開始600文字で飽きたのを発掘したので初投稿です。

新世紀エヴァンゲリオンに突っ込まれたテンプレっぽい転生特典持ち主人公、人類を救うべく立ち上がる。
エリクサーやらで増強した身体能力を持つ超人だが、エヴァに適性を持たない。

彼はどうやってエヴァ世界を救うのか...!とは言うものの実際のところ冷凍銃とクトゥルフが無双するお話。

意地でも続かないです。
あらすじで察してください。

1 / 1
この小説を読むにあたっての注意点を幾つか先に挙げておきます。

はじめに文に期待してはいけないということ。
次に途中で飽きた作品だということを忘れないでほしいということ。
最後にキャラ崩壊が激しいということ。

ほかにも色々ありますが、「嫌だな」と思ったら素直にブラウザバックしましょうということです(推奨)


新世紀マックスウェル(偽)と不思議なノート

 あの夏は特に暑かった。

 

 ふと思い出して、誰が言ったのだったか「年を取ると一年が短くなる」という言葉を思い出すと、軽く戦慄が走る。

 

 もうあれから15年経った。

 

 あの日、いやおそらくもっと前からだったのだろうが、俺はある出来事から違う世界に迷い込んでいたことを自覚するに至ったのだ。

 

 

 セカンドインパクト。

 

 極小の隕石が北極に落下したことで発生した、有史上最悪の「災害」。

 

 発生した異常気象によって人類の大半が死亡、爆発の発生地点である北極はバクテリアさえ存在しない死の世界へと姿を変えることになる。この「災害」は連日世間をあらゆる方向で騒がせたが、実際に起こった出来事とは一切異なる理屈や議論を重ねただけで終わりを迎える。

 もちろん、誰もそうと知らずに。

 

 何故俺がそう「さも見当違いの議論をしている」と知っているかというと、この災害に聞き覚えもとい心当たりがあるからである。真実は正体不明の化物こと使徒が爆発だかなんだかを起こしたから、だったはずだ。

 そもそも使徒というのは…

 

 ええい面倒くさい!

 要は「気づいたらエヴァの世界に来ていた」以上!

 なんで一文で終わるものを長々と、回りくどいんだよ!(半ギレ)。

 

 気づいた理由は単純、当時「災害から九年」とかなんだかでニュースの特番をやっているのを見たんだが、バラエティー風味がない番組でエヴァの話を真剣にしてるものだから本当に驚いたものだった。

 後々きちんと調べるときちんと歴史上の出来事として記録されていることもわかって、そこでようやく自分がエヴァの世界に来てしまった事を自覚したわけである。

 

 ついにトラックが轢き殺す過程をトばして人を異世界に送れるようになったのか知らないが、死んだ記憶は無く、神の謝罪はないようだ。訴訟も辞さない。

 

 というか今更だけどなんでエヴァの世界に来たんだろうかね。神様にも会ってない以上特典っぽいのも賜わった記憶が無い。

 

 いや特典自体はあった。気が付いたら持ってたノートなんだが。

 

 なんと、召喚できる。

 

 

「ノート自身を召喚できる」

 

 

 ここでいうノートってのは勿論紙でできた、メモ帳や授業なんかに使われるものだ。人物名とかではないです。

 

 さっき召喚と書いたが、本当にノートが何もないところからすっと、最初からずっとそこにあったみたいに、手の内に収まっている。緑の表紙に幾つか並べられた黄緑の六角形、どこか既視感を覚えて記憶を必死で漁ったところ、一つだけ思い当たるものがあったのであった…(語り部)

 

 [マックスウェルの不思議なノート]。

 

 DSのゲームだったかの主人公、マックスウェルが持っている文字通り不思議なノートの通称。またはそのゲーム名自体を指す単語だが、今回の場合前者だ。

 

 どう不思議かというと、このノートに「じつざいするもの」を書くと、どこからともなく現れるのだ。

 

 例えば「銃」「ライオン」「ドニ」。

 ドニってなんだよというツッコミは厳禁。

 

 出したものは浮かせて運んだり、消したりとかなり自由に扱える。

 例えばその出したものが狂気の邪神であったり万能の霊薬でも例外じゃないという。

 もう賢者の石も真っ青のぶっ壊れだ、人類を瞬く間に滅ぼせる一品と言って問題ない。ただこれに気づかなかったらただのノートだったことも考えると本当に良くやった俺。

 

