ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!? 作:RIM-156 SM-2ER
今回は扶桑皇国の使節団として日本にやってきたという閑話になります。今回は軍事になりますね。
皆様にあらかじめお知らせしていただきます。ご存じとは思いますが私は基本的に本編は毎週火曜18時のみに投稿しております。それ以外の時間・曜日に本編を投稿させていただく際は予めお知らせいたします。予告しておらず火曜日の18時以外の時に投稿された場合は閑話ないし設定集だと思ってください。
では閑話、どうぞ
扶桑皇国海軍横須賀鎮守府
扶桑皇国の外交官、学者、軍の参謀などがここに集まっていた。彼らは日本に派遣される使節団である。彼らは日本の用意した客船で
「あれが日本の客船か・・・・・。大和と同じくらい大きいな・・・・」
使節団の一員である扶桑皇国海軍軍令部第1課の作戦参謀、宇戸啓介海軍少佐である。今回日本の軍事力を把握するために使節団に加わったのだ。
日本の使節団が乗ってきたという航空母艦は相当大きかったと聞いていたんで客船も相当大きいだろうと思っていたがまさか海軍最大の軍艦、戦艦大和とほぼ同じくらいの大きさとは思わなかったのだ。
使節団は日本最大の豪華客船「飛鳥Ⅱ」乗り日本に向かった。
日本についた使節団は舞鶴港に着くとそこから用意されていた車で京都駅に向かいそこから新幹線で東京に向かった。
使節団たちは京都や名古屋、東京の高層ビル群を見て驚いた。東京で使節団は分かれて外交官たちはある日本国外務省のある霞が関に参謀たちは防衛省に向かった後東富士演習場や横須賀基地に学者たちは理化学研究所や国立感染症研究所、東京大学などに向かった。
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日本国国防陸軍・海兵隊 東富士演習場
キュラキュラキュラ
キャタピラの音がそこにいた全員の鼓膜をたたく。使節団の視線の先には国防軍の3.5世代主力戦車、10式戦車と第4世代主力戦車、31式戦車である。扶桑皇国陸軍の最新鋭中戦車1式中戦車チヘよりも大きく重厚な戦車は使節団の目を丸くした。
すると隣にいた案内役の女性軍人が説明を始める。
「ではこれから10式戦車の射撃訓練を開始します」
女性軍人は隣にいた兵士に目配せをする。隣にいた兵士は無線機を手に取ると一言こういった。
「
『了解』
戦車隊の隊長からそう返答がある。ついているスピーカーから小隊長の指示が聞こえる。
『ヒトマル、戦闘用意!!状況開始!!』
それから数秒ほどして再び指示が聞こえる。
『小隊は引き続き前進する!ヒトマル前進よぉい!!前へ!!』
小隊長の号令とともに4台の10式戦車は動き始める。重厚な車体は1式中戦車よりも早く滑らかな動きだった。そしてしばらく10式戦車は動いた後使節団の前に差し掛かった時再び号令がかかる。
『5番的前の台戦車!弾種徹甲!止まれ!』
4台は停止すると約1km先にある的に狙いを素早く定める。そして小隊長の野太い号令が響いた。
『撃て!』
ドォーーーーーーン
火薬の匂いがその場にいた全員の鼻腔をくすぐり、ものすごい発砲音とともに戦車から装弾筒付翼安定徹甲弾が発射され敵戦車に見立てた的に命中する。射撃方法は扶桑皇国の戦車と同じだったが余りにも大きすぎる威力に使節団は目を丸くしていた。
『命中!撃破確認!小隊前進!』
小隊長は的に命中させたことを確認すると再び号令を出し小隊を前進させる。そしてすぐに新たな指示を出した。
『2番的前の台戦車!弾種そのまま!止まれ!撃て!』
次は急停止すると間髪入れずに発砲した。扶桑皇国の戦車でも可能だが命中することはほとんどない。だが日本の10式戦車は狙った的に難なく砲弾を命中させる。その命中率に再び使節団は驚いた。
『命中!撃破!小隊前進!』
再び小隊長の指示で10式戦車小隊は前進を始める。
『4番的前の台戦車!弾種そのまま横行行進射!撃て!』
すると次は4台が縦一列に走行しながら発砲した。これも扶桑の戦車に可能だがあの的との距離ではほとんど当たらない。だが再び10式戦車は卓越した命中率を使節団に見せつけた。
戦車の射撃をみた使節団は沈黙していた。
