慈恩公国召喚   作:文月蛇

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あけましておめでとうございます!

今年も皆様の良い年になるよう祈っています!



ちょっと急いで作成しましたが、本編も今月中に投下予定です








第十八話 設定資料(1)

 

 

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>・MS-06Mザクマリン

【諸元】

ザク・マリンタイプ

ZAKU Marine Type

型式番号 MS-06M

所属 ジオン公国軍

製造 ジオニック社

生産形態 少数量産機

全高 18.2m

頭頂高 17.5m

本体重量 43.3t

全備重量 60.8t

出力 951kW

推力 66,000kg(ハイドロジェット)

センサー

有効半径 3,200m

最高速度 45kt(水中)

武装 60mm機関砲×2

M6-G型4連装240mmサブロックガン

ブラウニーM8型4連装180mmロケットポッド×2

ザクマシンガン

 

【詳細】

本機は海上戦闘及び潜水作戦行動を前提として開発された試験機としてMS-06シリーズを改造した。元より宇宙空間を想定して設計されたザクであるため、低深度の海中であれば、水の抵抗を受けて機動力が損なわれるが、海岸から陸上への奇襲攻撃や海中下での奇襲攻撃を考えて設計された。

 

試作一号機にMS-05の機体を使用し、二号機にMS-06C後にF型を使用した。F型の工場ラインを流用して、其処から耐海水装甲を付与し、水圧に耐えられるような加工を施した。しかし、MIP社製の水中特化型のMSと比べても攻撃力や機動性、潜水能力が劣っているのは明白であり、U.C.0089の9月時点で開発は中止。少数生産機は湾港内の水中工事や陸戦戦闘能力が幾らか水陸両用より分があった。

 

水陸両用MSに搭載されるジェネレータのオーバーヒートを海水により低下させる水陸両用MSは陸上での作戦時間は本機と比べて短い。そのため、キシリア麾下のシーマ・ガラハウ中佐指揮のジオン海兵隊では本機が少数採用され、連邦側のMS戦略思想に則ってシールド防御も考えられた装備が考案されている。

 

 

>・MS-06MZマリーンザク

【諸元】

マリーンザク(MZ型)

Marine Zaku

型式番号 MS-06MZ

頭頂高   17.5m

本体重量 56.2t

全備重量 74.5t

出力     976kW

推力     24,500kg×3(背部)

3,000kg×2(脚部後側)

(総推力)79,500kg

ハイドロジェットに換装可能

センサー

有効半径 3,200m

武装 ヒート・ホーク

MMP-80マシンガン

M8-G型240mmサブロックライフル

ハンドグレネード×3

シュツルム・ファウスト

 

 

【詳細】

マ・クベ中将提言の元、計器や装備の統一化を目指した「統合整備計画」を元にFZ型を元に再設計された本機は「海兵隊仕様(marine)」として地上戦と上陸戦を想定して設計されている。

 

MS-06MはF型に大規模チューンを加えたが、MZは基本設計を見直し、ズゴックやゴッグでも同じような深度でも活動できるように再設計された。MIP社や各水陸両用MS開発データの交流を経て、開発された本機は対ビームに対する防御塗料を掛けているため、旧型機よりも防御性能が増加。また現地改修が容易なように、装甲面が平らになっており、追加装甲が可能となる。モジュラー式装甲になっており、数世代前のロボットの外観を持つ。

 

主に海兵隊の現地改修が容易なように設計されており、武装も陸戦武器を収納できるランドセルを使用。これは先の連邦軍MSがランドセルタイプのコンテナを使用していたため、武装の多様化と長期戦闘を考慮に入れた設計である。

 

ビームライフルを使用する前提のジェネレータは保有していないが、高出力・低燃費ジェネレータを使用。過酷な地上戦を想定して、強固なMS。

 

技術者や兵士は口をそろえて

「あと10年、長くて20年は現役」

 

先のMS-06のバリエーション機の中でも不格好ではあるが、一番愛されてきた機体に違いない。以下、MZシリーズはジオン海兵隊の顔になるが、MS-07グフの改修機にMZシリーズの装備が付与された現地改修タイプも存在。MZは全環境適応機として名高い名機である。

