学戦都市アスタリスク 叢雲と歌姫と孤毒の魔女、3人の物語 作:ソーナ
~綾斗side~
「・・・・・・・・・・」
「すまんオーフェリア。私としても、おまえと綾斗との時間を奪いたくはなかったのだが・・・・・・」
「・・・・・・大丈夫よユリス」
「ホントすまん」
ユリスが本気で申し訳なさそうにオーフェリアに謝っている理由は、ユリスの隣で美味しそうにオムライスを食べているフローラが原因だった。
遡ること三時間ほど前。
三時間ほど前
「・・・・・・綾斗用意は大丈夫?」
「うん。大丈夫」
「・・・・・・じゃあ行きましょうか」
「そうだね」
俺とオーフェリアは
六花の住宅エリアにある自宅から出た俺とオーフェリアはまず商業エリアに来ていた。
「・・・・・・そう言えば綾斗、ユリスは今日なにしてるのかしら?」
「確か昨日いたフローラちゃんにアスタリスクを案内するって言っていたよ」
「・・・・・・そう」
商業エリアで買い物などして二時間ほど過ぎたころ。
『すまん、綾斗。ちょっといいか』
「ユリス?」
ユリスから電話が来た。
「・・・・・・どうかしたのかしらユリス?」
『む、オーフェリアと一緒だったのか』
「うん。ところでどうしたのユリス?」
『ああ、すまないが綾斗、今すぐ会えないか?』
「え?」
『実はフローラがおまえと昼食を供にしたいと言っていてな。それに聞きたいことがあるらしい・・・・・・オーフェリアと一緒のところホントすまない』
「それはいいけど・・・・・・ちょっと待ってて」
ユリスにそう言ってオーフェリアに視線を向ける。
オーフェリアは少し考えたあと、ユリスに。
「・・・・・・ユリス、それ私も行ってもいいかしら?」
『ああ、かまわない』
「・・・・・・じゃあ行くわ」
『すまないなオーフェリア』
「・・・・・・別にいいわよ。それで待ち合わせ場所はどうするのかしら?」
『どこかいいところはないか?こっちは今メインストリートの辺りでな。それに今の時間帯はどこも混雑しているからな』
「・・・・・・なら、ここはどうかしら?」
オーフェリアはそう言うと空間ウインドウを開き、いくつか操作すると一つのカフェらしきお店を映した。
「・・・・・・ここなら大丈夫だとも思うし、結構な穴場らしいわ」
『なら、そこにするか』
「・・・・・・ええ。1時間後でいいかしら。私たちも丁度外にいるから」
『わかった。では1時間後にな』
ユリスはそう言うと通信を切った。
「それにしてもオーフェリア、よくあんな場所知っていたね」
「・・・・・・綾斗の学友の夜吹から教えてもらったのよ」
「夜吹から?」
「ええ。穴場だから今度綾斗を誘っていってみたらどうだって」
「いつの間に・・・・・・」
オーフェリアがいつの間に夜吹から情報をもらっていたことに驚いた俺は、夜吹からの貸しが高くならないことを祈っていた。
「取りあえず一回家に荷物を置きに戻ろうか」
「・・・・・・そうね」
ユリスと合流するため、俺とオーフェリアは買った荷物を置きに一度家に帰ることにし、その場をあとにした。
一時間後
「ふわぁ~!すっごく美味しかったです!」
「ああ、もお・・・・・・ほら、ケチャップがついているぞ。・・・・・・よし、取れた」
「ありがとうございます!」
ユリスとフローラちゃんと合流した俺とオーフェリアは、オーフェリアが夜吹から教えてもらったカフェにいた。
「それにしてもオーフェリア、よくこんな店を知っていたな」
「・・・・・・夜吹に教えてもらったのよ」
「なに?夜吹だと?」
「・・・・・・ええ。彼は私と綾斗との関係を知っているでしょ?」
