一人一つの性格《カテゴリー》   作:yourphone

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起きる
頑なな態度で


 なんて言えばいいのか。今現在、警察にお世話になってる。

 

「名前は?」

「……」

 

 警察って怖いね。特に何もしてなくても、警察の人がなるべく優しい声を出してきてても、警察ってだけで緊張する。

 まあ、この人絶対見た目で損してきた感じだけど。

 

「家は?」

「……」

 

 で。何で警察にお世話になってるかって事なんだけど……。

 

 ここ何処? 僕は誰?

 

「ぁ―――」

「……」

「―――っぁ」

 

 なんで……喋れない?

 

「うぅむ……そうだ、筆談ならどうだ?」

「!」

 

 ぶんぶんと頭を振り回す勢いで頷く。身体は普通に動くからね!

 

「ほら、紙とペンだ。名前を書いてくれ」

 

 ……あーっと。やば。『分からない』―――っと。

 

「分からない?」

 

きおくそうしつ』―――っと。記憶の『憶』と喪失の『喪』の漢字が分からないから平仮名で。

 

「むぅ……それは困るな」

 

 う、唸らないで? 警察さんの厳つい顔だとそれだけで怖いから。

 

「仕方無い。デュエルといこうか」

「?」

 

 デュエル? なんでデュエル―――あれ、デュエルは分かるや。

 

「ちょっと待ってろ。見たところディスクを持ってないようだから持ってきてやる」

 

ありがとう』と紙に書く。けど、警察さんはそれを見せるよりも速く部屋を出ていった。

 

 ……整理しよう。

 

 僕は気付いたらこの部屋に居た。警察さんの言うことを信じるならバックを背負って公園で倒れていたらしい。

 さっき確認したところバックの中には筆箱と英語の教科書、デッキケースが2つ。デッキケースにはそれぞれ2つデッキが入っていたから、僕は合計4つのデッキを持っている事になる。

 服装は白系の厚い長袖とジーパン。長袖には赤字で英語が書いてあるけど、多分深い意味は無い。

 帽子は無し、手袋とか耳当てとかマフラー、上着といった防寒具も無し。マスクや眼鏡、サングラスなどのパーツも無し。

 ついでに言うと記憶も無し、と。

 

 あっははは、上手いこと言ったんじゃない? そうでもないか。

 

 あ、そうだ。教科書に名前ぐらい書いてあるんじゃない? 取り出してみる。

 ……書いてなかった。僕は教科書に名前を書かないタイプだったみたいだ。

 

「すまん、少し旧型のものしか無かった」

 

 あ、警察さんが戻ってきた。その手に持っているのは銀色に鈍く光るデュエルディスク。中央にドーム状の膨らみがあり、デッキの差し入れ口と墓地のカードを入れる溝が空いている。モンスターゾーンは2つに分けられ、まるで盾のようにドーム部分の両側に付いている。

 恐る恐る受け取り、左腕に装着する。メカメカしい見た目と裏腹に凄く軽いや。

 

「使い方は分かるか? デッキを差し込んで、そこのドームの部分を押すんだ」

 

 ドームを押す? 取り合えずデッキを1つ選び、デッキ入れに差し込んでおく。……こうかな? 手を広げてドームを上から押し込む。

 

 ガチャンッ!

 

「」

「うおっ!?」

 

 ものすごい勢いでフィールドが展開されて、反動が、いやていうかあぶなっ!?

 

「さ、錆び付いてたのか……? おお、そうだこれを付けなきゃな!」

 

 ジトーッと警察さんを見つめる。僕は自分の年齢も分からないんだけど、警察さんよりは子供だと思う。子供にこんな危ない物を渡すなんてどうなの?

 警察さんは冷や汗をかきながら僕のデュエルディスクにEXモンスターゾーンのオプションを取り付けた。

 

「よし、やるからには手は抜かないからな?」

 

 当然。デュエルディスクを構える。

 ……オートシャッフル機能ぐらいはあるんだ。

 

「デュエル!」

 

 先攻は……警察さんか。ライフ8000のスタートだ。

 

「む……俺は『手札抹殺』を発動だ!」

 

 早速手札交換!? 手札を全て捨てて、その枚数だけドローする。

 

「俺は4枚捨てて4枚ドロー! 悪いな、次に『手札断殺』!」

 

 はいぃ!? 仕方無い、2枚捨てて2枚ドロー。

 

「こちらも2枚捨てて2枚ドロー。……次だ、『増援』!」

 

『増援』……戦士族のサーチか。HEROかな?

