オレの名前は【
現在オレは……いや、オレ達は世界を滅亡させようとする魔王との最終決戦に挑んでいた。
『フフフ……ここまで良くやったウィザード共よ。だが、残念だったな。もうすぐ我が術式が完成する……』
「くそっ……」
この場にいる仲間達の身体はボロボロだ。
さらに言えば、憎き魔王は攻撃が届く距離にいない。
具体的に言えばマイナーアクションを使った戦闘移動だけでは攻撃が届かない距離にいる。
『このセットアッププロセスが終わり、最初の行動で我が身体に攻撃を与えなければお前達の負けだ!』
「ちくしょう!メタなセリフを吐きやがって!!」
「セットアッププロセスに……移動が出来れば……」
「そんなセットアッププロセスで移動できる手段なんて……」
「あるぞ?」
『「「「なにぃっ!?」」」』
仲間+魔王の叫びがこだまする。
オレは両の手のひらを期待に震える奴らに向け、ひとまず落ち着かせる。
「まあ、待て。これを使うには少々代償があるんだ」
『な、なんだ!?何があるんだ!?』
「なんでお前が一番期待に打ち震えているのか分からんが、この力はオレだけじゃなくお前たちにもそれ相応の代償を払ってもらうことになる」
「フッ…水臭いじゃねぇか!今更何を恐れることがあるってんだ?」
「まかせろカズヤ……世界を救うためなんだろ?迷ってる暇なんかない……!」
「このあつらえたような絶体絶命のピンチに降って沸いた希望だ。どんな代償だろうと払ってみせるさ!」
「お前ら……」
オレは順に仲間達の顔を見回す。
オレと目が合うたびに頷きを返す仲間達。
ホント…いい奴らだ。
「いくぞ」
「「「ああ」」」
『くっ何が起こると……』
戦慄する魔王へ
「<コマンド>!!」
戦いの構えを取る仲間達の頼もしい背中を見ながら、オレはその魔法の名を唱えた。
「一度だけ、移動ができる魔法だ」
「おおっ!」
「力が…溢れる…」
「カズヤ、もったいぶるなよ。この力の代償は何なんだ?」
「それは……」
『「「「それは?」」」』
「オレの……」
『「「「ゴクリ…」」」』
オレはひとつ深呼吸をし、言ってやった。
「オレの命令には絶対服従!つまりオレの下僕になるということだ!!」
『「「「え?」」」』
「は~い、今からキャンセルは効きませ~ん!もう魔法の恩恵受けちゃったでしょ?オレの命令を聞くしかないんだよ!!」
「なっ、カズヤてめぇ!!」
「なんという鬼畜……なんというド畜生……」
「魔王より性質が悪いな!?」
『それでも血の通った人間か貴様!?』
「はっはっは!残念ながらもうこの場はオレの思い通りだ。お前達はオレの手のひらで踊っていただけなのだよ!!」
『「「「あんたホンマ、クズやっ!!」」」』
「サイッコーの誉め言葉だ!!」
こうして無事魔王は討伐され、オレは配下の下僕を三人手に入れた。
……まあ、野郎三人なんていらないんですぐにポイッとしたが。
魔法<コマンド>
範囲内のキャラクターをセットアッププロセスに一度だけ移動させることが出来る。
ただし、選択されたキャラクターが自分の指揮下に入っていないと効果を発揮しない。