「そう言えばそうだった。幸い、アイツもこの事は言い触らしてないようだな。まあ、言い触らしていたら私の炎で消し炭にしてやるところだがな」
「あはは。それは夜吹が可哀想だよ・・・・・・」
「アイツのお陰で苦労したことが山程あるからな。今回のことで相殺してやるつもりはない!」
ユリスは腕を組んで夜吹の不満を言った。
ユリスの感じから、一体夜吹はなにをしたのか気になった。
「それで・・・・・・俺に聞きたいことってなにかなフローラちゃん」
「あ、あいっ!ちょっと待っててください!」
そう言うとフローラちゃんは思い出したかのようにポシェットを開いてゴソゴソとしてそこからピンクの手帳を取り出した。
「ええっとですねぇ・・・・・・」
「?」
手帳のページを捲るのを止めたフローラちゃんの視線の先を追い掛けると、フローラちゃんは隣の席のシルヴィと同じクインヴェールの学生たちを見ていた。
正確には、彼女たちのもとに運ばれたパフェを見ていた。
「お待たせしましたぁ~、ジャンボパフェで~す」
店員が彼女たちのもとにそのパフェを置くと、彼女たちからは歓喜の声が沸き上がった。
「・・・・・・あれってノンシュガーってグループの子よね?クインヴェールの序列54位と37位の」
「みたいだね。あとの二人は分からないけどシルヴィと同じ制服着てるからクインヴェールの学生じゃないかな」
「・・・・・・そういえばクインヴェールの子が多いわね」
小声で話す俺とオーフェリアは周りを視線だけで見渡して言う。
するとユリスが。
「なんだ、おまえもあれが食べたいのか?」
と、フローラちゃんに聞いた。
「あ、えっと・・・・・・あい」
フローラちゃんは少し躊躇うかのように視線を宙に見やって恥ずかしそうに答えた。
「まぁ、別に構わんが」
「わーい、ありがとーございます!」
ユリスはウェイターを呼び、新たに隣のクインヴェールの子たちが頼んだ物と同じパフェを注文した。
しばらくしてウェイターがパフェを運んでやってきた。
「ジャンボパフェで~す!」
「うわあぁ・・・・・・!」
運ばれてきたパフェを嬉しそうに食べるフローラちゃんを見て、ユリスに視線を向けた。
「・・・・・・なにをジロジロ見ている」
「ああ、いや。案外、子どもに甘いんだなって思ってさ」
「意外か?」
「少しね」
自分にも他人にも厳しいユリスの意外な一面を見れたことに驚いていた。
「あれ、オーフェリアは意外って顔してないね」
しかし、俺とは対極的にオーフェリアはユリスの行動が分かっていたかのような表情でユリスとフローラちゃんを視ていた。
「・・・・・・まあ、ね。私もその子と同じ孤児院に少しだけどいたからわかるのよ。それにあそこじゃこんな甘味なんて滅多に味わえないから」
「なるほどね」
小さな声で会話し、フローラちゃんの髪を優しく撫でるユリスに視線を向けると、その視線に気づいたのかユリスが苦笑気味に言った。
「―――ま、大体はオーフェリアの言っていた通りだ。仕方あるまい。この子たちは人に甘えるということがあまりできないのでな。シスターたちは立場的に無理だし、フローラくらいの歳になると自分より年下の面倒を見るのが普通だ。だから私くらいには、精一杯甘えさせてやろうと決めてるんだ。あの子たちは私にとって、可愛い妹や弟。家族みたいなものだからな」
パフェを幸せそうに食べるフローラちゃんを優しく撫でるユリスを見ていると、ふいに姉の姿が思い起こした。
「(甘えさせてくれる姉、か・・・・・・。そう言えば姉さんも俺にはずいぶん甘かったっけ)」
イレーネとプリシラさんたち姉妹のときもそうだったが、ここ最近妙に感傷的になっていた。
「(やっぱり姉さんがいないと寂しいのかな・・・・・・)」
