一人一つの性格《カテゴリー》   作:yourphone

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やっと……書けた……ぜ。2ヶ月ぶりの更新……遅くてすまねぇ!


巨大な暴力 VS 絶望の闇

「俺のターン!」

 

 先攻は誘拐犯。『DOD』は下準備が多いから、あの大型の『ハウシサイド』の攻撃力で速攻をかけられたら危険だ。

 

「けっけっけっ、フィールド魔法『ホームード』!」

 

 えーっと、デッキから墓地送ってそのレベルより低いのをサーチだったっけ。

 

「けっけっ! 見せてやるぜ新たなモンスター! レベル7、儀式モンスター『ハウシサイド・ワーハウス』を墓地へ送り! レベル8、儀式モンスター『ハウシサイド・ブラインドハウス』をサーチだ!」

 

 逆だった。って儀式モンスター?

 

 

 

『ハウシサイド・ワーハウス』

 レベル7 風属性 機械族 儀式

 ATK2400 DFE1800

 『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』により降臨。

 ①1ターンに1度、このカードをリリースして発動できる。自分の手札・デッキから合計レベルが6となるように『ハウシサイド』モンスター2体を特殊召喚する。(同名モンスターは1枚まで)

 ②このカードが墓地へ送られた場合、デッキ・墓地から『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を手札に加える。

 

 

『ハウシサイド・ブラインドハウス』

 レベル8 水属性 機械族 儀式

 ATK1800 DFE2400

 『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』により降臨。

 ①1ターンに1度、このカードをリリースして発動できる。自分のデッキ・墓地から合計レベルが7となるように『ハウシサイド』モンスター2体を特殊召喚する。(同名モンスターは1枚まで)

 ②このカードが墓地へ送られた場合、デッキ・墓地から『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を手札に加える。

 

 

「さぁらぁにぃ~! 墓地へ送られた『ハウシサイド・ワーハウス』の効果! デッキから儀式魔法、『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を手札にぃっ!」

 

 

『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』

 儀式魔法

 『ハウシサイド』儀式モンスターの降臨に必要。

 ①合計レベルが儀式モンスターのレベルと同じになるように手札・フィールドからモンスターをリリースし、手札から『ハウシサイド』儀式モンスターを儀式召喚する。

 自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、リリースの代わりに墓地の『ハウシサイド』モンスターをデッキに戻すことができる。

 

 

 

 うわ、フィールド魔法一枚から儀式セット揃えてきたんだけど! これまずいんじゃ?

 

「まずはこっちだ! 『ホームード』を墓地へ送り、来いよ『ハウシサイド・チョッピングモール』!」

 

 うわ、包丁持ちの奴が出てきた! レベルは12で、三体に増えるんだっけ?

 

「効果発動! リリースし、デッキからレベル2、3、6の『ハウシサイド・マウス』『ハウシサイド・ボーイ』『ハウシサイド・マザー』を特殊召喚!

 『ハウシサイド・ボーイ』の効果! 『ハウシサイド・ディパーティドメント』をサーチ!」

 

 手札が減ってない……どころか増えてる! それなのにモンスターは三体!

 

「お披露目だぜぇ~……『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』! レベル2、『ハウシサイド・マウス』とレベル6、『ハウシサイド・マザー』をリリース!

 暗き海を闇に閉ざせ! レベル8! 『ハウシサイド・ブラインドハウス』!」

 

 でかい……というより、高い! 『ハウシサイド・チョッピングモール』とかはとにかくでかい、って感じなのに対して、このモンスターは縦長! 見上げるだけで首が疲れる!

 

「『ハウシサイド・ブラインドハウス』の効果! リリースし、デッキからレベル3、4の『ハウシサイド・ボーイ』『ハウシサイド・メイド』を特殊召喚!

 『ハウシサイド・ボーイ』の効果! 『ハウシサイド・ファザー』をサーチ!

 更に『ハウシサイド・ブラインドハウス』により墓地の『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を回収!」

 

 と、止まらない! っていうか『ハウシサイド・ボーイ』の効果1ターンに何回でも使えるの!?

 

「『ハウシサイド・ボーイ』をリリースし、『ハウシサイド・ファザー』を通常召喚! 効果発動、『ハウシサイド・ボーイ』をリリースし墓地の『ホームード』を回収!