 マックスウェルはこれを利用して人の悩みを解決していたが、そこは正直今どうでもいいことだ。

 

 思い立ったが吉日…とは違うか、ノートを試してみたら案の定、書いたものがこう、ぱっと出てきた(語彙力)

 それに出したやつらがやたら協力的だったりするご都合主義ときたが。

 

 もうこれは不思議なノートで間違いないってことでいいだろ、と思考を放棄した。

 俺は不思議なノートを手に入れた!ころしてでもうばわせない。

 そして過程がどうかはしらないが原作を知っている世界にいる。

 ついでにその世界が地雷満載のソレで、人類が絶対滅ぶ世界だ。

 

 死にたくないので介入します(直球)

 

 てなわけで右折曲折あって今日はもう本編開始の日です。

 あいむ いん 第三新東京。

 もう第三使途が目の前にいます。

 

 黒を基調とした巨躯にだらりとたれさがった二本の腕、そして謎の仮面をもったジャミラ使徒がのしのしと歩いている。

 うわなにあれこゎぃ(畏怖)

 でもエヴァって放っておくと人類滅んじゃうからね仕方ないね。

 

 使徒には悪いが犠牲になってもらおうではないか?

 その前に原作介入するために主要人物に接触しないといけないんだが…

 あ、原作キャラと関わらないと根本的に解決しないのでそれ以外選択肢はない、と思う。

 一時的に凌いだところでどうせすぐ爺が動くって、ハッキリわかんだね。

 

 というわけで手段はこうだ。

 

第三新東京に来た(原作開始直後に)シンジ君に接触する」

 

 これに限る(ドヤ顔)

 何故この結論に至ったか、順を追って説明しようか?しょうがねえなあ(ノリノリ)

 

 介入するにあたってもっとも阻止しなければならないものが何か、それは勿論人類補完計画の阻止だ。

 そもそもエヴァンゲリオンにおいて人類補完計画の過程は例えるなら、ゼーレが銃をこさえ、碇ゲンドウが撃鉄を起こし、引き金を引いたのはその息子碇シンジという構図だ。大体そんな感じ。

 ここで重要なのは引き金を引いたのがシンジ君という点で、ゼーレやゲンドウでは銃の引き金を引けなかったということにある。

 まあ詳細は省くけど、シンジ君が引き金を引いちゃったのって色々あって参ってたのと、旧劇場版でのアレコレで精神崩壊ぎみになってたからなのだ。

 つまりシンジ君のメンタルケアをすれば最悪の事態はとりあえず避けられるってことなのです!やったね!*1

 

 なんで原作開始直後かって、実際シンジ君がどこに住んでるかなんて覚えてないし、どうせNERVも一般人が干渉できるレベルのセキュリティじゃないだろうし、これぐらいしか無いんじゃなかろうか?という考えに基づいている。

 俺は考えなしではないのだ!(声だけ迫真)

 本編開始の日も覚えてないけど使徒が来た日が開始日だし、そこは問題ないだろ!

 n2地雷にさえ気を付ければ死ぬこともあるまい!

 

 多少穴はあるが妥当な作戦じゃないか。

 ノートを使ってやれば失敗することはまず無いと断言できる。

 

 ──なんて考えていたのも数時間前まで、もう日も沈みきって都市には夜の闇が満ち、第三使徒サキエルとエヴァンゲリオン初号機が相対している。

 そしてそれをビルの上によじ登って横から眺める俺氏。

 …しくじっちゃったぜ。

 

 

 なんてこった穴は無いんじゃなかったのか!?

 

 

 ありました特大の落とし穴。

 

 

 場所分かんねぇなら接触しようが無くない?とかそういうのじゃない。

 流石にそこまでアホじゃあない。

 事前に調べて置いたんだ。

 でも行く場所間違えたんだ。

 おい今アホだとか思ったやつ後で屋上な。

 

 俺もうできること無いぜ!

 詰みじゃないか。

 あっ初号機転んだ。(現実逃避)

 

 介入は次回からかぁ…間に合うかね。

 

 とりあえず生きて帰れたらいいなぁ…使途の目からビーム☆とかで巻き込まれそうなんだよなこの距離。

 アニメの構図に似せようとしたのが間違いだったか、余裕で射程圏内っぽい。ぽくない?