 

「『GM・Hyw(ヒュー)』を手札に加える!」

 

 は、はい? GM? GMって何!?

 

「そのまま通常召喚だ! 俺は魔法カードを宣言してHywの効果を発動!」

 

 

『GM・Hyw』

 レベル3 地属性 戦士族

 ATK1200 DFE1200

 ①1ターンに1度、モンスター・魔法・罠カードのいずれかを宣言して発動できる。相手の手札1枚を確認し、宣言した種類のカードだった場合墓地に送るか自分のフィールドにセットする。違った場合相手は1枚ドローする。

 

 

 現れたのは警察さんと似たり寄ったりな感じに(いか)つい男。サングラスが余計に近寄りがたい雰囲気を出している。着ているスーツが筋肉ではち切れそうになっている。

 そんなちょっと関わり合いになりたくないようなモンスターが僕の手札から1枚を取り上げ、警察さんにそのカードを見せる。

 

 あのー、勝手に取らないで。それにそのカード……。

 

「ふむ、『オネスト』。モンスターか……1枚ドローしてくれ」

 

 あ、はい。Hyw(ヒュー)がペコペコしながら『オネスト』を返してくれる。更にどうぞどうぞとデュエルディスクを指差す。

 なんか、見た目に似合わず小動物みたい。ありがたくドローさせてもらう。

 

「よし、そちらの手札が6枚以上なので手札の『GM・Alfe(アルフェ)』を特殊召喚しよう」

 

 

『GM・Alfe(アルフェ)

 レベル4 地属性 戦士族

 ATK1600 DFE1600

 ①相手の手札が6枚以上の場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 ②1ターンに1度、モンスター・魔法・罠カードのいずれかを宣言して発動できる。相手の手札1枚を確認し、宣言した種類のカードだった場合表側でデッキの一番上に置く。デッキで表側のそのカードは手札に加えられる場合墓地に送られる。違った場合相手は1枚ドローする。

 

 

 現れたのはHywの胸元ほどの身長の女性。黒髪のHywと違って金髪でいかにもな外国人だ。スラリとした体型にスーツが似合っている。

 

「そうだな……今度はモンスターを宣言してAlfeの効果を発動する! さあ、手札を1枚見せて貰おうか」

 

 Alfeが手を出してくる。うーん……ランダムでしょ? 適当に手札をシャッフルして裏側で差し出す。Alfeは白いスラリとした指でその中の1枚をスルリと取っていく。

 うわ、そのカードは……。

 

「ぐ、『H(ヒロイック)・C(チャレンジャー) サウザンド・ブレード』か……。そいつはデッキの1番上に表側で置く事になる!」

 

 Alfeは笑顔でカードを返してくれる。……あ、デッキには自分で戻せと。

 なるほど、『GM』はハンデステーマなのか。

 

「俺は『死者蘇生』を発動だ! 2体目のHywを特殊召喚、モンスター……いや、魔法を宣言して効果だ!」

 

 え、名称で1度じゃないの!? うわ、だから勝手に取らないでよ! しかもそれ、ヤバい!

 

「ほう、『サイレント・バーニング』。魔法カードだな。こちらの場にセットさせてもらおう!」

 

 と、取られた……! 墓地に送りたかったのに!

 

「…うぅむ、だが……そうだな、あまり墓地に送りたくないか。ターンエンドだ」

 

 よーし、僕のターン!

 

「ドロー」

「む? ……残念だが、駄目だ」

 

 うわっ! 爆発したぁっ!?

 

「Alfeの効果でデッキに表側で置かれたカードは、手札に加えられる時に墓地へ送られる!」

 

 な……いや、まあ、サウザンド・ブレードだし。墓地に送る手間が省けたって考えればいいよね。

 さてじゃあどうしようかな。幸い、沢山墓地に送ってくれたから何でも出来る。警察さんの手札も無いし、一気に決めたい!

 まずは墓地から除外して、サーチだね!

 

「メイン。『沈黙(ちんもく)(つるぎ)』、『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』」

「ほう?」

 

 かーらーのー、2枚目!

 

「『沈黙の剣』、『サイレント・ソードマン LV(レベル)3』。『サイレント・バーニング』、『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』」

 

 いいね、やっぱり手札は沢山ないと。これで僕の手札は7枚になった!

 そしてー? 召喚をする!

