学戦都市アスタリスク 叢雲と歌姫と孤毒の魔女、3人の物語 作:ソーナ
~綾斗side~
《
中央区商業エリア外縁
「えーと、プロキオンドームは・・・・・・ああ、あれかな」
空中に浮かぶ空間標識を確認しながら目的地であるプロキオンドームへと向かう。
アスタリスクに全三つ存在する大型ステージの一つ、通称プロキオンドーム。この他に中規模ステージが七つ、そして昨日試合を行った最大規模のメインステージが一つ、計十一のステージで《鳳凰星武祭》の予選は行われている。
ちなみに本線からは大型ステージとメインステージの四つを、準決勝以降はメインステージのみを使用するらしい。
まあ、オーフェリアとシルヴィから聞いたんだけど。
そして俺とユリスは今日試合を行う紗夜と綺凛ちゃんを応援するために、試合会場であるプロキオンドームへと向かっている最中なのだ。
「それにしても余裕をもって出たはずなのにこんな時間に着くなんて・・・・・・」
「ハァー・・・・・・。たく、マスコミめ。しつこいとしかいいようがないぞ」
俺は苦笑いを浮かべ、ユリス呆れた表情を出す。
俺たちが疲れている理由は途中でマスコミ陣に出会したり、ファンだとか言う人に挨拶などしていたからだ。
「(う~ん、なんとなくシルヴィの気持ちがわかった気がするよ)」
俺はシルヴィが前に言っていた意味がわかった気がする。さすがにこれは疲れる。昨日の勝者記者会見でもそうだったけど。
「それより急ぐぞ!」
「いや、待って。もう間に合わないかも」
空間標識に表示されてる時間は12時42分を指していた。
紗夜と綺凛ちゃんの試合開始時間は13時からだ。さすがにこれでは間に合わないだろう。
「そうか・・・・・・」
「ユリスのせいじゃないよ。紗夜たちには俺から伝えておくから」
ユリスにそう言うと。
「オラァァッ!!!」
目の前にある信号の奥からそんな声が聞こえてきた。
「なんだ?揉め事か?」
視線を向けると、そこは大勢の人が集まっていた。
どうやら何かあったみたいだ。
俺とユリスは気になり人混みを掻き分けて進んでいった。
「フッ!ハッ!セイッ!」
人集りの中央ではオーフェリアと同じ制服。レヴォルフの制服を着た女子と同じくレヴォルフの制服を着た複数の男子がいた。
そしてその女子の周りには何人かの男子生徒が倒れていた。
「!アイツは・・・・・・イレーネ・ウルサイス!」
「イレーネ・ウルサイス?それって確か・・・・・・」
「ああ、オーフェリアと同じレヴォルフの《冒頭の十二人》で序列三位だ」
確かオーフェリアの友達の一人だったはずだ。
やがて残り一人を残してイレーネは全員を打ち倒した。
「ったく、今時お礼参りなんか流行らねぇっての」
「う、うるせぇ!それじゃうちらの面子が立たねぇんだよ!」
ナイフを持った男子がイレーネに迫るが、イレーネは恐れることもなくただ、後ろ回し蹴りで男子生徒の首元を叩いて気絶させた。
確かにイレーネの体術はすごい。型も何もないのに野性的と言うのか、動きが軽やかだ。
「おらっ!見世物じゃねぇぞ!・・・・・・ぁん?」
イレーネの目線が俺に向いたのに気づいた。
すると、イレーネはそのまま近付いて俺の顔を凝視するように値踏みするように見てくる。
「ふ。やっぱりな・・・。叢雲じゃねぇか・・・」
「え」
イレーネとは面識が無い筈なのだが、イレーネはそう言ってきた。いや、オーフェリアの友達ならオーフェリアから俺のこと聞いていてもおかしくない、か?
