ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!? 作:RIM-156 SM-2ER
どうやら作者は戦闘後のパートが苦手らしいです。書いてて少しうーんと思ったこともしばしば・・・・。
ですがどうにか納得する物には出来ました。
では、本編どうぞ
『ぐあっ・・・・』
『大尉!!』
バルクホルンの呻き声のような声の後ペリーヌの悲痛な声が無線から聞えてきた。飯塚が何事かと思い下を見るとバルクホルンが下に落ちて行くではないか。
『バルクホルンさん!』
宮藤とペリーヌはバルクホルンを確保すべく降下していく。だが飯塚はバルクホルンの落ちて行く姿を見た瞬間とある光景がフラッシュバックした。
広い体育館の中で最愛の妹が物言わぬ屍となり横たわっている姿。そしてその真横で泣きじゃくる自分。
この10年前、家族を失った時の光景。その光景が飯塚の脳裏によみがえった。
「くっ・・・・・今浦中佐!バルクホルン大尉が負傷!救難隊を要請します!」
しばらくして今浦から返答があった。
『許可する。だがヘリが来るのは戦闘が終了した後だ!今はこのくそったれを撃ち落とすぞ!』
「了解」
飯塚は無線チャンネルを変え基地に救難ヘリを要請した。
ーーーーーー
地上ではバルクホルンを確保しペリーヌと宮藤がゆっくりと地面に下ろす。
宮藤がバルクホルンの軍服のボタンをはずし軍服を脱がすと胸元が血で染まっていた。
「わたしのせいだ。どうしよう・・・・」
ペリーヌが悲痛な声を上げる。
「出血が・・・・!動かせない。もっとひどくなる。ここで治療しなきゃ・・・・」
飯塚はその会話を無線で聞いていた。
『宮藤さん。バルクホルン大尉の傷は貫通していますか?』
宮藤は突然のことで一瞬戸惑うがすぐにバルクホルンの背中を確認し背中も少し血で染まっていることを確認した。
「貫通してます」
『了解。救難ヘリの救命士に連絡しておく』
救難ヘリが何のことかは分からなかったが宮藤はすぐに自身の固有魔法である治癒魔法を使いバルクホルンの治療にあたり始めた。
ほのかに青い優しい光がバルクホルンの体を包み傷が少しずつふさがってゆく。
「こんな力が・・・・・・」
ペリーヌは横でその光景を見ていて宮藤の魔法力の高さに驚く。
だが、ネウロイはその様子に気づいたらしく3人に向かってビームを浴びせる。ペリーヌはそれを自身のシールドで必死に防いだ。
その衝撃でバルクホルンは目を覚ました。
「私に張り付いていては、お前たちも危険だ。離れろ。私なんかに構わず、その力を敵に使え・・・・・」
「いやです。必ず助けます。仲間じゃないですか!」
バルクホルンは自分の治療をしていてはネウロイからの攻撃にも対処できず危険だから離れろというが宮藤はそれに構わず治療を続ける。
上空ではバルクホルンが離れたことで幾分か攻撃しやすくなったのかF-35からの攻撃も増えインカムからは今浦たちの符丁や指示なんかが聞えてくる。
「敵を倒せ。私の命など捨て駒でいいんだ・・・・」
その言葉に会話を聞いていた飯塚の中で何か一つの感情がはじける。端的にいえばカチンときた。飯塚はネウロイにロックオンしていたミサイルを発射すると思いっきり怒鳴る。
「捨て駒でいいだと・・・・?ふざけるなよ!お前が死んだあと眠っている妹さんはどうなる?誰が面倒をみる?起きたら最愛の姉はこの世に既にいない、それを知った時の妹さんの気持ちを貴様は考えたことがあるのか!?」
普段の飯塚からは考えられない口調に向嶋や緑川さらにウィッチーズの隊員は驚く。だが今浦だけは何故か何かを悟ったような表情でネウロイへの攻撃を続ける。
「けど・・・・・。そのたった一人の妹すら守れない私に、生きている価値なんか・・・・・」
「それは違います!」
宮藤が治療を続けつつそう言った。
「生きていればきっと、いいことだってあります。それに、バルクホルンさんが生きていれば私なんかよりもっとたくさんの人を守れます!だから、死んじゃ駄目です!」
「早く、もう余り持ちそうにないの・・・・・」
ペリーヌは先ほどから一人でネウロイの攻撃を防いでいるのだ、そろそろ限界が近づいて来ていた。
その状況を察した向嶋が今浦に無線で話しかけた。
「やばいぞ!クロステルマン中尉のシールドが持ちそうになさそうだ!」
「了解!全機、奴さんの注意をひきつけるぞ!」
