戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heaven   作:SOLUNA

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皆さん、大変お久しぶりです。SOLUNAです。そして、大変遅いですが明けましておめでとうございます。
最近、大学の学業とハーメルンの他に書いている小説で全く手がついていませんでしたが、、とある理由が出来て再び小説の投稿を再開しました。
「戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heaven」を気に入ってくださった方々、大変お待たせしました。
では、どうぞ!


第十四帖

風魔たちがリディアンに到着すると、リディアンはノイズの襲撃により地獄絵図と化していた。未来が学園の避難シェルターに移動するのを確認すると、ノイズを退けながら特異災害対策機動部二課に向かうのだった。

 

エレベーターを降りると、そこには惨憺たる光景が広がっていた。本部は所々破壊され、資料や設備の破片などが散乱し無残な姿に成り果てていた。そして、緒川慎次や藤尭朔也など二課の人々がけがを負って倒れていた。

 

「ひどい・・・!!」

 

「そんな・・・!緒川さん!藤尭さん!」

 

「何で二課がこんなことに・・・!」

 

「師匠の姿も見当たらない・・。まさか、こんなことになるなんて・・・。」

 

装者達が辺りを見て狼狽していると、長綱が翼に質問した。

 

「風鳴翼。デュランダルはどこに保管されている?」

 

「え・・・?なぜ、デュランダルを?」

 

「いいから、答えろ!」

 

「リディアンのこの本部の最下層だ。そこに保管されている・・・。」

 

「すぐに案内しろ。」

 

「わ、分かった・・。だ、だが何故デュランダルを?」

 

その問いにクリスが答えた。

 

「ここを襲った張本人の狙いはデュランダルなんだよ!」

 

「何だって!」

 

「で、でも風魔さん、クリスちゃん。なんで犯人の狙いがデュランデルだって分かったんですか?」

 

「説明は後にしてもらえるか。俺と雪音クリスは先を急ぐ。装者達は人々の救護を少しの間頼む。」

 

そういうと風魔達はエレベーターで最下層に向かっていった。

 


 

エレベーターが最下層に着いて扉が開き、風魔とクリスが中に踏み込むと最下層は戦いの後なのか瓦礫が散乱していた。よく見ると誰かが血が付いた剣を持って風鳴弦十郎を見下していた。

 

風魔とクリスはその人物が誰かを知っていた。

 

(やはり、((フィーネだ。))

 

「・・・・・!抗うも、覆せないのが運命なのだ・・・!」

 

そのフィーネは風鳴弦十郎に向かってこういった後、デュランダルが保管されている扉に向かおうとしていた。

 

「だが、その運命を決めるのは貴様じゃない・・・。」

 

そう言って風魔がガシャコンバグヴァイザーをガンモードで構え、発砲した。

 

銃弾はフィーネの横を掠め、扉に銃痕を穿った。そして、フィーネは後ろを振り返った。

 

「あら。遅かれ早かれ来るとは思ってはいたけどね、クリス。・・・・そして、風魔。」

 

「ほう。俺の事も気に留めているとは少し意外だな、フィーネ。」

 

「お前がここに来ることはあたし達は分かってたんだよ、フィーネ!・・・いいや、ではこういう呼び名だっけか?・・・櫻井了子?」

 

そう言われフィーネは少し驚いた顔をした。

 

「あら。私の正体が分かった訳?司令以外にも私の正体に気付いている人間がいるなんて。・・・一体、どうやって知ったの?」

 

「俺が教えた。()()()()()()()()()()。」

 

そう風魔が言うと、フィーネは険しい視線を風魔に送った。

 

()()()()()()()()??・・・まさか、風魔。()()()()を知っているの?」

 

「ああ、()()()。」

 

そう答えた風魔に、フィーネはさらに険しく風魔を睨みつけた。

 

「・・・そうなると、少し用事が増えることになりそうね。クリスそして風魔。貴方達には消えてもらうわ!!」

 

「ハッ!!・・・消えるのはお前だよ!フィーネ!!」

 

クリスはイチイバルのアームドギアのクロスボウをフィーネに向けて構えた。

 

風魔もガシャコンバグヴァイザーをガンモードで構えた時だった。

 

 

 

「風魔さーん!!クリスちゃーん!!」

 

自分達を呼ぶ声が聞こえ、風魔とクリスが振り返ると上の人々の治療を終えたのか装者達が駆けつけてきた。

 

「二人とも大丈夫?・・・って、あの人は?」

 

「後で答えてやる。それよりも誰か風鳴弦十郎を手当てしてやってくれ。」

 

「・・・・お、叔父様!!」

 

「司令?!大丈夫ですか?!」

 

三人が風鳴司令に駆け寄った。

 

「大丈夫だ。死ぬほどの傷じゃない。遠くに運んで治療をしてやれ。」

 

風魔はそういうと、改めてフィーネに向き合った。

 

「さて、貴様を奥の部屋には行かせ「てめえ、よくも司令を!」・・待て!天羽奏!」

 

風魔がガシャコンバグヴァイザーを構え直すのと同時に、天羽奏がフィーネに向かって突っ込んでいったのだ。

 

「お、おい!馬鹿!一人で突っ込むな!」

 

