呪われた呪術師の走馬灯   作:千α

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呪術廻戦、アニメ!!!!!10月ですよ!!!!
芥見下々先生並びにアニメ製作に携わる皆様の益々の発展とご活躍を願っております!!


為虎添翼②

【拡散希望】ユウコさん【ホラー】

 

 そう書かれた掲示板には【ユウコさん】と呼ばれる、スレ主の同級生が書いたとされる物語が書かれていた。

 ただただ憂鬱とした内容で、万人受けする内容とは到底思えない。とにかくそんな見ているだけでも気分が悪くなるような内容だった。物語については圧倒的に批評するコメントが殺到している。

 その次に、【ユウコさん】についての説明だ。

 

 【ユウコさん】はクラスメイトからイジメを受け、スレ主はその光景を何も言えずに見ているだけだった、という滑り出しだ。

 

 しかし、その話の途中で【ユウコさん】とスレ主は何度か言葉を交わすことになる。【ユウコさん】はいつもノートに何かを書いており、それについて尋ねたことからその関係ができたそうで、【ユウコさん】は何度尋ねられても「内緒」と言うだけだったらしい。

 

 ある日、【ユウコさん】のノートの存在をイジメを繰り返していた女子生徒達に知られることになる。【ユウコさん】がイジメについて書いているのだと思った女子生徒の1人はノートを奪い、中身を読んだ。反応はこの掲示板を読んだ人間達と同じだった。

 スレ主は益々内容が気になった。ある日【ユウコさん】はスレ主に例のノートを見せてきた。やはり酷い内容だ。だがどういう訳か、この物語の内容が全く頭から離れない。結局、その日は憂鬱とした気分で過ごすことになったのだが、その数日後に【ユウコさん】が学校の屋上から飛び降りて死んだ。

 

 異変が起きたのはその翌日。ノートを読んだ女子生徒が死んだのだ。それも、身体をバラバラにされて。

 その日の夜自分に関係するような事柄でもなく恐ろしく、そして気味が悪いと思いながらも、眠りについたスレ主だったが、なんと夢の中に【ユウコさん】が現れた。

 【ユウコさん】はスレ主が自分に興味を持ってくれたことが好ましく思ったらしく、スレ主にこう言った。

 

 曰く、

 あのノートを読んだ人間を、私は呪いになって殺しに行く。

 次はあなたの番かもしれない。

 

 目が覚めると、母親からスレ主のクラスが突然休みとなった。

 【ユウコさん】のノートを読んだのは1人ではない。あの日、イジメグループの女子生徒と、その後別クラスの女子生徒、そしてそのノートを女子生徒達から没収した女性教師だ。

 その女性教師が死亡した。

 

 それを理解した瞬間、スレ主は絶望する。自分自身もそのノートを読んだと。

 しかし、どうやら見た順番に殺しに行っている様子ではないようで、ならば多くの人に見せれば死ぬ順番が遅く来るようになるかもしれないと思いいたり、この掲示板に書き込んだそうだ。

 

 

 

 

────────────

 

 

 

「とんだ自己中女じゃねぇか」

「そう言ってやるな、人間とはそういう生き物だからな」

「なんでそんなに悟ってんだよ手前は」

「ただ、これは本物(・・)だな」

 

 それ以降の書き込みを見るにスレ主の思惑は外れなかったようだ。

 

「これを読んだ人間の前に【ユウコさん】が現れる、ね」

 

 書き込みには、「口が縦に長い2mもある女が家の前にいる」「最近それによく似た女が付き纏ってくる」など【ユウコさん】を目撃したという情報が書き込まれていた。

 

「性別は男女共にだな」

「ならさっきの奴らの言ってたことは? "また女子生徒が死んだ"って言ってたじゃねぇか」

「それはまだ何とも言えないが」

 

 しかし、インターネット上での呪いとなると厄介だ。その理由に単純に規模がでかいことと、こういう情報を完璧に消してしまうことは困難であることがあげられる。こういうことに疎い綴は何にも理解していないが、東堂はこの事態に危機感を覚えていた。

 