 即座に発動! そして墓地へ送り、『ハウシサイド・ディパーティドメント』を特殊召喚! リリースし、デッキからレベル1、3、6! 『ハウシサイド・マーチン』『ハウシサイド・ボーイ』『ハウシサイド・マザー』を守備表示で特殊召喚!

 『ハウシサイド・ボーイ』の効果! 儀式モンスター、『ハウシサイド・ソールハウス』をサーチ!」

 

 

 

 

『ハウシサイド・ソールハウス』

 レベル9 炎属性 機械族

 ATK2400 DFE2400

 『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』により降臨。

 ①1ターンに1度、このカードをリリースして発動できる。自分の墓地または除外されているモンスターの中から、合計レベルが8となるように『ハウシサイド』モンスター2体を特殊召喚する。(同名モンスターは1枚まで)

 ②このカードが墓地へ送られた場合、デッキ・墓地から『ハウシサイド・クリストロンセレモニー』を手札に加える。

 

 

 

 

 

「当然、『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』! レベル4、『ハウシサイド・メイド』とレベル5、『ハウシサイド・ファザー』をリリース!

 熱くあれ、孤独であれ! レベル9! 『ハウシサイド・ソールハウス』!」

 

 でっかいサングラスをかけた家が出てくる。今までの大型の『ハウシサイド』モンスターに比べたら、けっこう小さい。それに怖い感じじゃなくて、ニコニコしてる。

 って燃えてる!?

 

「『ハウシサイド・ソールハウス』の効果! リリースし、墓地からレベル3、5である『ハウシサイド・ボーイ』『ハウシサイド・ファザー』を守備表示で特殊召喚!

 まず『ハウシサイド・ソールハウス』の効果により『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を回収!

 チェーンされた『ハウシサイド・ボーイ』の効果! デッキから『ハウシサイド・ホラピタル』をサーチ!

 更に『ハウシサイド・マザー』の効果発動! 手札のレベル7以上のモンスター、『ハウシサイド・ホラピタル』を捨てる事で、墓地の『ホームード』を回収だ!」

 

 ……ここまでぐるぐると回して、フィールドに残るのは下級モンスターだけなんだ。そこが弱点なのは変わらずかぁ。でもその展開力は馬鹿にならない。手札も五枚のままだし。

 

「けけけっ! 前回は見せられなかったからなぁ……『ハウシサイド・アップ』発動! こいつはレベル7以上のモンスターがフィールドに居なければ使える!」

 

 

『ハウシサイド・アップ』

 通常魔法

 このカードは1ターンに1度、自分フィールド上にレベル7以上のモンスターが存在しない場合に発動できる。

 ①自分フィールドの『ハウシサイド』モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをデッキに戻し、そのモンスターよりレベルの1つ高い『ハウシサイド』モンスターをデッキから特殊召喚する。

 

 

 

「対象は『ハウシサイド・ボーイ』! デッキに戻し、『ハウシサイド・メイド』を特殊召喚!」

 

 『ハウシサイド』専用の『トランスターン』? でもどうして?

 

「そしてぇ~、『ホームード』を発動し、フィニッシュにこれだ! 『建築大暴走』!」

 

 

 

『建築大暴走』

 通常魔法

 このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 ①自分フィールドにフィールド魔法が存在する場合に、自分フィールド上のモンスターを3体以上リリースして発動できる。自分の墓地から、リリースしたモンスターと同じ属性の、このターン特殊召喚した『ハウシサイド』モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する。

  その後、自分はこの効果で特殊召喚したモンスターのレベルの合計×200のライフを失う。

 この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン効果の発動ができない。

 

 

 

 っ!? 嫌な、予感がする!

 

「けっけっけっ。コストとしてぇ~、水属性の『ハウシサイド・メイド』、光属性の『ハウシサイド・ボーイ』、炎属性の『ハウシサイド・マザー』をリリースぅ~。

 召喚条件を無視して墓地より復活しろ、水属性、『ハウシサイド・ブラインドハウス』! 光属性、『ハウシサイド・ディパーティドメント』! そして炎属性、『ハウシサイド・ソールハウス』!」

 

 うぇっ!? 唐突に巨大建築物が三つも! 重圧感が異常だよ!

 

「俺はこいつらのレベルの合計×200、つまり28×200である、5600のライフを失う」

 

 コストとデメリットが重いけど、それを差し引いても強い!

