昨日はひとつもしていなかったゲッテルデメルングとか、護法少女とかやってたので更新出来ませんでした。すみません。
明日は待ちに待ったレッド・デッド・リデンプション2の発売日なので投稿できないか、投稿後、期間が空くかもしれないのでご了承ください(恐るべきクソ作者)
"スサノオ"
ボルグ・カムランに似た姿をしているが、黒い身体に、白紫色に発光する部位を持つ第一種接触禁忌アラガミである。
神機を好んで捕喰するという偏食傾向から、アラガミ化した神機使いの成れの果てとも噂されるが、その生態は謎。
しかし、"
だが、それは――。
『ウフフ、アハハ……!』
ゴッドイーターという対象に絞った話である。
現在、愚者の空母より発生したアマテラスの倍以上の体躯と似姿をしている白いアラガミが、異常に多い本数の触手でスサノオを絡め取り、片手で振り回すかのように空へ回し、地面に叩き付ける等を繰り返していた。
スサノオはとっくの昔に結合破壊出来る箇所は全て壊れており、辺りにスサノオの体液が飛び散っていた。
「うーん……アイツと話し合いは流石に無理そうだなぁ……」
双眼鏡越しにそう呟きながら遠巻きにアラガミを見つめる男の名は"藤木コウタ"。現在のフェンリル極東支部で第一部隊の隊長を勤める青年である。
『………………』
また、彼の隣におり、同じく双眼鏡で白いアラガミを眺めているウサギの着ぐるみ――キグルミもその場にいた。
心なしか白いアラガミを見るキグルミはぷるぷると震えているように見えるが、白いアラガミの観察に夢中なコウタにそれが伝わることはなかった。
彼らふたりのゴッドイーターが、討伐する訳でもなく、ここから眺めている理由は単純。"偵察任務"であった。
本来、偵察任務は偵察部隊の役割なのだが、白いアラガミの異常な巨大さかつ、アマテラスに酷似しているため、極めて長いリーチと対空砲火を持つことが予想され、その上にニライカナイという前例から感応種である可能性もあるという至れり尽くせりな状態であるため、人員を決め倦ねていたところ、偶々通り掛かったコウタがそれならばと名乗りを上げたのである。コウタという青年はお人好しであったのだ。
キグルミはコウタの目の前でウロチョロし、何やら行きたそうにしていたので、コウタが連れて来たのである。ちなみにこう見えてもキグルミはフェンリル極東支部、"第四部隊の隊長"に当てられていたりもする。尤も第四部隊は隊長を含めて二人しか人員はいないのだが。
能力は危険性は未だ未確定だが、名付けられた白いアラガミの名称は"オトタチバナ"。
極東の神話において、水神の怒りを鎮めるために身を捧げた者の名である。四肢を埋め込まれたような女性体を持つ様がそう見えたのであろうか。
暫く観察していると、オトタチバナは既に死にかけのスサノオを、両手で掴むように触手で掲げると暫く女性体でじっと見つめた。
そして、オトタチバナはスサノオの尻尾の先に付く折れた剣を触手で覆い――。
『トレチャウヨ……?』
何の躊躇もなく、引き千切った。当然、千切られたスサノオは痛みに絶叫する。
「うわぁ……」
その行動にドン引きするコウタ。彼はオトタチバナは言葉を発するアラガミだということを聞き、もしかしたらと多少の期待を込めてここに来たという理由もあるのだが、それは儚く散ったと言えよう。
『アハハハ……! タノシイ……タノシイ!』
爪、前足、後足、尻尾と雑かつランダムにスサノオの肢体を引き千切る。そして、最後には頭と胴体だけになってしまった。
『ナクナッチャッタ……』
オトタチバナは自身でそうしたにも関わらず、そうつまらなそうに呟くと、頭だけのスサノオを食べることもなくその場に放り捨てた。それから、辺りをキョロキョロ見回して何かを探しているように見えた。
「いや……なんなんだよアイツ……キグルミもそう思――」
コウタはそう言いながら双眼鏡から顔を外し、隣のキグルミに顔を向けた。
[ちょっと急用ができた。アレはヤバいから君も早く帰れ。あすたらびすた、べいびー]
するとそこにはキグルミの代わりに置き手紙があり、その辺りに残っていた道路標識を引き千切って作ったと思われる即席の看板に貼り付けられていた。
ちなみに"
「あ、アイツ……帰りやがった……」
最近ゴッドイーターとして極東支部に現れたかと思えば、ターミナルにすら何の情報もなく、決して喋らず、性別すら不明であり、正体不明の塊であるキグルミが言語を用いている辺り、凄まじくレアなのだが、コウタは現在の状況からそちらの方に考えが向かなかった。
「なんだよ……一声掛けてくれればいいのにな」
そう言いながらコウタは双眼鏡を再び目に合わせつつオトタチバナの方向を見た。発言からは彼の人の良さが滲み出ていると言えよう。
そして双眼鏡を覗くと――。
『………………』
1km以上距離があるにも関わらず、双眼鏡越しにオトタチバナの女性体と目が合った。
オトタチバナは感情を失ったかのように冷たい瞳と、能面のような表情でこちらを眺めているようにコウタは感じる。
「………………」
コウタは一度、双眼鏡から顔を上げ、気のせいなのではないかと自身を落ち着かせた。そして、平常心を保ちつつ再び双眼鏡を覗いた。
『イヒヒヒ……!』
そこには開いている方の目を細め、口角をつり上げて三日月のように口を開きながらコチラを見て笑っている姿のオトタチバナがいた。
(う……ヤバいヤバいヤバい!?)