「これが呪いであることはわかったが……甘菜、糸はこの市内全域に張ることはできるか?」

「できんことはないが、任務が終わるまでとなると片方の呪力をだいぶ使うことになるぞ。しかも範囲が広すぎて、次動けるようになるまで時間が掛かる」

 

 東堂はひょんなことから綴が子蜘蛛であることを知ってしまっているため、どういう原理で綴の呪力が使われているかもわかっている。だから綴が自身か子蜘蛛の呪力を片方だけしか使えなくなる状態が好ましくないことも理解していた。

 よく子蜘蛛と自身の呪力を同時に使えばいい、などと言われているが呪力のコントロールが呪術界でもトップクラスの綴ができないと言うのだから、余程難しいのだろう。

 

「ふむ、どうするべきか……」

 

 東堂が考え込んだ時、綴の携帯電話が振動した。綴が携帯電話をポケットから取り出すと、そのディスプレイを東堂に見せる。そこに表示されていたのは「五条悟」という文字だった。それを見せると、綴は少々ボタン操作を迷いながらも通知を繋ぐ。

 

「なに?」

『あ、綴ー? 元気?』

「用件は?」

『元気そうでなにより。今どこだっけ?』

「京都」

『あー、京都か』

 

 淡々と五条の問いに答えていく。何故現在地を教えなければならないんだ、そう言ってやろうとしたが五条は衝撃的な発言を綴に伝える。

 

『新しく高専に入学することになった子がいるんだけど、その子元々一般人でさ。だから帰って来たら呪力のコントロール方法教えてあげて。あと何回か任務を一緒にしてくれたら悟兄ちゃん超助かる!

 いやー、その子虎杖悠仁って言うんだけど、両面宿儺の指を食べちゃってさー!』

「…………」

『あれ? 綴?』

 

 呪力のコントロールやらは1年の担任のアンタの仕事だとか、今の自分は基本的に2級呪術師から上でないとと一緒じゃないと任務へ行けないだとか、色々と言ってやりたいことはあったが最後の一言で全てが吹き飛んだ。

 

「……特級呪物食って生きてる奴いるわけねぇだろ」

『いやいや、それがいたんだって。千年生まれてこなかった逸材だよ。綴も興味あるでしょ?』

「ない。あと俺が両面宿儺のことが()()()()()()()()ってのは知ってんだろ?」

『知ってるよ。だけど、悠仁と綴は相性良いと思う』

 

 何を言っても、綴が虎杖悠仁という人物に呪力コントロールを教えることは確定しているようだ。

 

「…………………五条、今近くにパソコンある?」

『あるよ? 綴がパソコンについて尋ねてくるなんて珍しいね』

「ユウコさんの掲示板って調べてくれ」

 

 しばらくキーボードのタイピング音が聞こえてくる。

 

『綴、ユウコさんの掲示板で本当にあってる?』

「あってる」

『……出て来ないよ。それどころか検索結果0件、ちょっと異常だね?』

 

 綴は携帯電話を耳から離して東堂に声を掛ける。

 

「……………東堂、東京じゃユウコさんの掲示板は出てこないらしい。ちょっと他の奴らに声掛けてくれねぇか?」

「わかった」

 

 そう言うと東堂はスマホを取り出して電話を書ける。

 

『で、受けてくれるんだろ?』

「はいはい。その代わり他にも、俺が請け負ってる任務で起きてる変死が他地域でも多発してるかどうか調べて欲しい」

『それで引き受けてくれるなら安いもんだ。』

「あと、本当に呪力コントロールだけだからな。体術は教えないからな?」

『はいはい』

 

 後日、呪力コントロールではなく体術面の指南を任されることとなり、あの時もっと念を押しておけばよかった(聞いてくれるかは別として)と後悔する綴であったが、まだ誰にもわからない未来の話である。

 

「甘菜、どうやらこの掲示板はこの地域のみで閲覧できるようだな」

「やっぱりか。そんで狙われているのは、女子生徒のみ」

「少しわかってきたな」

 

 綴は頷く。掲示板が見れる地域は限定された、狙われる人物も限定された。ならばあとは地域外での呪いの効果の継続。これがわかればかなり動きやすくなるはずだ。

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