学戦都市アスタリスク 叢雲と歌姫と孤毒の魔女、3人の物語 作:ソーナ
書いていると喋り方や口調が分からなくなることがあるから大変ですわね
~綾斗side~
星導館学園を出た俺は素早く家に帰り、届いている荷物の荷解きをした。
アスタリスクでの自宅は一戸建てで新築らしい。
そこまでは良いのだが、何故か俺一人で住むにはおかしな物がある。
それは――――――
「なんで、ベットが大きいんだろ?」
そう寝室にあったベットが俺一人だけで寝るには大きすぎるのだ。
そんなこんなで荷解きと家の掃除をしているとあっという間に時計は19時を指していた。
「もう、19時か・・・・・」
リビングのソファーに座りながら言うと。
ピンポ~ン♪
玄関のインターホンが鳴った。
「誰だろう?」
俺はそう思いながら玄関に足を運び扉を開ける。
「はーい」
扉を開けるとそこにいたのは――――
「綾斗く~ん♪」
「おわっ!!?」
シルヴィだった。シルヴィは俺の姿を確認すると抱き付いてきた。
「ちょ、し、シルヴィ!?」
俺が困惑しながらシルヴィに聞いていると。
「シルヴィア、天霧くんが困ってますよ」
そんな助け船の声がシルヴィの後ろから聞こえてきた。
「あ、ペトラさん」
シルヴィの後ろにいたのはクインヴェール女学院の理事長で、シルヴィのプロデューサーで、統合企業財体の一つクインヴェール女学院の運営母体、W&Wの幹部でもあるペトラ・キヴィレフトさんだ。
ペトラさんとは昔からの知り合いだ。
「もお、別にいいでしょペトラさん」
「時と場所を弁えてください。ここは玄関先で家の中と言うわけでは無いんですよ」
「ちぇー・・・・・・」
「あははは・・・・・・・えっと、お久しぶりですペトラさん」
「天霧くんも変わりないようですね。元気そうで安心しました」
「はい。あ、玄関先なのもなんですので中へどうぞ」
「いえ。私はこの後予定がありますので、またの機会に」
「そうですか」
「ええ。それじゃあシルヴィア、私は明日の朝迎えに来ますからね」
「へっ?」
「うん。ありがとう、ペトラさん」
「何かあったら連絡してください。それでは」
そう言うと否やペトラさんはシルヴィとともに乗ってきた車に乗り去っていった。
「シルヴィ、今日泊まる気なの?」
ペトラさんの言葉の意味をシルヴィに聞くと。
「?そうだよ」
当然じゃない、と言う風にシルヴィが返してきた。
「綾斗くん、ここ用意したのペトラさんだよ」
「え!?そ、そうだったの!?」
「うん。
「クローディアから!?」
「うん」
そこで俺は家を見て疑問に思っていたことが解消した。
「取り敢えず、中に入ろう」
「うん」
シルヴィを家の中に案内しようとすると。
「・・・・・・・綾斗、シルヴィア」
その後ろから俺たちを呼ぶ声が聞こえてきた。
「え?この声・・・・・・」
「随分と早いね。オーフェリア」
俺は振り返り、オーフェリアを見た。
「・・・・・・そんなことない」
「取り敢えず家に入ろう」
俺はそう言うと、二人をリビングに案内した。
リビングに案内し俺は、飲み物を取ってくるべく台所で紅茶を入れていた。
「オーフェリアちゃん、久しぶり」
「そうね。《
「うん」
シルヴィとオーフェリアが向かい合って話しているが・・・・・・・
「会話が続いてない・・・・・」
僕は二人をみてそう思ってしまった。
取り敢えず、カップを3つとポットを持って二人のいるところに向かう。
「お待たせ」
「ありがとう、綾斗くん」
「ありがとう、綾斗」
俺は椅子に座り淹れたばかりの紅茶に口をつける。
一口のみカップをソーサーに戻し、俺はオーフェリアを見る。
「それで、オーフェリアいいかな?」
「私が《
「それもあるけど。その身体から出ている瘴気・・・・・・・今は余り出てないけど、それは一体」
「・・・・・・・・」
そう俺の記憶が確かであるならばオーフェリアは《星脈世代》ではなく一般人だったはずだ。
それに髪の色のが栗色ではなく白だと言うのも気になる。
