学戦都市アスタリスク 叢雲と歌姫と孤毒の魔女、3人の物語   作:ソーナ

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鳳凰星武祭(フェニクス)

~綾斗side~

 

 

 

シリウスドーム

 

鳳凰星武祭 開幕式 

 

 

 

『ではこれより、開会式を初めます』

 

 

スピーカーから流れるアナウンスによって、満員の観客席から歓喜の声があふれでる。

 

「すごい人の数だね」

 

「ああ。私も驚いている」

 

周囲の観客席を見て、スタジアムのフィールドで並んでいる俺たちは少し驚いていた。

並んでいるのは俺たちだけじゃない。他五校の生徒も並んでいる。だがその中でも特に目立つのはレヴォルフとガラードワーズの列だろう。レヴォルフの列はほぼいなく、ガラードワーズは対照的に恐らく参加する生徒全員が並んでいる。

俺が周囲を見ていると、俺たちの頭上。六角形の透明な板の上の演壇に一人の男が立った。

その男の外見は約30代後半だろう。

 

 

『諸君、おはよう。《星武祭(フェスタ)》運営委員会委員長、マディアス・メサだ。こうしてまた今年も君たちの勇壮な姿を見ることができて嬉しく思う』

 

 

「あの人が委員長?」

 

俺は運営委員長だと言う人物の演説を聞きながら横のユリスに小声で聞いた。

 

「彼を知らないのか?」

 

「え、どう言うこと?」

 

「・・・・・・マディアス・メサは星導館のOBだぞ?」

 

「そうなの?」

 

「ああ。確か、学生時代には《鳳凰星武祭》を制した実力者だ」

 

「なるはど・・・・・・」

 

俺はマディアス・メサから感じられる静かだが星辰力を抑えていてもわかるほどの膨大さが感じられた。

 

「運営委員長としてもかなりのやり手でな。就任したのは確か数年前だったはずだが、改革派の筆頭として新しい制度の制定やイベント、レギュレーション変更を次々と行っている。おまけにそれはどれも高評価だ」

 

「うちのOBってことは銀河の幹部?」

 

「名目上はな」

 

「名目上は?」

 

ユリスの言い分に少し疑問に思った俺は首をかしげた。

するとユリスはつまらなそうに答えた。

 

「彼は《鳳凰星武祭》で優勝した際、卒業後の運営委員会いりを望んだそうだ。なかなか食えない男だぞ、あれは」

 

「ふーん・・・・・・」

 

俺はユリスの言葉に、演説を続けるマディアス・メサを眺める。

その瞬間、演説をしているマディアス・メサの視線がぴたりと俺を捉えた気がした。

 

「(え・・・・・・?)」

 

だがそれはほんの一瞬の出来事だったため確証は無かったが、確かにマディアス・メサは俺を捉えてなにか笑ったような気がした。

演説してるときから崩れない人懐っこい笑みではない、なにかを視るような、そんな笑みだった。

そして次の瞬間。

 

「(!?今のは・・・・・・!)」

 

俺の身体になにかが走った。

寒気や殺気ではない。どこか懐かしい感じの星辰力だった。そして、その発信元は演説をしているマディアス・メサからだった。

 

『い、今のは・・・・・!』

 

『セレス?』

 

『綾斗、感じた、今の星辰力?』

 

『うん、どこか懐かしい感じの星辰力を感じた』

 

『ええ。まさか・・・・・・いや、でも、そんなはずは・・・・・・気のせいだと思いたいけど・・・・・・』

 

『セレス?』

 

『いえ、なんでもないわ、気にしないで』

 

セレスのはぐらかすような感じに不思議に思ったが追求しないことにした。セレス・・・・・・《黒炉の魔剣(セル=ベレスタ)》の発動体は俺のポーチに入っている。セレスを持ったり、起動してないのに念話出来た理由は、ついこの間、セレスを持っていたり、起動したりしなくてもこうして会話できるようになったからだ。

頭上の演壇の周りの六方には各学園の生徒会長が立っていた。そこにはもちろん星導館の生徒会長のクローディアや、クインヴェールの生徒会長のシルヴィもいる。そして、その中にはオーフェリアと同じ色の制服を着た小太りの男がいた。

 

「(あれがディルク・エーベルヴァイン・・・・・・《悪辣の王(タイラント)》・・・・・・か)」

 