今浦がそう指示すると無線から3人の威勢のいい返事が聞こえてきた。
「「「了!」」」
飯塚は機体をネウロイに向けると機銃発射ボタンでもミサイル発射ボタンでもないボタンに手をかける。そしてネウロイに近づくと機体を上昇させそのボタンを押した。
「チャフ発射!」
機体の後部から光弾のようなものが多数発射されネウロイの表面に当たる。チャフは本来アクティブレーダーホーミングミサイルなどへの欺瞞・防御に使われるが、飯塚はそれを注意をひきつけるために使った。
「こっちだ!ついてこい!」
ネウロイはチャフをうっとうしく思ったのか飯塚の機にビームを集中させる。もちろん音速を超えているジェット戦闘機にはなかなか当たらない。
すると次は緑川が横からネウロイに狙いを定め25mmガトリング砲を発射する。
「FOX-3!!」
ブォォォォ
低く唸るような発砲音とともに25mm砲弾が発射されネウロイに着弾する。そして緑川はネウロイの表面すれすれを飛行しネウロイを挑発した。
「鬼さんこっち!手のなる方へ!・・・・・あらよっと!」
ビームが緑川の機をかすめるが緑川は機体をロールさせ避ける。
『『FOX-1!!』』
続けざまにミサイルが4発ネウロイに着弾する。今浦と向嶋が放った30式短距離空対空誘導弾だ。ネウロイは四方八方に向けビームを乱射した。ただ国防軍の戦闘機にはただの一発たりともあたることはなかった。
だがそんな中、一つだけ狙いが外れ地上の3人の方へ飛んで行ってしまう。
「しまった!!」
ペリーヌはシールドで防御しようとするが威力を殺しきれず後ろに吹き飛ばされてしまう。それと同時に宮藤も治癒魔法をしばらく使い続けたせいで、疲労からか気を失ってしまう。
だが、その時丁度、バルクホルンの治療が完全に終わった所だった。
――クリス・・・・・!
バルクホルンの脳裏に妹の姿が映る。
――私の力、一人でも多くを・・・・・今度こそ守って見せる!
バルクホルンはそう決意するとMG42と99式2号2型改機関銃を手に取る。その時、疲労から気を失っていた宮藤が目を覚ました。
「バルク・・・・ホルンさん・・・・・」
バルクホルンはその声に微笑みで返すとネウロイに向かって飛んで行った。
丁度その時、ウィッチ隊や戦闘機からの攻撃でコアが露出したところだった。バルクホルンはそこに狙いを定め2丁の機関銃を発砲した。
「うおぉぉぉぉ!!」
コアは13.2×99mm弾と7.92x57mmモーゼル弾をくらいネウロイの体とともに粉々に砕け散った。
ネウロイが完全に消滅したことを確認するとミーナはバルクホルンの元に飛んでいく。バルクホルンはその気配を感じ振り向く。
「ミーナ・・・・・っ!」
ミーナはバルクホルンの頬を平手でたたく。パチンという乾いた音がし、バルクホルンは一瞬呆然としてしまう。
「なにをやっているの!あなたまで失ったら、私たちはどうしたらいいの?!故郷も何もかも失ったけれど私たちはチーム、いえ家族でしょう?この部隊の皆がそうなのよ」
そこまで言うとミーナはバルクホルンを抱きしめる。あなたの妹のクリスも、きっと元気になるわ!だから、妹のためにも新しい仲間のためにも死にいそいじゃだめ!」
ミーナが涙声でそういう。
「皆を守れるのは、私たちウィッチーズだけなんだから・・・・」
「・・・・・すまない。私たちは家族だったな・・・・・」
暫くバルクホルンは考え事をした後に口を開く。
「休みを・・・・・休みをもらえるか?見舞いに行ってくる」
その言葉にミーナはコクリと頷く。そして、今浦たちはそれを微笑みながらみた後こう言った。
「よし、帰りますか!」
だが、その時遠くから空気を叩くようなパタパタパタと言う音が聞こえる。何事かと思いウィッチーズの隊員たちは音のする方を見る。その方向には箱のようなものの上にプロペラがついているオートジャイロのようなものがいた。
「なんだ?あれは?」
坂本が魔眼で確認するとそのはこの中には人がいるようだった。
「ああ、救難ヘリか・・・・」
「救難へり・・・・?」
ミーナは聞き慣れない単語に首をかしげる。
「自分がバルクホルン大尉が負傷した時に要請したのが来たみたいですね・・・・」
飯塚は苦笑交じりにそう言った。その時救難ヘリから無線が入る。
『日本国国防海軍第1空母ヘリ隊です。負傷者がいるとの救難要請を受け参りました。・・・・で、要救助者はどこに?』