 多分気づかれたら死にます本当にありがとうございました。

 

 こんなもん(不思議なノート)持ってたら排除対象に認定されてもおかしくない、世の中世知辛いのじゃ。

 と、まぁしかし狙われたら即刻クトゥルフで反撃する所存である、迎え撃ってやるからな後悔すんなよ(害悪)

 オラァカカッテコイヤー(威嚇)

 

 でもまあ、ひっそりと息を潜めてたら大丈夫バレないでしょうわこっち向いたなにをするやめ

 

 

 

 

 ──狂気の神が顕現する。

 

 

 ──────────────

 

 

 時間はほんの僅か遡る。

 唐突に親から呼び出しをくらって東京に来た少年は、その日の夜に人造人間に乗り込み人類の存亡をかけて未知の敵と戦っていた。

(文にするとわけがわからないが気にしてはいけない)

 

 時間を詳しく言うなら「シンジ君、まずは歩くことだけに専念して」と曖昧にそう指示されたシンジ君、もとい碇シンジはLCLの液に浸ってエヴァを操縦して、足が縺れ重心が傾いて、こけた。そのこけた直後だ。

 衝撃に慣れないレバーが手から零れそうになる。

 サラサラとしたLCLの中で物を掴むのには、普段とは少しだけ違うコツがいる。

 プールで沈んだものを掴むようなものだ、経験をすれば何ということは無いが初めはそうもいかない。掴みなおすまでの数秒、エヴァの操縦はシンジの手から離れた。

 

 コンクリートに頭から突っ込んだ痛みがフィードバックされガンガンと痛むなかで、硬い手のようなものが頭を掴む感覚がして強引に持ち上げられた。

 上手くエヴァが動かず、無抵抗に。紫の手足が宙を泳ぐ感覚がする。

 シンジはまるで自分が掴まれているようで、このLCLも含めて気味が悪いようにしか思えなかった。

 頭蓋が軋む、神経が熱を放ちだした。

 

 目の前のモニターが切り替わって、視界いっぱいに使徒が映り込んだ。

 ちょうど使徒の顔の前だ、N2爆雷で二つに増えた仮面を顔と言っていいか微妙なところだが、少なくとも目があるのは仮面の奥であるからここでは顔と見てもいい。

 間近で見る無機質な仮面から覗く、底の見えぬ興味と思考力の欠けたそれを認識したとたん、シンジの思考回路はショートを起こし考えることを放棄した。

 

(これが、使徒)

 

 シンジの周りには人が多くいたわけではない、人のことけしてを深く知るわけではない。

 すなわち人の感情に晒されることが少なく感受性が高いというか何と言うか、そのシンジの眼から見た使徒はそれがまるで無垢で無機質な赤子のように感じたのだった。

 そしてそれはある意味で間違っていない、それを知る由はなく、経験も無いから使徒に赤子を重ねたことも自分で理解できていないが。

 

 人は無意識に幾つかの事態を想定して事にかかる。

 例えば、机の上に置かれた本を持ち上げようとして想定するのは、何事もなく本を持ち上げるか手が滑って床に落ちるかだろう。

 もし、持ち上げた本が急に豆のように小さくなって消えてしまったら、ギョッとして動きと思考を放棄してしまうのではないだろうか?

 予想外であればあるほどその硬直は長くなるだろう。

 人のために恐怖を押し殺してこれに乗った。心のどこか奥底──自分でも認識できないどこかで賞賛と、自身の明日を確信していた。返答は透明で神聖なまでの純然たる殺意と、空虚な痛み。

 硬直は人にもよるだろうが、シンジにとってそれは今だったのだ。

 

 四肢がだらりとたれさがり、思考がまとまらなくなる。

 右手を掴まれたときもどこか遠くの劇中の出来事でも見るような感覚。

 目も瞳孔が引き絞られ、焦点が合っていないようにゆらりと彷徨っていた。

 

 その瞬間、恐慌の中で刹那的に異常なリラックス状態が訪れた。

 

 ──だから気づいたのだろう。

 

 使徒がこちらに注いでいた集中をどこかに向けたこと。

 その集中の「先」に対して溢れんばかりの殺意を注ぎ、仮面から光線を放つ瞬間、「先」から計り知れぬ何かが沸き出たこと。

 

