戦姫絶唱シンフォギア The Guardian of The Heaven【一時更新停止】 作:SOLUNA
あの後の戦闘の後、戦闘データの解析・分析等を長綱は行っていた。一連の作業が終了したのは、その翌日だった。
その翌日の昼、長綱は津久井書店に向かった(もちろん有事のために、ゲーマドライバーとガシャット一式を持参している)。長綱は暇が少々ある時は、この津久井書店で歴史小説や歴史ものの漫画などを購入して読むことを趣味にしている。元より、この津久井書店の店長さんとは幼いころから長綱と付き合いがあった(昔は書店と並行して駄菓子を営んでいた)。最早、店長にとって長綱は常連客と言えた。そんなことを思い浮かべながら、バイクで津久井書店に向かっていった。
津久井書店に到着すると、バイクを駐輪所に止めて、店内に入っていった。そして、歴史小説を販売しているコーナーに向かった。小説の新作やメジャーなものをあらかた拝見し、自分の性に合った本を見つけて、ピックアップしていった。そして、会計している時、店長から声をかけられた。
「長綱君、仕事の方は捗ってるかい?」
「まあまあといった感じです。ちょっと人間関係のほうで少し困っていますが、何とか上手くいっている感じです。」
「アハハ!そうかそうか。まあ、人間関係ほど面倒くさいものはないからねえ。慌てず慎重にね。結構漫画もかなり新作を入荷してるからゆっくりしていってね。」
「はい。」
長綱は店長に言われた通り、漫画のコーナーにも立ち寄って漫画を立ち読みした。その後、音楽コーナーを通りかかっていた時だった。ちょうど音楽コーナーの中にあるツヴァイウィングのコーナーを視界に捉えた時に、ある存在に気が付いた。
(ん?まさかあれは・・・。)
そこにいたのは、ツヴァイウィングのDVDやグッズをあちこち見ては、カゴの中に入れていく立花響だった。その隣には、彼女の友人だろうか、一人の女の子がいた。
長綱は、音楽コーナーのツヴァイウィングの販売コーナーに近づき、彼女達に声をかけた。
「君、大量にツヴァイウィングの商品やグッズを買ってるね。ツヴァイウィングのファンかい?」
「え?あ、はい!私、ツヴァイウィングの大ファンなんです!あなたもファンですか?」
「いいや。たまたま通りかかったこの書店の常連客だよ。お店のお客さんで君みたいな子が珍しくてね。あ、そうだ。名前を名乗っていなかったね。南雲長綱だ。」
「立花響です!こっちは私の親友の小日向未来です!」
「小日向未来です。」
「よろしくね。でも、本当に立花さんはツヴァイウィングの大ファンなんだね。」
「はい!昔から大ファンなんです!それに、いま私その人たちの為になる仕事をしているんです!」
「そうなのか。それは良かったね。誰かの力になれる事は、何より嬉しいことだし、自分の為にもなるからね。」
「はい!」
長綱は、改めてツヴァイウィングの二人のポスターを見た。
「いいかい、響君。僕が思っていたことなんだけどね。歌は自分の心を伝える手段の一つと考えられていることがあるんだ。だからこそ、歌って言うのはただ人々に向かって歌うことでは意味を全くなさない。自分は何のために歌っているのか、自分はファンや人々に何を伝えたいのか、それをしっかり考えていないと、たとえいい歌でも決して人の心には届かないんだよ。」
「長綱さん・・・。」
「・・・・・。」
二人は黙って長綱の言葉を聞いていた。
「これは仕事や日常にもつながってくるんだ。何をするにしても、目標や理由がなければ挫折して、いつもいつも立ち止まってしまうかもしれない。だからこそね、二人には覚えていてほしいんだ。確かにその憧れていた人の為になれるのはうれしいことだと思う、けど、自分の行動を決めるのは自分自身、そして自分の確かな行動の理由をしっかりと持ってほしいんだ。行動を続ける先には必ず大きな意味があるから。」
「「はい!」」
「じゃあ、私はこれで失礼するよ。またいつか会えたらね。気をつけて帰りなさい。」
「はい!さようなら!」
「さようなら。」
長綱は後ろに向けて小さく手を振ると、書店から出て行った。
長綱は、帰る途中こんなことを考えていた。
(天羽奏、風鳴翼・・・。お前たちは今のままだと絶対に後悔をする羽目になる・・・。特に、天羽奏・・。いくらノイズに恨みを持ち復讐をしようとして、いくらノイズを消そうが何をしようが、失ったものは二度と帰ってこないぞ。その事に何故気付かない?そして、風鳴翼・・・。お前は確かに防人として地球や人を守る信念があるのだろうが、それはお前本人の意志であり、戦う理由なのか?もしそうでなければ、早く自分自身の戦う理由を見つけなければ、この先戦場で戦えなくなるぞ・・・。)
(俺の戦う理由・・・・・。人の命を守ることもそうだが、俺は世界そのものを守ろうとしてるのではない。全てを守るには限界がある。だからこそ、命と人々が今生きている日常とその先の未来を守るために戦い続ける・・・・。それが俺の戦う理由だ。)
そう考えながら、バイクに乗って帰途に就いた。
おもちたりあさん、えいとくさん誤字修正ありがとうございます!