ガンダムビルドダイバーズ MOON  ~宵月に笑う~   作:零八式

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久々にA.C.E.3をやる

何気にガンダムXが見たくなる

嵌まって全話視聴

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1話 「ガンダムムーンX、出るぜぇ!!」

 戦況は正に混沌を極めていた。

 多数のガンプラが飛び交い、撃ち合い、切り結び合う。

 一方はGBNの秩序を守るため、もう一方は友を守るため、それぞれの勢力が文字通り死力を尽くしていた。

 

 「何故だ!? お前達は、どうしてそれほどまでにあの二人(・・)を消そうとする!? それがお前達の求める結果なのか!?」

 

 並み居るガンプラを右手に持った大型ビームソードで薙ぎ伏せながら、少年はオープンチャンネルで叫ぶ。

 少年の機体はサザビーにも似たシルエットを持つが、機体は一回り小さい22m級であり、頭部もガンダムタイプだ。

 その背後には二つ背負った、まるで三日月のようなパーツがX字を構成し、その色は少年の感情の昂りを表すかのように真紅に染まっている。

 

 『彼女達は存在しているだけでこの世界を破壊する!!』 

 

 『それはこのGBNを運営するゲームマスターとして絶対に容認してはならない事だ!! それにエルダイバーを救うというビルドダイバーズの言い分は明らかに確実性を欠いている!! 私達は正さなければならない、ビルドダイバーズも、それに加担するフォースもだ!!』

 

 「あんた達も二人の心に触れれば!!」

 

 『『そんな必要は無い!!』』

 

 少年の問いに答える二人の大人。

 言葉と共に目の前に迫るのは四基のソードファンネルと二発の錨型の追尾弾。

 少年は背部の二つの三日月から発せられるサイコフレームの物理エネルギーを推進力に、攻撃を振り切ろうとするが最終的には迎撃に使おうとしたライフルを囮にせざるを得なかった。

 

 『貴様には解るまい、このGBNの中でしか生きられない者達が、自分の生きられる世界を失う苦しみが!!』

 

 『エルダイバーらがGBNを滅ぼすから!! 我々は彼女を滅ぼすのだ!!』

 

 「っ!! そんな理屈を……飲むものか!!」

 

 彼らの言う事は確かに正しいのかもしれない。

 だが、その意見を振り払うように叫び、左手に持った大型シールド、ディバイダーを展開、合計19基ものビーム砲から放たれた光が収束し、三日月状のブレードを形成して、スラスターの慣性を生かして地上を横に滑りながら(・・・・・・・)放出する。

 放たれたハモニカブレードが再び放たれた錨型の追尾ビーム弾と衝突、相殺されるが、死角から突破してきたソードビットが襲来。連戦で損壊していたディバイダーを切り刻み、それは遂に限界を迎え爆発する。

 

 「お前達の言う事は間違っていないのかもしれない!! だけど!! 二人だって、楽しい事と悲しい事を抱えて、俺達と一緒に生きている!! そんな大人の理屈で------」

 

 ディバイダーの爆発に紛れ、()の懐に潜り込む少年の機体。相手にストレート、ボディーブロー、手刀、蹴り飛ばしの四連コンボを浴びせ、怯んだ隙にその背部に備えられた二機の砲身と、延伸した腹部フレームの間から現れた砲門を合わせた大出力の砲撃を浴びせる。

 

 「------友達を滅ぼされてたまるかあああああぁぁぁっ!!」

 

 機体内部のエネルギーの大半を使うほどの必殺級の一撃が()に降り注ぐ。

 増設された背部のツインサテライトキャノンと腹部フレームの間に搭載されたメガソニック砲の3門を合わせた、言わばトリプルサテライトキャノンとでも言うべきか。

 しかし----------

 

 「--------しまった!?」

 

 ----その彼の必殺の一撃を持ってしても、()を仕留める事が出来なかった。

 逆に懐に潜り込まれ、必殺の一撃が機体を切り裂き------------

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 『------------いい加減起きんか!? ご主人!!』

 

 「がぁはああああぁっ!?」

 

 少年は飛び上がった反動でバランスを崩し、ベッドから転げ落ちた。

 後頭部に走る激痛、カーテンの隙間から入る日光を目に直に浴びたことによる苦痛の二重苦が朝から少年に襲い掛かる。

 

 『この超絶美少女AIハロサメちゃんが、折角シロウの設定した時刻通りに起こしておると言うのに、いつまで寝ておる気じゃ、全く』

 

 「いってて……朝から元気だなぁ、相変わらず」

 