 

「『Em(エンタメイジ) トリック・クラウン』」

 

 僕の目の前にピエロが現れる。背中から見ると結構痩せてるね、君。

 さぁ、ここからの展開の(かなめ)になってよ!

 

「『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』」

 

 ピエロがヒョイッと何かを投げた。僕も警察さんもそれを目で追い掛けて……気付くとピエロの姿は無く、ピエロとは似ても似つかない女性が居た。

 魔法使い族をリリースしなくちゃ出てこないけど、このデッキのキーカード!

 可愛い! 美しい! まさに最強!

 だけどまだまだ!

 

「『Em トリック・クラウン』」

 

 爆発と共に、リリースされた筈のピエロが現れる。爆発によって僕のライフに1000のダメージが入る……けど、この子は主のピンチに現れる!

 

「『H・C サウザンド・ブレード』」

 

 ギラッギラに輝く戦士が現れ、慌てたように駆け寄ってくる。

 この子は見た目通りに戦士族。よって、リリース!

 

「『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』」

 

 現れるのは静かなる剣士。サウブレを宥めて何処かへ帰らせてた。

 もー、そんなところも格好いい!

 

「サイレントを2体揃えてきたか!」

 

 そういうデッキだからね! よーし、乗ってきた!

『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』は攻撃力1000のままだけど手札が4枚だから『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』の攻撃力は2000アップの3000!

 一気に行く!

 

「バトル。『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』」

 

 Alfeを指差す。……なんか、サイレント・マジシャンを憎々しげに睨み付けてるんだけど……あぁ、うん、でかいよね。何がとは言わないけど。

 

「サイレント・バーニング」

「ぐ……また守備表示にするのを忘れていた!」

 

 美しき魔法攻撃。Alfeは何もできずに爆散。

 そして言われてみれば確かに全員攻撃表示だったね。おかげでなんなくダメージが通るよ。

 1400のダメージが通って、警察さんのライフは6600。

 

「『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』」

 

 片方のHywを指差す。……Hywの攻撃力は1200。こっちの攻撃力のが低い。ごめんサイレント・ソードマン!

 

「ソード・サイレント」

「迎え撃てHyw!」

 

 サイレント・ソードマンの剣は避けられ、逆に拳を鳩尾に叩き込まれる。

 僕のライフに更に200のダメージ。これぐらい、サイレント・ソードマンのダメージに比べればどうという事はない!

 

「『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』」

 

 それに、サイレントたちは負けを知って進化する! デッキより現れろ!

 

「―――『サイレント・ソードマン LV7』」

「来たか!」

 

 見た目はほとんど変わらない。けど、『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』の体からオレンジのオーラが吹き出る。

 その攻撃力は2800。バトルフェイズに現れたからもう1度攻撃できる! リベンジだよ!

 

「『サイレント・ソードマン LV7』」

 

 更に、更に更に!

 

「『沈黙の剣』」

「なっ、3枚目だと!?」

 

 手札から使った効果はサイレント・ソードマン1体の攻撃力が1500アップし、相手のカードの効果を受けないというもの……故に、攻撃力は4300!

 ついでに、これも!

 

「『オネスト』。―――ホーリーサイレントソード LV7」

「ぐああっ!」

 

 4300のダメージ! 警察さんの残りライフは2300!

 あ、ちなみに『沈黙の剣』の墓地効果は『墓地に送られたターンに発動できない』とか書いてないから。

 

「『沈黙の剣』、『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』」

「む、ぐぐ」

 

 これで『沈黙の剣』は使いきった。手札が3枚になっちゃったし、出来ればこのターンに決めたかったけど。

 

「『Em トリック・クラウン』」

「ぐ……全滅か」

 

 ……あー、ダメだ倒しきれなかった。トリック・クラウンの攻撃力は1600。Hywを攻撃して400ダメージ与えて、相手は残り1900。

 まー、仕方無いや。さてじゃあどうしようかな……うん。

 

「メイン2。セット。エンド」

 

 手札は2枚。『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』の攻撃力は2000にまで下がったけど破壊されたら進化するし、そう簡単には攻撃されないはず。

 

「ふむ、俺の手札は0枚でフィールドには発動出来ない魔法が1枚のみ、更に『サイレント・ソードマン LV7』によってフィールドの魔法カードは無効化される、か。厄介だな」

 

 それほどでも。……ここから逆転されたら少し辛いものがある。

 