 

「カードをセットしてぇ~、ターンエンドだ!」

 

 ……まずい。突破は『DOD』じゃ難しいかも? いや、『DOD―Star Dust』で一撃か。

 

「ドロー」

 

 あ……手札が酷い。いやデュエルが始まった時点で分かってたけど、それでも改めて、酷い。

 

「『チキンレース』、ドロー」

 

 よ、良かった……竹光きた……。

 

「『妖刀竹光』、『ハウシサイド・チョッピングモール』」

 

 あれ、刀が出てこない? ……あっ、看板に入り込んでる。ただでさえ怖いのに更に禍々しくなってる……。

 

「『黄金色の竹光』。『黄金色の竹光』、『黄金色の竹光』」

「積み込んでるだろてめぇっ!」

 

 来ちゃうんだもん仕方ないじゃんっ! 八枚の手札、まだまだ回すよ!

 

「『闇の誘惑』、『異次元の偵察者』。『闇の誘惑』、『バトル・フェーダー』。『闇の誘惑』」

 

 手が止まる。これで『DOD』が三枚。それは計算通りなんだけど……“君”、いつ……いれたっけ?

 

「……『DOD―ダーク』除外。効果、『DOD―Accelerate』をセット。

 スケールセッティング、スケール9、『DODヨウシトラ』。スケール効果発動。『妖刀竹光』をデッキへ」

「だったらそこだ! 『ツインツイスター』! 手札を捨て、伏せたやつとペンデュラムスケールを破壊!」

「『DOD―Accelerate』が墓地へ送られたので効果。デッキから『DOD―Protect』をセット」

 

 『妖刀竹光』が邪魔だなぁ。……“君”は、使うしか、ないよね。

 

「スケールセッティング。スケール2。『DOD―Pent in(ペント イン) Death(デス)』」

 

 

 

『DOD―Pent in Death』

 レベル5 闇属性 悪魔族 ペンデュラム

 ATK 0 DFE 0 ◇2

 《1ターンに1度、除外されている『DOD』カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える》

 ①このモンスターはリリース無しで通常召喚できる。その場合、このモンスターはレベル4として扱う。

 

 

 

 

「あぁ~? ……なっ!? なんだそりゃ!」

 

 振り返って、見る。どこからか吊り下げられた鉄の鳥籠。その中に死神の装束をした“君”がいる。

 ……デッキに入れた覚えは、無いんだけど。“君”に、僕そっくりなモンスターが描かれていた『DOD―Pent in Dream』を持っていかれてから、デッキに入れず、絵柄も見ないで、ポケットに入れっぱだったのに。

 

「『DOD―Pent in Death』のスケール効果発動。除外されている『DOD―ダーク』を対象。手札へ。

 セット、セット。『カードカー・D』。リリース、ドロー。ターンエンド」

 

 手札六枚。潤沢だね?

 

「けっ旅人に似てるだけだ……関係ねぇ! 俺のターン! ドロースタンバイメインバトル! やれぇ『ハウシサイド・ソールハウス』!」

「『バトル・フェーダー』」

 

 あー、これ『バトル・フェーダー』あるの分かってる動きだ。

 

「だろうなぁっ! だがいつまで持つだろうなぁ~! メイン2! 『チキンレース』でドロー!

 そして『ホームード』の効果! 『ハウシサイド・ホラピタル』を墓地へ送り、『ハウシサイド・ディパーティドメント』をサーチ!

『ハウシサイド・ファザー』の効果発動! 墓地の『ハウシサイド・ワーハウス』をデッキに戻す!」

「『デモンズ・チェーン』、『ハウシサイド・ファザー』」

 

 『ハウシサイド』はデッキがどんどん薄くなっていくから、デッキに戻させなければ勝てるかも。

 

「ちっ、ならフィールド魔法『ホーメモリー』を発動!」

「魔法カードの発動にチェーン、『DOD―Protect』。起動効果は使わない」

 

 

『ホーメモリー』

 フィールド魔法

 このカード名の効果は1ターンに1度しか発動できない。

 ①自分の墓地から属性の異なる『ハウシサイド』モンスター6枚を対象として発動できる。そのカードをデッキに戻しシャッフルする。その後、2枚ドローする。

 

 

「……破壊とかじゃあねぇのか。だったら『ハウシサイド・ファザー』と『ハウシサイド・マーチン』をリリース! アドバンス召喚は出来るんだぜぇ~、『ハウシサイド・ディパーティドメント』!」

 

 うわぁ、巨大建造物が四つも。広場が埋まっちゃうよ!