邪悪でしかない笑みに怯み双眼鏡を下げたコウタ。そして、ようやく気づかれたことを焦り始め、地面に置いてある自らの旧世代神機を拾い上げ、オトタチバナを確認すると――。
『ヒヒ……ヒヒヒッ! アソボウ! マッテェェ! "オニゴッコ"シマショウ……? ワタシガオニヨ……!』
その笑顔のまま、コウタの方にウロヴォロス種特有の走り方で迫ってくる様が見えた。アマテラスの倍以上の巨体故に重鈍な動きにも関わらず、とてつもない速度である。
また、コウタとの間にある直線上の廃屋を気に掛けることもなく踏み潰し、廃ビルを触手によるただの薙ぎ払いで粉砕しながら進む様は、いっそそのまま眺めていたい程圧巻だった。
「うあァァァァァァ!!?」
尤も当事者にとっては恐怖でしかなく、コウタは絶叫を上げながら全力でオトタチバナから逃走し、それをオトタチバナが追う構図が出来上がった。
それはさながら、ぶ厚い氷上で巨大な氷砕船に人間が追われているような光景であった。
◇◆◇◆◇◆
一方その頃。
現場から居なくなったキグルミは、ラボラトリー区画の廊下を走っていた。
そして、廊下の突き当たりにあるサカキ博士の研究室の前で止まる。
サカキ博士の研究室はパネルの表示上は誰もいない事になっているが、キグルミはその扉を開け、中に入ると更に奥にある研究室の扉でカードキーをかざして扉を開けた。
そして、中に入り、扉が閉じてロックが掛かった事を確認すると、キグルミは研究室の中におり、椅子に座って退屈そうにモニターを眺めている人物に向かって飛び上がり、恐ろしく水平なドロップキックを放った。
「カナちゃん何してるのよぉぉ!?」
『イキナリナンダ、オ前ノ子供ガイルンダゾ?』
キグルミから放たれたドロップキックは、黒いドレスの上に白衣を着て眼鏡を掛けた妊娠8ヶ月のアラガミ――ニライカナイに足を片手で止められ、ベッドに受け流されて落ちることで失敗に終わった。
ケイトはベッドからむくりと起き上がり、着ぐるみの頭を取る。
するとキグルミの中身は艶やかな長髪をし、非常に整った顔をした眼鏡姿の女性――ケイト・ロウリーであった。
折角の美人もずんぐりむっくりした紫色の着ぐるみのせいで台無しである。
「子供! そう子供よ! あなたの子よ!?」
『2回目モ私ニ言ウコトニナッタナ』
「いやん、取られちゃった……」
ニライカナイはただのケイトの奇行だと考え、頬杖をついてモニターに視線を戻す。
[リリカル・トカレフ・キルゼムオール!]