一瞬、ディルク・エーベルヴァインを見た感じだと彼は《星脈世代》ではない。

そう思っていると。

 

 

『―――これから諸君に重要なレギュレーションの変更を伝える。従来煌式武装には制限を設けていなかったのだが、色々と不都合が出てきた。具体的に言うと、自立起動する機械を武器としてどう扱うか』

 

 

この言葉に一番に反応したのは俺たちの前にいる紗夜だった。

舟を漕いでいたのにも関わらず、自立起動する機械、という単語が出てくるとパッチリと目を開けたのだ。

 

 

『かといって武器の数に制限を設けるのは論外だ。自律機動兵器の使用を禁止してしまえば、それは停滞へと繋がり、やがて衰退をまねくことになるだろう。そこで、今回は代理出場という形で措置をとることにした』

 

 

マディアス・メサの言葉に会場全体に動揺とざわめきが走った。それは俺たち学生だけでなく観客もだった。

 

 

『賢明なる諸君には、これが特定の学園を有利にするものではなく、むしろ近い将来の平等性を確保するためのものであることをわかってもらえると思う。そして―――《星武祭》を愛し、応援してくださっている諸氏には、より新たな《星武祭》に繋がるものであることをご期待いただきたい』

 

 

高らかな宣言とともに、観客席から一斉に怒濤の拍手が巻き起こった。だが、観客とは対照的に俺たち出場者からの反応は冷たい反応だった。

そしてそのあとも長々と退屈な式典が続き、終わったのは正午になる少し前だった。

 

 

『これにて《鳳凰星武祭》の開会式を終わります。本日《鳳凰星武祭》に出場される選手は規定の時間までに該当ステージへ移動してください』

 

 

ようやく終わった開会式のステージから引き上げた俺たちは、会場のアナウンスを聞いて移動していた。

 

「俺たちの試合はこのメインステージだから特に移動しなくてもいいんだよね?」

 

「うむ。とはいえ試合まではかなり時間があるし、軽く昼食を済ませておいたほうが良いな」

 

「じゃあそうしようか。あれ、紗夜たちは・・・・・・?」

 

さっきまでいたはずの紗夜と綺凛ちゃんの姿が見当たらなかった。二人の初戦は俺たちと違い明日のはずだから移動したということはないと思うが・・・・・・。

 

「(もしかしてまた紗夜の方向音痴かな・・・・・・?)」

 

紗夜たちを探していると、ドームの正面ゲートへ向かう学生のなかに見知った二人を見つけた。

 

「あっ。レスター」

 

「なんだ」

 

見つけたのはレスター・マクフェイルだ。

そしてレスターの隣には、タッグパートナーのランディ・フックがいた。

 

「もしよかったら俺たちと食事はどうかな?ランディも一緒に」

 

「食事?」

 

「あのなあ天霧・・・・・・何度も言うが、オレはお前と馴れ合うつもりはねえ!」

 

「いや、そう言うつもりはないんだけど・・・・・・ほら、この間の決闘の時、煌式武装を貸してもらったお礼もしてないし」

 

「そんなもんいるか!とにかくオレたちはこれから移動しなきゃなんねえし、飯ならそっちで食う!おまえはあそこの二人と一緒に食ってろ!というか、頼むからオレをおまえたちの変な空間に巻き込むな!」

 

「え?」

 

レスターの呆れたような眼差しのと指先の先にはこっちに手を振っている二人がいた。

変装しているが間違いなくシルヴィとオーフェリアだ。

 

「はぁ、ユリスの野郎の気持ちが何となく分かった気がするぜ・・・・・・」

 

レスターは何故かユリスに同情の眼差しを向けていた。

ランディはなんのことか分からずキョトンとしていた。

 

「そんじゃあな!いくぞ、ランディ!」

 

「え、ちょっ、ま、待ってよ、レスター!」

 

今すぐにでも立ち去りたいのかレスターは大股で去っていき、それをランディは追いかけた。

すると、少ししたところでレスターの足が止まり、振り返ってきた。

 

「おい、天霧。一つだけ言っておいてやる。オレが今回の《鳳凰星武祭》で一番闘いたいのは、他でもねえおまえらだ。オレたちと当たるまで負けるんじゃねえぞ!・・・・・・それだけだ」

 

そう言うとレスターは今度こそランディと去っていった。

 