イレーネとプリシラさん。そしてユリスとフローラちゃんの姿を見て俺はそう思った。
すると。
「・・・・・・綾斗、ハルお姉ちゃんのこと思い出していた?」
オーフェリアが俺の目を覗きこんで言ってきた。
「あ、うん。ユリスたちの姿を見ていたら、ね」
「・・・・・・そう。私も、よ」
「え?」
「私もイレーネやプリシラを見ているとハルお姉ちゃんやウルスラお姉ちゃんのことを思い出すの」
姉さんもそうだが、ウルスラ姉さんは俺たちのことを実の弟や妹のように可愛がって、甘えさせてくれた。
昔を振り返ってみると、そんななんの変哲もない楽しかった日常の日々が脳裏によみがえる。
そう思っていると、ユリスが。
「それに、王女ではなく私としてはこの子たちにはもう少し楽に過ごさせて上げたいからな」
と言った。
そこにフローラちゃんが。
「あ、でもでも、最近は姫様が仕送りをしてくれるのでだいぶ楽になったってシスターたちが言ってました!」
口の周りにクリームをつけたまま言った。
「へぇ、仕送りなんてしてたんだ」
「べ、別に大したことではない。《
《冒頭の十二人》になると学費の免除はおろか、毎月学園から一定の褒賞金が支給されるのだ。俺も《冒頭の十二人》になって初めて受け取った褒賞金の金額の明細を見てかなりビックリした。何故なら、学生の身分としてはかなり過分な金額だったからだ。これでは序列争いも苛烈になるというものだとわかった瞬間でもあった。
ちなみに褒賞金のほとんどは貯金してある。俺も使い道には少し困っているのだ。まあ、オーフェリアの所有権をすべて奪取したらそのときは、シルヴィとオーフェリアに指輪でも送ろうかなと思っていたりする。それに、使い道には少し困っているが、将来的には多分だけど助かると思っていたりする。ちなみにオーフェリアとシルヴィの褒賞金も合わせるとそれは数百万は超す金額だったりする。
そんなところに。
「姫様姫様っ!」
フローラちゃんがユリスを制服の裾を引っ張って呼んだ。
「?どうした」
「あーんしてください、姫様」
そう言ってスプーンを差し出すフローラちゃんに、ユリスは苦笑して口を開けた。
「えへへ!」
「・・・・・・ふむ、なるほど・・・・・・うん、これは美味しいな」
「あい!舌がとろけそうです!」
フローラちゃんにあーんされたユリスは納得したようにうなずいてフローラちゃんの髪を撫でた。
その光景はさながら仲の良い姉妹のようだった。
そう思いながら見ていると。
「あ!せっかくですから天霧様もどうぞ!」
フローラちゃんがスプーンを差し出して言ってきた。
「んなっ!?」
「・・・・・・・・・・」
「え?俺ももらっていいのかい?」
「もちろんです!姫様もシスターも、美味しいものはみんなで分け合ったほうがより美味しいって、いつも言ってますから!ね、姫様?」
無邪気にフローラがユリスに言うと、ユリスはなぜか顔を真っ赤にして俯いた。
「い、いや、そ、それはそうなのだが・・・・・・で、でも、そのスプーンはだな、たった今私が・・・・・・それにオーフェリアとシルヴィアに・・・・・・」
ユリスは俺の隣で優雅に紅茶を飲んでいるオーフェリアを見たりして、なにやら小声でごにょごにょと言っていた。そんなユリスにオーフェリアが。
「・・・・・・大丈夫よユリス。私はそのくらいで気にしないわよ」
「い、いや、しかしだな・・・・・・」
「・・・・・・それに綾斗は超が付くほど鈍感だから。このせいで私とシルヴィは大変だったわ」
「あぁ・・・・・・苦労したんだなオーフェリア」
「ええ・・・・・・」