首都防衛大隊や親衛隊が好んで使用するFZタイプとは対極をなし、戦いになれた古参兵はMZを使用することが多い。

 

 

 

 

 

 

>・ガルダ級大型成層圏往還機

【諸元】

ガルダ級大型成層圏往還機

型式番号 MF-89-01

全長      417m

全幅      324m

最大積載量   15,800トン

最高速度:1,529.56km/h(衝撃によって空中分解する可能性大)

推進機関    ミノフスキー核融合炉と熱ジェット/スクラムジェットエンジン

武装 30㎜対空機関砲×10

VLSセル×60

      対空燃料帰化弾ミサイル

      対MSミサイル

    80㎜機関砲

      対ミサイル防衛火器

MS搭載最大 9機及びド・ダイ18機搭載可能

 

【詳細】

既にHLVと言った成層圏往還機がジオンにて生産されていたが、コストパフォーマンスは低く、地球の大気圏で移動する能力は無いに等しい。そのため、突撃機動軍は宇宙攻撃軍と共同で成層圏を交互に往還し、効果的な物資輸送を考案した。本来は大規模空輸が可能なものとして設計されようとしていたが、ガルマ・ザビ大佐やキシリア・ザビ少将の意見から、宇宙と大気圏の間で安定した物資供給が出来るようなものへ生まれ変わった。

 

また、キシリア・ザビ少将と企業連合の提案によって、民間機体へと生まれ変わらせる計画もあり、払い下げから、民間運輸会社にも導入することを明らかにしている。U.C.0099までにロウリアへ三番機『アウドムラ』が払い下げの予定であり、ロウリア自治領から独立国へのプレゼントとして考えられている。₁

 

参照:3番機「アウドムラ」

 

 

 

設計思想を考えると、退役して民間航空へ払い下げられたガウ攻撃空母は兄弟と言える。ムーや神聖ミリシアル帝国(現在はミリシアル共和国)などからは過剰装備であり、侵略戦争を行うのではと、マスコミ各位から騒がれたが、現在に至るまで、ガルダ級が戦闘行動を行った記録はない。

 

 

>・タワラ級巡洋艦『タワラ』

【諸元】

艦種 汎用巡洋艦

艦名 軍司令より任命(委任された指揮官も可)

建造期間 U.C.0079 ~U.C.0090

就役期間 U.C.0079~就役中

前級 無し

次級 未定

排水量 軽荷:7000~8000 t

満載:10000~10200 t

全長 200 m

全幅 17m

吃水 8.26m(最大10.53 m)

MIP製ガスタービンエンジン(20,000hp) 4基

可変ピッチ・プロペラ 4軸

速力 最大40ノット以上

航続距離 10,000海里(20kt巡航時)

乗員 358名

150㎜連想砲  1基

25mm単装機銃 2基

20mmCIWS 2基

マズラMG742連装機銃 4基

 

<以下・モジュール兵装>

VLSミサイル連装発射機  20~120基

・SM-01“シーアンカー“      対空ミサイル

・RUR-79“アスロック”      対潜ミサイル    

・RGM/UGM-344“トマホーク”   巡航ミサイル

・RGM-79“ハープーン”      対艦ミサイル

弾庫容量: 50発

 

・MS駐機スペース×2

(一機のみであると、船体が傾く恐れがあるため二機格納しなければならない)

・VTOL航空機格納庫

(回転翼機)

【詳細】

キシリア・ザビ少将指揮下の突撃機動軍は予測される地球降下作戦に対して、軌道上からの質量弾攻撃による海上艦艇の攻撃とミノフスキークラフト使用による大気圏内でも航行可能なザンジバル級やガウ攻撃空母による上空からの攻撃を模索。しかし、地球消失によってその体制は白紙になった。

 

セツルメント国家連合の設立によって、ジオン軍需業界に参入した旧連邦系企業は海上艦艇の有効性を突撃機動軍へ訴えた。設計データやノウハウを持つ連邦系企業の申し入れは突撃機動軍にとって非常に助かり、即座にロウリア駐屯軍へ配備が決まった。

 

造船業はコロニー向けの船舶を生産するヤシマ工業なども加わり、セツルメント国家連合との節慈拡大制限条約(後述)によって大規模破壊兵器及び侵略・虐殺を行わない趣旨の条文から配備された。