「綾斗くん、オーフェリアちゃんの二つ名は知ってる?」
「確か《
「・・・・・・初めから話すわ。私は綾斗たちと離れ離れになりリーゼルタニアへ引っ越す事になった。その事は知っているわね」
「ああ」
「うん」
「そして、その半年後事故に巻き込めれて母も父も亡くなったの」
「なっ!?」
「そ、そんな・・・・」
「両親を亡くし身寄りのない私は、リーゼルタニアの孤児院に引き取られたわ。孤児院は裕福とは言えなかったけど暖かくて優しい人が沢山いたわ。そして、そこで親友が出来た」
「親友?」
「ええ。親友の名前はユリス。リーゼルタニアのお姫様よ」
「え!?ユリス!?」
俺はオーフェリアから言われた親友の名に驚いた。
「綾斗くん、知ってる人なの・・・・・・・・・って、ん?ユリス?何処かで聞いたような・・・・・・・」
「ユリスは星導館学園の序列5位《
「あ、思い出した。確か今日の朝綾斗くんと決闘した人だよね」
「(ギクッ!)・・・・・・・・あ、ああ、そうだね」
「綾斗、ユリスと決闘したの?」
「確かその時の映像が・・・・・・・・あ、あった。これだよ」
シルヴィは自身の携帯端末を操作し1つの動画を流した。
『では行くぞ!咲き誇れ――
シルヴィの流した映像からユリスの声が流れる。
ユリスの反対側には俺もいて煌式武装を構えていた。
「こ、こんなの何処から・・・・・」
「決闘とかは普通に学生ネットワークに流れるわ」
「マジで」
「ええ」
「おおー。かっこいね、さすが綾斗くん」
「ええ。かっこいいわね」
幼なじみの二人に面と向かって言われ俺は少し赤くなった。
『咲き誇れ―――
画面の映像はユリスが六弁の爆焔花を放っているところだった。そして映像の中の俺はそれに向かって走っていた。
『爆ぜろ!』
『天霧辰明流――――"
六弁の爆焔花を十字に切り裂き中から俺が出ていた。
そして。
『伏せて!』
件の矢がユリスに飛んで来るのを俺がユリスを押し倒すと言う形で防いでいた。
『お、おまえ、なにを・・・・・!―――どういうつもりだ?』
『どういうつもりって・・・・・・それは俺じゃなくてこれを撃った本人に聞いてほしいかな』
『そうではない!なんでわざわざ私を――――』
あ、ヤバ。ここまで録られてたの!?マズイこれはマズイ。
画面には俺がユリスを押し倒し、ユリスの胸を鷲掴みにしている映像が流れていた。
『ご、ごご、ごめん!いや、あの、俺は別にそんなつもりは全然なくて!その・・・・・・・』
『おお!なんだあの新顔、お姫様を押し倒しやがったぜ!』
『すげえ度胸だな!』
『情熱的なアプローチだわー』
その後動画は流れ終わり画面は暗くなった。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「(き、気まずすぎる)」
二人の無言に俺はなんとも言えずにいた。
俺たち三人を無言の沈黙が貫く。
やがて。
「ねえ・・・・・・・綾斗くん」
「・・・・・・・・綾斗」
「な、なに、シルヴィ、オーフェリア」
「さっきの動画、綾斗くんユリスさんの胸、鷲掴みにしてなかった?」
「・・・・・・私もそんな風に見えた。どうなの綾斗?」
「え、え~と、その・・・・・・・」
「答えてくれない、綾斗くん」
「・・・・・・・答えて綾斗」
「ご、ごめんなさい!ユリスの胸を鷲掴みにしてました」
「「それで?」」
「え~と、や、柔らかかったです?」
「綾斗くん、正座だよ」
「・・・・・綾斗、正座」
「・・・・・・・はい」
その後、俺は30分程シルヴィとオーフェリアにお説教されていたのは言うまでもなかった。
30分後
「――――――わかった?綾斗くん?」
「――――――綾斗?」
「はい。わかりました」
「それじゃあ、話を戻すわ」
「あ、うん」
「ゴメンね、話を折っちゃって」
「平気。それで、私はユリスと親友になった。けどそれは長くは続かなかったわ。私は孤児院の借金の肩代わりとして統合企業財体、フラウエンロープ系列の研究所に引き取られ、その後アルルカントの《