風魔とクリスの制止も聞かず、奏はフィーネに向かって突っ込んでいったのだ。

 

フィーネ「フッ、感情任せに突っ込んできたのは間違いだったわね!」

 

そう言うが早く、フィーネは左手にもう一本の蛇腹剣を出現させ、奏の槍を弾いた。槍を弾かれてできた隙をフィーネが見逃す訳がなく、ネフシュタンの鎧の鞭で弦十郎と同じ様に蛇腹剣で腹を貫かれた

 

「・・・・!!?ガフッ・・・!」

 

腹を貫かれ、口から鮮血を吐きながら奏は倒れた。

 

「奏さん!!」

 

「奏!!」

 

倒れた奏の傍に、響と翼が駆けつける。

 

「あのバカ!・・・言わんこっちゃない!」

 

「・・・・・。」

 

風魔とクリスも駆け寄るが、クリスは奏の様子を見て心配しつつも歯切れ悪く見つめていた。

 

すると、風魔が口を開いた。

 

「フィーネ。お前に質問がある。」

 

「あら。何かしら?風魔?」

 

「お前が二課に拠点を置いて櫻井了子として潜伏していた目的は、特異災害対策機動部二課本部に偽装する形で、巨大な荷電粒子砲『カ・ディンギル』を建造していた事で間違いないな?」

 

「ええ。ご名答よ。」

 

「え?!こ、この二課が兵器?!」

 

翼はその話を聞いて驚愕していた。

 

「だが、その兵器とデュランダルを何に使うつもりなんだ?」

 

「そうね、まああなたたちを処分する前に教えてあげるわ。私の目的をね。」

 

「私はかつて風鳴翼のシンフォギア稼働実験に反応して了子に憑依して人格を支配した先史文明の巫女の亡霊よ。」

 

「先史文明?」

 

「・・・。」

 

先史文明という慣れない言葉が出てきて響達が戸惑う中、風魔は冷静に聞いていた。

 

「そして、私はとあるものに恋をしていた。神々と呼べる種族『アヌンナキ』の一人であり、神の一柱であるエンキよ。」

 

「『アヌンナキ』?シュメールおよびアッカドの神話に書かれていた神々か。」

 

「あら。風魔、貴方はかなり博識ね。」

 

「・・・・。」

 

「私はエンキに想いを伝えるためにバベルの塔を建設していた。けど、現実の旧約聖書にあるように塔は砕かれ、人類は統一言語を奪われ、人類は相互理解が出来なくなり、私は思いを伝えることが出来なくなってしまった。」

 

「そこで私は己の恋心を拒絶した神への妄執を原動力に、人の言語と思想を分断する監視装置である月の破壊を企てたという訳よ。」

 

「そして、その月を破壊する兵器をこの特異災害対策機動部二課本部に偽装する形でその月を破壊する兵器を建造していたという訳か。」

 

「ええ。この特異災害対策機動部二課本部のエレベーターシャフトに偽装する形で建造していたのよ、巨大荷電粒子砲『カ・ディンギル』をね!」

 

「この特異災害対策機動部二課本部のエレベーターシャフトが兵器?!」

 

翼はその事実に唯驚愕するしかなかった。だがフィーネはさらなる衝撃的な真実を口にした。

 

「でも、ここまでの道のりにはかなりの苦労と時間を有したわ。けど、私はやり遂げた。中でも、一番苦労したのはデュランダルの捜索・入手だったわ。けど、それも何とかうまくいったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

フィーネ「天羽奏の両親を調査隊として派遣したことで、ノイズ達の気をそらせることでね!!」

 

 

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

「な・・・何だって!!」

 

「そ・・・そんな・・・!」 

 

奏は衝撃的な事実に呆然とし、翼と響は大きい衝撃を受けていた。そんな中、風魔とクリスだけは冷静だった。フィーネの本性を何より知っていたからだ。

 

「それで、天羽奏の家族を犠牲にデュランダルを手にしたということか。」

 

「ええ、奏ちゃん。貴方の両親はいい犠牲駒になってくれたわ。本当にありがとう。」

 

その言葉を聞いた奏は肩を落とし俯いた。そんな姿を風魔は一瞥すると、改めてフィーネに向き合った。

 

「残念だが、フィーネ。お前に月は破壊させない。」

 

「あら。でも、貴方の実力が未知数でも、この私を止められるかしら?止められるものなら、止めて見なさい。」

 

「ああ、止めてやるよ。あたし達でな!!」

 

そう言って、風魔はガシャコンバグヴァイザーを、クリスがクロスボウを構えた瞬間、天井が崩落して二人の視界を遮った。

 

「何?」

 

それを確認すると、フィーネはデュランダルが保管されている場所に歩んでいった。

 

「奴は俺と雪音クリスが追いかける。お前たちは天羽奏を頼む。」

 

「分かりました、風魔さん。」

 

「分かった。すまない、恩に着る!」

 

そう言って風魔とクリスはフィーネを追いかけて行った。

 

風魔はふと時間を確認していた。

 

(まだか・・・。フィーネに勝つには()()しかない。)

 

風魔はフィーネに勝つとっておきの秘策の到着を待ちわびていた・・・・。




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