「あらら、綾斗くん。これは頑張らないとね」

 

立ち去るレスターとランディを見ていると、シルヴィとオーフェリアが来てシルヴィが声を掛けてきた。

 

「分かってるよ。こんなところで立ち止まってられないからね」

 

「・・・・・・無理しないで綾斗」

 

「うん」

 

俺はシルヴィとオーフェリアの言葉にそう言い返す。

そう、こんなところで立ち止まってられない。俺はオーフェリアを助け、姉さんを見つける。そしてウルスラ姉さんも見つけて、幼い頃と同じような日常を過ごす。

俺、紗夜、シルヴィとオーフェリアの四人でいて、姉さんと一緒にいて、ウルスラ姉さんと楽しく昔のような日常を過ごす。これはその順初・・・・・・初めの一歩にすぎないから。

二人が俺を見るなか、俺はそう脳裏に浮かばせた。

 

「やれやれ、相変わらずあれも難儀な男だな・・・・・・」

 

二人といるとユリスが呆れたように言ってやってきた。

 

「まあ、それがレスターらしいっていうかな」

 

「・・・・・・綾斗たち発見」

 

「うわっ!」

 

突如後ろから呼ばれ俺は思わず声を上げた。

 

「―――っ、紗夜か・・・・・・驚かせないでよ」

 

「綾斗くん、紗夜ちゃんならさっきからいたよ」

 

「え!?」

 

「・・・・・・気付かなかったの?」

 

「うん・・・・・・」

 

「・・・・・・綾斗、隙だらけ」

 

「うっ!」

 

考え事をしていたからか紗夜の気配に気づかなかった。

だが、まあ、さすがに四六時中気を張るのは疲れるから仕方ないのだが。

 

「で、どこ行ってたの?」

 

「ご、ごめんなさいです。ちょっとロッカールームまでこれを取りに・・・・・・」

 

紗夜の後ろには大きな荷物を抱えた綺凛ちゃんが申し訳なさそうに立っていた。

 

「それは?」

 

「ふっふっふ、聞いて驚け。―――お弁当だ」

 

「・・・・・・弁当だと?」

 

「あ、あの、実はですね、この前沙々宮先輩―――じゃなくて、紗夜さんと二人で相談して作ってきたんですけど・・・・・・良かったらどうぞ!」

 

「ありがとう紗夜、綺凛ちゃん」

 

「えっへん」

 

「い、いえ・・・・・・」

 

「シルヴィとオーフェリアもどう?」

 

「もちろんよ綾斗くん。私もオーフェリアちゃんもお弁当作ってきたからね」

 

「・・・・・・私とシルヴィアの願掛け十分プラス愛情弁当?」

 

シルヴィとオーフェリアは手に持っていた荷物を上げて言った。

 

「はぁ。それじゃあ私たちの控え室で食べないか?そこでなら落ち着いて食事できるはずだ」

 

「そうだね」

 

俺たちは、控え室に向けて歩いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

控え室

 

 

移動して控え室に来た俺たちはさっそく、シルヴィたちの作ったお弁当を見せてもらっていた。

 

「あ、あの、わたしほとんど料理の経験がないので紗夜さんに教えていただいて・・・・・・ホントすごく簡単なものなのですけど・・・・・・」

 

「ほう、沙々宮は人に教えられるくらい料理が上手いのか?」

 

「えへん」

 

ふんぞり返る紗夜を横目に、綺凛ちゃんの持っていた重箱を開けた。

そこには・・・・・・

 

「おにぎり?」

 

「おにぎりだね」

 

「・・・・・・おにぎりね」

 

一杯に詰め込まれたおにぎりがそこにあった。

 

「ご、ごめんなさいです・・・・・・。わたし、本当に不器用で・・・・・・」

 

「ううん、ありがとう綺凛ちゃん」

 

俺はそう言って綺凛ちゃんの頭を優しく撫でた。

 

「ぁ・・・・・・」

 

「むっ!綾斗、浮気はダメって言ったはず」

 

「ええぇっ!?これも!?」

 

「アハハ・・・・・・紗夜ちゃん、頭を撫でるくらいなら私は別に気にしないから」

 

「・・・・・・その代わり後で私とシルヴィアにも撫でてもらうわ」

 

「はぁ、やれやれ、だな」

 

