これからもめちゃくちゃやってると思いますが、最後までお付き合いして頂ければ幸いです。
こんだけ好き勝手やってるのに未だに評価、お気に入り登録してくださっている方々には本当に感謝しかありません。いつもありがとうございます。
白い杭の原料は人骨だ。それに用いた人間と関係が深ければ深いほど効果が出る。これによって尋常ではないほどの傷や痛みを綴は負っていた。綱治が作った当初は
この白い杭は綴の父親の骨からできている。
初めて知った時は絶望したし、こんな姿になった父親にできることが何も無く、ただただ泣きながら謝っていた、ように思う。というのもその時の記憶が曖昧なのだ。
五条に尋ねてみれば、「思い出さなくていい」「何か不安になるような事があったのか」と笑顔であるはずなのに怖いと思ってしまう顔で言われてしまったので、綴は五条を安心させるためにそれ以上何も言わずに首を横に振った。
この人は自分が良い子でないと安心ができないのだ。と思うようになったのはいつだったか。
それから数年後、然るべき場所に埋め直した父親の遺骨でできた白い杭が盗まれた。これには綴も大激怒し、子蜘蛛を祓うことと並行して(というか優先して)白い杭を集めていた。白い杭は全部で20本、綴が集めた数は8本だ。
白い杭を集めるためにできた筒は、今では別用途でも使えるように綴が大改造することになった。五条はそれが気に入らないようだが綴自身は大満足だった。
そんな
──さて、どうするかな。
この場は明るさがある程度抑えられているため、綴にとっては好都合な場所だ。だが広さがある。それでは5体が同時に攻撃してくる。ほぼ子蜘蛛が同等数の5体と同時に戦うのは非常に勝てる見込みが薄い。
──かといって無闇矢鱈に逃げててもな……それこそ勝てないし、そこに一般人がいれば大変なことになる。
──……………。
──いや、まともに相手をする必要なんてない。
筒の中から白い杭を取り出す。
──ごめん、今は力を貸してほしい。
綴が思い出すのはあの虫かごでの出来事。鮮明に思い出している訳では無いが、アレと似た状態を造ることは綴にもできるだろう。
──それが一時的な足止めだとしても、効果はある。
──その間に、アイツらから何匹か食う。それしか勝つ方法が見えてこない。
ふぅ、と綴は目を瞑り息を深く吐く。子蜘蛛はそれを見て、好機と綴に襲いかかるが綴は右手に持っていた白い杭を子蜘蛛に突き立てた。
悲鳴が子蜘蛛から上がる。
「まあ、俺を食って自分の一部にしてんだから当たり前だわな」
たとえそれがたったの5匹だとしても、少しでも綴であった部分が子蜘蛛に渡ることで白い杭の効果は子蜘蛛にも有効となった。
白い杭を深く突き刺すと、また筒から白い杭を取り出して次は後方から襲いかかってくる子蜘蛛に白い杭を投げて突き刺す。杭が突き刺さった子蜘蛛に飛びつき、杭を飛びついた勢いを利用して、足で杭をこちらも深く突き刺す。
子蜘蛛の腕の1本を引きちぎり、なんの躊躇もなく口の中へ放り込む。ブチブチと鳴る肉の感触とそこから溢れてくる血が喉を潤し、腹を満たす。そして約束を1つ破る。
・呪霊との戦闘時、筒を地面に下ろさない。
綴は筒を肩から下ろす。地面とぶつかる音でこの筒が常に持ち運ぶには普通ではない重さをしていることがわかる。重さはだいたい大人2人分、呪力を流して形を変えてもその重さは変わらない。
しかしこの筒を下ろして戦闘をおこない、
しかしそんな呪力を上げた綴を見て子蜘蛛は逃げを選択した。
2匹は白い杭が身体に突き刺さりバタバタと暴れていたが、だんだん大人しくなってきている。どうやら、白い杭に貫かれたままなら反転術式を持っていたとしても傷を治すことはできないようだ。それに加えて白い杭に綴自身の呪力を流しておいたのでこれで抜けにくくなっているはずだ。
「逃げてんじゃあねぇぞ、クソ蜘蛛共」
綴は逃げた子蜘蛛を追いかけて走り出した。
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虎杖悠仁は綴を兄のように思っている。口の悪いところは何となく虎杖の祖父を思い出させるため、余計に親近感が湧いていまう。
誰よりも強くて優しい人だ。自分が間違ったことをしない限り、絶対に味方になってくれる、そばにいてくれる心強い兄だ。
だから綴が内通者である可能性を示唆された時はそれをすぐに否定した。
「甘菜綴が攻撃を受けていル!」
ミニメカ丸から綴が呪霊から駅構内で攻撃を受けていると聞き、虎杖も伏黒も急いで帳を解呪しようと、帳を守る呪詛師との戦闘を開始する。
しかし、呪詛師は手強く彼が使う呪術の正体を見破らなくてはまともにダメージを与えることはできないだろう。
「甘菜綴……確か数年前まで懸賞金がかけられていたな」
呪詛師の男、粟坂はニヤリと笑う。
「今は取り下げられたが……甘菜家前当主の息子であの五条悟のお気に入りだ。奴らに恨みを持っている人間に狙われるのは当然だろう」
粟坂自身もそのうちの1人だった。
死体となった綴を五条に見せつければ、その時の絶望した顔を見ることができればどれほど気持ちが晴れることか。きっと懸賞金をかけられていなくても、それだけで綴の命を狙う呪詛師は多くいた。ちなみに、綴が子蜘蛛であることは1級呪術しから上の等級の人間のうちでも僅かにしか伝わっていない情報であるため、呪詛師が綴が子蜘蛛であるということは知れ渡っていないのだ。
綴は狙われた分強くなっていった。1人では無理だと判断し、徒党を組んだ呪詛師は綴を殺しに行く前に、何かがあったようで尽くその前に諦めていた。その後ろには長髪の坊主がいるとか何とか……そこは噂なので粟坂にも詳しいことはわからない。
「綴先輩は強いから、そこら辺の呪詛師には負けねぇよ」
何言ってんの?と虎杖は強い口調でそう言ってのけた。
虎杖と伏黒が急がないと、と思ったのは早くも帳の中に入りもう戦闘を開始している綴と合流するためで、決して綴が押されているなどという考えではない。
「早く先輩と合流して五条先生の所に行くぞ」
「先輩と合流できるなら、なんか安心するな」
それを聞いて粟坂は開いた口が塞がらない様子だ。
虎杖と伏黒の様子はワクワクしているようだった。一緒に任務を受ける回数は2人ともまだ少なく、もっと綴を見て学びたいと思っている2人からすればこれは絶好の機会である。最近はマツリに付きっきりになることが増えていたから余計にだ。
そうと決まればやる気は更に増すというもの。虎杖と伏黒は綴と早く合流するために粟坂の術式攻略を始めるのであった。
また停滞してきたなー、ギャグ書きたいなー……よし、こんな時は番外編アンケートだ!
前回と同じで順番決めです。
アンケートに書かれている番外編は全てやります。
①東堂と任務へ行った時の話
②綴を語る原作キャラ達
③綴12歳、伏黒10歳