『打撃系ナド花拳繍腿、
「ちょっと……アニメどころじゃないのよ」
『何モヤルコトガナイノヨ……アニメシカ私ニハ無イワ』
ニライカナイは深い溜め息を吐く。その背中は酷く小さく見え、今にも消え入りそうであった。
それがあんまりにも可哀想に思えたため、ケイトは一旦追及は止め、ニライカナイの趣味活動について触れる事にした。
「編み物とかしたら……?」
『………………』
そう言うとニライカナイは無言で部屋の片隅を指差した。
そこには赤子の産着から始まり、様々な子供の成長過程に合わせた服から、アヤメ・ケイト・カグラ用に作ったと思われる服が巨大な籠に積まれ、天井付近まで積み上げられていた。
中でも一際目を引くのは、山の隣に置かれた手編みで作られた純白のウェディングドレスである。
『売店ノ生地ヤ糸ノ供給ガ追イ付カナクナルカラ止メテクレッテ博士ニ言ワレタワ』
「なら料理をしてみるとかは……」
『ケイト、満漢全席ッテ言ウ言葉ヲ知ッテイルカシラ?』
ちなみに満漢全席とは料理名ではなく、清朝の乾隆帝の時代から始まった満州族の料理と漢族の料理のうち、山東料理の中から選りすぐった料理――要するに山海のあらゆる珍味を集めた料理を取りそろえて宴席に出す宴会様式である。宴会様式のことなのである。
すなわち、ニライカナイは宴会様式で2~3日消費に掛かるモノを、作るぞコノヤロウとでも言いたげにケイトを軽く脅していた。
「だったら絵とか……」
『コノ前、暇潰シデ模写シタ"最後
アラガミの出現により遥か昔に消え去った名画を異様に上手く縮尺を狭めて模写した絵が、美的センスの高く少し変わったゴッドイーターに見つかった結果、ゴッドイーターが神機片手に製作者を探し回るという事件が発生したのである。
無論、サカキ博士によって絵は止められた。
『ケイト……』
ニライカナイはケイトの手を握り、すがるような弱々しい目線でケイトを見上げた。
『話シ相手ニナッテ……? 私ヲ構ッテ……』
「わかった、わかったから今は答えてちょうだい……」
珍しく弱気なニライカナイに後ろ髪を引かれたが、ゴッドイーターであるケイトはとりあえず先に目先の問題を解決する事にした。
ちなみにケイトの治療はニライカナイが言った期間よりも一年以上早く進んでおり、既に半ば終わっているような状態である。更にケイトにとって予想外だったことはアラガミ細胞をニライカナイのモノに入れ換えた事で、元々は極めて低かった第二世代神機の適合率が、第二世代神機を扱える平均的なゴッドイーターの実に数倍の数値に跳ね上がっていたという事である。
流石にかなり驚き、サカキ博士と共に言及したが、"私ハ治療モ出来ルダケヨ"と言うだけであった。
レオナルド・ダ・ヴィンチか何かの生まれ変わりか何かなのだろうか、このニライカナイというアラガミは。
『アリガトウ……ソレデ――』
ケイトの言葉にニライカナイはアニメの再生を止めてケイトに向き合った。
『何カアッタノ?』
「どうもこうもないわよ。コレについて知らないとは言わせないわよ?」
ケイトの手には携帯端末があり、そこにはオトタチバナが無差別にアラガミを襲っている姿が映っていた。
「情報によると愚者の空母が発生源のアラガミよ。女性体の外見から考えてもカナちゃんの子でしょ、話すし」
『イヤ、何デモカンデモ私ジャ――』
ニライカナイは愚者の空母というワードと、女性体の外見をよく見た事で途中から言葉を止め、少し考え込んだ。そして、頭をポリポリと掻いてからポツリと呟く。
『多分、私ノ子ダワ……』
案の定だったため、ケイトは溜め息を吐いた。
「どうするの? その娘暴れてるわよ。それに全然、いい娘じゃないし、それどころか恐ろしくて危ない娘だったわよ」
『イイ娘ジャナイ……? 私ノオラクル細胞カラ出タ存在ガ……?』
その言葉にニライカナイは眉を潜める。そして、オトタチバナがどのような様子だったのかと問い掛けたのでケイトはありのままを伝えた。
アラガミを振り回したり、足を一本づつ引き千切ったりと、まるで玩具で遊ぶように扱っており、命を命とも思わない様は、アラガミにすら同情を覚える悪魔のような存在であったとケイトは判断し、そのように語った。
しかし、その反面最初は深刻そうに眉を潜めていたニライカナイは、話を聞いていくと次第にいつもの表情に戻っていき、最後には微笑ましいモノを見るような目付きに変わる。
ケイトはそれを疑問に考えていると、ニライカナイは口を開き、言葉を吐いた。
『ケイト、"性悪説"トイウモノヲ知ッテイルカ?』
「性悪説……? よくは知らないけど確か――」
「人間の本性を利己的欲望とみて、善の行為は後天的習得によってのみ可能とする大昔の思想家が唱えた説だね」
いつの間にか部屋の入り口に入って来ていたサカキ博士がそう語った事で、二人の視線がそちらに向かった。
サカキ博士は"お邪魔するよ"と声を掛けてから更に言葉を続けた。
