呪われた呪術師の走馬灯   作:千α

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遅くなりました!
12月4日が楽しみで夜しか寝られない!!


04話

 ツヅリ。ねぇ、聞こえているのでしょう?

 嬉しかった?

 自分の生きる意味を肯定されて、嬉しかった?

 そうよね、嬉しいわよね?

 でも、もうすぐ終わり。

 大丈夫、あなたが死んでも寂しくはない。

 だって…あなたは、私の■■の■■となるのだから。

 

寂しくなんか、ないのよ?

だから、泣かないでツヅリ……。

大丈夫、私はあなたが死んでも呪ってあげるから。

 

 

 

────────────

 

 

 

 咳き込むと、血が手に付いた。

 

「甘菜先輩?」

「………なんでもねぇよ」

 

 心配する後輩には血が見えていないようだ。このまま隠し通せるはずだった。しかし、この後輩ときたら、直ぐに何かを察してこちらの掌を覗いてきた。

 

「先輩、これ!」

「うるっせぇ…いつもの事だ、気にすんな」

 

 正確に言うと、夏油(あの人)と去年再会した時からだ。

 いや、こうなったのは自分が望んだことだ。だからあの人を恨む気なんて湧いてこないし、だからと言って未だにつき従おうだなんて思わない。

 ただあるのは…あーあ、やっぱりか。という落胆だけだ。

 結局、誰一人として彼が望む言葉を言ってくれはしなかった。あの人から言われるものだと思って、期待してたのに。

 

「虎杖、悪ぃけど俺はこれから仕事だ。今日は付き合ってやれねぇ」

「けど、めちゃくちゃ顔色悪いのに!」

 

 それでも、期待せずにはいられない。

 

「安心しろ…慣れてるし、対処の仕方も分かってる」

 

 嘘だ。

 

「手前が気にすることじゃねぇよ。死ぬわけじゃあるまいし」

 

 嘘だ。

 

「だから……」

「信じて、いいんだよな?」

「………うん」

 

 嘘だ。

 

 

 嘘をついた。真っ赤な嘘だ。

 本当は身体はボロボロだし、いつガタがきてもおかしくない。たまに身体が言うことをきかなくなる。それでも戦わないと行けない。もしかしたら、その一言(・・・・)を誰かに言われるかもしれない、と期待しているから。

 自分では自分を止めることが出来ない。

 

 甘菜は階段を登る。

 今日はすこぶる体調が悪い。目の前が白んできた。息も荒い。

 落ち着こうと深呼吸をする、と目の前に見慣れた男が立っていた。見慣れた、と言ってもほとんど形しか捉えることが出来なかったが、それでも知っている男に変わりない。

 

「んだよ、帰ってきたのか」

「やっほー、綴……今日はやけに顔色悪いね」

「ほっとけ」

 

 その一言を言ってから、我慢できずにまた咳き込んだ。さっきよりは血の量は少ない。だが、隠すことは叶わず、男に掌を見られる。

 

「綴……!」

「いつものだ。いちいち大袈裟に反応すんな」

「……綴…あと、何年(・・)だ?」

 

 目隠しをしていても、男の雰囲気がいつもよりだいぶ張り詰めているのがわかった。

 

「……あと、3年がいいところじゃねぇの?」

 

 むしろ、ここまでもたせたことを賞賛して欲しい。

 

「じゃ、俺はこれから仕事だから……虎杖のことは頼んだ」

 

 呼び止める男の声を無視して、甘菜は歩く。




ここまでプロローグ的なアレです。
では、次は3巻発売された頃に(多分)会いましょう。
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