その後140mm砲を装備した31式戦車、23式装甲戦闘車や155mm榴弾砲など国防軍の陸上装備のほとんどを見た。すべて見終わったあと使節団は疲れ切った表情をしていた。
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「冨士木中佐、どう思いますか?」
夜、宇部は同じ使節団の陸軍参謀冨士木一郎中佐にそう問いかけた。冨士木は疲れ切った表情をしていた。
「我が国と日本が戦えば間違いなく負ける・・・・・。資源が少ないらしいが南洋島に侵攻されれば1週間もしないうちに陥落するだろうしな・・・・」
南洋島は扶桑皇国の資源供給地であり資源が豊富にある。冨士木は確かに日本は資源がなく戦争が長引けば干上がるだろうがその前に南洋島を取られてしまえば日本はそこから資源を調達するから干上がることもなくなるだろうと言っているのだ。
「何しろ兵器の性能も練度も違う。あの31式戦車という戦車どころか日本から言えば旧式だという90式戦車とかにも我が国の戦車は勝てそうにない・・・・」
「歩兵にも我が国の戦車は簡単にやられてしまうでしょうなぁ」
2人の間に暗い雰囲気が流れる。
「何より命中率と威力がすごい。戦車、榴弾砲、迫撃砲。すべての兵器がほとんど100%に近い命中率を誇っていた。そして威力もものすごく高かった・・・・・」
「あの誘導弾とかいうのもすごかったですなぁ・・・・・」
二人は明日も海軍の視察があるのだが今度はどんなのを見せられるのか不安と好奇心とが織り交ざった気持ちであった。
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日本国国防海軍連合艦隊所属第1艦隊群第1艦隊イージス艦「まや」
イージス艦「まや」に使節団はいた。訓練は対水上、対潜、弾道ミサイル防衛の順に行われる予定だ。第1艦隊は海上自衛隊時代は第1護衛隊群と呼ばれていた部隊である。艦長の野口は艦橋にいる扶桑皇国の軍人に敬礼をすると自己紹介を始める。
「皆様初めまして本艦の艦長、野口達三大佐です。よろしくお願いします」
「扶桑皇国海軍軍令部の岡野紀彦大佐です。本日はよろしくお願いします」
そういうと2人は握手をする数秒ほどした後に野口は使節団の面々に訓練予定や内容などを改めて説明した。
「訓練は事前に配布いたしました資料の通り、今より30分後の
正直、後半の2つはいらない気もするがこの世界の技術力は弾道ミサイルや核兵器が登場する1940年代と同じためネウロイとの戦争が終わった後人類同士で冷戦の二の舞になっても日本は勝てるぞと言う一種の威嚇である。対潜戦闘訓練は潜水艦はもうあるため人類同士の戦争の時のための錬度維持が目的でもあった。
すると扶桑皇国の軍人が手を上げた。
「あの」
「なんでしょう?」
「対水上戦闘は分かるのですがこの対潜戦闘訓練やびーえむでぃーというのは・・・・・?」
それもそうだろう。まだ弾道ミサイルは出てきていないし潜水艦はあっても人間同士での戦争に使われたことがないのだから分からないのも当然だ。
「対潜戦闘訓練と言うのは主に日本近海に潜む潜水艦や日本近海を航行する艦船を攻撃する潜水艦に対する対処訓練になります。BMDと言うのは最高上空1000kmに上昇し弾道を描いて落下してくるミサイルと呼ばれる兵器を迎撃するための訓練になります」
一同はあまりピンと来ていないようだ。人類同士の戦争を体験したことのない軍人たちだ。日々お隣からミサイルが飛んできて10年前には赤い軍事大国に領土の一部を取られかけた日本の軍人が言うことが分からないのも無理はない。
「まぁ見てからのお楽しみと言うことで」
野口は苦笑するとそう言った。
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10時
「レーダー探知!右30度!速度27ノット!距離30マイル!針路210度!」
訓練はOPSのレーダー画面を見ていた兵士のその報告によって始まった。その兵士に合わせるように次の兵士は報告を始める。
「生物自然物の可能性なし!敵味方識別装置反応なし!」
「敵艦艇と思われる!」
それを聞くと野口は号令をかける。
「教練対水上戦闘よぉい!!」
『教練対水上戦闘よぉい!』
1分ほどで艦内の至る所にある水密扉が閉じられ乗組員は戦闘配置につく。
「各部、教練対水上戦闘よぉいよし!」