「逆に人間は善を行うべき道徳的本性を先天的に具有しており、 悪の行為はその本性を汚損・隠蔽することから起こるとする説が性善説。それから先に性善説があってから性悪説が提唱されたんだけどその辺りはいいか」
サカキ博士はそのまま独白のような言葉を続ける。
「よく間違われがちだが、性善説は人間は善、性悪説は人間は悪というわけではなく、寧ろその逆なんだ。 要するに"人間は生まれつきは善だが、成長すると悪行を学ぶ"というのが性善説、 "人間は生まれつきは悪だが、成長すると善行を学ぶ"というのが性悪説だ」
「その性悪説と何の関係が――」
「大有りさ、要するに人間の子供は笑いながら蟻を踏み潰すし、野の花を理由なくバラバラにもする上、バッタの足だけをもいで放置したりもするだろう? それがカナ君のアラガミにも当てはまるという事だ。つまり――」
ケイトの言葉を遮り、言葉を続けたサカキ博士は興奮覚め遣らぬといった様子で嬉しそうに口を開いた。
◆◇◆◇◆◇
「はぁはぁ……く……そッ!」
藤木コウタは現在、三方を高い廃ビルに囲まれ、大人の通れる隙間のない袋小路に追い詰められ、大の字で倒れて息を荒げていた。
そして、唯一の出口には廃ビルすら越える山のような体躯を持つオトタチバナに塞がれていた。如何にゴッドイーターと言えど詰みであろう。ここから脱出可能な者はヒビを伝って垂直の壁を容易く登れるアヤメぐらいのものだ。
逃げる途中でインカムを落としてしまい、極東支部との通信も断たれた状態であり、コウタの命は最早風前の灯火と言っても過言ではなかった。
『"オニゴッコ"ハオシマイ……?』
オトタチバナはそのままコウタを攻撃せずに見下ろし、そう呟く。
実際のところ、とっくの昔にコウタはオトタチバナに追い付かれていた。しかし、オトタチバナは追うことそのものを良しとしているのか、コウタが必死で逃げる様が滑稽なのか、一定の距離を保ち、コウタを追い立てることをひたすら繰り返していた。
無論、当事者のコウタからすれば後者にしか思えないだろう。
しかし、コウタはそれを逆に利用してオトタチバナを極東支部からかなり離れた位置まで遠ざけた。オトタチバナは未だ何かに著しく執着する様子がないため、こちらから刺激さえしなければ極東支部を脅かす事もないと考えた。
「こ……のッ!」
コウタは最後の力を振り絞り、自身の神機を遠くに放り投げた。スサノオのように神機を捕食するアラガミになられては本末転倒だからだ。
『イヒヒッ……! オニサンコチラ……テノナルホウヘ……』
その判断は功を奏し、オトタチバナは神機にはまるで構う事無く、コウタの身体だけを無数の触手でそっと掬い上げて女性体の元まで寄せた。
その間、自身の家族の事や、極東支部の仲間達の事が頭を過り、最後にコウタの脳裏に浮かんだのは、今は離れた場所にいる自身の大切な友人の姿だった。
「ああ、なんだよ……」
女性体に近付けられ、間近で見るオトタチバナの姿は、大火傷を負った人間のようでありながら、それでも損なわれない儚げな美しさを持ち、不覚にも目を奪われる。
『ウフフ……』
コウタを目の前にしてオトタチバナは今までの中で一番人間のような自然の笑みを浮かべると、アマテラスに似た部分に埋め込まれていた両腕がするりと抜け、コウタの胸板と頬に触れ、火傷の無い方の視線をコウタに合わせた。
そして、コウタはポツリと呟いた。
「スッゲー美人じゃん……」
その言葉の後、急に身体の疲れも、多少なり芽生えた恨みや恐れも、走馬灯のような想いも何もかも真っ白な感覚になり、コウタは全てを受け入れたように瞳を閉じ、最期の時を待った。
…………………………。
……………………。
………………。
…………。
……?
しかし、いつまで経ってもその時は訪れない。それどころかオトタチバナの手がコウタの"所持品"入れをまさぐっているような感覚と音がし、幾らなんでも不自然に思い、目を開いた。
『"オニゴッコ"……!』
そこには右手に"レーション"、左手に"Oアンプル"を持って嬉しそうに微笑むオトタチバナの姿があった。
オラクル細胞の原則
基本的にオラクル細胞は必要に応じて分化・派生することにより現在のアラガミの生態系は築かれた。コンゴウ種、シユウ種といった具合にである。それ故に一度種族として確立した種は、上位種や下位種といった違いはあるが、形態そのものが変わることは、極一部の例外を除いて、ほぼないと言っても過言ではない。
故に元が超お人好しでいい娘で最早アルダノーヴァの枠組みに収まらず、種族として確立し始めた
要はカナちゃんの深海棲艦はみんな"母親似でいい娘"なのである。後、母親に似て性悪で、人間には優しい。
鬼ごっこ
カナちゃんのオラクル細胞が経験している遊び。
遊び方:逃げるゴッドイーターをひたすら追い続け、捕まえたらレーションとOアンプルを巻き上げる。
オトタチバナ
女性体の容姿については"深海海月姫"。
Q:なんでダ・ヴィンチとか言った? 言え!
A:ホモだもん(史実)