学戦都市アスタリスク 叢雲と歌姫と孤毒の魔女、3人の物語 作:ソーナ
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~綾斗side~
草の香りたつ初夏の夜だった
その日、ぼくは道場の片隅に正座させられていた。
室内にはぼくともう一人いた。
「まったくもう・・・・・・今度はなにをやらかしたの?お父さん、カンカンだったよ」
月明かりに照らされ、ぼくの前に立つ人影が柔らかい声で聞いた。
「・・・・・・・・ぼくは悪くない」
ぼくは拗ねたようにソッポを向いて答えた。
ぼくの前に立つ人影―――――少女は、ぼくと同じ目線に合わせた。
その少女は困ったような表情をしてぼくを見る。
「綾斗」
「だってお姉ちゃん!あいつらが・・・・・・・!」
「綾斗っ!」
鋭さを増したお姉ちゃんの声に、ぼくはびくんと首をすくませる。
「言い訳なんて男らしくないぞ」
「うう・・・・・」
「・・・・・でも、綾斗がちゃんと反省してるなら話を聞いてあげる」
「ほんとっ?」
「ちゃんと反省してる?」
「うん!反省してる!」
「本当に?」
「うん!」
「本当に本当?」
「うん!」
「本当に本当に本当?」
「・・・・・・お姉ちゃん、重い女は嫌われるって前にサヤちゃんとオーフェリアが言ってたよ」
ぼくがそう言うと、お姉ちゃんは拳を握り締め。
ごつん。
ぼくの頭に落としてきた。
「・・・・・・・ごめんなさい。反省してます」
「よろしい」
お姉ちゃんは威厳たっぷりに頷いてみせた。
「じゃあ、まずそこに座りなさい」
「もう座ってるよ、お姉ちゃん」
「・・・・・・・・ちゃ、ちゃんと正座で座りなさい」
「ずっと正座だよ、お姉ちゃん」
「・・・・・・・・」
お姉ちゃんは気恥ずかしそうに咳払いすると、制服のポケットからブラックフレームのオーソドックスな眼鏡を取り出した。
「いつも思うんだけど、お姉ちゃんはかっこつけてないで普段からメガネをかけてればいいのに」
「う、うるさいな!いいでしょ、別に!はぁ・・・・・・それで何があったの?」
「ぼくはなにもしてない!ただ、あいつらがしつこく立ち合えっていうから・・・・・!」
ぼくはお姉ちゃんに、道場の門下生が素振りばかりで一度も試合などの立ち合いをしているところをみたことがなかったぼくを門下生たちがからかった、事を言った。
ほくは他の門下生との試合を父親から固く禁じられていた。そのため、他の門下生からちょっかいやからかわれたり、馬鹿にされたりすること等は度々あった。
ぼくとお姉ちゃんのところの道場は門下生自体はそんなに多くはないが、かわりに門下生のほとんどが《
《星脈世代》が一般人への暴力は法律で禁止されている。そしてそれは未成年でも変わらない。
だからこそ今回は同じ《星脈世代》のぼくが他の門下生たちのターゲットになってしまったのだ。
だが今回のようなことはこれがはじめてではないぼく自身のことならもいつも通り軽くながして終わりだった。
だが、今回は門下生たちもぼく自身のことをなにを言ったて相手にされないと悟ったのだろう。門下生たちはぼくではなく、お姉ちゃんのことをバカにした。
いくらぼくでも大好きで憧れているお姉ちゃんを馬鹿にされれば我慢がならなかった。
そして立ち合った結果、ぼくの圧勝だったというわけだ。
「それにあいつら、お姉ちゃんの事まで・・・・・・!だから、ちょっとだけ相手してやったんだ!」
「・・・・・・・ふむ。・・・・・・・・なるほどね。確かに綾斗は間違ってない」