 

「『ホーメモリー』の効果発動! 墓地から地属性『ハウシサイド・マウス』、風属性『ハウシサイド・ワーハウス』、炎属性『ハウシサイド・マザー』、水属性『ハウシサイド・メイド』、光属性『ハウシサイド・ボーイ』、闇属性『ハウシサイド・ファザー』をデッキに戻し、二枚ドロー!」

 

 めっちゃ戻すじゃん。うーん、これじゃあデッキ切れは狙えないかな。

 

「『ハウシサイド・ブラインドハウス』をリリース! 墓地からレベル3、『ハウシサイド・ボーイ』とレベル4、『ハウシサイド・メイド』を特殊召喚!

 『ハウシサイド・ブラインドハウス』の効果、チェーンして『ハウシサイド・ボーイ』の効果、チェーンして『ハウシサイド・メイド』の効果! そのプロテクトとやらをバウンスだ!」

「『デモンズ・チェーン』、『ハウシサイド・メイド』」

 

 あっぶな! 発動条件厳しいんだからやめてよ!

 

「ちぃ~、『ハウシサイド・ボーイ』で『ハウシサイド・ワーハウス』をサーチ! 『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を回収! そのまま発動! フィールドの『ハウシサイド・メイド』と『ハウシサイド・ボーイ』をリリース!

 狼煙をあげろ! 『ハウシサイド・ワーハウス』!」

 

 屋根が狼の顔になっている小型の家が建つ。……斜め具合から、倉庫かな? めっちゃ唸ってる。

 

「カードを二枚セット! ターンエンドォ!」

「ドロー」

 

 誘拐犯のライフはもう1400しかない。けどフィールドのカードの枚数が多すぎる。

 

「『デモンズ・チェーン』をリリース。『DOD―ブラックタイガー』をチューナーとして特殊召喚。

 セット。『DOD―Protect』の効果発動。セットカードを全て確認」

 

 えーっと、相手の伏せカードは『魔法の筒(マジック・シリンダー)』と『ドレイン・シールド』か。って殺意たかっ! どうしよ……。

 

「『DOD―Connect』は永続罠。よって表側に」

「ぐっ……てめぇ~こそこそ盗み見てんじゃねぇ!」

 

 そういう効果だよ!?

 

 

『DOD―Connect』

 永続罠

 このカードは相手がリンクモンスターの特殊召喚に成功した場合にのみ発動できる。

 ①1ターンに1度、このカードと自分フィールド上の『DOD』モンスターを除外して発動できる。エクストラデッキから『DOD―Limitless Deleter』をリンク召喚扱いで特殊召喚する。

 ②フィールド上のこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから『DOD―Connect』以外の『DOD』罠カード1枚をセットする。

 

 

 

 うーん。このままシンクロすれば勝ち、って思ってたけど攻撃反応を処理しなきゃ……仕方無い。

 

「『DOD―ダーク』を召喚。『DOD―Connect』の効果発動。『DOD―ダーク』と供に除外しリンク召喚。

 アローヘッド確認、左、下、右下。召喚条件は『DOD』モンスター二体以上(ふみたおす)!」

 

 僕の目の前、上下に二つの『次元の裂け目』が現れる。

 

「全てを消し去るプログラム! その境界に自他は無し! Link3! 屹立せよ、『DOD―Limitless(リミットレス) Deleter(デリーター)』!」

 

 下の裂け目から、上の裂け目に向けてピンク色の光の線が沢山出てくる。その光は束になりまるで電子の塔のようになる。

 

 ピーーーー、プゥーーー、ガーーーーッ!

 

 異音を立て、光の中から腕が生える。無駄に大きなモニターが四方に取り付けられそこに顔が映る。イケメンな男の顔だ。

 

 ギギギギギギッ!

 

 だけど、そんな顔を醜く歪ませて嘲笑(わら)う。もったいない。

 

 ギャハァハハハハハッハァッ!

