「なぜこの少年達がライブメタルを!?」
ライブメタル・・・・・・ヒトビトがロックマンに変身するときに用いられる意思を持った金属の事。
とある人物の主導の下、製作されたらしい代物であるのだが、ロックマンへの変身にはコレに秘められているR.O.C.Kシステムを起動させる必要があり、起動に適性が必要なことから、ロックマンになれるのはほんの一握りのみである、その代わり、適合者にはロックマンとしての絶大な力を与えると言う代物である。
「軍に捜索依頼が出ていたライブメタルは5つだったよな?」
「・・・・そうね、コレはその内の・・・・・・モデル・・・・Zね、」
「モデルZか・・・・・・・・」
二人の間を暫しの沈黙が走る。
それから暫し経ち、沈黙を破ったのは黒服の女性の方であった。
「懐かしいものね・・・・取り敢えず、連絡先であるガーディアンに発見報告とガーディアンベースへの輸送手配をしなくちゃダメか、」
「・・・・いや、連絡は必要だが輸送手配は要らんだろう、下手に運び屋を使うよりかは私の艦で輸送した方が基本的には安全のハズだ」
「そうね、こーゆーときにおあつらえ向きの運び屋があったけど、あそこは休業状態だしね」
「そうとなれば、っと、少年も意識が戻ってきたようだな」
「・・・・う、くああ・・・・・・・・」
「少年、大丈夫かね?」
二人がライブメタル発見について今後を考えてる最中、海岸で寝てた二人の内、少年の方の意識が戻り、目を覚ますことになる。
「・・・ハッ!ココはどこだ!?アルバートの奴はどうなった!?」
「アルバート?マスター・アルバートの事か?」
「!、そこのテメェ、何か知ってるのか!?アルバートは今どうしてやがる!」
「・・・・この子、普通と様子が違う?」
起き上がった少年は気がついたと同時に数ヵ月前に死したマスター・アルバートのについて口走り始める。
少年の口調からは分かりやすい位にアルバートへの憎悪がこもっていたが、二人にはなぜいきなりその話題が出るのかの理由が分からず、困惑してしまうこととなる。
「さっさと教えろ!アルバートはどうしていやがる!答えねぇと殺すぞ!」
「えぇ・・・・・・」
ついに答えなければ殺すとまで少年は言ってきた、訳が分からず困惑が加速する男性だが、女性は何かを察したのか、落ちついた雰囲気で少年に告げた。
「マスター・アルバートなら死んだわ、ウロボロスで世界をリセットしようとして失敗、最終的にはハンターとして活動してるロックマン二人組によって倒された・・・コレで満足?」
「・・・・ハハハハハ!結局くたばりやがったのか!アルバートのヤツ!ザマァねぇなぁ!」
「よっぽどアルバートは君に嫌われたらしいな・・・何かあったのか?」
「そりゃそうだ!オレとパンドラをこんな姿に作り変えて!自分の計画のために散々こきつかいやがったアイツを好きになるなんぞあり得ねぇ!」
「こんな姿?・・・いかんな、話がでかくなってこの少年への対処をコロコロ変化させる羽目になるとは、コレは下手しないでも対処に困るヤツだぞ」
「パンドラ・・・・ハンター相手に暴れまわって【魔女】とか呼ばれてたロックマンの名前と一致するわね・・・・とすれば、あなたがプロメテ?」
「・・・・それがどうした?」
アルバートの死を告げられ大笑いする少年、違和感を覚え話を動かした途端、アルバートへの憎悪をぶつける少年、女性が出した少年達の正体に関する推測と疑問に肯定の意思を示すと、何かばつが悪そうに黙り込んでしまった。
「プロメテとパンドラ・・・・ああ、成る程、アルバートの件以降ハンターギルドから極秘の依頼で捜索願いを出されてたのは君たちか!」
「捜索願いだぁ?」
「ああ、確かアッシュとグレイとか言う二人組のハンターだったかな?その二人から捜索願いが上がってきててね」
「・・・・コロネル、マスター・アルバートを倒した二人組のロックマンだってこと忘れてない?、もしもまた会えたなら、あのとき見捨ててしまったことを詫びたいとかなんとか言ってたじゃない」
「・・・・あぁ!そう言えばそうだったなぁ、プラグみたいなのがある少年と透き通った水色の髪した嬢ちゃんだったか」
「あいつら・・・・・チッ!」
再びばつが悪そうに沈黙する少年、ちょうどその頃、一人眠っていた少女の方も目を覚ましたのだが、少女は目を覚ましたと同時に少年の方を見、そして驚きの表情になった。
「兄さん・・・・その姿!?」
「パンドラ?・・・・!?」