「人体実験!?」
「そんな、酷い」
俺とシルヴィはオーフェリアの言った人体実験にショックを受けた。
そしてなんとなく察した。そこでオーフェリアは―――
「《大博士》の目的は、人工的に《星脈世代》を生み出すこと」
「それじゃあ、オーフェリアちゃん」
「ええ。私は後天的に《星脈世代》それも《
「レヴォルフの生徒会長・・・・・・・《
「ええ。シルヴィアは知ってるわね私の能力」
「・・・・・・うん。オーフェリアちゃんの魔女として能力は《瘴気を操ること》つまり毒」
「毒と瘴気・・・・・・・もしかしてオーフェリアの身体から溢れてるのって」
「ええ。私はほぼ無尽蔵の《
「オーフェリア・・・・・・・」
「オーフェリアちゃん・・・・・・」
「これが私が《魔女》になった一連よ。だから二人にはもう近づくこともできないし、一緒にいることは無理なの。好きだった花ももう触れないのよ」
俺は諦めきっている眼差しをしているオーフェリアに近づいた。
「・・・・・・綾斗?」
「くっ・・・・・・」
これがオーフェリアの言っていた瘴気、なのだろう。近づくだけできつくなった。
「それ以上は無理よ、綾斗」
「綾斗くん・・・・・・」
「そうはいくか・・・・・・この程度・・・・・」
俺はオーフェリアに近づき隣に座り込み、オーフェリアを抱き締めた。
「・・・・・綾斗?」
「大丈夫。大丈夫だからオーフェリア。君が一緒に入れないって言っても、俺は君と一緒にいるから。もちろんシルヴィもだよ」
「・・・・・けど」
俺は抱き締めたまま、昔のようにオーフェリアの頭を優しく撫でる。
「あ・・・・・・・」
「な。今はあの頃みたいでいいんだよ。俺とシルヴィとオーフェリア、紗夜と一緒にいた頃で」
「綾斗・・・・・・・・」
オーフェリアはそう言うと俺の身体に顔を埋めてきた。
そのままオーフェリアは今までずっと溜めていたのであろう涙を流した。
「良かったね、オーフェリアちゃん」
シルヴィは俺とオーフェリアを見て嬉しそうにしていた。彼女自身、オーフェリアと再会して心配だったのだろう。
10分後
「ありがとう、綾斗」
オーフェリアが涙を流してから10分後、オーフェリアは顔を上げ赤くなりながら言った。
「平気だよ。今度、ユリスにも話さないとね」
「そうね」
俺はすっかり冷めた紅茶を飲み時計を見た。
「もう、8時過ぎてたんだ」
「ホントだ。早いね」
「ええ」
「そう言えば、二人は夜ご飯って食べた?」
「ううん。私はまだだよ」
「私も・・・・・」
「じゃあ、作っちゃうから待ってて」
そう言うと俺は空になったカップとソーサー等を持って台所に向かった。
~綾斗side out~
~シルヴィアside~
私は目の前に座るオーフェリアちゃんに綾斗くんがいなくなると早速聞いた。
「オーフェリアちゃん、綾斗くんの事好きでしょ」
「・・・・えっ、ちょ、シルヴィア。そ、それは・・・・・」
「好きなの、好きじゃないの、どっち?」
「・・・・・・・・・・・・好き」
「え?聞こえないよ」
「//////わ、私は綾斗の事が好きよ!こ、これで良いかしら!?」
オーフェリアちゃんは顔を赤くしながら告白した。
「うん。ちなみに、私も綾斗くんの事好きだからね」
「そ、それは・・・・・・」
「うん。私たちは綾斗くんの事が好き、だけどオーフェリアちゃんと奪い合いはしたくないの」
「・・・・ど、どういう事かしら?」
そして私は言う。
「私とオーフェリアちゃん、どっちも綾斗くんの彼女。恋人になっちゃえばいいんだよ♪」
「//////!?」
さすがに私の提案にオーフェリアちゃんは顔を真っ赤にした。巷で無感情と噂されるが決してそんなことないと私は確信してるがここまでとは予想外だった。
「そ、それは、そ、その・・・・・・」
「それで今日、告白しちゃおう♪」
「こ、こく、告白/////」
「それでいいかな?」
「え、ええ。いいわ」
よし!
