呪われた呪術師の走馬灯   作:千α

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アニメ化によって書き直したい欲と書き直すと収拾がつかなくなるのを察知した結果、1000文字前後のちょっとした付け足しをすることになりました。

感想、評価、お気に入り登録ありがとうございます。


0.5話

 暑い暑い夏。

 伏黒恵との戦闘を終えた東堂はある場所を目指していた。

 

「やはり、帰ってきていたな、甘菜」

 

 高専の敷地内の目立たない場所にある線香があげられた小さな墓。その前に設置された椅子に座る綴を見て、真依はやや表情を強ばらせる。

 

「………」

「線香、もらってもいいか?」

「ん」

 

 綴は東堂に線香を1本差し出した。

 

「真依、お前もあげておけ」

「え?」

「一応お前の先輩だからな」

 

 その墓に線香をあげる東堂を見ていると、綴が線香を差し出した。

 

「するの、しねぇの、どっちだ?」

「えっと……じゃあ……」

 

 そう言って線香を受け取った。

 真依はこの綴という男が苦手である。

 別に彼に邪険にされているわけではないが、この高圧的な雰囲気が綴へ近寄り難くさせている。

 

「で、なんでここにいるんだよ?」

「なに、伏黒恵……奴を見に来た」

「見ていたのだろう?」

 

 綴は東堂の言葉を聞いて、先刻のことを思い出す。

 ただの気まぐれに、伏黒達の呪力を追うとそこに東堂がいた。

 人の学校で暴れ回られるのも癪に障る、と綴は東堂に軽く呪力を飛ばしただけなのだが……。

 

「お前が目にかけている弟子、という噂は本当だったようだな」

「だからなんべんも言わせんな。弟子じゃねぇよ」

 

 伏黒は五条の生徒だ。

 

「伏黒がお前と似た構えをとっていた」

「ほーん?」

 

 東堂からそれを聞いて、綴はぷいっと顔を背けた。

 それだけで綴が何を思ったか、東堂には手に取る様にわかる。

 おそらく、教えたことを実行した伏黒にむず痒い思いをしているのだろう。

 

「だが、まだまだ甘菜の域には達していないな」

「当たり前だ」

 

 そう言って綴は東堂の足を蹴った。

 

 真依は東堂とこれだけ親しそうに話す人間を見たことがなかった。

 自分勝手な人、というふうに東堂を見ていたが、綴といると振り回し振り回されているように見える。

 

「他に来た理由あるんだろ?」

 

 ただ3年の代打の1年生を見に来たわけではないはずだ。

 

「ああ……本当ならお前とも手合わせしたいと思っていたが……俺には高田ちゃんの個握へ行くという使命がある!」

「たか……ああ、はいはい」

 

 そう言えば6月頃の任務が一緒になった時にそんな話をされていた。その後彼女がゲストとして登場するラジオを聞くように力説されて押し切られた。

 

「個握ってなに?」

「気になるか!?」

「ならない! ならないからやめろ! 距離を詰めてくるな!」

 

 東堂と取っ組み合いを始め、ドタバタと追いかけっこを始めたかと思うと綴は巴投をして東堂を撃退する。

 綴は高専1年生の頃東堂よりも強かった、という噂は本当だったようだが、何となく綴は東堂のことを若干適当に扱っているような気がするのは真依の気の所為だろうか。

 

「俺と甘菜の仲だからな」

「キモイこと言ってんじゃねぇよ」

 

 つい言葉に出してしまっていたようだ。

 投げ飛ばされた東堂は満足そうに笑みを浮かべ、綴はうんざりしたようにため息を吐いた。

 

「っつーか時間大丈夫か?そろそろ行けよ」

「そうだな。電車を乗り間違えて行けなかったら俺はきっと暴れるだろうからな」

「頼むからやめてくれ」

「本当に」

 

 切実にそう言う綴に真依は首を大きく縦に振って綴に同意する。

 

「で、交流戦には出るんだよな?」

 

 東堂の質問に綴は答えなかった。

 

「沈黙は、肯定!

 当日を楽しみにしているぞ」

「出ねぇよ、言うと面倒だから言わねぇんだよ察しろボケ」

 

 だいたい綴以外の3年生が停学処分を食らっているのだから出る必要ないだろうと考えている。

 現在綴がまともに交流したことのある生徒は3年生と伏黒くらいなのだから、2、1年生が出ることになった交流戦に出ても意味が無いように思う。

 あと単純に面倒くさい。

 

「交流戦に出ると言う言葉を引き出せたなら、俺は満足だ。

 それではな、また会おう」

「お前、人の話聞く気ねぇだろ、こっち見ろ。おいこら都合の悪いこと右から左に受け流すなこら!」

 

 そう言って去っていく東堂に怒鳴るが、東堂は何も聞いていないと言わんばかりに手を振って綴との別れを惜しんでいた。

 

「マジでなんなの、アイツ」

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

「はいはい、どうしたの?」

 

 五条は電話がかかってきたスマホを取り出す。

 電話の相手は伊地知だ。

 

『つい先程綴君を高専に送ってきたところです。

 綴君のことですから、携帯電話を持っていないと思い、連絡したのですが……』

 

 確かに綴から連絡は来ていない。

 今回も携帯電話を忘れて任務へ行っていたようだ。

 五条は項垂れてから伊地知に返事をする。

 

「わかった、今から迎えに行くよ。

 何処にいるかは、だいたいわかってるし」

 

 おそらく、綴が真っ先に向かったのは小さな墓。

 かつての同級生、青木が眠る墓だろう。

 

 そうあたりをつけて、五条は青木の墓へ向かう。

 思った通り綴が墓の前にある椅子に座っていた。若干疲れている様子が伺える。

 そして、その墓には三本の線香が供えられていた。

 

「誰か来てたの?」

「東堂と真希の妹。

 人のこと呼び出しといて何分遅刻すんだよ」

「8分。綴は……5分前に来た感じ?」

「わかってんなら早く来いよ」

「線香貰ってもいい?」

 

 綴は五条に線香を手渡した。

 

「で、用事って?」

「前言ってた宿儺の器、虎杖悠仁のことなんだけど……」

 

 線香をあげ終えた五条は立ち上がり、綴はその後ろを着いていく。

 

 小さな墓には4本の線香が供えられた。

続編について

  • このまま続きで書く
  • 新しい小説として書く
  • そんなことより復讐劇の続き書けや
  • すじこ
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