 

タワラ級巡洋艦はムサイ級宙間航行巡洋艦などの設計者や技官を結集し、連邦系企業の技術者合同の研究チームが設立。双方の設計思想の違いや元々、陣営が違う事も含め何度も暗礁に乗り上げ、乱闘騒ぎにも発展している。(TV番組「慈恩の夜明け 第32話 タワラ級誕生秘話」を参照)

 

タワラ級は『汎用巡洋艦』として、基本的な防護能力及び攻撃能力を付与。誘導兵器や航空機、MS駐機スペースなどは作戦内容に合わせて簡単に取り外すことが可能となっている。これによって、作戦の幅が広がり、宇宙艦艇の建設のノウハウやコロニー建設のノウハウが生かされた。正にこれまでのコロニー工業の()()ともいえるだろう。

 

UC00799月において、一番艦タワラ級は初代艦長アダムス大佐の教導艦隊として防空巡洋艦としてフェン大軍祭事件にてパーパルティア航空部隊を全て倒している。しかし、戦闘前に巡回していたガハラ神国の風竜が緊急接近。同艦隊のアカギに駐機されたMSに吶喊した。味方であったために友軍機のニアミスとして処理された。

 

だが、この事件を発端に『ジオン海兵の練度不足』が露呈。旧兵器として侮られていた他国海軍水兵のノウハウは吸収しなければならないとギレン総帥は突撃機動軍に指示を下す。これにより、フェン王国の大軍祭は国民への国威発揚のパレードと国民及びマスコミ向け劇場型演習とフェン沖で行うフェン合同演習(Fen Sea of the Military Exercise)として、科学技術云々だけでなく、兵の練度向上のためにフェン主催の合同演習はU.C.0090までに列強国すべてが参加するに至る。

 

 

 

 

>・アルプス級汎用空母『アカギ』

【諸元】

基準排水量 15,000t

満載排水量 18,850t

全長     250.2m

最大幅     40.4m

水線幅  40m

飛行甲板 200m

吃水     7.0m

機関     COGAG方式

主機     LM2500ガスタービンエンジン 4基

推進     スクリュープロペラ 4軸

出力     82,000 hp/61,000 kW

最大速力 40ノット

乗員     操艦要員300人

航空要員200人(MS要員100人)

司令部要員30人

 

兵装     ・240mm連装砲3基

・近接防衛火器 3基

・VLS 20基

  内 対空ミサイル

搭載機

・ドップ 大気圏内戦闘機   最大12機

        ・ドダイYS MSサブフライトシステム 最大4機

        ・ファットアンクル 多目的VTOL双翼機 最大3機

        ・ルッグン  大気圏内偵察機

        ・MS 3機

 

【詳細】

地球連邦軍の兵器は殆ど西側諸国、旧アメリカ合衆国主体の兵器で占められた。しかし、ソ連などの東側諸国の軍事複合体なども影響があり、アルプス級空母などの設計思想は東側諸国の系譜を持つ。

 

地球消失後、セツルメント国家連合に属するセツルメント企業連合は節慈拡大制限条約の元、技術提供を開始。MS搭載能力と航空部隊を載せたそれらは連邦設立当初に起きていた反連邦紛争の際、シーレーン防衛のためベストセラーとなった対潜装備を充実させた対潜空母「アルプス級」をベースにジオン系の兵器を装備させ、MS搭載用に大型化。対潜能力を前時代のように巡洋艦や駆逐艦、艦載哨戒機が担うようになる。

 

当初の案として、核動力とする案やミノフスキークラフトを装備させ、浮遊空母にすべきとの意見もあったが、石油資源がクイラ王国に大量にあり、現在のヤシマ石油が地球汚染を理由にこれに反対。加えて、セツルメントの構成コロニー議員が空中空母運用を非難。これはとある米系コミックの影響かと騒がれたが、『ジオンがヒュドラのような世界征服を望むのであれば断固阻止するが、今回物申すのはあの惑星との外交問題や威圧的存在として空母が問題視されるから』とルウムのイヌカイ元首相は語っている。

 

 

 

 

 

 