 

 

 

『DOD―Limitless Deleter』

 闇属性 サイバース族 リンク

 ATK 2300 link3

 『DOD』モンスター2体以上

 ①このモンスターがフィールドから離れる場合、エンドフェイズまで除外される。

 ②このモンスターがフィールド上に存在する限り1度だけ発動できる。自分フィールドに表側で存在する魔法・罠カードを全てデッキに戻す。その後、デッキに戻した枚数まで相手フィールドのカードを除外できる。

 

 

 

 

「除外された『DOD―ダーク』の効果発動。デッキから『DOD―Protect』をセット。

 『チキンレース』、ドロー。『DOD―Pent in Death』の効果発動。除外されている『DOD―ダーク』を回収。

 そして『DOD―Limitless Deleter』の効果発動。『チキンレース』、『デモンズ・チェーン』、『妖刀竹光』、『DOD―Protect』、『DOD―Pent in Death』をデッキに戻す」

 

 僕の場の魔法と罠がデータの海へと吸い込まれていく。当然“君”も。でも、“君”は達観したように目をつむっている。

 確かに僕じゃどうにも出来ないし、僕の望んだことだけど……手を伸ばすとか、僕を見るとか、してくれてもいいじゃん。けち。あほ。ばか。

 

 ギャヒ? ギャヒヒヒィッ?

 

「その数、五枚まで相手のカードを除外する」

「なにっ!?」

 

 さて、どうしようか。大型の『ハウシサイド』モンスターたちはLimitless Deleterの攻撃力じゃ越えられない。

 かといって伏せカードを残したら攻撃できない。

 

「伏せカード二枚、『ハウシサイド・ディパーティドメント』、『ハウシサイド・ブラインドハウス』、『ハウシサイド・ソールハウス』を除外。

 デリート・アザーワイズ・デリート」

 

 空間にノイズが走る。建造物たちが、その身の異変に気付く時にはもう遅い。ノイズが壁を削り、看板を削ぎ落とし、全てが『DOD―Limitless Deleter』へと吸い込まれていく。

 残った『ハウシサイド・ワーハウス』は面白いほどの驚愕顔だ。

 

 ギィヒヒヒヒッ、ギャハァハハハッハァッ!

 

 うるさいなぁ。攻撃力低くてワーハウスさえも倒せないくせに!

 

 ギャハッ!?

 

「セット、セット。ターンエンド」

 

 次のドローは三分の一で『チキンレース』、『デモンズ・チェーン』、『妖刀竹光』のどれか。

 『DOD―Protect』があるのが分かってるから、きっと魔法は使ってこない。

 

「ぐっ、ドロー! まずは『ホーメモリー』を墓地へ送り、『ハウシサイド・ホラピタル』を特殊召喚! バトル! いけ、『ハウシサイド・ホラピタル』! あいつに攻撃!」

 

 廃病院からゾンビがうじゃうじゃと湧き出てくる。そのまま、Limitless Deleterの下側の次元の裂け目をその身をもって埋める。案外、静かに消えた。

 そのままゾンビが僕へと突撃してくる! ひぃっ!……あ、あれ?

 そーっと目を開ける。直後にお腹に衝撃(無言の腹パン)。ぐふっ! い、痛い……!

 

「さらにいけっ、ワーハウス! 『DOD―ブラックタイガー』を破壊だっ!」

 

 狼が咆哮すると、扉から沢山の犬が飛び出してきてむしゃむしゃとエビを食べ始める。爆発し、その衝撃が僕の元へ届く。ぐぐ……守備表示だからまだまし……!

 

「メイン2! 『ハウシサイド・ホラピタル』をリリース!」

「モンスター効果の、発動に、チェーン、『DOD―Not』」

「いちいちうぜぇっ! 墓地より現れろ、レベル3、6! 『ハウシサイド・ボーイ』『ハウシサイド・マザー』!

 『ハウシサイド・ボーイ』効果! ……あぁ?」

 

 ぐぅ……リアルダメージがここまで効くなんて―――息も絶え絶えだよ。

 それと、『DOD―Not』適用下じゃモンスター効果は発動できないよ。発動のトリガーとなった効果は潰せないんだけどね。

 

「ちぃ~っめんどくせぇっ! ……くそっターンエンド!」

「エンドフェイズ、『DOD―Limitless Deleter』が帰還。ディペンド・アワー・ディメンション」

 

 裂け目を埋めていたゾンビたちがノイズに呑まれ、また電子の塔が現れる。

 

 イギィッ、ヒッヒッヒアァアァッ!