ムスッと膨れる紗夜に苦笑いを浮かべて答えるシルヴィ、真顔で言うオーフェリアに呆れた眼差しのとユリスがいた。

 

「綾斗、次は私の見て」

 

「ああ、うん」

 

紗夜に言われるまま重箱の二段目をあける。

そしてそこには・・・・・・

 

「おにぎりだね」

 

「おにぎりね」

 

「・・・・・・おにぎりね」

 

またもやおにぎりが詰まっていた。

まあ、それは問題ない。いや、あるはあるが。

ただ一点―――

 

「おい、沙々宮。これ、随分と、その・・・・・・大きいな」

 

「大は小をかねる、私のモットー」

 

ユリスがなんとも言えない表情で言った。

何故なら、紗夜の作ったおにぎりは綺凛ちゃんや通常のおにぎりの約三倍はあるだろう大きさだったからだ。

 

「ね、ねぇ紗夜ちゃん」

 

「なにシルヴィア?」

 

「もしかして、このお弁当って・・・・・・全部おにぎり?」

 

「そうだけど?」

 

「・・・・・・いや、これをもって料理を教えたと言い切れるおまえに少し感心したぞ。悪い意味で」

 

「えっへん」

 

「誉めてないぞ」

 

「・・・・・・ちなみに紗夜、これ以外に料理は作ったことある?」

 

「む?ない」

 

「「・・・・・・・・・・」」

 

紗夜の言葉にシルヴィとオーフェリアの二人は絶句していた。

 

「あ、あのね、紗夜ちゃん、今度私たちと料理しない?」

 

「シルヴィアと?」

 

「うん、オーフェリアちゃんも一緒だけど」

 

「私は構わない。むしろバッチグー。綺凛はどうする?」

 

「え、えっと、その、お、お邪魔じゃなければ」

 

「・・・・・・ユリスはどうする?」

 

「すまんが私も参加させてもらうことにする」

 

こうして後日、家でシルヴィとオーフェリアによる料理教室が開催されたのだった。

ちなみにシルヴィとオーフェリアのお弁当はサンドイッチや唐揚げ、卵焼き、ほうれん草のおひたしなどなど、バリエーションが豊富でバランスのよいものだった。

そしてそれをみんなで食べてしばらくして。

 

「おい、沙々宮。おまえ食い過ぎじゃないか?」

 

ユリスが椅子に座って・・・・・・ではなく、上体を仰け反らした感じに座っている紗夜に飽きれ気味の表情で言う。

 

「・・・・・・そんなことない」

 

「いや、今の紗夜を見ても説得力ないと思うけど・・・・・・」

 

紗夜は自分で作ったおにぎりを二個食べた上に、サンドイッチなどを食べたのだ。そのせいか、紗夜のお腹は少し大きくなっていた。

 

「アハハ、紗夜ちゃん相変わらずだね」

 

「・・・・・・さすがの私も驚きを通り越して呆れるしかないわよ紗夜」

 

「え、え~と、その・・・・・・」

 

「あはは。おっと、そろそろ時間だ」

 

俺はホロウ・ウインドウを開き目の前にテレビ画面ほどの大きさのウインドウを表示させた。

 

 

『はいは~い!こちらは第一試合会場のシリウスドームで~す!実況はアスタリスクブロードカンパニー、通称ABCアナウンサーであるわたくし、梁瀬ミーコ。解説は界龍第七学院OG、現エグゼクティブ・アラドファル部隊長、ファム・ティ・チャムさんでお送りしまーす』

 

『ども、よろしくお願いするッス』

 

『さてさて、基本ルールのおさらいをしておきましょう!試合決着はペア両名の校章が破壊された時点、または意識消失、ギブアップなどで敗北判定がなされた場合に、校章を通して勝敗が宣言されます』

 

『そのあたりがリーダーがやられたら敗けとなる《獅鷲星武祭(グリプス)》との違いッスねー』

 

 

空間ウインドウにはふわふわ巻き毛の女性と黒髪を短く切りそろえた女性の二人が映っていた。

 

「綾斗くんとユリスさんの試合は第二試合で対戦相手は確かガラードワーズの序列三十位と四十一位のペア、だったよね」

 

「うん」

 

「・・・・・・いけそう?」

 

「やるだけやってみるよ」

 

「何か特別な作戦でもあるのか?」

 