「そうだよね!」
「――――――でも、正しくもない」
「え?」
「綾斗、なんでお父さんがあなたに立ち合いを禁止しているかわかる?」
「・・・・・・」
お姉ちゃんの問いにぼくは、ふるふると首を横に振った。
以前、父さんに聞いたが答えてはくれなかったのだ。
「あなたは強い力を持っている。でも力ってのは人を傷つけてしまうこともある。そしてそれは、綾斗、あなた自身を傷つけてしまうことでもあるの」
「でも、ぼくはどこも怪我してないよ?どこも痛くないし・・・・・」
ぼくはお姉ちゃんの言葉に首を捻らせていると。
「もおー、綾斗くん。遥お姉ちゃんが言いたいのはそう言うことじゃないと思うよ」
「私もハルお姉ちゃんが言いたいことはそうじゃないと思うわ、綾斗」
道場の入り口から二人の少女の声が聞こえてきた。
入り口の方を見ると、綺麗な薄い紫色の髪の少女と栗色の柔らかそうな髪の少女がいた。
「シルヴィ・・・・・・・オーフェリア・・・・・」
「あら、シルヴィアちゃんにオーフェリアちゃんいらっしゃい。来ていたのね」
「はい、おじゃまします遥お姉ちゃん」
「おじゃまします、ハルお姉ちゃん」
シルヴィとオーフェリアは二人同時にお姉ちゃんに会釈をし、道場の中に入ってきた。
「綾斗くんは他の人よりも強いんだからそこは我慢しないと」
「いくら大好きなお姉ちゃんが馬鹿にされても耐えないとダメよ」
「だ・・・・・・大好きって・・・・・//////」
「アハハ。ちょっと照れるな。・・・・・・・いい、綾斗よく聞いて。これは、シルヴィアちゃんとオーフェリアちゃんも聞いてね。力に頼って身を任せている限り、痛みを感じることはない。でも、そのかわり人の痛みも感じることが出来ない。そんな綾斗に私や父さん、シルヴィアちゃんやオーフェリアちゃん、サヤちゃんはなってほしくないの」
ぼくとシルヴィ、オーフェリアは揃って首をかしげた。
まだ、この頃の僕らには意味がわからなかったのだ、
「尊厳を守るために闘うことは確かに大切よ?それは誰もが持っている正当な権利だから間違ってはいないわ。でもね、綾斗はまだその結果に関して責任を持ててないの。無責任と正しさは相容れないものだから」
「う~ん・・・・・・よく、わからないよ」
ぼくがそう言うと、シルヴィとオーフェリアも揃って頷いた。
「とにかく、綾斗にはまだ早いってことよ」
「じゃあ、いつになったらいいの?」
「うーん、そうだなぁ・・・・・・強いて言うなら、綾斗自身が成すべき事を見つけたとき、かな」
「ぼくの成すべき事・・・・・・」
「そう、その時は綾斗が己自身の力の使い方が分かった時だから」
「お姉ちゃんは?」
「ん?」
「お姉ちゃんは、成すべき事を見つけたの?」
この時お姉ちゃんは驚いた表情をしていた。
まさかぼくが聞き返してくるとは思ってなかったのだろう。
暫く、驚いた顔をするとお姉ちゃんは答えた。
「私か~。もちろん私の成すべき事は、綾斗、あなたを守ることかな」
「ぼくを?」
「うん。それが私にとってなにより大切で、成すべき事」
「じゃあ・・・・・・じゃあぼくもお姉ちゃんを守るよ。それがぼくの成すべき事だ!!」
「フフ。うれしいこといってくれるなぁ、綾斗は。でもあなたの成すべき事とは言わないけど、守るべき人は他にいる、でしょ?」
お姉ちゃんはそう言うと、ぼくをじっと見ているシルヴィとオーフェリアを見た。
「も、もちろん、お姉ちゃんだけじゃなくてシルヴィとオーフェリアもぼくが守るよ!!!」
「綾斗くん//////」
「綾斗//////」
