ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!? 作:RIM-156 SM-2ER
「・・・・・・」
今浦はコーヒーをもってバルクホルンとハルトマンの訓練の風景を見ていた。
すると後ろから芝生を踏みしめる音が聞こえ後ろを向くとそこには飯塚がいた。
「・・・・飯塚か」
「中佐。バルクホルン大尉の過去に何があったか、ご存じありませんか?」
今浦は訓練風景から視線を外しキョトンとした顔で飯塚をみる。
「バルクホルン大尉の過去?いや、知らないが・・・・・ヴェルケ中佐なら何か知っているんじゃないか?確かドイ・・・・コホン。カールスラントからの仲だそうだ」
「そうですか・・・・・」
今浦は再び上空に視線を戻す。
「・・・・・気になるのか?」
「ええ、なんだか昔の自分を見ている気がして・・・・・」
飯塚がそういうと今浦はフッと笑う。
「それだけじゃないだろ?彼女が
「っ・・・・・!気づいてたんですか・・・・・」
飯塚が驚いた顔で今浦にそう聞くと今浦はまるでいたずらに成功した子供のような顔をしながらこう答えた。
「当たり前だ。何年の付き合いになると思ってる」
「それもそうですね」
飯塚は今浦とともに空を見上げる。
しばらく訓練の様子を見た後飯塚はふと口を開いた。
「今度、ヴェルケ中佐に聞いてみます」
「分かった・・・・」
ーーーーーー
「ヴェルケ中佐殿、いらっしゃいますか?」
飯塚はミーナの執務室のドアをノックしつつそう聞いた。すると中から声が聞こえてきた。
「ええ、どうぞ」
了承を得ると飯塚はドアノブに手をかけてドアをガチャリと開けた。どうやらミーナはデスクワークの真っ最中らしく机の上の書類にペンを走らせていた。
静かな部屋に普段は聞えないカリカリというペンの音はよく響く。しばらくするとミーナは持ってた万年筆にキャップをして飯塚の方を見る。
「ごめんなさいね。最近は書類の量が多くて・・・・」
「いえ、階級があがれば書類が増えるのはどこの組織でも一緒です」
飯塚がそういうとミーナは苦笑する。そして立ちあがってコーヒーを入れ始めた。
「そういってくれるとありがたいわ。それで?何の用かしら?」
ミーナはコーヒーミルのハンドルを回しつつ飯塚にそう聞いた。コーヒーミルの中ではゴリゴリと音を立てながらコーヒー豆が砕けていい香りが漂ってくる。
「バルクホルン大尉のことで・・・・・・」
「トゥルーデの・・・・?」
「はい、バルクホルン大尉の過去には何かあったのではないかと思いまして・・・・・」
ふとミーナのハンドルを回す手が止まった。そして飯塚の方をいつになく険しい顔でみる。
「なぜ、そんなことを聞くのかしら?飯塚さん?」
「いえ、今のバルクホルン大尉の雰囲気は昔の自分によく似ていると思いまして・・・・・」
「どういうこと?」
ミーナがそう聞くと飯塚は少し話すのをためらうが何かを決意して口を開く。
「家族を失った時の自分はあんな感じでした」
「そう・・・・・」
ミーナは少しばつが悪そうに眼を伏せる。そして、再びコーヒーミルのハンドルを回し始めた。どちらも黙りゴリゴリとコーヒー豆が砕ける音だけが部屋を支配する。
しばらくコーヒーミルのハンドルをまわし続けるとコーヒー豆が全て砕かれたのか手ごたえが無くなったようでコーヒーミルの下についた引き出しを取り出してコーヒーフィルターをセットしてそこに砕けたコーヒー豆をいれ程よく暖められたお湯を注ぐ。すると先ほどとは比べ物にならないほどの香ばしく芳醇な香りが二人の鼻腔をくすぐる。
「ブルーマウンテンの香りはいいわね」
ブルーマウンテン、飯塚も知っている高級なコーヒーだ。ミーナはそういいつつ香りを楽しんだ後一口口の中に含みストンとのどの奥に落とす。そしてまだなみなみと黒いコーヒーが入ったままのコップを持って机に向かいコップを机に置くと口を開いた。
「いいわ。話しましょう」
いかがでしたでしょうか?
そういえば前回、題名は「大尉の過去」と予告していましたね。本当は一話で納めようと思ったんですがそれだと間に合わないのと文字数が多くなりそうなので止めました。本当に何から何まで申し訳ありません。
あと、飯塚の過去に何があったかですが、詳しくではないですが本編でもういいましたね。飯塚は過去に亜里沙さんと言う家族を失っています。いつ、どこでかはまた今度。
ではまた次回さようならぁ
第16話 大尉の過去(後編)
お楽しみに!