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それに群がる改造人間が次々と物言わぬ死体に戻っていく。
てくてくと歩くそれは目的の場所へと向かう。
しかしそこへの行き方がわからず首を傾げる。
目的の場所へ来たというのに、目的の人物はそこにいないのだ。
どうしよう、と腕を組んでそれは悩むがなにもわからない。
ので、それは下に向かって穴を開けた。
つもりだったが僅かに穴が空いたくらいで目的の場所(恐らく)には到底到達しない。
今度こそと、着ていた着物をたすき掛けしてから再度挑戦する。
すると今度は先程よりも大きな穴が空き、それはバンザイをしてドヤ顔で喜んだ。
早く目的の場所に向かわないといけない。
目的の人物をすぐに助けないといけない。
何故ならその人物は今、この渋谷で1番の強い願いを持っているからだ。
後悔、葛藤、殺意…その他にも色んな感情で押し潰されてしまいそうなその人物を、それは探している。
そうすることで、それは確立している。
そうすることで、それは力を付ける。
うんしょ、うんしょと何度も蹴りつけるが、一向に埒が明かないことに気がついたそれは、とうとう怒って今までで1番の力を込める。
するとどうだ、大きな穴がポッカリと開いたでは無いか。
それは自分の両手を見てギュッと握りしめた。
その表情は今までにない歓喜であった。
しかし、それの背後に何かが近づいてきた。
そのことに気が付かず、それはまた地面に穴を開け続ける。
楽しそうに、嬉しそうに。
それの背後で、手が鎌のような形をした呪霊が、それの首を落とそうと腕を振るう。
しかしそれに攻撃は届かず、まるで蜃気楼のようにユラユラと揺れるだけだった。
自分が攻撃されたことに気が付いたそれは、首をかしげながらゆっくりと振り返る。
それは戸惑う呪霊の周りをクルクル回りながら観察をしているようだ。
何度か繰り返すと、ピタリと呪霊の前で止まる。
ニコニコと笑うそれは、呪霊から距離をある程度取ると後ろを向くと、目隠しをした。
呪霊は隙を見せるそれに向かい、1歩進む。
何も起こらないと、呪霊はわかるとまた進んだ。
『 』
誰かが何かを言った。
直接頭に響くような言葉。
呪霊が気が付くと、それはこちらを振り返っている。
不満そうにも見えるそれは、非難するように呪霊を指差した。
するとどうだ、身体が一切動かないではないか。
なんだ?
コイツはなんだ?
知らない、こんな存在は知らない。
その黄金色の目に見つめられるたびに、自身が死んでしまうような錯覚を覚える。
その瞬間、呪霊の視界が歪んだ。
まるで紙くずをぐしゃぐしゃにするかのように、呪霊の身体が折りたたまれていく。
その光景を、それはニコニコと笑いながら見ていた。
次回、走馬灯編最終回
続編について
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このまま続きで書く
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新しい小説として書く
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そんなことより復讐劇の続き書けや
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すじこ