「俺のターン、ドロー! まずは、俺のフィールドの元々の持ち主が相手となるカード1枚を墓地に送り、俺の墓地の『GM Vmbkzt(バンクット)』を特殊召喚!」

 

 

『GM Vmbkzt(バンクット)

 レベル6 地属性 戦士族

 ATK2000 DFE2000

 ①自分フィールド上に存在する元々の持ち主が相手となるカード1枚を墓地に送る事でのみ手札・墓地から特殊召喚できる。

 ②1ターンに1度、相手がカードを手札に加えた場合に発動できる。手札・デッキから『GM』モンスター1体を特殊召喚する。

 

 

 僕の『サイレント・バーニング』が墓地に送られ、警察さんの場に明らかにヤバそうな男が現れる。サングラスに通信機、背中には巨大な四角い鉄の箱を背負っている。

 っていうか前のターンに呟いてたのはそういう事か。このモンスターは既に墓地に居たけど、呼び出すと僕に『サイレント・バーニング』を使わせる事になったから見送ったと。

 

「墓地の『GM's Observe』を除外して効果を適用する! フィールドのセットカード1枚をバウンスだ」

 

 

『GM's Observe』

 通常魔法

 ①自分フィールド上に『GM』モンスターが存在する場合に発動できる。相手の手札を確認する。その後、相手はデッキから1枚ドローする。

 ②墓地のこのカードを除外し、フィールドにセットされているカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主の手札に戻す。この効果は墓地に送られたターンには発動できない。

 

 

『サイレント・ソードマン LV7』が無効化するのはフィールド上の魔法だけ。墓地で発動する効果は無効化できない。

 

「対象は勿論、貴様の場のセットカード」

「『貪欲な瓶』」

 

 ここは使うしかない。対象を5枚選ばなきゃ。

 

「『沈黙の剣士―サイレント・ソードマン』『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』『サイレント・ソードマン LV5』『サイレント・マジシャン LV8』『オネスト』」

 

 この5枚を戻して……1枚ドロー!

 

「手札補充カードだったか。貴様が手札にカードを加えたので俺は『GM Vmbkzt』の効果を発動だ! デッキから『GM Qur(キュアー)』を特殊召喚!……守備表示だ」

 

 

『GM Qur(キュアー)

 レベル3 風属性 魔法使い族

 ATK1200 DFE1200

 ①1ターンに1度、モンスター・魔法・罠カードのいずれかを宣言して発動できる。相手のデッキの一番上を確認し、宣言した種類のカードだった場合墓地に送るか自分のフィールドにセットする。違った場合相手はそのカードを手札に加える。

 

 

 ピンク髪の女の子がVmbkzt(バンクット)の背中からピョコンと現れた。キョロキョロと周りを見回してから飛び降りる……あ、こけた。そのまましゃがんで守備表示になる。

 

「……Qurの効果だ。俺はモンスターを宣言。デッキトップの確認だ!」

 

 へー、Hywの効果のデッキトップ版なのかな。レベルも同じだし。

 なんて思ってたら、あれ、いつの間にかQurの手にカードが。……って、それ『サイレント・ソードマンLV5』! 僕のカード!

 

「よし、成功だ。俺の場にセットする。そのまま墓地に送り、俺の墓地の『GM Xipdnc(エクシップドンク)』を特殊召喚だ!」

 

 

『GM Xipdnc(エクシップドンク)

 レベル6 風属性 魔法使い族

 ATK2000 DFE2000

 ①自分フィールド上に存在する元々の持ち主が相手となるカード1枚を墓地に送る事でのみ手札・墓地から特殊召喚できる。

 ②1ターンに1度、相手がカードを手札に加えた場合に発動できる。手札・デッキから『GM's』魔法・罠1枚を自分フィールドにセットする。

 

 

 僕のカードを勝手に利用して出てきたのはバス。……バスだよ。ここ、部屋の中なんだけどバスが居るんだよ。

 側面に大きく『GM』のエンブレムみたいな絵が書かれている。

 

「貴様の手札は3枚、よって俺の手札に存在する『GM Jgso(ジグソー)』を特殊召喚だ! 守備表示で、な」

 

 

『GM・Jgso(ジグソー)

 レベル4 風属性 魔法使い族

 ATK1600 DFE1600

 ①相手の手札が3枚以下の場合、このカードは手札から特殊召喚できる。

 ②1ターンに1度、モンスター・魔法・罠カードのいずれかを宣言して発動できる。相手のデッキの一番上を確認し、宣言した種類のカードだった場合表側でデッキの一番上に置く。デッキに表側のそのカードは手札に加えられる場合墓地に送られる。違った場合相手はそのカードを手札に加える。