私は内心で拳を握った。
これで、私もオーフェリアちゃんも幸せになれるんだから良いってことだね。
その後、約20分後、夕飯を持って綾斗くんが戻ってきた。
~シルヴィアside out~
~綾斗side~
夕飯を作り終わりシルヴィとオーフェリアの待っているリビングに持っていくと、何故かオーフェリアは顔を真っ赤にして俯いていて、シルヴィは喜んでいるような表情をしてニコニコしていた。
「それで、シルヴィが泊まるのは良いとしてオーフェリアはどうするの?」
「わ、私は・・・・・・」
「オーフェリアちゃんも泊まっていったらどう?」
「い、良いのかしら?」
「ああ。別に俺は良いけど問題が1つ」
「問題?」
「この家、ベットが1つしかない。まあ、ベッド自体が大きいんだけどね」
「ペトラさん、さすが~」
「そ、そうなの。それなら3人一緒に寝たらどうかしら?」
「え?」
「うん。賛成!久し振りに一緒に寝ようよ、綾斗くん」
「ま、まあ。たまにはいいか・・・・・・な」
オーフェリアも俺の家に泊まることが決定し、俺が食器を洗っている間にシルヴィとオーフェリアの二人でお風呂に入ることとなった。
食器を洗い終わると俺はペトラさんに電話をしていた。
『天霧くん、どうかしましたか?』
「シルヴィから聞いたんですけどこの家ペトラさんが用意してくれたって本当ですか?」
『そうですよ』
「ちなみにベットが1つしかなくて大きいのは?」
『ああ。それは天霧くんとシルヴィア、あとオーフェリアさんの為です』
「俺たちの?」
『ええ。シルヴィアはもちろんの事オーフェリアさんも辛い思いをしてきていますからね』
「・・・・・・・すべてお見通しなんですね、ペトラさんには」
『そんなことありません。あなたたちだからです。それに天霧くんがここに来たのはお姉さんの事。ですよね』
「!ええ」
『私個人としては天霧くんに協力したいんですけど・・・・・』
「いえ。ペトラさんには色々お世話になってますから」
『ふふ。それではシルヴィアたちをお願いします。お姉さんの事は何か掴み次第連絡します』
「はい。ありがとうございます」
そう言うと携帯端末を切った。
ペトラさんが手伝ってくれるなら助かる、と俺は思った。
そう思っていると、不意にお風呂場の扉が開き、中からシルヴィとオーフェリアが出てきた。
「綾斗くん、誰かと話してた?」
「ん。いや、なんでもないよ二人とも」
「・・・・・・そう」
「じゃあ、俺はお風呂入ってくるから楽にしてて」
俺はそう二人に言うと二人が出てきたお風呂場に入りお風呂に入った。
出たのはそれから15分後の事だった。
15分後
お風呂から出た俺は取り敢えず明日の準備をした。
「―――――これで、いいかな」
自室で準備をしていると、
コンコン
ノック音が聞こえた。
「綾斗くん、入っていいかな?」
「シルヴィ?いいよ」
俺が返すとシルヴィとオーフェリアが入ってきた。
「どうしたの二人とも?」
「綾斗くん、これから私たちが言うことちゃんと聞いてね」
「?」
「・・・・・綾斗、私は綾斗の事が好き。ずっと一緒にいたいと思っているわ」
「綾斗くん、私も綾斗くんの事好きだよ。オーフェリアちゃんと同じでずっと一緒にいたいと思ってるよ」
俺はいきなり告白してきた二人に驚愕した。
と言うか、思考がフリーズした。
「綾斗?」
「綾斗くん?」
「あ、ああ、ごめん。え、え~と、二人ともそれは・・・・・・」
「私たちを綾斗くんの彼女にしてほしいの」
「た、確かに俺も二人の事好きだよ。で、でも・・・・・」
「私とシルヴィアで話し合って、と言うよりシルヴィアからの提案を私は呑んだの」
「え、え~と二人がそれでいいなら・・・・・」
「私は綾斗だからいい」
「私も綾斗くんだからこそいいのよ」
「そ、その。こんな俺で良かったらこれからもよろしく」
「うん。これからもよろしくお願いします、綾斗くん」
「これからもよろしく、綾斗」
俺たちはその場で告白し恋人通しとなった。
さすがに彼女が二人もいるとしれたら周りからどんな批判を受けるか・・・・・・俺はそんなことが過ったがそれを棄てる。二人がいるなら、なんでも出来る。そんな気がしたからだ。
俺は、二人を見て俺がここに来た理由をまだ言わないでおくことにした。"今日は"だけど。機会があれば二人に話すけど、今日は。今、この感動の中で言うことじゃないだろう、俺はそう判断した。
「それじゃあ、もう寝ようよ」
「シルヴィアの言う通り、もう寝よ。綾斗も疲れてるだろうし」
「それもそうだな」
俺たちは自室を出ると寝室に向かい寝る。
昔、幼なじみ4人でいたときのように、俺たちは仲良く横になり、俺の両隣をシルヴィとオーフェリアの二人が挟む川の字のような態勢で寝た。
次回、もう一人の幼なじみ登場