「いや。特にない。だが―――まあ、見ているがいい」

 

俺とユリスは軽く目配せしてうなずいた。

そして数時間後・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――続いて本日第二試合、Cブロック一回戦一組目の試合!まずイーストコーナーから入場するのは―――』

 

 

広大なシリウスドームのステージに実況アナウンスが響き渡った。

一瞬遅れて響き渡る大歓声と無数のライトが縦横無尽に舞い踊るなか、俺とユリスはゆっくりと入場ゲートからステージへ足を踏み出した。

 

 

『星導館学園序列一位、《叢雲》の二つ名を持つ天霧綾斗選手と、序列五位、《華焔の魔女》ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト選手!天霧選手はなんとなんとこの《鳳凰星武祭》の数週間前に序列一位になったばかり!それも旧序列一位と直接決闘で勝利して一位になったため、ほとんどデータがないというまさに超新星です!』

 

『今回の《鳳凰星武祭》出場選手では唯一の序列一位ッスねー。出回っている動画を見る限り、かなりの強さなのは間違いないようッス。期待の注目選手ッスね』

 

 

「ふふ。期待の注目だそうだぞ」

 

「ただでさえ緊張してるってのに、なんでそういうこと言うかな」

 

小声でニヤリと笑いながら言うユリスに、俺は緊張した表情で返した。

 

 

『それに加えてタッグパートナーは《華焔の魔女》リースフェルト選手ですからね。優勝候補の一角と言っても過言ではないでしょう!』

 

 

実況の声にユリスは観客席へと、なれた感じで手を振った。

すると、観客席からの歓声がよりいっそう高まった。

 

 

『すごい人気です!』

 

『彼女はリーゼルタニアの王女様ッスからね。さらに《魔女》としての能力も現役世代でもトップクラスに入るんじゃないかなー』

 

 

「いくぞ」

 

「ああ」

 

一言言うと、ステージへ通じる道からステージへと飛び降りた。

すでに対戦相手のガラードワーズの二人はステージに降り立っていた。

 

 

『さぁ準備は整いました!』

 

 

 

 

『《鳳凰星武祭》Cブロック一回戦一組』

 

 

 

 

試合開始(バトルスタート)!』

 

 

校章の機械音声と実況の試合開始を告げる声が響いた。

 

「はあ!」

 

「せあ!」

 

試合開始を告げるアナウンスと同時に、ガラードワーズの二人は片手剣型煌式武装を起動して、真っ直ぐに突進してきた。

俺とユリスはその場から一歩も動かず煌式武装も取り出していない。

 

「一気に接近戦に持ち込むつもりか。・・・・・・ま、予想の範囲内だがな。それでは綾斗、任せたぞ」

 

「了解」

 

ユリスが後ろに下がると逆に俺は前に出て《黒炉の魔剣》の発動体を取り出し、一気に星辰力を集中させて封印を破る呪文を唱える。

 

「―――内なる剣を以って星牢を破獄し、我が虎威を解放する!」

 

黒紫の鎖が破壊され、爆発的な力を解放する。

それと同時に起動したセレスがその巨大な黒紫の刀身を煌めかす。

 

「はあっ!」

 

セレスを右下に振り下ろして構える。

 

『いくよセレス』

 

『オッケー綾斗!』

 

俺はセレスを右後ろに構え、重心を低くして足元に星辰力を集中させる。

動きを止めたガラードワーズ二人に一瞬で光のように迫る。俺が二人を通りすぎると、刹那、風が疾走った。

そして。

 

「え・・・・・・?」

 

「あ・・・・・・!」

 

呆然とする二人に、その胸元に輝く校章が僅かな間の後、乾いた音をたてて真っ二つにステージの湯かに割れ落ちた。

 

 

 

校章破壊(バッジブロークン)試合終了(エンドオブバトル)

 

 

 

校章からの機械音声を聞き終えると俺はセレスをしまい、再封印を施した。

 

『さすが綾斗。お見事ですね』

 

『お疲れさまセレス』

 

セレスをポーチにしまいそう思念で会話する。

すると。

 

 

『し、試合終了!《鳳凰星武祭》Cブロック一回戦一組、勝者は天霧綾斗&ユリス=アレクシア・フォン・リースフェルト!』

 

 

実況のアナウンスで観客席から爆発のような声が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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ではまた次回、Don't miss it.!
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