二人は短く話した後、互いの姿をまじまじと見つめ直すと、人目を憚らず互いに抱き締めあい、そして泣き始めた。
「兄さん、アルバートは・・・」
「死んだとさ、ザマァ無いな、」
「そう、じゃあ私達はやっと・・・・」
「・・・・アルバートから逃れることができた訳だ、ハハ、実感わかねぇ」
涙ながらに会話を交わし、コレでもかと言わせんばかりに強く抱き締め合う二人、
その目から流れ続ける涙は、少年達の知られざる壮絶な人生を物語っているように二人には思え、二人も身振りで合わせることで、少年達が落ち着くのを待つことにしたのであった。
「・・・・すまねぇな、オッサン、恥ずかしいところ見せちまって」
「オッサン!?私そんな風に見られてたのか!?」
「そう呼ばれるのって、ダイタイはコロネルの微妙に更けてる感じがする顔と髪のせいだと思うけど?」
「イリス・・・・それはあんまりだぞ、しまいにゃ泣くぞ( ノД`)…」
落ち着いた少年からの一言でかなり落ち込む男性、状況が状況でなければ今すぐにでも座り込んでしまいそうな勢いであった。
「ああ、そいえば紹介が遅れてたわね、私の名はイリス、【レギオンズ政府軍】、所属の軍務官よ、基本的には今そこでベソかいてる提督が指揮する【レギオンズ第一艦隊】で艦隊の後方支援関係と政府との調整その他もろもろを担当しているわ」
「・・・ゴホン、気を取り直して、私がレギオンズ政府軍第一艦隊司令長官、コロネルだ、一応、前線での対イレギュラー戦闘と各地の民間人の警護を担当している政府軍最精鋭部隊を指揮する立場の者だ、よろしく頼む」
「・・・・パンドラ、です…よろしくお願いします。」
「オレの名プロメテだ、よろしく、イリスにコロネルのオッサン」
「だからワタシはオッサンではないと・・・」
「別段気にする必要がないとはいえ、政府軍の軍務官をさらりと呼び捨てする人物を始めてみたわ・・・・」
「…兄さん」
「…そうだな、んでオッサン、早速で悪いんだが・・・・」
「ん?」
浜辺にやって来たコロネル、イリスの男女組、浜辺で眠っていたプロメテ、パンドラの少年少女組それぞれが遭遇してから一時間以上もたった今になってやっと互いに自己紹介をした瞬間であった。
その後プロメテとパンドラは何かを示し合わせ、オッサン呼ばわりされて未だに立ち直りきってないコロネルをよそに、まるで犯罪者が観念したときの如く両手を前に出して会わせたのである。
「…二人ともどうしたのかしら?」
「イリスさん、わたしと兄さんが元々どんな存在で何をしていたのかは知ってますよね?」
「・・・・・・・・?」
「…ああ、あの件か」
「何か知ってるのコロネル?」
突然の発言に考えが追い付かず頭に疑問符をつけ出すイリス、そんな彼女に対し、取り敢えず立ち直ったコロネルは彼女達の言うことを理解しつつも、そんなことかと言わせんばかりの表情で二人を見る。
「忘れたかいイリス?例のハンター達から依頼された時もそんな話をしたけど、プロメテとパンドラと言えば違法ハンターが血祭りに上げられた例の件で随分と有名になっていた【死神】と【魔女】の名前だ」
死神と魔女。
アルバートの反乱の頃までハンター達の間で話が持ちきりであった謎の存在の事である。
巨大な鎌と火属性の多彩な攻撃をもつ死神、
氷と雷の二属性を扱い、瞬間移動に近い空間移動能力を有した魔女。
ハンター達を恐怖させ、二人合わせれば小国の国家予算に該当するほどの大金を懸賞金としてあてがわれる程であったその二人は、アルバートの反乱以後姿を消し、つい最近、二人と最後に交戦したハンターの証言が元となって死亡認定が降り、死亡したものとされた存在であった。
「ああ、なるほどねぇ、各国にアホみたいな金額の懸賞金返金があったって言う話しあったけどそれのことってわけね」
「違法ハンター相手だからレギオンズ政府軍を動かせる相手でもなし、唯一の被害者と言って良い件の二人組はむしろ懸賞金取り下げを言ってきた側、各国とレギオンズも民間人を巻き添えにしかねない脅威が失せた、イレギュラーを率いていた何て言う疑惑もあったが、ガーディアン所属のロックマン二名と件の二人の証言から、そもそもそれらとは完全に別に独自行動をとってるようであったらしいしな」
「……あんたが軍のお偉いさんなら俺たちがガーディアンを襲撃したことは知ってる筈だが?」