オーフェリアに同情するような眼差しをするユリスに疑問符を浮かべていると、フローラちゃんがよいしょとテーブルに身を乗り出し、スプーンを差し出してきた。
「じゃあ、はい!天霧様も、あーん」
「・・・・・・あーん」
俺も仕方なく苦笑して口を開くと、程なく口の中いっぱいにふわりとした甘味の甘みが広がった。
「―――ん、本当だ。これ、すごく美味しいね」
「あい!あ、ランドルーフェン様もどうぞ!あーん」
「・・・・・・え、えっと、じゃあ・・・・・・あーん」
フローラちゃんはオーフェリアにも俺と同じようにあーんをした。さすがのオーフェリアも少し恥ずかしいのか頬を赤らめて長い髪が邪魔にならないよう押さえて口を開いた。
「―――・・・・・・本当。美味しいわねこれ」
「あい!」
どうやらオーフェリアも絶賛するほど美味しかったらしい。濃厚なクリームと彩色豊かなフルーツの酸味が程よいバランスで調和し、いくらでも食べられそうな感じだ。オーフェリアが夜吹から教えてもらってだけあって、食事もデザートも隙がないレベルの高さだ。これは確かに女子からの人気が高いというのも納得できる。教えてもらった夜吹には感謝しかない。
「・・・・・・今度シルヴィアと一緒に来ましょうか」
「それ良いかも。どうせなら紗夜も一緒に連れてこよっか」
「・・・・・・良いわね。たまには幼馴染み4人で過ごしたいわ」
「じゃあ決まりだね」
また今度、俺、オーフェリア、シルヴィ、紗夜の4人でこの店に来ることが決まった。たぶんシルヴィには絶賛すると思う。紗夜は・・・・・・・・・・わかんないけど。
「ありがとう、フローラちゃん」
「・・・・・・ありがとう、フローラ」
「えへへへー」
俺とオーフェリアがお礼を言うと、フローラは嬉しそうにはにかんだ。
その一方ユリスは顔は少し赤いが、なんとも言えない複雑な表情をして俺を見てため息を吐いていた。
「ええっと・・・・・・ユリス、どうかした?」
「い、いや!なんでもない!それよりフローラ、聞きたいこととやらはどうした?さっさと済ませてしまえ!」
「あーい」
どこか急かすようにユリスが言うと、フローラちゃんはスプーンを口に咥えたまま先程取り出した手帳のページを再びめくり始めた。
「はぁ・・・・・・まったく、ようやく本題か」
「んーと、まずはどれだったかな・・・・・・」
探してるところから見るとどうやら質問と言うのは複数あるみたいだ。
「あ、これですこれ!」
目的のページを見つけたのかフローラちゃんは、俺に向き直ると、たどたどしく手帳を読み上げた。
「それでは一つ目の質問です。えと、『天霧様と姫様の関係はどの程度まで進展されているのですか』?」
「「ぶふっ!?」」
フローラちゃんが質問を読み上げた瞬間、ユリスとオーフェリアが飲んでいた紅茶で思い切りむせた。
「え?」
「な、ななななんだその質問は!?」
思わず立ち上がって声を張り上げたユリスは、ハッ!と他の客の視線が集中していることに気付くとすぐに腰を下ろし、低く小さい声でフローラちゃんに詰め寄った。
「・・・・・・その質問、おまえが考えたものではないな?」
「あい!陛下が『将来弟になるかもしれない少年について、これらのことを調べてきて欲しい』って!」
「お、おのれ兄上め・・・・・・!」
ユリスの瞳にメラメラと炎が燃え上がったのが見えた瞬間、隣から炎が燃え上がっているユリスとは対極的に冷たい、永久氷解のような空気が流れてきた。
隣にいるオーフェリアをチラッと視てみると。
「・・・・・・・・・・」
「!?」
オーフェリアは無言のまま手に持っているカップの中身の紅茶を飲んでいた。が、その目は光が、ハイライトが失くなっていた。そしてなにより、オーフェリア全体から、氷のような冷たい風が流れ出ていた。