今浦はそこであることを思い出す。
「そういえば、バルクホルン大尉。一応、”あかぎ”で検査を受けた方がいいぞ。暴発した破片が体内に残っていたら大変だからな」
「でも、艦の医務室でだろう?それよりも基地に帰ってからの方がいいんじゃないか?」
坂本がそう言って難色を示す。
普通、船の救護しつよりも地上の病院の方が精密検査が受けられるし設備も揃っているのだが、”あかぎ”は移動式基地として設計されたため医療設備がそろっており尚且つこの世界の医療水準とはかけ離れている。
「いや、あかぎは元々移動式基地として設計されたんで医療設備は国防海軍の中でも結構揃ってるんですよ。ちょっとした医院並みの設備はありますよ」
あかぎではちょっとした外科手術が出来るほか小さいながらレントゲン室もある。(さすがにMRIは乗せていないが)
するとミーナが口を開く
「今浦中佐がそこまで言うなら検査を受けてきた方がいいわよ」
「・・・・・そうだな。分かった」
今まで黙っていた救難ヘリのパイロットが尋ねてくる。
『えーと、一名をあかぎまで検査のため搬送・・・・と言うことでよろしいですか?』
「ああ、構わない」
『じゃあ、連れて行くんでヘリについて来てください』
ヘリは旋回しやってきた方向に戻っていく。坂本とミーナとバルクホルンはヘリについていった。
「では、皆さんは基地に帰還しましょうか」
今浦がそういうとF-354機と宮藤、ペリーヌ、リーネの3人は基地に帰っていった。
ーーーーー
夕方
リーネと宮藤は滑走路の横で3人の帰りを待っていた。その横にある駐機場では戦いを終えたF-35、4機が羽を休め点検や消費したミサイルや砲弾の積み込みを行っていた。
「はぁ・・・・結局何にもやれなかった・・・・」
宮藤は溜息をついてそういった。リーネが横で微笑みながら「そんなことないよ」と言う。
「そうかなぁ・・・・」
「そうですよ」
「きゃっ!」
後ろから急に男の声がしたと思ったらそれと同時にとても冷たいものが宮藤の頬にくっつけられ、宮藤は思わず悲鳴を上げてしまう。リーネと宮藤は後ろをむくとそこにはジュースを持った飯塚がいた。
「どうぞ」
いつもの優しい笑みで飯塚はジュース缶を二人に渡す。二人がそれを手に取ると飯塚は満足げな顔をし、自身のポケットから同じジュース缶を取り出す。そしてプルタブを開けて中のジュースをうまそうに飲む。二人も飯塚のまねをしてプルタブを開けて中のジュースを一口飲む。
オレンジの甘みと酸味が口の中に広がる。二人は気に入ったのかごくごくとジュースを飲む。
その時ペリーヌが格納庫から出てきた。宮藤は一瞬いつものごとく文句を言われるのかと身構えたが、ペリーヌは一瞬ためらいを見せた後予想外の言葉を放つ。
「あ、ありがとう・・・・」
「えっ・・・・・?」
予想外の言葉に宮藤は戸惑いを隠せなかった。
「一応御礼だけは言っておくわ」
「うん!」
宮藤は嬉しそうに声を上げるが次は後ろから急に抱きつかれる。
「うわっ!」
抱きついたのは今まであまり親交のなかったハルトマンだった。
「宮藤!トゥルーデを助けてくれたんだって?」
「トゥルーデ・・・・?」
宮藤は聞き慣れない単語に首をかしげるが、飯塚はミーナとの会話で時々出てきたことがあったためバルクホルンのことを指しているのだと分かった。
「ああ、バルクホルン大尉のことですね?」
ハルトマンは飯塚の言葉にコクリと頷く。
「いえ、助けて貰ったのは私の方で・・・・」
「そんなことないですよ。さっき電話で、大尉の怪我は完治していて体内に弾も残っていないって知らせがきましたから・・・・」
その時リーネが3人がかえってきたことに気がつく。西の方角に3つの人影がかすかに見えた。その場にいた4人は手を振り、飯塚はその光景を後ろから微笑みながらみていた。
バルクホルンはその様子に気がついたらしく少し照れくさそうに手を上げた。
「おかえりなさい!」
4人の元気な声が基地じゅうに響き渡った。
いかがでしたでしょうか?
アニメ版でなんでバルクホルンたちが帰ってくるのが宮藤たちに比べあんなに遅かったのか分からなかったので勝手に理由を造りました。
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ではまた次回、さようなら
次回 第21話 家族
お楽しみに!