「SSM-2、発射弾数二発、目標右30度距離30マイルの敵艦艇!」
対艦ミサイル担当が素早く命令を復唱し17式艦対艦誘導弾にデータを入力する。
「目標、右舷30度、距離30マイル、発射弾数二発。発射用意よし」
「SSM-2、攻撃はじめ!!」
砲雷長がそう指示を飛ばすとミサイル発射担当は警告スイッチをいれこれからミサイルが発射されることを告げるベルが艦内に響き渡る。数秒ほどベルを鳴らした後スイッチをきる。
「一番発射よぉい・・・・・てぇー」
ミサイル発射ボタンが押されレーダー画面にミサイルを表す光点が映し出される。
だが訓練用プログラムが走っているため実弾はもちろん発射されない。演習のたびに一発何億円もするミサイルをぶっ放されては予算がいくらあっても足りない。
「二番発射よぉい・・・・・てぇー」
再びミサイル発射ボタンが押されミサイルを表す光点が画面にあらわれた。
だが不意に敵艦艇を表す記号から光点が分離し画面中心の自艦に向かってきた。光点にはすぐにトラックナンバーが降られる。
「!敵艦艇から高速飛行物体が分離!弾数二発!」
「敵対艦ミサイルと思われる!まっすぐ突っ込んでくる!」
対艦ミサイルがこちらに発射されたことを表していた。実戦で敵艦艇がミサイルを発射されたのに何もしないわけがない。対艦ミサイルを発射して敵艦艇を撃沈し対空ミサイルなどで敵のミサイルを撃墜しようとするからだ。この訓練用プログラムはそこまで再現しているのだ。
「再び敵艦艇より高速飛行物体分離!こちらに突っ込んでくる!」
「攻撃はじめ!
砲雷長の指示で電子戦担当士官はECMの準備を始める。
「NOLQ-2、パッシブからアクティブに変更!ECMはじめ!」
この「まや」に搭載されているNOLQ-2は現実とは違い、電子攻撃が可能になっている。妨害電波が発せられレーダー画面上から光点が二つ減り残り2つになる。
「トラックナンバー2627、2628撃墜。トラックナンバー2629、2630まっすぐ突っ込んでくる!」
「EA攻撃止め!
艦長の指示でSM-2の発射準備が始まる。
「
「VLS開放!
「SM-2、攻撃はじめ!
発射ボタンが押されSM-2を表す記号が4発レーダー画面に現れ対艦ミサイル2発に向かう。
「
SM-2の記号と対艦ミサイルの記号が重なった。だが対艦ミサイルのうち一発はそのまままっすぐ突っ込んできた。
「トラックナンバー2630、
「主砲攻撃初め!」
「Mk45mod4、発砲よォいよし!」
砲術士が残った対艦ミサイルに狙いを定める(とはいってもレーダー画面上、本物の主砲はピクリとも動かない)。
「撃ちィ方始め!・・・・・てぇ」
砲術士が発砲トリガーを引く。だがレーダー画面上から対艦ミサイルの光点が消えることはなかった。
「まや」に搭載されているMk.45 5インチ単装砲mod4はオート・メララ127mm単装速射砲にくらべ対空性能より対水上・対地攻撃性能が優先され発射速度も半分以下になっている。ただ、それでもちゃんと対空戦闘は出来る。
「CIWS、AAWオート!」
砲雷長の指示ですぐさまCIWSが起動する。そして数秒後、レーダー画面上から対艦ミサイルの光点が消滅した。
「ターゲットキル!」
「こちらの対艦ミサイルはどうなっている!」
今まで敵の対艦ミサイルに気を取られていたため砲雷長はそう聞いた。
「1番が撃墜されましたが2番が間もなく到達します!」
レーダー画面からは光点が一つ消えていたがもう一つの光点が間もなく到達するところだった。
「命中まで5,4,3,2,1・・・・・。
「敵艦艇、撃沈確認!」
敵艦を表すアイコンが対艦ミサイルを表すアイコンと重なりどちらも消滅する。
「本艦に近づく水上目標なし!」
「教練対水上戦闘用具おさめ!」
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その一〇分後、対潜戦闘訓練が行われ敵潜水艦一隻を探知し魚雷二発の攻撃を受けたが回避に成功し敵潜の撃沈判定を叩き出した。
そして昼食を取った後本日のメインであるBDM訓練が行われることとなった。
この訓練はSM-3の最新バージョンであるRIM-161Gスタンダードミサイル3BlockⅢBの評価テストも兼ねていた。そのため陸軍の第1戦略防空砲兵団のIRBM発射部隊が模擬弾頭搭載のIRBMを前世界の中国があった土地に向かい発射準備をしていた。