「私のタッグパートナーに何かようかな、
俺とイレーネの間に立つようにユリスが警戒するように言った。
「
「そうはいかん。街中で乱闘するような輩は危険極まりないからな」
「さっきのは向こうから吹っかけて来たケンカだ」
「時と場所を考えろ!下手すれば出場停止だぞ!」
「ちょ、ちょっとユリス・・・・・・」
「ハッ、じゃあ、あんたならどうするのか教えてもらおうじゃねぇか」
イレーネはそう言うと、腰のホルダーから紫色のコアが埋め込まれた煌式武装を取り出して起動させてきた。
「「―――っ!?」」
俺とユリスは瞬時にイレーネから距離を取り、重心を低くして身構える。
「へぇ、思ったより言い反応だな」
イレーネの手にはイレーネの身長を超えるほどに長く巨大な鎌が顕現していた。コアと同じ色の紫色の刃はどこか禍々しく、不気味な雰囲気を醸し出していた。
「あれがイレーネ・ウルサイスの
《覇潰の血鎌》、レヴォルフの学有純星煌式武装。能力は重力を操ること。
以前オーフェリアから聞いた話だと、あの純星煌式武装は誰に対しても適合率が高く出るため、過去に幾度となく《星武祭》でその能力を猛威に振るってきたらしい。そして現在使い手のイレーネは歴代の所有者より何段階か上らしい。
《覇潰の血鎌》を持つイレーネの殺気に、一瞬で空気が張り詰めた。まさに一触即発という感じだ。気を抜けばすぐさまに斬られる。そんな緊張感。
その張り詰めた空気が辺りを包むそこへ。
「こらぁーーーーーーーーっ!」
突然、場違いな声が響き渡った。
「なっ!?ヤベ・・・・・・」
その声を聞いた途端、イレーネが慌てたように声のした方を向いた。
声の主は人垣から物凄い剣幕で現れたレヴォルフの制服を着た女の子だった。イレーネとよく似た顔立ちで、同じ色の髪を三つ編みに垂らしていた。
「お姉ちゃんてば、また勝手にケンカして!もお!」
「プ、プリシラ・・・!」
イレーネは声の主の姿を見ると起動していた《覇潰の血鎌》の展開を解除し隠すようにしてすぐさまホルダーにしまった。
「いったいどう言うことなの?ちゃんと説明して、お姉ちゃん!」
「あ、いや、それはだな・・・その・・・・・・」
いきなりの展開に俺とユリスはぽかんとして二人のやり取りを見る。
やがて、女の子の方もその視線に気づいたのか、慌てて頭を下げてきた。
「すいません!うちのお姉ちゃんがとんだご迷惑を・・・・・・!」
「ああ、いや、別に・・・・・・」
さすがのユリスも完全に毒気を抜かれたのか、微妙な返事を返すばかりだ。
「ほら、お姉ちゃんも謝って!」
「な、なんであたしが・・・・・・!」
「いいから、謝るっ」
「・・・・・・うぅ、わ、わかったよ」
「本当にごめんなさい」
「アイタタタタ!」
イレーネの頭を無理矢理下げるプリシラと呼ばれた女の子といきなりで痛いのか激痛の声を出すイレーネに俺らは呆然とする。
「よーく、言って聞かせますから。・・・・・・って、あれ?」
すると女の子は俺の顔を見て首をかしげて近寄ってきた。イレーネを連れて。
「あの、もしかして天霧綾斗さんですか?星導館学園序列一位の?」
俺とユリス以外の周りに聞こえないように聞いてきた。
「え?うん、そうだけど?」
「やっぱり!それじゃあオーフェリアさんの幼馴染ですよね!」
「オーフェリアは確かに俺の幼馴染だけど何で知って・・・・・・ん、あれ?プリシラ?その名前どこかで・・・・・・」
俺はプリシラという名に聞き覚えがあった。
するとそこへ、ユリスが空間ウインドウを出して彼女のデータを見せてきた。
「プリシラ・ウルサイス・・・・・・あ!もしかしてオーフェリアがよくお世話になってる・・・・・・!」
そこに表示されてる名前を見て俺はようやく思い出した。プリシラ・ウルサイス。イレーネ・ウルサイスの妹でオーフェリアの友達の一人だ。
「い、いえ、そんな!むしろお世話になっているのは私の方で・・・・・・」