「オ、オーフェリア落ち着いて・・・・・・!」
慌ててオーフェリアを落ち着かせる。
このままだとたぶんオーフェリアの
俺がオーフェリアを正気に戻そうとしている最中、ユリスは。
「これは没収だな」
「ダ、ダメです!フローラが仰せつかったお仕事ですから、ちゃんと最後までやらせてください!」
「却下だ!」
フローラちゃんから手帳を没収して、やいのやいのしていた。
そんなところに。
「あ、あのぉ・・・・・・お取り込み中、すみません。ちょっといいでしょうか・・・・・・?」
一人の女の子がおずおずと話しかけてきた。
突然話しかけてきた女の子に、ユリスとフローラちゃんも手を止め、何事かといった顔でその子を見た。
「ええっと・・・・・・天霧綾斗さん、ですよね」
「そうだけど・・・・・・?」
「申し訳ありませんが、少しお付き合いいただけますか?」
「え・・・・・・?」
女の子の急な申し出に困惑していると、オーフェリアが小さな声で。
「・・・・・・早いわね」
そう言ったのが耳に入った。
「あ、す、すみません。申し遅れましたが、私はレヴォルフの生徒会長秘書を務めている樫丸ころなと申します」
オーフェリアと同じレヴォルフの制服を身に包んだ女の子、樫丸さんはあたふたと頭を下げた。
「それで、その―――会長がお待ちです」
「会長だと・・・・・・?」
樫丸さんの言葉にユリスの表情が一瞬で引き締まり、剣呑な光がその目に宿った。
「《
「ひぃ・・・・・・っ」
「ああ、待ってユリス。それは俺が頼んだんだ」
「なんだと?どういうことだ」
「あとで話すよ。ユリスとフローラちゃんはここで待ってて」
「待て、そういうことなら私も同行させてもらおう」
「え?で、でも会長は天霧さんを・・・・・・」
「―――なにか問題があるのか?」
「ひいいっ!」
殺気にも似た迫力が込められたユリスの言葉に樫丸さんはさらに後ずさった。端から見たらイジメているようにも見えなくはないが・・・・・・。そう思ったところに。
『構わねぇよ。連れて来い、ころな。せっかくだ、《
突然樫丸さんの前に暗転した状態の空間ウインドウが展開された。
低く、威圧的で、刺々しい声だ。そしてその声の主は続けて。
『それにそこにいるんだろオーフェリア。お前も一緒に来い』
「・・・・・・言われなくても初めからそのつもりよディルク」
オーフェリアが声の主をディルクと言ったことから、この声の主がレヴォルフの生徒会長、《
「は、はい、わかりましたっ」
樫丸さんは慌てた様子で空間ウインドウに一礼した。
印象から見て、正直レヴォルフの学生らしくなくて少し面白かったりする。
「フローラ、すまんがそういうわけだ。一人でホテルまで帰れるな?」
「あい!大丈夫です!」
フローラちゃんにユリスがそう言うと、先導する樫丸さんに従って店を出た。俺とオーフェリアもフローラちゃんに軽く手を振ってあとを追いかける。
樫丸さんのあとを追いかけてしばらくして、商業エリアから抜け、外縁居住区の大通りへと出た。
そしてその角に、巨大な黒塗りの車が止まっていた。
車はリムジンタイプで窓は大きく取られてはいるが、外からからは中を見通すことができない。
「こちらです」
樫丸さんがその車のドアを開けると、車内の一番奥に、くすんだ赤髪のレヴォルフの制服を着た青年が座っていた。背は低く、小太りで、ねめつけるような目には暗く深い苛立ちのようなものが燻っている。
「―――入れよ」
青年、いや、レヴォルフ生徒会長ディルク・エーベルヴァインの声に俺とオーフェリア、ユリスは顔を見合わせ、小さくうなずいて中へと足を踏み入れた。