 ふと視線を移した先に緑色の何かを見た。

 

 精々大人三人分程度しかない小さな生物で、丁度体と同じくらいの翼を持ち、ひょろりと伸びた長い四肢を有した生物。

 

「なんだ、あれ」

 

「■■■■■■■■!!!!!!」

 

 彼らはクトゥルフを視認した。

 

 

 ────────────────

 

「■■■■■■■■!!!!!!」

 

 少しばかり目に焼き付いた閃光が視界をの色を少しだけ狂わせていた。

 あー、まぶしかった(気楽)

 

 俺の出した緑の巨神が守ってくれたらしい。

 事前に書いておいたクトゥルフが無ければ死んでいたな。

 プランBをわざわざ考えた(即席)甲斐があったというもの。

 ふはは、準備と冷静さが人生を分けるのだ…!

 

 …ふぅ。

 クトゥルフ出しちゃったチクショウもう戻れねえどうしよう助けて(焦り)

 

 原作介入ルートからはもう外れそうにないですねクォレハ。

 いや最初からそのつもりだったけども。

 

 俺は、できればシンジ君のメンタルを強化したかったのであって、こんなダイレクトな干渉をしたいわけでは、ない。

 だって原作から外れるの怖いじゃないか?特に司令官。そしてゼーレ老人会。

 頭は良いくせに思想がおかしいんだよなあ!?

 武力的な入り方しちゃったせいで絶対敵視される!やばい!身バレ回避しなきゃ…(隠匿)

 

 と、狂気の神様はセンサでも何でも誤魔化すだろうが俺はそうもいかない。こんなつもりじゃなかったから装備がまともじゃないのだ。

 カメラに撮られる→特定される→ダメみたいですねの流れを絶対に避けなければならなくなったので、早期決着が望ましいわけですな…。

 

 さて。

「早めにお願いします!!!」

「■■■■■■■■■■■!!!!!」

 

 迫真の懇願に応えるように、言葉にできない無声音の叫び声が空気を震わせた。

 

「あ、紫の方は味方だから攻撃しないでください(向こうから攻撃されないとは言ってない)」

「■■■■■(困惑)」

 

 場合によって適切な回答は異なる、今は障害の排除が最優先だと愚考しますよ、っと。

 

 ふわりと浮遊感を得たクトゥルフは呼びかけに咆哮することで答え、第三使徒に向けてものすごい速度でとびかかった。

 風を切る音と空気を揺さぶる衝撃が残されるのみで目でも追えませんなんだこれ。

 

 第三使徒は疲れからか不幸にも風を切り裂いて飛んでいくるクトゥルフに追突してしまい、そのコアを砕けさせることだろう。

 やったか!?

 

 一拍置いて轟音。

 擬音で表せば『キィィイン!』だろうか。

 

 やったz…ちょっと待てATフィールドで受け止められて、倒せてないやん。

 卑怯だぞ正々堂々戦え!つかシンジ君棒立ちしてないで戦って!頑張って!(他力本願)

 

 それにしても使徒、やはり脅威的というほかない。

 ノートで複製された虚弱な体とはいえ、クトゥルフ兄貴の攻撃を防ぐとは思わなかった。

 クトゥルフも例によって力を抑え込んでくれているが、仮にもいるだけで世界を単騎で滅ぼせる邪神なのだ。

 最弱とはいえ神の使徒、と。

 

 長い両手を薙ぎ、ATフィールドを振り払おうとするが効いているようには見えない。

 大丈夫だろうか。

 

援軍(もう一体)でも呼ぼ「■■■■■■■■!!!」」

 

 食い気味に返された。

 声も気迫が漲っているように感じられる。

 大丈夫そうデスネコレハ。

 

 もうアイツひとりで良いんじゃないかな。(棒立ちの初号機を見ながら)

 

 

「『トランシーバー』っと」

 

 それはそうと、こっちはこっちの仕事を。

 

 ノートからトランシーバーを取り出し、エヴァ初号機のプラグに向けて通信を試みる。

 キュルキュルとノイズが流れ出てくるトランシーバーを、横についたダイアルで周波数を調整してノイズを減らしてやる。

 そもそもトランシーバーとは『通信する道具』だが、言ってしまえば様々な点でコンピュータなどに劣り使える場面が多くはないものだろう。

 秘匿通信にも介入することはできないし、変声機能もついていない。

 パソコンでも素直に使ったほうがマシではないか?