 ふらつく少年こと、シロウは手探りで眼鏡を探し、それを付けると机の上の端末に目をやる。

 その端末の画面中には、少女の姿があった。表示されたデジタル時計の枠にもたれ掛かるその少女は、緑色の長い髪をガンダムのマスコットであるハロの髪飾りで彩り、色々と切り詰めた黒い巫女服を身に纏っている。

 割と際どい格好の少女は髪を指に巻きつかせ暇を弄ぶが、その姿にときめく気配もなく、少年は準備を済ませる。

 

 『こうなるように作ったのはご主人らであろう? いくらご両親のいない寮生活だからとて、弛み過ぎも問題じゃぞ』

 

 因みに、彼女はこの時点では存在の明らかになっていないエルダイバーではなく、この少年ツキシマ シロウの所属する学校のクラブ研究の産物であり、先々代々続いてきた研究の集大成である。

 中でも会話パターンの組み上げに関しては特に力が入れられており、最早人間と遜色の無い程の高いコミュニケーション能力を持つが、先代クラブ長によって口調が若干古風になり、格好も色々と切り詰められた黒の巫女服など、その人物の趣味趣向が伺える。 

 

 「仕方無いだろ? 今日はこいつの初陣だって、張り切っちまったんだから」

 

 そんな端末の中の少女、ハロサメの声も程ほどに聞き流しつつ、シロウは机の上に置いてある一機のガンプラを見やる。

 その機体は一見するとサザビーのように見える。しかし、機体サイズはサザビーよりは一回り小柄の22mクラスであり、カラーリングは白を基調としたトリコロール。頭部は前方と後方に合計六本の角を持つガンダムタイプ、やや張り出した胸部にはクリアパーツが用いられ、その脇には四基のバルカン砲が設けられている。そしてその背後には、三日月のようなプレート状のパーツが装着されていた。

 

 「ガンダムムーンX、俺はこいつで今日からGBNに本格的(・・・)にデビューしてやるぜ!!」

 

 『それは良いがご主人、一体どんな夢を見たらガンダムXのクライマックスのようなセリフの寝言が出てくるのか、(われ)は気にのうて仕方ないのだが?』

 

 「え? 俺そんな何か言ってた? 確かに昨日は見ながら作ってたけどさぁ」

 

 あれやっぱ只の夢だよなぁ、と言いつつも、ケースに入れたガンプラをカバンに仕舞い込み、机の上に充電しっぱなしだったハロサメの映った端末を手に持つと、学生寮を後にした。

 

 

 

◆◆◆

  

   

 

 最寄の駅から数駅を跨ぎ、辿り着いた先には1/1スケールのユニコーンガンダムの立像が立っていた。

 その背後に建っている大型模型店THE GUNDAM BASEの外壁に付けられたモニターがCMを流している。

 

 『ガンプラバトル・ネクサスオンライン! 対戦相手は世界中のファイターたち! 多彩なミッション! 広大なマップ! フォースを結成して仲間と遊ぶのも良し! 一人最強のファイターを目指すのも良し! さぁ、戦いと冒険の扉を今開こう! ガンプラバトル・ネクサスオンライン! 君は、生き延びることが出来るか……!』

 

 「扉が……最後の扉が!!」

 

 『言っとる場合か、ご主人。筐体の空きはあと1台しかないのじゃぞ?』

 

 興奮のあまり扉おじさんのセリフを口走るシロウに、ハロサメが自動検索機能でこのGUNDUM BASEのGBNの筐体の空き具合を検索し、さっさと行くよう促す。

 我に返ったシロウが店内に踏み込むと、そこにはおびただしい数のガンプラの箱が棚に積まれていた。

 

 「相変わらず凄いなぁ、ここ……ん?」

 

 彼はそこで、受付の前に既に先客がいることに気が付く。

 

 「うん? あいつらもGBN目当てなのか? すいませーん!! GBNの筐体、まだ空いてますか~?」

 

 シロウは店員の女性に走って詰め寄りながら、台の空き状況を尋ねる。

 その彼女の前には、四人の男女が入り混じっていた。

 

 「あら、新しいお客さんね。いらっしゃいませ。ちゃんとあと一台空いてますから、大丈夫ですよ」

 

 「よっし!! これでデビューできるぜ!!」

 

 「お兄さん。もしかして、これからGBNを始めるの?」

 

 喜びを噛み締めていると鋭いアホ毛が特徴の、制服を着た自分より年下と思わしき少年に声を掛けられる。 

  

 「あぁ!! 実は来週、絶対に参加したいイベントがあってさ!! あの『宵闇の夜会』が新メンバーを募集するためのフォースイベントがあるんだ!!」

 