>・イオージマ級強襲揚陸艦『イオージマ』

【諸元】

排水量    基準:30,233t-

満載:     43,650-45,335t

全長     300.3m

全幅       50.7m

吃水     10.0m

機関     ZLHD-28

蒸気タービン方式, 2軸推進(70,000hp; 52MW)

ボイラー+タービン×2組

CODLOG方式, 2軸推進

高速航行時   LM2500 ガスタービンエンジン×2基(高速航行時:70,000hp)

低速航行時:ディーゼル発電機×6基、

速力 最大32ノット

乗員 士官:104名

曹士:1004名

海兵隊員:2000名

兵装 Mk.38 25mm単装機銃 3基

CIWS 3基

マズラ近接火器 4-

8連装ミサイル発射機

艦載機

・LCACエアクッション揚陸艇 6隻

・ドダイYS MSサブフライトシステム 最大8機

・ファットアンクル 多目的VTOL双翼機 最大6機

・MS 12機

 

【詳細】

海岸から上陸戦を行うために建造。連邦軍の使用するツシマ級強襲揚陸艦をモデルに建造された本艦はMS搭載能力を上げ、一時的な修理が可能なものである。最大4個小隊分のMSを輸送可能であり、欠点として全長が長いために扱いしずらい点であろう。

 

従来であれば、300m以下、200m程の艦艇であったが、4個MS小隊を輸送し、ファットアンクルなどの空挺降下やドダイによる緊急展開も考慮に居れている。海上艦隊ではなく、ザンジバル級巡洋艦などを多く配備すべきという意見もあったものの、総帥府の外交省はジオン公国と惑星内のテクノロジー格差や文化の違いから過剰な兵器を知らしめ、相手を委縮させかねない。

 

また、威圧的外交政策は19世紀後半に東アジアの日本や中国の攘夷があったことを理由に、ジオンなどの科学技術や文化が排されてしまうのではないかと総帥府は危惧。しかし、フェン軍祭事件やパーパルティア皇国の敵対行為に関して、これらの方針を転換。ガルマ・ザビ大佐麾下の即応対応艦隊としてザンジバル級巡洋艦を配備。これらを推し進めたことによって、イオージマ級強襲揚陸艦は3番艦までしか建造されなかった。

 

 

 

 

 

>・セツルメント国家連合

U.C.0079一月三日にジオン公国は連邦政府に対して宣戦布告文書を発布した。電撃攻撃によって地球連邦軍の7割を喪失させたルウム会戦後、サイド1、2、4、5、6の自治政府首脳の緊急会合が開かれた。元々、地球連邦政府の後継としてセツルメント評議会を結成すべきとして、レビル将軍を中心に構想が練られていたが、そのままジオン指導部がその草案を使用した形となる。

 

セツルメントの主な役割として、前世紀のEUやNATOの役割に近い。しかし、その中核となるのはジオン公国指導部であり、軍事的優位を持つジオンに対して他のセツルメント構成政府は対抗馬として連邦系企業の持つ製造ノウハウや技術者のみ。

 

残存連邦軍の活動が下火になる以上、ティターンズへの援助を表沙汰にはできない彼らは、一部の技術者を亡命としてサイド7に送るなどして、援助を続けていた。U.C.0079、9月にアナハイム社が連邦への援助を行っていた事に対して謝罪と賠償を行っていた。

(別ページへ移動⇒アナハイム動乱)

 

セツルメントの軍事力はなく、各自治政府の保有する防衛艦隊と守備隊。個別自衛のみしか認められていない。防衛能力は限られているため、不足する兵力は宇宙攻撃軍の艦隊によって穴埋めがなされている。

 

これに関して、各自治政府は自前の軍を保有しようと考えているが、U.C.0084に至るティターンズの壊滅宣言まで保留とされた。

 

>>・セツルメント憲章

 

【序文】

われらスペースノイドの人民は、地球連邦政府の度重なる暴虐非道な統治から解放され、二度と基本的人権と人間の尊厳及び価値と男女及び大小各国の同権を失わせないことを誓い、自治独立の意思をあらためて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生ずる義務の尊重とを維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること

 

並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、

生存権を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、加えて敵対的な勢力においては断固たる決意からこれを排除する。

 

これまで地球連邦の行っていた圧政や他の権利を虐げる真似は行ってはならない。それは、如何なる理由であろうとも、人としての尊厳を失わせてはならない。セツルメント国家連合の一員としてここに決意する。

