 

 未確認の騎士が去ったことで、黒いノイズはあたしたちを標的とし、こいつが持つ凄まじい力であたしらを苦しめ傷付けていく。

 

『奏!翼!今すぐお前たちも未確認の騎士のようにその場から逃げるんだ!!このままでは本当に不味いことになるぞ!?』

 

 あたしらが苦しんでいれば、通信機からおっちゃんの声が響くが、あたしはそれに反発した。

 

「そんなこと出来るかよおっちゃん!このノイズは今までと違う!自壊もしないんじゃ下手すりゃ沢山の一般人が居る街まで行って暴れるかもしれないんだぞ!?」

 

「奏の言う通りです司令!もしここで私たちが逃げれば、守るべき多くの人命が、このノイズの手によって犠牲になってしまうかもしれないんです!そんなこと!私達には出来ません!」

 

『しかし…………』

 

「安心しろよおっちゃん、最悪シンフォギアの切り札を使ってこいつを道ずれにしてやるからよ!」

 

『なっ、やめろ!あれはまだ未知数なんだ!ここで使うには…………!』

 

「そんなことを言ってる場合ではありません司令ッ!私達は全てを覚悟してここに立っているんです!ならば死なばもろとも、ここで覚悟を見せなくては防人の名もありません!!!」

 

 あたしと翼は覚悟を決めてシンフォギアの切り札を使おうとしたが、その瞬間こちらに向かって激しいエンジン音が聞こえた。

 

 ブオオオオォォォォォォォォォォン!

 

「まさか…………」

 

「嘘…………」

 

 あたしと翼は、エンジン音が聞こえた方向へと顔を向ければ、向かってくるその存在に驚いた。

 

「「未確認の騎士っ!!??」」

 

 それは逃げ出したと思っていた未確認の騎士が、黒いノイズに向かって突撃してくるところであった。

 

「喰らいやがれ!黒きノイズ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしっここら辺でいいな」

 

 黒いノイズと距離を取った俺は、急ブレーキを掛けながらも方向を戻し、レオントライクのハンドルを回してアクセルを強く踏み続ける。

 

「ブレイブレオン…………全速力で頼むぜ!」

 

『グウゥゥゥッ!』

 

 俺の言葉に答えるかのように、ブレイブレオンは唸り声を上げて赤い瞳を光らせた。

 

「おっしゃあ!」

 

 そうして俺はブレイブレオンとの心を1つにして発進させれば、レオントライクは凄まじ過ぎる程のスピードを出した。

 

 

「嘘だろっもう見えやがった!?」

 

 吹き飛ばされるんじゃないかと思うほどのスピードに必死にハンドルを掴んでいれば、黒いノイズから距離を話していたはずだが、1分もしないうちに黒いノイズと2人組の女を視認した。

 

「だがここで怖じ気づく訳にはいなねえな!」

 

 そう言いながら俺は、モバイルモードのゲキリュウケンを元の姿にして、喋ることがないゲキリュウケンとブレイブレオンに確認を取った。

 

「お前らも覚悟はいいか?」

 

 尋ねれば、ブレイブレオンは唸り声と赤い瞳を光らせることで返答し、そしてゲキリュウケンは不思議なことに俺の言葉をまるで聞いていたかのように、1度だけキラリと光った。まるでそれはゲキリュウケンからの返答のように俺は思えた。

 

 

サビ 魔弾戦記リュウケンドー

 

 

「行くぜッ!魔弾龍!獣王!そして剣士!3つの力を1つに合わせ今放つ!ファイナルキー発動!!」

 

『ファイナルブレイク』

 

「「未確認の騎士っ!!??」」

 

「喰らいやがれ!黒きノイズ!!!」

 

 ファイナルキーを発動させて、ゲキリュウケンに射し込んで回し、必殺技を放とうとする。

 

 2人組の女は驚きの声を出していたが、俺はそんなものに聞く耳を持たず、レオントライクを飛び上がらせて黒いヒューマノイドノイズに目掛けてこの必殺技を放った。

 