 

 

 赤い髪をボサボサにした眼鏡の男が出てきた。ヒョロヒョロだし、他の『GM』と違って外に出なさそう。

 

「罠を宣言してJgsoの効果だ。デッキトップを確認だ!」

 

 うん? Jgsoが何処かからパソコンを取り出してカタカタやってる。

 ん、僕のデッキに何か付いてる……盗聴器? いや、超小型のカメラだ。

 

「Jgso、解像度が悪いぞ」

 

 ……え、これでこっそり確認しようとしてたの!? あーもー面倒な事して、それぐらい自分で見せられるよ!

 

「おお、すまない。ふむ、『Em トリック・クラウン』か。手札に加えろ」

 

 手札には居なくていいんだけどね。既に1体居るし。

 

「手札にカードを加えたな。『GM Xipdnc』の効果! デッキから『GM's』魔法・罠カード1枚をセットする! 俺がセットするのはカウンター罠、『GM's Check』!」

 

 

『GM's Check』カウンター罠

 ①自分フィールド上に『GM』モンスターが存在する場合に相手がフィールド上で魔法・罠・モンスターの効果を発動した時に発動できる。その効果を無効にし手札に戻す。その後、自分フィールドの『GM』モンスター1体を手札に戻す。

 

 

 カウンター罠……どんな効果か分からないから注意しなくちゃ。

 

「バトルだ! Xipdnc、『Em トリック・クラウン』に攻撃!」

 

 バスがピエロに突撃……しない。あれ、てっきり突進攻撃かと思ったのに。

 突然バスの屋根が開き、大量のミサイルが姿を見せる。

 

 ま、待って。それ絶対オーバーキル―――

 

「発射!」

 

 うわあぁっ! トリック・クラウーン!

 

 ―――ん、あれ? トリック・クラウンは倒れてるけどやられてないよ? あ、バスからものものしい格好の人達が出てきてトリック・クラウンをバスの中に連れていった。

 Jgsoがパソコンの画面を見せてくる。なになに? ふーん、そっか、非殺傷ミサイルなのか。

 

 危ない事に変わりないよ!?

 

「『Em トリック・クラウン』、『H・C サウザンド・ブレード』」

 

 まぁいいや。クラウンとブレードを墓地から呼び出す。クラウンは当然守備表示。ブレードは攻撃表示。

 クラウンが逃げ出したせいか、なんかバスの中が騒がしくなってる。

 で、僕は戦闘ダメージを400とクラウンの効果で1000ダメージで1400ダメージ、前のターンに1200ダメージをくらっているから残りライフは5400。

 

「Vmbkztでもう1度トリック・クラウンに攻撃だ!」

 

 守備表示だからダメージは無い。けどトリック・クラウンがこれまた大量の銃に撃たれて消えた。ごめん、そういう役回りなんだ。

 

「ターンエンドだ」

 

 僕のターン!

 

「ドロー」

「その時、Vmbkzt(バンクット)Xipdnc(エクシップドンク)の効果だ」

 

 えっ!? あ、そうか『手札に加えた場合』だからドローフェイズに発動できるんだ。

 僕は手札から使うカードは無い。墓地にはある。

 

「『サイレント・バーニング』、『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』」

「よし、ではXipdncで2枚目の『GM's Check』をセット、次にVmbkztで『GM Alfe』を守備表示で特殊召喚だ」

 

 凄い。手札1枚フィールド1枚から5体のモンスターを展開した。それにバックも2枚(片方は使えないけど)。

 けど、少し遅かったね!

 

「バトル。『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』」

 

 バスを指差す。バスの攻撃力は2000、『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』の攻撃力は僕の手札が5枚だから2500アップして3500!

 

 バスの屋根が開くけど、それよりも『沈黙の魔術師―サイレント・マジシャン』の攻撃のが速い。

 

「サイレントバーニング」

 

 大爆発した。迫力が凄いね! 流石美しきサイレント!

 警察さんに1500のダメージ! 残りライフはわずか400!

 

 これで終わりだ!

 

「『サイレント・ソードマン LV7』」

 

 Vmbkztの攻撃力も2000、こっちの攻撃力は2800!

 火力は充分!

 

「サイレントソード LV7」

 

 僕の勝ちだ!


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