今回短いです(小出しにしていこうという作戦)
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どれだけ走っても子蜘蛛は虎杖を追い回す。
後ろを気にしていると前から子蜘蛛が襲ってくる。どんなに距離を離して走るルートを複雑にしても子蜘蛛はすぐに追いついてくる。
この感覚を虎杖は知っている。虎杖がまだ死亡扱いだった頃、森の中にいきなり放り込まれたかと思うと綴に追いかけ回された。虎杖の居場所をすぐに察知してくる綴にその理由を聞いたところ、糸をセンサーとして使ったと答えた。勝てるわけねぇ、ずるい、と抗議したが額を叩かれそれ以上口を開けなくなった。
それと一緒だ。子蜘蛛は子蜘蛛を食べて学ぶ呪霊だ。綴を食べたことにより、糸をセンサーとして使うことを子蜘蛛が覚え、相手を追いかけ回す動きすら綴と同じだ。
──だったら、まだ俺に有利だ。
何回追いかけ回されて額を叩かれたと思っている。
痛いんだからな、あれ。いつも額が凹むか生え際後退するんじゃないかとヒヤヒヤしていた。
綴の技と動きをそれだけ虎杖は経験してきた。なんだったらあの時の恐怖でちょっと視界が歪むこともしばしばある。マジで怖かった。まだ綴のことをよく知らない時期だったため余計である。今なら喜んでやるのに。
綴が言うに、子蜘蛛は学ぶが応用をすることはないという。子蜘蛛にとって学んだことはそれで完成されていることと認識され、さらに何かに発展することは無い。つまり綴の動きをよく知る虎杖なら余裕で躱すことが可能なのだ。
──先輩なら俺が慣れてきたら絶対に作戦練ってくるんだろうな……。
その時は逃げることに必死すぎた虎杖は今、綴の動きを思い出しながら子蜘蛛から逃げていた。
そんな時だ、虎杖の目の前に綴の筒が見えてきた。
「?」
元の場所に戻ってきたのかと思い、気にせず走り抜けた。
それから走っていると、また筒が見えた。元の場所に戻ってきた?いや、これは
「筒が、移動してる?」
元にあった場所とは決定的に違う場所に筒があるのだ。
いったい何が起きているんだ?しかしその筒を気にかける余裕が今の虎杖にはない。綴の動きをする子蜘蛛が相手なのだからないに決まっている。
そのまま走ると、目の前に急に筒が現れた。
思わず虎杖は後退すると、筒が綴に呪力を流されたかのようにだんだん大きくなっていく。1人で動く筒に虎杖は警戒をする。その時、筒から現れた大きな鎌が虎杖を襲う。咄嗟にそれを避けると、虎杖の背後に迫っていた子蜘蛛の頭に突き刺さる。
子蜘蛛の悲鳴を聞きながら、虎杖は
虎杖よりも大きく、般若の面を被り、両手が鎌の形をし、まるで百足のような足を持つ……おぞましく、しかしどこか神秘的な雰囲気を持つ呪霊が筒の中から這い出てきた。
「9'@3」
「え?」
何を言っているかわからなかった。
「!@3#3、#9_9!929!a3#3」
その呪霊は虎杖の持つ綴の首を指しながら何かを訴えている。
「2@5@#8_9#@!74@20……」
「ごめん! 何言ってんのか全然わからねぇんだけど!?」
しかし呪霊の言葉は子蜘蛛の攻撃により途切れる。
それまでただ虎杖に何かを訴えるだけだった呪霊は、その瞬間標的を子蜘蛛に変更する。
「9'@3%@_@、#@!74@29!049#85@_92@。
#@!74@_85@_9'@435@59748、2@5@#8」@!9「7'929」78_#747」
子蜘蛛の頭を再び両手の鎌で攻撃する。
もちろん子蜘蛛も負けてはいられない。綴から得た知識を持ってこの呪霊に対処しようのする。この呪霊は綴の筒の中から這い出てきたのだから、その正体は綴が知っているはずだと考えたのだ。
「@_#8_#849、」@4@8」@#8_@8。#943」@@_9!9「@6747#@_@8!@。
_8!78。5@%@5%@9'@3「@_8!78。!9「7'9'9、4697'3_#7!7_@'9、「3597#7「747'9、「9.97#@5947'9、#7)353「3_!!78」
だが子蜘蛛は
子蜘蛛にとって最悪なことをあの男は
「'@53、_8「347_@。%97#3_8「34@43_@8」
子蜘蛛の身体が急に痺れたかのように痙攣する。いや、子蜘蛛だけでは無い、虎杖もその痺れを感じていた。しかし直接狙われていなかったこともあるのか、子蜘蛛のように痙攣するまでとはいかなかった。
──なん、なんだよ……これ。
「!@3#3、5@)35@#@!74@29、2@5@#8_8!a3#853」
子蜘蛛は堪らず分散して逃げようとするが、呪霊はそれすら許さない。
「_8「@#7!@」
ぐちゃり。と分散した全ての子蜘蛛に白い杭が突き刺さる。
「「9'3__@#@8。%3'9、#@!74@_99_3「@8_@_9。
@_@5@2957!@7!959296947#853」
身動きが取れなくなった子蜘蛛を呪霊は筒の中に次々と放り込んでいく。
ガゴンっという音と、子蜘蛛が必死に抵抗する声が響き渡り、筒の中からは子蜘蛛の啜り泣くような声が聞こえてくる。
成人男性が1人余裕で入る大きさとはいえ、全ての子蜘蛛を中に入れるのは流石に無理だろう、と虎杖は思っていたが、入らないと感じた呪霊は子蜘蛛を押し潰しながら中に詰めていく。ここまでされてまだ生きている子蜘蛛は初めて己の生命力を恨んだ。ただでさえこの中は子蜘蛛が
「57「8」@、9'@3%@」
子蜘蛛を詰め終えた呪霊が虎杖を見る。
呪霊が指すのは相変わらず綴の首だった。呪霊が綴の首を欲しがっているのを感じていた虎杖は腕に力を込める。
「綴先輩は、俺達と一緒に帰るんだ! 絶対にやらない!」
「#@!74@29#9_9_@'@3%369)7_@!!!」
呪霊の今までで1番大きな声を聞き、虎杖は耳を塞ごうとするが、そうすればすぐに呪霊は綴の首を奪うだろう。
「#@!74@_9%@8.8_@!9%@!@4@、!97「3!8#8_@8_%@。
!@3#3、!@3#3!@3#3!@3#3!!
2@5@#8_9'7#7!929!@3#85369!!!」