俺の言葉に恐縮するプリシラさんと事情がわからなく首をかしげるユリスと頭を擦りながらみるイレーネに周囲の人は興味を無くしたかのように次々と去っていった。
するとそこへ。
『・・・・・・綾斗、今どこにいるの?紗夜と綺凛の試合もう始まるわよ』
テレビ電話の空間ウインドウが現れ、そこにオーフェリアが映し出された。
「あ、オーフェリア。実は・・・・・・」
「オーフェリアさん!?」
『?プリシラ?どうして綾斗とユリスと一緒に?イレーネはどうしたの?』
「お姉ちゃんならここにいます、オーフェリアさん」
「よ、よぉ、オーフェリア・・・・・・」
『・・・・・・イレーネ、あなた何してるの?もしかしてまた、かしら?』
「あー・・・その、だな・・・・・・」
口を濁らすイレーネにプリシラが怒ったようにオーフェリアに言った。
「もう、聞いてくださいオーフェリアさん!お姉ちゃんたらまたケンカしてたんですよ!」
『・・・・・・なるほどね。大変だったようねプリシラ』
慣れているのかオーフェリアは、また?という表情を浮かべてプリシラに同情するように言った。
「本当ですよ!まったく」
「あー、ところでどうしたのオーフェリア」
話の区切りがいいところに俺はオーフェリアに訪ねる。
『あ・・・。綾斗、時間』
「時間・・・・・・って、ヤバッ!」
近くに浮かぶ空間標識に表示されてる時間は13時を指していた。
「なに!?しまった、始まってしまったか」
「一応紗夜たちには伝えてあるけど、後で言っとかないといけないね」
『それでどうするの?このまま来れる?』
「あ、うん。行くよ」
『わかったわ』
「ご、ごめんなさい!時間をとらせてしまいました!」
「ううん、気にしないで」
『そうよ、プリシラ。元はと言えばイレーネが悪いみたいだし』
「ちょ!?アタシのせいか!?」
「お姉ちゃん?」
「うっ・・・・・・はい、ごめんなさい・・・・・・」
どうやらイレーネは妹のプリシラに逆らえないというより強気に出れないらしい。
なんとなくだけど共感できるかもしれない。
「それじゃ私とお姉ちゃんはこれで失礼します。出来れば今度、オーフェリアさんとご一緒に家に入らしてください。それでは。いくよ、お姉ちゃん」
「お、おう」
そう言って離れていくウルサイス姉妹を見ながら開いたままのウインドウに映るオーフェリアに言う。
「俺とユリスもすぐ行くから悪いんだけど待っててくれる?」
『ええ、わかったわ。綾斗とユリスが辿り着く頃には試合は終わっていると思うし、控え室通路で待ち合わせね』
「了解。すぐ行くよ」
『ええ』
そう言うとウインドウが消えた。
「それじゃあ俺たちも早く行こうか」
「あ、ああ、そうだな」
俺とユリスは再び目的地であるプロキオンドームへ向かって走っていった。
~紗夜side~
『お聞きください!すごい歓声で~す!それもそのはず!星導館学園の刀藤選手は先日陥落したとは言え、中学生ながら序列一位の座を獲得していたスーパールーキー!いやぁ、確かにこうして見ても落ち着きが違うとゆーか、小さいながらも泰然自若とした態度が・・・・・・』
『ナナやんナナやん、勘違いしとるで。あのちっこいほうが沙々宮選手や。んで、そのとなりのが刀藤選手や』
『ええぇー?あれで高等部?マジで?あー・・・・・・こほん、それは大変失礼を』
『だからちゃんと資料見ときゆーたやろ、もー』
今の私はとてつもなく不愉快だった。
「・・・・・・すこぶる不愉快」
「あはは・・・・・・」
「綾斗は来ないし、シルヴィアもいない。いるのはオーフェリアだけだし」
「綾斗先輩たち会場には向かってるみたいですよ。シルヴィアさんはお仕事ですから・・・・・・」
「まあ、確かに」
「はい。それより・・・」
綺凛の視線の先には私たちの対戦相手の
「かなりの使い手のようですね」
「ま、どうにかなる」
序列入りしていなくてもどうにかなると思う。私はそう綺凛に言いながら腰のホルダーからお父さんの銃を取り出して展開する。