 

 ただ今回において例外がみとめられる。

 不思議なノートから出した(通信という概念をぶち込んだ)それが簡単に阻害できるわけがなく。

 

「あー、あー、こちらマックスウェル。こちらマックスウェル。シンジ君には聞こえてるかな?話があるんだけど」

 通信が可能になる。ホントにチート。

 

『どうやってこの回線を!』

「おっと貴方にじゃない、そこのパイロットに話があるんだ。用件だけ言うので聞き逃さないよう頼むよ碇シンジ君」

「僕の事を知って」

「困ったら助けになる、頼りたまえ。以上!また会おう」

 

 よし。メンタル強化(外付け)作戦終わり。

 じゃあ後はクトゥルフ兄貴が勝つのを待って…いやなんでまだ終わってないんだ。

 

 ああ、エヴァも巻き込まないように出力を抑えてるのか。はは、良識ある邪神か。

 それにしても、カメラに映り続けるのはマズいんじゃないか?

 マズいよな…角度から推測とかされるとマズい、ので。

 

「計画変更、戦闘終了と撤退を最優先すべし。まあ三種の神器があれば瞬殺さね」

 

 神の使徒の叫び声に混じり、街に銃声が一つこだました。

 

 

 …プランが全部パーだな。

 

 ────────────────

 

 

 特務機関NERVの基地、先の使徒戦で録画された映像が再生されている。

 閲覧する職員たちが意見を交わしていた。

「見れば見るほど訳がわからないわ」

「想定外な事態が起きるとは考えていたけど、流石に予想外」

 映像には脱力している初号機とが映っている。

 コマ送りで再生される映像のサキエルは、ある瞬間を境にピタリと止まってそれきり写真のように風景に溶け込んでいた。

 瞬間的に凍り付いたサキエルは42時間経過し、NERVの第53倉庫に回収された今も動く様子は見られない。

 死んでいる。

 

「一瞬であの巨体を凍り付かせるなんて、一体何が起こったのか全く見当もつかない」

「NERV一の頭脳様がこれじゃあお手上げね。直接聞きに行くかなんとかしないと」

 映像の前でそんな会話がされていた。

「現状では無理よ」

「でしょうね…正体は分からずじまい、何かを使うヒトガタ。候補はある?」

「いいえ、画像解析から見て身長は小柄ってところかしら」

「…味方だといいけど」

 ふと呟いた言葉は当人にも信じがたい言葉だった。

 否定の言葉はすぐに飛んできた。

「もしくは最大の敵かも」

 だが返答はすっと浸透してくる、不思議とも思わなかった。

 初号機の戦闘記録にだけノイズがずれる形で映り込んだ緑の「あれ」、決して人に与するものではないと本能が訴え続けている。あれは使徒よりもよほど神に近しい、あるいはサードインパクトよりよほど。

「恐ろしい」

 上から下まで、奇しくもそれがNERVの総意だった。

 しかもその個人の「力」はNERVを超えていることを証明してしまっている。

 使徒以上のナニカを使役し、一瞬で人類の外敵を完全に『冷凍』した個人。

 

「…まっ、正体不明の第三勢力、現時点で友好に働く動きもないことだし。暫定敵対勢力って扱いが妥当でしょう。情報が無い以上判断はお偉方に任せることにするわ」

 

 開き直ってヒラヒラと手を振る彼女の言葉に、職員は沈黙でもって答えた。

 

 

 時を同じくして、老人たちの会議が開かれていた。

「人類の天敵、その一つが取り除かれた。万歳。だが我々は祝杯をあげている暇はない」

「すでに計画から大きく外れている」

「計画を修正しなければならん」

「採取したサンプルは細胞レベルで活動を停止している。使い物にならん」

 

「…ご心配なく。計画は完遂します」

 

 続きが無いから宣言するが、完膚なきまでに計画は破綻する。

 詳しくは言わないがハッピーエンドだ。

*1
諸説あり




ゼーレ「ドウスッペ…ドウスッペ…」

続かないしこんなものが続いてはいけない(戒め)


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10についてはそれぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。