 

 笑い声が脳に響く。あんまりうるさいと警察さんたちが来ちゃう。

 

「ドロー。スタンバイ、メイン」

 

 『チキンレース』。僕のライフは残り5500。誘拐犯のライフは変わらず1400。ホラピタルが攻撃力2800、ワーハウスが2400だから……いや、『ハウシサイド』は簡単に大型モンスターが出てくるから油断できない。

 それに『DDD―Not』の制約は僕にもかかる。……『DOD―Limitless Deleter』の起動効果が使えない……はぁ。

 

 ギャヒヒッ!

 

「『チキンレース』。ドロー。

 ……セット、バトル。『DOD ―Limitless Deleter』で『ハウシサイド・マザー』を攻撃。デリート・オウン・データ」

 

 その巨大な両手で怒り狂うおばさんを潰す。そのまま両手ごと自らの中へと沈め、データの奔流へ消し去る。良い気味だ。

 

「ターンエンド」

「俺のターン! ドロー! 『チキンレース』! ドロー!」

 

 ライフ400の手札二枚か。さぁどうくる?

 

「……くそっ! モンスターをセット!

 バトル!やれ、『ハウシサイド・ワーハウス』!」

「『デモンズ・チェーン』」

「だろぅなっ! エンドだっ!」

 

 『チキンレース』は自分で破壊出来るから、ライフが低い相手にダメージを与えられないという効果は気にならない。

 ……ただ、次のドローが確定で『妖刀竹光』だから『チキンレース』でドローして……うーん。

 

「ドロー。『チキンレース』、ドロー」

 

 ……んー。動けなくは、ない。けどこのまま動いても弱い。

 

「セット、バトル。『ハウシサイド・ボーイ』を攻撃。デリート・オウン・データ」

 

 ギャハハハハハハッ!

 

 小汚ないとはいえ子供が無慈悲に処分されるのは……見てられない。

 

「ドローッ!」

 

 ……ん? 誘拐犯がふてぶてしく笑ってる。何をしかけてくるのかな。

 

「―――やってらんねぇ~よなぁ? こっちは魔法を使わなきゃそうそう動けねぇ~ってのによぉ~? 魔法を使ったらそっちも動き始めるしよぉ~。

 だが! 俺はちまちましてるのは好きじゃ~ねぇんだっ! 『ハウシサイド・ワーハウス』と伏せモンスターをリリース! こい、『ハウシサイド・ディパーティドメント』!」

 

 また出た。気持ち悪い看板の建物。さりげなく僕の『デモンズ・チェーン』を表側で残していくプレイングだ。意味ないけど。

 

「おら使えよ! 『ホームーブ』発動!」

「『DOD―Protect』発動」

「ハハハハハハハッ! チェーンして、『サイクロン』だっ! これで終わりだなぁ~っ!?」

 

 誘拐犯が高笑いしながら発動した速攻魔法。なるほど、『DOD―Protect』は永続罠。チェーンして破壊してしまえば『破壊できなくなる』という効果は適用できずに破壊されてしまう。

 そうなってしまうと、確かに僕のデッキは動けなくなる。いわゆる詰みの状態だ。

 完璧な作戦だ。『ハウシサイド』の狂暴性に(おご)らず、汎用カードで確実に相手をつぶすデュエルスタイル。強い。あの小野寺さんと同じぐらい。

 だから、思う。

 

 

 ―――なーんだ。この程度か。

 

 

「チェーンして()()()()()D()O()D()()P()r()o()t()e()c()t()()発動」

「ハハハハ……は?」

 

 デッキのキーカードだよ? エンジンだよ? ピン刺しな訳ないし、複数枚同時に使っても強いカードなんだからセットするよね。大抵の破壊カードに強いんだからさ。

 

「セットカード確認。『DOD―Change』。永続罠なので表側にする」

「ぐっ……『ホームーブ』の効果発動! デッキからレベル9、『ハウシサイド・ソールハウス』を墓地へ送り、レベル8、『ハウシサイド・ブラインドハウス』を手札に加える!