「頼もしいね。でも綾斗、お姉ちゃんよりまだ弱いのに二人を守れるの?」
「うぅ・・・・・・」
「フフ。冗談よ。さっきも言ったけどあなたは必ず強くなる。私よりも絶対に。だけど、私を守る必要はないわ。シルヴィアちゃんとオーフェリアちゃんを守ってあげて。それがきっと綾斗、あなたの成すべき事を見つける切っ掛けになるはずだから。ね」
お姉ちゃんは、まるで未来を予測しているかのように言うと、ぼくとシルヴィ、オーフェリアを抱き締めた。
「綾斗、お姉ちゃんのために怒ってくれてありがとう。
私も綾斗のこと大好きだよ。シルヴィアちゃん、オーフェリアちゃん、綾斗のことよろしくね・・・・・・」
俺は窓から入る朝日に照らされ目を開けた。
「懐かしい夢を見たな・・・・・・」
そう呟くと俺は軽く伸びをした。
伸びをし手を両脇に置いた。
すると。
「ん・・・・・・」
「あっ・・・・・・」
そんな声とともに両手に柔らかい感触が襲った。
「ん?この感触は・・・・・・」
俺は掛かっていた毛布を振り払った。
俺の両脇には安らかに眠っているシルヴィとオーフェリアがいた。俺を抱き枕のようにして。
「こ、これは一体・・・・・・あ、そう言えば二人とも泊まってたんだっけ」
俺は昨夜の事を思いだし呟いた。
「それは、良しとしてこの柔らかい感触は・・・・・・」
そこで俺は思い出した。昨日の朝もこんなのがあったなと。そして、視線を両手に向けると。
「とんでもなくデシャビュだ・・・・・・」
案の定、俺の両手にはシルヴィとオーフェリアの胸に触れていた。素早く両手を退け時計を見た。
「と、とにかく起きないと・・・・・・って、これじゃあ起きられないんだけど・・・・・・」
時刻は朝の4時半。何時もこの時間に起き鍛練している時間だ。
どうしようかと悩んでいると。
「ん・・・・・・」
「んん・・・・・・」
二人とも起きたらしく毛布の中でモゾモゾと動いていた。
「んんーー・・・・・・おはよう、綾斗くん、オーフェリアちゃん」
「・・・・・・おはよう、綾斗、シルヴィア」
「お、おはよう、シルヴィ、オーフェリア」
俺は二人に気づかれないように普通に挨拶するが、どうやら二人ともバッチリ気づいていたらしく、軽く小言を言われた。
そしてどうやら俺の寝言を聞いていたらしくそれを言われた俺は顔が赤くなり、素早く寝室から出ていった。
時は進み
「それでは天霧くん、今日からよろしくお願いしますね」
「はあ・・・・・・」
俺は、シルヴィを迎えにきたペトラさんにそう言われていた。
何がよろしくお願いしますね、なのかと言うと、それは・・・・・・
「まさか、シルヴィとオーフェリアがここに住むことになるなんて」
そう。今朝、シルヴィがペトラさんに連絡して決めたそうらしいのだが・・・・・・
「と言うかペトラさん。シルヴィを学区内じゃなくて俺の家に住まわせていいんですか?」
「それに関して問題はありません。クインヴェールの方にもシルヴィアの部屋は残しときますので。確か、天霧くんも星導館の寮にも部屋はありましたよね」
「ええ。確かにありますけど・・・・・・・・なんで、それをペトラさんが?」
「星導館の生徒会長、クローディアさんから聞きました」
「え!?ペトラさん、クローディアと知り合いなんですか!?」
「ええ。クローディアさんのお母様とは知り合いなのでその伝で。今回の事もそれで聞いたんです」
「な、なるほどー」
まさか、他学園との繋がりがあるとは思わなかった俺は、ペトラさんの言葉に本気で驚いた。
さすが統合企業財体の幹部、なのかな?