 

 

【第一章 目的】

セツルメント国家連合の目的は、次のとおりである。

 

第一条

コロニー構成国家の平和及び安全を維持すること。そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整または解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。

人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること並びに世界平和を強化するために他の適当な措置をとること。

経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語または宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること。

これらの共通の目的の達成に当たって諸国の行動を調和するための中心となること。

  構成国家の一員若しくはそれに準ずる資格のある、若しくは人類と同等の知能を持つ者に限っては構成外国家であっても、構成国同様の扱いとし、虐げられた構成国若しくはその友邦国に関してはセツルメント国家全体の危機として対処すること。

 

 

第2条

この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。

 

この機構は、そのすべての構成国の主権平等の原則に基礎をおいている。すべての構成国は、地位から生ずる権利及び利益を国のすべてに保障するために、この憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。

すべての構成国は、その国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決しなければならない。

すべての構成国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、セツルメントの目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。

すべての構成国は、憲章に従ってとるいかなる行動についてもセツルメントにあらゆる援助を与え、且つ、防止行動又は強制行動の対象となっているいかなる国に対しても援助の供与を慎まなければならない。

 

 

>・府慈相互国土防衛条約

データベース「ジオン外交史」より……ジオン公国外務省発行

国際関係データベース

[文書名] 府慈互防衛条約(フェン王国とジオン公国との間の相互防衛条約)

[場所] アマノキ城

[年月日] U.C.0079 9月28日作成,10月3日発効

[出典] ジオン公国外務省主要文書・年表(1),578‐580頁.主要条約集,1667‐1670頁.

[全文]

 

 この条約の締結国は、

 

 すべての国民及びすべての政府とともに平和のうちに生きようとする願望を再確認し、及び第三文明圏外国家と見なされた国とその周囲における平和機構を強化することを希望し、

 

 いかなる潜在的侵略者も、いずれか一方の締約国が孤立しているという錯覚を起すことがないようにするため、外部からの武力攻撃に対して自らを防衛しようとする共同の決意を公然と且つ正式に宣言することを希望し、また、

 

地域的安全保障の一層包括的且つ有効な制度が発達するまでの間、平和及び安全を維持するための集団的防衛についての両国の努力を強化することを希望して、

 

 次のとおり協定した。

 

第一条

 

 締約国は、それぞれが関係することのある国際紛争を平和的手段によつて、国際の平和及び安全並びに正義を危うくしないように解決し、並びにそれぞれの国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、セツルメント国家議会の目的又は締約国に対して負つている義務と両立しないいかなる方法によるものも慎むことを約束する。

 

第二条

 

 締約国は、いずれか一方の締約国の政治的独立又は安全が外部からの武力攻撃によつて脅かされているといずれか一方の締約国が認めたときはいつでも協議する。締約国は、この条約を実施しその目的を達成するため、単独に及び共同して、自助及び相互援助により、武力攻撃を阻止するための適当な手段を維持し発展させ、並びに協議と合意とによる適当な措置を執るものとする。

 

第三条

 

 各締約国は、現在それぞれの行政的管理の下にある領域又はいずれか一方の締約国が他方の締約国の行政的管理の下に適法に置かれることになつたものと今後認める領域における、いずれかの締約国に対する海域における武力攻撃が自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の手続に従つて共通の危険に対処するように行動することを宣言する。

 

第四条

 

ジオン公国ロウリア駐屯軍及び突撃機動軍、相互の合意により定めるところに従つて、フェン王国の領域内及びその附近に配備する権利をフェン王国は許与し、フェン王国は、これを受諾する。

 

第五条

 

 この条約は、ジオン公国とフェン王国により各自の法の手続に従つて批准されなければならない。この条約は、両国で批准書を交換した時に効力を生ずる。

 

第六条 

 

 この条約は、無期限に効力を有する。いずれに一方の締約国も、他方の締約国に通告を行つてから一年後にこの条約を終了させることができる。

 

 以上の証拠として、下名の全権委員は、この条約に署名した。

 

 

ジオン公国

 

代筆、クルツ・ハウフトマン親衛隊名誉少将 外交団長

 

フェン王国

 

剣王 シハン

 

 


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