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中国大陸・新疆ウイグル地区跡地(日本側呼称)
強い風が吹く荒涼地帯。周りに緑はほとんどなく、乾いた土地が広がり時々痩せた木がぽつぽつとあるだけの場所にオリーブドラム色の人工物があった。
正体は日本国国防陸軍第1戦略防空砲兵団所属のIRBMの移動式発射台とその付属車両である。車両群のまわりでは迷彩柄の作業服をきた兵士たちがせわしなく動いていた。
「隊長!最終点検及び発射準備完了しました!」
一人の兵士がこの部隊の隊長にそう報告する。隊長がそう言われてみた先には太い筒のようなものーアメリカからの技術協力をえて開発した35式中距離弾道誘導弾「草薙Ⅰ」ーをみる。搭載弾頭は模擬弾頭で今回開発されたSM-3BlockⅢBの性能評価テストのためにここから太平洋洋上に向け発射するのだ。
隊長は時計を見る。時刻は間もなく15時になろうとしていた。
「よし、間もなく時間だ!発射用意!」
「はっ」
発射台の周りから兵士たちは退避し発射時の煙に巻き込まれないようにする。そして時計が15時を示した時隊長が命令した。
「発射命令発令!・・・・・・撃て!」
ゴォーーーーーー
ものすごい発射煙と轟音を残しIRBMは大空へと発射された。
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「早期警戒レーダー及び偵察衛星から伝達!ユーラシア大陸中央部より弾道ミサイルが発射された模様!」
「まや」のCIC内にそんな声が響き渡った。
「防衛省より破壊措置待機命令を受領!敵弾道弾の追尾及びSM-3の発射準備を始めます!」
弾道ミサイルは10分ほど上昇した後1段目を切り離し落下を始める。
「艦長!敵弾道ミサイルの着弾予想地点が出ました!」
「どこだ?」
「東京です!それを受け防衛省より破壊措置命令が発令されました!」
もちろん訓練なためそんなことはない。発射されたIRBMはちゃんと太平洋上に着弾する。
「了解!SM-3発射よぉい!目標、敵弾道ミサイル!」
「SM-3発射用意!イルミネーターリンクス!データ入力よし!」
甲板のVLSが開きSM-3が顔をのぞかせる。そして砲雷長が艦長の方をむく。
「攻撃を開始します」
「うむ、やってくれ」
「
ミサイル発射担当が発射スイッチに手をかける。
「
スイッチが押されVLSからSM-3BlockⅢBが発射される。そして弾道ミサイルを迎撃するために宇宙に向かって飛んで行った。
「す、すごい・・・・・」
使節団の一人は発射されるミサイルを見てそうつぶやいた。
約10分後、SM-3のキネテック弾頭が弾道ミサイルの模擬弾頭に近づく。
「インターセプト15秒前・・・・・・・・スタンバイ・・・・・・マークインターセプト!」
レーダー画面のSM-3を表す光点と弾道ミサイルを表す光点が重なり消え去る。
「迎撃・・・・・成功!」
艦全体が歓喜につつまれた。
模擬弾頭の破壊にも成功し性能評価テストでこのミサイルは中距離核弾道ミサイルに非常に有効であることが証明されたからであった。
「評価テストは成功ですね!艦長!」
「ああ」
航海長と艦長はそんなことを話していると後ろから使節団の軍参謀が話しかけてきた。
「野口艦長、どういうことなのでしょうか?乗員は喜んでいるようですが・・・・」
岡野であった。後ろを見ると使節団の参謀たちは?マークを浮かべていた。
「実はこの訓練は最新型の弾道弾迎撃ミサイルの性能評価テストも兼ねていたんです」
「と言いますと?」
「士官室に移動しましょうか」
野口は使節団を第2士官室と呼ばれる部屋に案内した。
ーーーーー
「まず、弾道ミサイルと呼ばれるものについてですが」
そういうと野口は隣にいた広報士官に目配せをする。士官はパソコンを使いあらかじめ作成してあったスライドムービーをプロジェクターで参謀たちに見せる。
「我々が転移する前の元の世界には弾道ミサイルと呼ばれる、最大、上空1000kmまで上昇し最大射程1万6000kmの地球のほぼ全域を射程に収める兵器がありました。着弾までは長くても1時間ほどです」
元の地球の世界地図と短距離、準中距離、中距離、大陸間、各種弾道ミサイルの射程が表示される。