「その辺も含めてマスター・ミハイルとマスター・トーマスが総合的に下された判断だ、件のハンターから出された捜索依頼も、【魔女】と【死神】として発見されたら自分達の手で決着をつけると言う本人達の言もあっての話だしな」
「それとも今すぐ話にあった姿になって私たちを脅かしてみる?」
「……いや、そもそもあの姿に戻れそうにはねぇし、戻りたくもねぇ」
「でしょうね」
プロメテとパンドラはコロネルとイリスの言葉から、自分自身が外聞的にはそれまでの人生からほぼ解放されたことを悟った。
「……これから私達はどうなります?」
「暫くは軍、正確には私の艦隊で保護と言う形式になる、先ずは捜索を依頼したハンターと引き合わせるのが先だが……今の君たちなら彼等に引導を渡されることはなかろう。」
「その後に関しては……どうしたものかしらね?そのときになったら考えましょうか、」
「のんきだなぁオイ……」
自分達の今後を気にする二人にコロネルとイリスは大したことなさげに素っ気なく答える。
そのとき、コロネルの持っていた通信端末に通信が入る。
「・・・・ん?イリス、そう言えばさっき頼んどいた艦への連絡、いれたか?」
「……あっ」
「……くぉらああああああああ!!」
通信が入ると同時に嫌な予感がしたコロネルがイリス問う。
イリスが自信のミスに気が付いたとき、通信先からものすごい女性の怒号が飛び出す。
「司令!軽く書き置き残すだけで何の報告も無しにいきなり艦を離れるとかなに考えてるんですか!」
「いや……その・・・・あのだな……」
「仮にも艦隊司令がそうあっさりと勝手にあれこれ行かれたりしたら困るんです!こっちは最後に出された命令通り先程の停泊場所で待機したままですが、正直、通信繋げられるとわかるまで司令と軍務官を捜索すべきか迷ってたんですよ!」
「ご・・・・ごめんなさいねフィリア艦長、連絡すっかりと忘れてたわ」
「・・・・まーた司令はイリスさんに連絡投げたんですか!本来司令の仕事ですよねそれ!?」
「いやしかし私はその辺の機器の取り扱いがどうしても苦手でな……」
「出来ないことを出来る人に任せようとするのはわかりますけどせめて自分で通信機器を使えるようにはなってくださいよ!司令がやらかす度に尻拭いしてるの誰だと思ってるんですか!」
「いやその……正直スマンかった」
「そうそう、艦長、緊急の連絡なんだけど、今さっき、軍への依頼にあった死神、魔女を発見、こちらで保護したわ、ついでにライブメタルが一つ見つかったからガーディアンの例のハンターへの連絡頼めるかしら?」
「ええっ((((;゜Д゜)))!?あの死神と魔女をですか(;゚Д゚)!?大丈夫なんですかそれ!?」
コロネルの座乗する艦の艦長である女性、フィリアはコロネルを散々にしかりつけた後、イリスからの報告を受け驚愕する。
「大丈夫ダイジョーブ、やばかったら私とコロネルのどっちかが通信に出られなかったろうし、見たところ二人とも危険性は皆無に等しいから安心なさい」
「はぁ・・・・わかりました、ライブメタルのことも含めて通信を出しておきます、それと、流石にそろそろご帰還願います、いくらイレギュラーの活動がほぼ停止してる所とは言えアウターなのにはかわりないんですからね?」
「わかってるわかってる、私とイリスは件の二人を連れて艦に戻る、そっちは引き続き警戒しといてくれ」
「了解しました。」
コロネルの命令への返答を最後に通信は終わる、そしてコロネルとイリスはプロメテとパンドラに向き直った。
「さて・・・・そう言うわけなので二人には私とイリスと共に艦まで来てもらうことになる」
「・・・・もしかして艦までは歩き?」
「そんなに距離があるわけではないがね、」
「そう言うことだから、ちょっと歩くけど着いてきて、私達の艦に案内するわ」
二人はそう言うと林の方へと歩き始める。
「・・・・兄さん、本当に付いていくの?」
「あの二人は少なくとも今の俺らを害そうって訳じゃねぇ・・・・ついていく他はねぇだろうな」
「そう・・・・」
こうして、レギオンズ政府軍と、元ロックマンとの奇妙な出会いは終わった。
林の中を突き進む四人・・・・後に世界の大きな変化の波に立ち向かうこの四人は、しかしまだこの時、世界を包む大きな波に気づくことはなかったのである。
ゲーム風エリア説明
「エリアA-01」
明るい雑木林のようなエリア。
特に敵がいたりするわけでもなく。ただひたすらに先へ進むだけのチュートリアルステージ。
ここで歩き、走り、ジャンプ、しゃがみ移動等、無変身状態における基本操作を学ぶ事になる。