「三十四式波動重砲アークヴァンデルス改」
展開したアークヴァンデルス改を両手で持ち隣の綺凛に聞く。
「・・・・・・どっちにする?」
「え?あ、わたしはどちらでも」
「なら、私は大きい方」
「了解です」
綺凛は腰の鞘から刀。千羽切を抜き出す。
『鳳凰星武祭、Lブロック一回戦二組。
試合開始のブザーと不愉快な気分の元凶のアナウンサーの声とともに試合が始まった。
試合開始の宣言と同時に私と綺凛は互いの相手に向かって走る。正直、今の私と綺凛相手にこの二人が勝つ確率は低い。
綺凛はともかく、私もそう簡単に負けはしない。小さい頃から綾斗たちと一緒にいるから並大抵の星脈世代相手なら負けることはない。それに、今の私の手にはお父さんが造ってくれた銃。アークヴァンデルス改がある。
「はあっ!」
私は私の相手する禿頭男が振り下ろす青龍刀をアークヴァンデルス改で受け止める。
それと同時に軸をずらして鈍器のように振るってやり返す。
そんな攻防をしていると。
『
そんなシステムアナウンスが流れた。
『早くも決着!一瞬の攻防を制したのは刀藤選手だぁ!』
『ナナやん!こっちのちっこい方もおもろいことになってんで』
『おぉっと、なんだぁ、これは!?』
実況の方はどうやら私の方も注目してるみたいだ。
今の私はアークヴァンデルス改を無暗に適当に振り回してる訳じゃない。相手の青龍刀を受け流してカウンターや遠心力を利用して攻撃する。綺凛はすぐにわかるだろう。私の太刀筋が綾斗と同じく天霧辰明流だということに。といっても私だけじゃなくてシルヴィアもオーフェリアも真似ではあるが天霧辰明流の太刀筋ができる。門下生ではないが、ハル姉と綾斗に教えてもらってたり綾斗の練習につき合ったりとそうしている内に覚えた。
相手は焦りの表情が出ているが私はたいして慌てないし焦らない。ゆっくりとアークヴァンデルス改のチャージ完了時間を待っている。相手の青龍刀とやりあっている内に、アークヴァンデルス改のマナダイトが徐々に輝きを増していくのが見えた。
すると、さらに相手の表情に焦りの色が浮かんだ。そうこうしているとさらに相手の攻撃が一層苛烈になる。そして、迫ってきた連続の突きをアークヴァンデルス改を盾のように高速で回して防ぐ。
やがてマナダイトの輝きが最高潮に達したのがわかる。
それを見た私は迫ってきた相手を上手く誘導して上に飛び上がらせる。予測通り銃身を踏み台にジャンプした相手の身体に私はアークヴァンデルス改の砲身を向け。
「・・・・・・《バースト》」
「―――っ」
アークヴァンデルス改から出た青い光の本流が相手にぶつかり、振動とと衝撃音が周囲に響き渡った。
やがてアークヴァンデルス改から迸った光の本流が収まると地面に落ちた相手からはぷすぷすと焼け焦げたような煙が上がってその側には砕け散った校章があった。
『決まったぁ!勝者、星導館学園、沙々宮紗夜選手&刀藤綺凛ペア!』
勝利宣言のアナウンスが響くなか私は綺凛とルームで見ているであろうオーフェリアに右手を突きだして。
「・・・・・・V」
ただ一言そう言った。
~紗夜side out~
~綾斗side~
「やっと着いた・・・」
ウルサイス姉妹と分かれたあと急いでプロキオンドームに向かったのだが何故かプロキオンドーム周辺は人が多く中々進まなかったのだ。
そうこうしている内に紗夜と綺凛ちゃんの試合は終わってしまった。
試合の方は中継で見たとはいえさすがにこれは紗夜と綺凛ちゃんに謝らないといけないだろう。特に紗夜には。
結果は予想通り紗夜と綺凛ちゃんのペアが勝ったんだけど。
「にしても沙々宮のやつ、対戦相手をあそこまでするか普通?」
「あはは・・・・・・紗夜の使う流星闘技はどれも破壊力が高いからね・・・・・・・」
紗夜の流星闘技を喰らった人にはなんとも言えなかった。中継で見たけど身体のあちこちからぷすぷすと焼け焦げたような煙が上がっていたのだ。さすが創一叔父さんの創った銃と紗夜である・・・・・・のか?