 そして墓地へ送られた『ハウシサイド・ソールハウス』の効果! 『ハウシサイド・グラウンドセレモニー』を回収する!」

 

 Notじゃ手札と墓地のモンスター効果は止められない。

 

「『ホームーブ』を墓地へ送り、こいよ『ハウシサイド・チョッピングモール』! ちくしょうバトルだ! 『ハウシサイド・チョッピングモール』で『DOD―Limitless Deleter』を攻撃!」

 

 巨大な鉈でデータの流れが絶ちきられる。衝撃が暴風となって僕を襲う。うぐぅ……。ゾンビと違って物理的なダメージじゃないだけマシ! のはず! やっぱキツイ!

 

「くっそ! ターンエンドだ!」

「エンドフェイズ。ディペンド・アワー・ディメンション」

 

 ギャハハハハハハハッ!

 

 また、途切れたデータの奔流が流れ出す。消えることがない笑いは、敵味方問わず狂気の波に乗せていく。

 

「ドロー」

 

 じゃあ始めよう。全力を持って終わりを告げよう。

 

「『DOD―Not』の効果発動。『DOD―Protect』とともに墓地へ送り二枚ドロー。

 『デモンズ・チェーン』を墓地へ送り『DOD―ブラックタイガー』をチューナーとして特殊召喚。更に『DOD―ダーク』を召喚。レベル4の『DOD―ダーク』にレベル5の『DOD―ブラックタイガー』をチューニング。

 集いし星が重なりあうも、無味乾燥の終局を迎える。闇満ちる道となれ!

 シンクロ召喚! 『DOD―Star Dust』!」

 

 キイィィィィィィアァァァァァアッ!

 

 データの奔流をぶち破って、黒い竜が飛び出てくる。とにかくうるさい。

 でもこれでデュエルはほぼ勝ち……。

 

「まだ。カードを二枚セットし、『DOD―Protect』の効果発動。セットカードは『DOD―Accelerate』と『DOD―Not』。『DOD―Not』の効果により『DOD―Accelerate』とともに墓地へ送り二枚ドロー。

 『DOD―Accelerate』が墓地へ送られたので効果。デッキから『DOD―Connect』をセットする。

 そして。ペンデュラムスケールに! スケール9の『DOD―ヨウシトラ』とスケール2の『DOD―Pent in Death』をセット!

 『DOD―Pent in Death』のスケール効果! 除外されている『DOD―Connect』を回収!

 ペンデュラム召喚! エクストラデッキからおいで、レベル5『DOD―ヨウシトラ』!」

 

 『DOD―Limitless Deleter』のリンク先は真横にも向いている。だからエクストラモンスターゾーンには『DOD―Star Dust』がいるけど問題なくペンデュラム召喚可能。

 

「『DOD―Change』を『DOD―ヨウシトラ』とともに除外して効果発動!」

 

 五つの次元の裂け目が新たに生成される。『DOD―Limitless Deleter』じゃ裂け目は二つだけだしね。足りないよね。

 

「世界の終末は五つの破滅から始まる。火の破滅・冷然。風の破滅・停滞。水の破滅・気化。地の破滅・不毛。……そして光は消え、ただ闇だけが残る! 融合召喚!

 顕現せよ、『DOD―Five Dragon』!」

 

 

 グルアァァァァッ!

 

 キイィィアァアッ!

 

 ギィヒッヒハハッ!

 

 

 うるさい! うるさいうるさいうるさいっ! 三体並べるの大変だったよ! なのになんでこんなにうるさいのさっ! もっと静かに、静かにして、静かにさせてやるっ!

 

「『チキンレース』効果で自壊! バトル! 『DOD―Star Dust』でダイレクトアタック! ダッシュ・アウト・ディメンション!」

「なにっ!?」

 

 ボフッ、ボッ、ボボボッ―――キイイィィイィィ―――!

 

 一瞬で始末しろ! 力には技術でとどめだっ!

 

「く、『クリボール』! 攻撃モンスターを守備表示に!」

 

 ボフンッ!

 

 Star Dustのエンジンに異物が混入。ジェット噴射に失敗……? だったら力で押す!

 

「『DOD―Five Dragon』で『ハウシサイド・チョッピングモール』を攻撃! 消滅しろ、ディザストラス・アザー・ディメンション!」

 

 グルアァァァァッ……ガアァアァァァアッ!

 

「ひっ、あ、う、うあぁぁっ! うぐっ、あぁぁっ!?」

 

 五つの首から放たれる光線は、建築物とともに誘拐犯を巻き込んだ。


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