「シルヴィはわかったけどオーフェリアは大丈夫なの?」
「・・・・・大丈夫。何か言ってきても決闘で倒すから」
「そ、それはそれで止めといた方がいいと思うよ」
「・・・・・綾斗がそう言うなら」
「それじゃあ、綾斗くん行ってくるね」
「・・・・・行ってくる」
「あ、うん。行ってらっしゃい・・・・・・と言うか俺ももう行くんだけどね」
二人の姿を見送りながら僕はそう口走っていた。
現在の時間は午前8時辺り。星導館の始業時間が9時からだ。多少の余裕を持って登校した方が良いだろう。
昨日の事を反省し、俺は早めに行くことにした。
星導館学園
星導館に着き、登校してきたばかりの寮のルームメイトの夜吹とともに、自身のクラスに行くと既に俺の右隣のユリスがいることに気づいた。
隣なので俺はユリスに挨拶をする。
「おはよう、ユリス」
「あぁ、おはよう」
ユリスが俺に挨拶を返すと突如クラス内がざわめき始めた。
「おい、聞いたか!?」
「あぁ、驚いたな」
「あのお姫様が挨拶を返した・・・・・・だと!?」
「レアだぜ」
「明日は雨が降るかもしれない」
「いや、雪だ!そうに決まってる!」
「もしくは槍が降ってくるかも」
ユリスが挨拶をしたのがそんなに珍しいのかクラス中に動揺が走っていた。
て言うかこの季節に雪は降らないんじゃない?それにどうやって槍を降らせるんだろう?
「失敬な、私だって挨拶くらい返すぞ!!」
「いや、いや。いきなり話しかけてくるな的なことを言ってたお姫様が、んなこといっても説得力ないでしょ・・・・・」
「・・・・・・夜吹、そんなにユリスが挨拶するのが珍しいの?」
俺は後ろに座っている夜吹に聞いた。
「あぁ、て言うより初めて聞いたなお姫様が挨拶をするのを」
「ああ・・・・・・」
そう言う夜吹に俺は、普段ユリスがどんなのか分かってしまい苦笑いをするしかなかった。
席に着くと昨日は空席だった左の席にうつ伏せになりながら寝ている人がいるのに気づいた。
髪は水色で顔はうつ伏せに寝ているため分からないが女子だと言うことはわかった。
「やぁ、お隣さん。俺は昨日編入してきた天霧―――」
俺はそう言いながら口を止めた。
何故なら、うつ伏せに寝ていた少女の顔を見て驚いたからだ。
その少女は、幼なじみのシルヴィ、オーフェリアに続くもう一人の幼なじみ、沙々宮紗夜だったからだ。
「・・・・・・綾斗?」
「紗夜!?なんでここに!?!」
眠そうに瞼を擦りながら言う幼なじみに俺は席から立ちあがり驚きの表情を出した。
するとそれを見た夜吹が聞いてきた。
「なんだなんだ、おまえら知り合いだったのか?」
「あー、うん、まぁ幼馴染ってやつかな・・・・・・」
「幼馴染?」
「うん。幼馴染って言っても紗夜が海外に引っ越して以来だから・・・・・・だいたい6年くらいになるのかな」
「へぇー。その割には対して驚いてないみたいなんだが・・・・・・」
「んー、昔からこんなだったしこれでも驚いてるはず・・・・・・・・多分」
「多分って・・・・・・本当か・・・・・・・?」
「うん。ちょーびっくり」
「いや、全然そうは見えないんだが・・・・・・」
眉一つ動かさずに言う紗夜に、夜吹はどう反応して良いのか分からないようだ。
「でも、本当に久しぶり元気だった?」
紗夜は首を縦に振り頷いた。
「それにしても変わらないね、紗夜は。なんか昔のまんまていうか・・・・・・」
「・・・・・・そんなことはない。ちゃんと背も伸びた」
「え・・・・・・・、そ、そうなの?」
「そう。見るがいい」
そう言うと紗夜は立ち上がった。
「・・・・・・・・・・・・」
「どうだ」
正直、最後にあった日とあんまり変わってない――――――と言う以前に全く変わってない。
「やっぱり、あまりかわってないような・・・・・・」