「撃龍剣!!三位一体!魔弾斬りッ!!!!!」

 

『!?!?!?』

 

 ゲキリュウケンから放たれている、とてつもない光の斬撃に黒いノイズも危機を感じたらしく全ての力を防御へと回したのか、三位一体魔弾斬りを防いだ。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

『!!!???』

 

 俺と黒いノイズは互いに一歩も譲らない状態であったが、俺には負けられない覚悟と理由があるため、諦めるわけにはいかなければ、こいつをここで倒さなくては多くの犠牲者を出してしまう。そんなことは絶対にしたくないため、俺はさらに体に残っている全ての力を限界まで振り絞るように叫んだ。

 

「斬り裂けえぇぇぇぇぇっ!!!!!!!」

 

『!!!??』

 

 そして三位一体魔弾斬りによって、見事黒いノイズの防御を突破して消し飛ばし、俺は転換しながらレオントライクと共に着地をして降りた。

 ブレイブレオンにも限界が来たようで、俺が降りたことを確認すれば軽く唸り声を上げながら消滅し、俺もフラフラの状態ながら意識を手放し倒れ込んだ。

 

「はぁはぁ、生きて、やったぜ。…………あ…………あぁぁ」

 

 掠れた声で言えば、俺はあいつらの事など放っておいて自然に変身解除して地面に勢い良く倒れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ…………」

「きゃ…………」

 

 未確認の騎士が放った必殺技もの余波を喰らったあたしたちは、腕を盾にして目を瞑るが、数秒程で余波が消えて未確認の騎士の方を見れば、そこに黒いノイズは跡形もなくいなくなっており、そこには辛くも未確認の騎士が勝利者として立っていた。

 

「やった…………やったのか?」

 

「うん…………やったんだよ。奏、未確認の騎士があの黒いノイズを倒したんだよ!!」

 

 あたしが確認するように呟けば、隣に居た翼が肯定するように、黒いノイズが倒されたことを断言した。

 その光景に、あたしたちは感じたことのない喜びに打ち震え、あたしは未確認の騎士の元へと駆け出した。

 

「やったな未確認の騎士!!!」

 

「うぅ…………あ…………あぁぁ」

 

 しかしあたしが駆け寄ろうとすれば、未確認の騎士は白い光に包まれて地面へと倒れ込んでしまった。

 

「あ!?未確認の騎士!!?」

 

「し、しっかりして!?」

 

 地面へと倒れ込んだ未確認の騎士に、あたしたちはもう何度めか分からない驚きをするも、すぐに未確認の騎士の所に行こうとするも、次の瞬間、未確認の騎士の正体にあたしたちは今まで以上の驚きを見せた。

 

「えっ!?こいつは!?」

 

「嘘っ!?この人って?」

 

 とうとう隠されていた未確認の騎士の正体。そこに現れたのは、数日前ゲームセンターであたしを打ち負かした男だったのだから。

 

 

 to be continued.




 読者の皆様はお分かりのように、剣二は機動二課の存在は知りませんが、二課へのアンチは凄まじいです!
 はてさて、どうなることやらですね。

 コロナのせいでストレス解消ができずストレスが溜まるばかり、そのせいで口の中が口内炎まみれです。

 コロナ、ガチで滅びやがれ!!!!!!!




次回予告。

一か八かの三位一体魔弾斬りでなんとか黒のノイズを倒すことに成功した俺。

だが、長い戦闘行動とあまりの肉体の重傷で俺は意識を手放した。

そして目を覚ましたときには、俺はノイズに対抗する機動二課と呼ばれる組織に保護された。

そこで知るノイズに対抗する戦力と2人の少女との出会い。

挙げ句の果てに、こいつ等のせいで俺はとてつもない災難に見回れ、それはさらに悪化しそうな気がしてならない。

俺の道はこれからどうなるんだろうな?



次回。魔弾戦姫リュウフォギア!

俺はリュウケンドーだ!

次回も魔弾戦記リュウケンドーで突っ走る!!
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