「・・・・・・やっと着いたのね」
「あ、オーフェリア」
紗夜と綺凛ちゃんの控え室に向かっていると髪の色を変えたりして変装して普通の女の子の格好をしたオーフェリアと合流した。
うん、何回見ても可愛いというかよく似合ってるねオーフェリア」
「あ、ありがとう綾斗///」
「え?」
「おい、綾斗。お前声に出していたぞ」
「へ?」
ユリスの言葉に俺はオーフェリアを見る。するとオーフェリアは頬を赤くしてうなずいた。
「バッチリと言っていたわ」
「~~ッ!」
さすがにそれには俺も恥ずかしかったというかなんというか。声にならない悲鳴をあげた。
「はぁ。沙々宮のやつ、これを見てよく耐えられるな。私まで恥ずかしいことこの上ないぞ・・・・・・」
悶絶しているなかユリスが呆れたように言ったのが耳に入った。
「そ、それより紗夜と綺凛ちゃんのところに行こうか!」
俺は顔が赤くなっているのを隠したく一刻も早く移動したいため二人にそう口速にいい二人の控え室に向かった。
「・・・・・・あ、待って綾斗」
「やれやれ・・・・・・」
後ろからのオーフェリアとユリスのそんな声を聞いて紗夜と綺凛ちゃんの控え室に向かう。
控え室に着いた俺は控え室のインターホンを押して紗夜と綺凛ちゃんに着いたことを知らせる。
「ごめん、遅れた!二人ともいるかな?」
『ご、ごめんなさいです、申し訳ありませんがもう少しだけ待って―――』
『・・・・・・やっと来たか』
綺凛ちゃんの慌てる声と紗夜の淡々としたいつもの声が聞こえるとロックが解除されドアが開いた。
「本当にごめん、試合の方は中継で見たから・・・・・・」
「・・・・・・勝利おめでとう紗夜、綺凛・・・・・・」
俺たちは控え室に一歩足を踏み出したところで、仲良く固まった。
何故なら。
「・・・・・・勝った」
二人ともシャワーを浴びていたのか髪が濡れていて、綺凛ちゃんはバスタオルで身体を隠しているが紗夜に関してはそうではなく・・・・・・・
「・・・・・・お、おい沙々宮」
「?なに、リースフェルト」
「なに、ではない!沙々宮、なんでお前は裸なんだ!?」
「?シャワーを浴びていたから」
素っ裸。つまり産まれたままの姿だったのだ。
「・・・・・・綾斗見ちゃダメ!」
「わ、わかってるよ!」
俺はすぐさま後ろに振り返り視線を反らす。
すると後ろから。
「と、とにかくさっさと服を着ろ!」
ユリスのそんな声が響いてきた。
二人が着替えている間俺はずっと後ろを向いていたが隣のオーフェリアが耳元に小声で。
「・・・・・・私は別に綾斗にだったら見せてもいいからね」
「ちょっ、オーフェリア!?」
そんなことを言ってきた。
というかオーフェリアってこんな性格だったけ!?一体俺たちと離れていた間に何があったのさぁ!!!これでシルヴィもだったらさすがに手に追えないんだけど!?
俺は声に出さずにそうつっこんだ。
ちなみに紗夜は着替え終わったあとユリスから長々とお説教を受けたのは言うまでもなかった。