「この兵器は、爆弾のような通常兵器はもちろん1発で半径10数キロを吹き飛ばすほどの威力を持つ核兵器と呼ばれる爆弾も積み込み敵の主要都市を攻撃することが出来ました」
プロジェクターには日本の第3の被爆であるビキニ環礁で行われた核実験の写真が映し出された。
余りの威力の大きさに扶桑皇国の参謀たちは息をのむ。
「わが国には射程5,500kmの中距離弾道ミサイルと先ほど言った核兵器の一種である水素爆弾の核弾頭5発があります」
日本の保有するIRBM”35式中距離弾道誘導弾「草薙Ⅰ」”が映し出される。
射程5,500kmと言うことは扶桑の全国土が射程に収まっていると言うことだ。参謀は底知れぬ恐怖を感じる。
「この弾道ミサイルの落ちてくる時の速度は、わが国が保有するものだと時速7200km、ICBMと呼ばれる射程6000km以上のものとなると時速1万4200kmにおよびます」
余りにも早すぎる。扶桑皇国が使用している機銃や高角砲、3式弾など、あらゆる対空火器を使用しても迎撃は出来ない。いや、まず再突入してくるのが見えた時点で準備を始めても準備が完了する前に着弾してしまうだろう。
「この兵器は転移前の世界の大国と呼ばれる国はほとんどが持っていました。我が国の隣国にもこの兵器を持った国家が2つありました」
転移前の日本は北の将軍が納める国と、そのお隣の赤い星の国が持っている核弾頭搭載弾道ミサイルの脅威に日夜さらされてきた。
「そのため、日本は早期警戒衛星と呼ばれる宇宙空間にある観測機器や全国にあるレーダーサイトを使用し敵弾道ミサイルの発射をいち早く察知し、着弾地点を予想し迎撃するための兵器を持っていました」
参謀たちは信じられなかった。時速7200kmで突っ込んでくる兵器を迎撃可能なのだろうかと。
「それがSM-3弾道弾迎撃ミサイルです。このミサイルやPAC-3、PAC-4を使用し、弾道弾を迎撃することを
SM-3BlockⅡBの写真が映し出される。
「まず、このミサイルは上空500kmまで上昇し突入してくる敵弾道ミサイルの弾頭を破壊、迎撃します。今日の演習で使用されたのは最新型のSM-3BlockⅢBと呼ばれるもので、ICBMへ対する完全な対処能力が付与されたものになります。本日の演習はそのミサイルの性能評価テストも兼ねていたというわけです」
説明が終わると参謀たちは絶句していた。余りにもかけ離れた技術力。全く違う、戦術、戦略。1週間もしないうちに扶桑は日本に負けると言っていたがとんでもない。日本が本気を出せば1時間足らずで扶桑は日本に完全敗北してしまうだろう。
「また、このミサイルでの迎撃が失敗したとしても、地上にあるPAC-4と呼ばれるミサイルなどでこの弾道弾を迎撃します」
すると一人の若手の参謀がおそるおそる手を上げる。
「野口艦長」
「何でしょうか?」
「何故、その弾道弾迎撃みさいるのテストをしたのですか?この世界には弾道みさいるという兵器を持っているのは貴国だけですよ」
そうこの世界には核兵器はおろか弾道ミサイルも未だない。なのになぜこの世界でもその弾道ミサイルの迎撃訓練や迎撃ミサイルのテストをするのか疑問だったらしい。
「実は、この核兵器や弾道ミサイルの原型が出来たのが我々がいた世界だと大体今ぐらいの技術力の時なんです」
「え・・・?」
「今から弾道ミサイルの原型が出現した90年前の技術力はこの世界の今ぐらいの技術力とほとんど同じなんです。つまり、これから弾道ミサイルなどが現れるかもしれないからそのための対策をするために訓練をしているんですよ」
もしかしたら日本が持っている兵器と似たようなものを持てるかもしれない。この日本に来てからその圧倒的な技術力の差に絶望していた参謀たちにとって少し光が見えた気がしたのだ。
この後扶桑は日本から持ち帰った本等を元に弾道ミサイルの開発に乗り出すことになった。核兵器の開発も使用と言う動きがあったがこの世界に核と言う禁断の兵器を広がらせたいくない日本はその動きを察知し止めさせた。
いかがでしたでしょうか?
実は私、弾道ミサイルの再突入時の速度を見た時「えっ、早すぎじゃね」と思いました。これで本当にPAC-3で迎撃できるのか不安になる。まぁ、PAC-3は短距離弾道ミサイルの迎撃がメインだから中距離より遅い短距離弾道弾なら迎撃できるんですかね。
では次の閑話は「扶桑皇国の使節団2」を予定しています。おたのしみに