「そんなことない、綾斗がでかくなりすぎただけ」
「そ、そうかな」
「・・・・・・でも大丈夫。私の予定では来年くらいには今の綾斗くらいになってる。綾斗もまだ背が伸びるだろうから調度釣り合いがとれるはず」
「いやいや・・・・・・さすがにそれは・・・・・・」
さすがに30㎝を言う紗夜が俺を抜くことは無理だと思う。
だが、それは口に出さないようにした。紗夜が身長にコンプレックスを懐いているのは昔からそうだったから。
「しかし、世の中狭いものだな。これも運命の再会ってやつかもな」
「運命の再会?夜吹はいいことを言う」
紗夜は握り拳を作り親指を立て夜吹に見せる。
紗夜の昔からの表現を出した。
「あはは・・・・・」
相変わらすの紗夜に俺はつい苦笑をしてしまった。
すると、思い出したかのように紗夜がこっちを見た。
「そう言えば綾斗。シルヴィアとオーフェリアにはもう会った?」
「うん。二人には昨日会ったよ」
紗夜には言えない。二人が昨夜、俺の家に泊まって告白したことを。
「なら良かった」
「紗夜も二人には会っていたんだね」
「うん・・・・・・」
「って、ちょっと待て!!」
「沙々宮、天霧、お前ら今なんて言った!!」
呑気に会話していると夜吹とユリスが大声を出した。
「どうした、夜吹、ユリス?」
「どうかした?」
「今、シルヴィアとオーフェリアと言ったか!?」
「今、オーフェリアと言ったか!?」
「言ったけど?」
「あ、そう言えばユリスは・・・・・・「天霧、それは後で聞く!」・・・・・え、あ、うん」
ユリスはそう言うと足早に教室から出ていってしまった。
「シルヴィアとオーフェリアってまさか、あの《
「それ以外に誰がいる?」
紗夜はさも不思議そうに首をかしげた。
「あーー、これミスったかも?」
俺はそう思ってしまった。
片や世界の歌姫にしてクインヴェール序列1位シルヴィア・リューネハイム。片や世界最強の魔女、レヴォルフ序列1位オーフェリア・ランドルーフェンなのだ。
これ以上紗夜が言う前に止めねばと思ったが時既に遅し。
「な、なんでその二人と知り合いなんだ?」
「知り合いじゃない。私と綾斗、シルヴィアとオーフェリアは幼なじみ」
「なんだとォォォォォォォォォォォォォォ!!?!」
特大級の爆弾を落とした。
それも、一瞬で地球が破壊されるほどの。
夜吹の絶叫が響き渡りクラスメイト全員が驚愕の表情をしていた。
「紗夜、俺も普通に話したけどそれ、言わない方が良かったと思うよ」
俺はこれから起こるであろう波乱に頭を痛めていた。
「おめーら朝からうるせーぞ。HR始めっからさっさと席につけ!!」
と、丁度いいタイミングで八津崎先生が入ってきたので内心、助かったと思った。
そして、八津崎先生が入るのと同時に後ろからユリスが入ってきた。
「お、沙々宮じゃねーか。沙々宮、昨日はどうしたんだ聞いてやるから言ってみな」
昨日いなかった紗夜を見つけると、八津崎先生は引き攣った笑みを浮かべた顔をしながら紗夜の前にまできた。
八津崎先生がかなり怒っていることを感じ取れた。
「単に寝坊」
紗夜はと言うと何時も通りの口調で返した。
予想通りの言葉に俺は苦笑いをした。
「はっはー、そうか寝坊か・・・・・・アホ!!」
そう言うとかなり痛めに紗夜の頭に握り拳を振り下ろした。
ゴチンッ!
「うーー、痛い・・・・・・」
「たっく、これで何度目だ。いいか!次の休日は補習だからな!!」
八津崎先生は紗夜にそう言うと教壇の方に戻っていった。
「あはは・・・・・・朝に弱いのは相変わらずみたいだね」
そう、紗夜は昔から朝が苦手なのだ。
その為、昔から紗夜が遅刻や寝坊でよく怒られていたのを覚えている。
「お布団には勝てない・・・・・」
相当痛かったのか涙目になりながら紗夜は言った。