 「『宵闇の夜会』って、あの有名実況プレイヤー、堕天使オリヴィエさんのフォースですよね!? あの、『宵闇に飲まれよ』!! で有名の!!」

 

 「そうなんだよ!! 俺、前からあの人の大ファンでさ!! この機会を逃す訳には行かないってね!!」

 

 その少年の同級生と思われる眼鏡を掛けた少年との会話に熱が入り、端末で検索してその募集画面を見せる。

 星空をバックに描かれたそこには、フォース『宵闇の夜会』の新メンバー募集の要項と、開催日が記されていたが、検索バナーの上に乗っかっているハロサメが少年達に手を振ると、それを横から見ていた活発そうな少女が食いつく。

 

 「えっ!? 何これ!? 凄い!! カワイイ!! こんにちわー!!」

 

 『こんにちわー』

  

 「「「「「喋った!?」」」」」

 

 少女の挨拶にスピーカーで応答する高性能AI。

 まさか応答するとは思っておらず、その場にいた五人は驚愕に目を見開く。

 

 「あぁ、うちの学校のクラブ研究で作ったんだよ。先代クラブ長から俺が勝ち取ったんだ」

 

 『吾はハロサメと申す。以後よしなに』

 

 「よ、よしなに……」

 

 「なーに顔赤らめてんのよ、コウイチ!!」

 

 何故か照れていた男性店員が女性店員に突っ込まれる。

 しかし、このままではいつまでも話が進まなさそうなので、シロウは端末をカバンに仕舞い込むと、受付をしてもらった。

 

 

 

 

    ◆◆◆

 

 

 

 

 「すっげぇ……これがGBNかぁ」

 

 GBNにログインし、そのロビーに立つ少年はシロウことコジローである。

 動きやすく切り詰められた和服と軽装の鎧、アクセサリである背中の長大な日本刀はダイバーネーム込みで、ガンダムXのモチーフになったとされる佐々木小次郎をイメージしての物だ。

 

 「もしかして、シロ……コジローさん?」

 

 「その感じ、さっき会ったビルドダイバーズの面々で会ってるか?」

 

 「はい!! 当たってます!! ようこそGBNへ!!」

 

 新たなダイバーの誕生に喜ぶ、フォースビルドダイバーズのリーダー、リク。

 簡潔な自己紹介も程ほどにしていると、獣少女ダイバー、モモがある異変に気が付く。

 

 「あれ? そう言えばハロサメちゃんは!?」

 

 『吾ならここじゃ』

 

 その疑問に答えるかのようにコジローの横に表示されるウィンドウと緑髪の少女。

 端末を機器に繋ぐ事でこのGBNにも存在できているが、流石にダイバー専用のアバターは用意されていなかったらしい。

 

 「さて、普通こういうのってチュートリアル的な奴からやるものだけど、俺は一味違うんだよね~」

 

 「ゲームの説明書は読まずにやる派かい? じゃあ、この連戦ミッションをお勧めするよ。僕もリハビリの時にこのミッションにはお世話になったんだ」

 

 そう言ってエルフ耳の青年、コーイチが示したのは、初心者向けの宇宙での連戦ミッションだった。

 

 「『ソロモン攻略作戦』、宙域数3面構成の初心者向け連戦ミッションだよ」

 

 「本当は僕達が色々教えてあげられたら良かったんですけど、この後フォース戦の予約が入ってて……」

 

 「いいって事よ!! 教えてくれてありがとな!!」

 

 コジローはそこでビルドダイバーズの面々と別れ、お勧めされたミッションを受けようとする。

 

 「あの……すみません」

 

 いざミッションを受けようとすると、突然背後から声を掛けられた。

 振り向いた先にいたのは、目元までフードで覆った修道服のような姿の少女と、ボロボロのマントと小柄な顔にはやや不釣合いな程大きいゴーグルを付けた少女だ。

 どちらも顔周りがあまり見えないようになっている。

 

 「私達も初心者なんですけど、そのミッションに参加しても宜しいでしょうか?」

 

 「え? あ、おう……まぁ、多分俺よりはキャリアあると思うし、よろしく頼むぜ!!」

 

 一瞬戸惑うも、快諾するコジロー。

 その二人は修道服の少女はセラフ、マントとゴーグルの少女はテラー・Lと名乗る。

 

 「---------カタパルトに立ったら一度言ってみたいあのセリフ!! ガンダムムーンX、出るぜぇ!!」

 

 初めての出撃に胸を昂らせ、三機のガンプラは宇宙へと向かった。

 

 

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