ストライクウィッチーズの世界に日本が転移!?   作:RIM-156 SM-2ER

36 / 48
皆さまどうもSM-2です。
受験生になってしまいました。可能な限りストックをしているため暫くは大丈夫ですが、場合によっては投稿が開くかもしれません。ではどうぞ。


第24話 日常

「・・・・・それで、本国から新たな部隊が来るらしい」

 

坂本と今浦は廊下を歩きつつ、事務などについて話あっていた。すると坂本が今浦の話を止める。角の右側からリーネと宮藤がやってきた

 

「すまない。おい宮藤!」

「ちっ、ちがうんです!」

 

なぜか宮藤は赤い顔をして振り向くと坂本の胸をもんでしまう。

 

「あっ・・・・・」

 

宮藤は目の前の人物を理解したらしい。すると坂本はいつにない低い怒気の籠った声で話し始める。

 

「楽しいか・・・・・?」

 

宮藤は慌てて手を坂本の胸から離す。リーネが慌てたような顔をする。

 

「さ、坂本少佐!」

「ご、ごめんなさい!」

 

今浦は横であちゃーという顔をしてなるべく気配を殺していた。坂本が怒っているのは明白でありどんなことで自分に火の粉が飛んでくるかわからないからだ。

坂本は軍刀を抜く。

 

「たるんでる・・・・」

 

まるで時代劇であるように「無礼者!」と言われて切りかかりかねない雰囲気に宮藤は後ずさりしてしまった。宮藤は軍刀の鞘で頭を叩かれてしまった。

―――――――

「う、海ですか・・・・・」

 

緑川は海に行くと聞いていかにも嫌そうな顔をした。髙梨も口には出さないが緑川同様、嫌そうな顔をした。

 

「海に行くんですか!」

 

先ほどまで坂本に叩かれた頭をさすってもらっていた宮藤は海に行くと言った途端に元気になった。

 

「ああ、そうだ。明日、1000。本島東側の海岸に集合だ」

「やったぁ!海だ!海水浴だ!」

 

海だと聞いて元気にはしゃぐ宮藤とは裏腹に今浦たち8人は苦笑いを浮かべそのうち、防衛大学校出の緑川と髙梨はものすごく嫌そうな顔をする。

 

「どうせ、訓練だよ。飯塚!明日の午前のアラート代わって!!」

 

訓練のため明日はアラートが午前と午後で分かれていた(普段は8時間ごとにバックアップ組とスクランブル組で交替している)。午前は飯塚と今浦、午後は高林と髙梨だった。緑川は午後のバックアップなため2機以上が襲来してくるようなことがなければ緑川の出動機会はない。

 

「むりですって」

 

飯塚はそう言って緑川の提案をきっぱりとことわる。緑川はまるで世界の終りが来たかのような絶望したような顔をする。

 

「なんで、緑川さんは海が好きじゃないんですか?泳げないんですか?」

 

宮藤は未だに遊びで行くと思っているらしく緑川にそう聞いた。

 

「泳げるよ・・・・。泳げるけど、たぶん訓練だろうし何より、防大の頃のトラウマが蘇る!!」

 

そう言って緑川は頭を抱える。

 

「えっ!訓練なんですか!」

「そうだ。我々は戦闘中何が起きても対応できなければならん!例え海上で飛行不能になってもだ」

「俺も教官に航空学生の頃耳にタコが出来るほど言われたなぁ・・・・・」

 

フライトスーツ姿の向嶋は懐かしそうにそう言った。だが坂本はそんなことを気にせず続ける。

 

「そこで海に落下した時の訓練が必要なのだ」

「なるほど・・・・」

 

宮藤が落胆したようにそうつぶやくと坂本は宮藤の方を見る。

 

「なんだ、宮藤!訓練が嫌いなのか!」

「いえ、そうじゃないですけど・・・・・」

 

坂本に強く言われてしまうと宮藤はそう言うしかなかった。

 

「うふふふ。集合場所はココ、時間は1000時よ。ところで緑川さんは何でそんなに怯えているのかしら」

「「「「「え・・・・・?」」」」」

 

ミーナの言葉にその場にいた全員が緑川を一斉に見る。まるで緑川は借りてきた猫のように怯えていた。する髙梨が苦笑しながら説明をした。

 

「この人、防衛大学校にいた頃、東京湾を8キロ泳ぐっていう大会があったんですけど、それでおぼれたことがあって、そのあと国防海軍の幹部候補生学校で・・・・・」

――――――

「お願いします!教官殿!海だけは・・・・・!」

 

8年前、江田島の海上自衛隊改め国防海軍幹部候補生学校に緑川の姿があった。目の前の海では同期たちが必死に泳いでおり、緑川の目の前には怖い顔をした教官がいた。

 

「何を言うか、緑川航空幹部候補生!国防海軍の軍人たるもの泳げんものなどありえんのだ!」

 

そういうと教官は緑川を海に突き飛ばす。

 

「ぎゃぁ!死ぬぅ!死ぬぅ!」

 

緑川のトラウマはこの一件以来悪化してしまった。

――――――

「・・・・・・・なんで、こいつは海軍を志望したんだ・・・・」

 

今まで黙って聞いていた今浦があきれ顔でそう言った。他の全員も口には出さないが、その言葉にうんうんとうなずいていた。

すると、緑川が涙顔で顔をバッと上げた。

 

「だって!最初は空軍に入隊しようと思ったけど、戦闘機パイロットの倍率高くて!でも海軍だと戦闘機パイロットの倍率が低かったんだもん!」

 

まるで、悪さがばれた子供のような言い方に一同は呆れる。するとリーネが横にいた髙梨に話しかける。

 

「倍率ってどれくらいだったんですか・・・・?」

「えっと、私が入隊した時は空軍所属の戦闘機パイロットの倍率が50倍で海軍所属の戦闘機パイロットの倍率が30倍くらいだったかな・・・・」

「で、海軍の方が入りやすいからという目先の欲に目がくらみ海軍に入ったと・・・・・」

 

向嶋は自身の部下のくだらない入隊理由を聞いてやれやれという顔をしながらそう言った。松坂は苦笑しながら緑川にこう言った。

 

「まぁ、空軍でも泳ぐ訓練はさせられたと思いますよ・・・・」

「なんで!」

 

緑川はそう言って松坂に食いかかる。

 

「そりゃ、日本は島国ですからねぇ・・・・・」

「そうだった・・・・・」

 

緑川はその場に倒れ込んだ。




いかがでしたでしょうか?
「泳げない奴は海軍は入れないだろ」と思った方、気にしたら負けです。ご都合主義なんです。緑川は泳ぎが嫌いなだけで泳げない訳じゃないんです。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしています。
ではさようなら。

次回 第25話 音速への挑戦

お楽しみに!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。