荒ぶる神な戦艦水鬼さん   作:ちゅーに菌

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どうもちゅーに菌or病魔です。

なんだが筆がノリノリなので投稿です。後、思ったより長くなりそうなので連載に切り替えました。それではお楽しみください。







ぅゎょぅι゛ょっょぃ

 

 

 水上スキーみたいなシュールな絵面で戦艦水鬼な俺が陸地に着いて暫く探索すると、とんでもないことがわかった。

 

 どうやらこの世界の人類はかなり滅んでいるらしく、海岸沿いどころか内陸部もボロッボロである。

 

 これがブラ鎮の末路か……と思っていると目の前をノシノシ通り過ぎて行った奴を見て、反射的にポツリと呟いてしまった言葉で全てを察した。

 

『ナンダ、"オウガテイル"カ……』

 

 言ってからその言葉の重要性に気付き、確信した。この世界はGOD EATERの世界だったようである。

 

 とりあえず、目の前を横切ったオウガテイルを引っ張ってきてペシペシと軽く叩きながら全身をくまなく見させて貰ってからリリースした。街へお帰り。

 

『ジャア、マサカ……』

 

 足元の小石を拾って見つめる。

 

 現時点で食欲が湧いたりはしないが、一応確認のために口に含んでみることにした。

 

『………………』

 

 不味い。はっきり言って口に入れたことをちょっと後悔するぐらいである。しかし――。

 

『喰エル……』

 

 食べれるか食べれないかで言えば、食べれる方であった。しかし、はっきり言って小石は不味い。アスパラガスの食べれないところみたいな味がする。

 どうやら俺は戦艦水鬼な見た目をしたアラガミだったようである。

 

 食物への感謝を忘れない精神で呑み込んだが、そういえば無機物だったことを思い出し、やるせない気分になりつつ今後の生活のプランを考えていた。

 

 はっきり言ってアラガミの生活なんかどうにでもなる、人類滅ぼしかけるレベルの万能生物だぞ。はい終了。

 

 それよりGOD EATERと言えば今のところフェンリル極東支部と、移動要塞みたいなフライヤなのでやはり極東に向かわねばならぬかもしれない。

 

『待テヨ』

 

 俺は来た海上に浮かぶ、俺が目覚めた島を眺めた。あー、既視感の正体はこれか。どうやら俺はエイジス島で目を覚ましたらしい。

 

『ヤッパリ、アラガミ動物園ジャナイカ』

 

 作中唯一のフライヤ支部長の名台詞を呟きつつ、ならばエイジス島の50キロメートル圏内にフェンリル極東支部があるんだな。だったら何も焦ることないか。

 いや、アラガミスレイヤーのGOD EATER無印主人公に見つかったらヤバイかも知れないなぁ。

 

 とりあえず目新しいモノか、ゲームで見知ったモノを求め、艤装を引き連れながら散策することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 歩きながら地面に落ちてる無機物をモシャモシャしていると、あることに気づいた。

 

 例えばここで自然の砂利道で拾った小石と、コンクリートから拾った小石の二つがある。

 

 いったいこのどちらが美味しいと思うだろうか?

 

 正解はコンクリートである。砂利道の小石なんてエグみが強くて食えたものではない。

 

『塩気ガ無クテ湿気タ、ポップコーンミタイナ味ガスル』

 

 まあ、コンクリートの方もあくまで砂利道の小石よりマシというだけでそこまで美味しくもないのだがな。

 

 そんな感想を胸に、拾い食いをしながらテクテク歩いているとある場所に辿り着いた。

 

『オ?』

 

 そこは広大な庭園を中心に、植物園や図書館跡地が立ち並ぶ廃墟及び都市公園跡地である。

 

 そして、隣接する水辺には横倒しとなった建造物が埋没しており、アラガミの襲撃の甚大さがわかるというもの。

 

 その場所の名は"黎明の亡都"であった。

 

『懐カシイナア……』

 

 GOD EATERのゲームでは無茶苦茶見た景色である。今はゴッドイーターの初期配置から一番近いアイテムが落ちている場所辺りでマップを見つめていた。

 ちなみに俺が小さい頃は黎明という漢字なんて読めなかったので、適当に呼んでいた思い出があるなあ。ちなみに"れいめい"と読み、明け方や夜明け、黎明期だとある事柄が始まろうとしているという意味である。

 

 要は人間の文明が終わりを告げたことが刻まれた街、もしくはゲーム的に言えばゴッドイーターを始めてすぐに目にするエリアである。

 

 まあ、人間にとってはそういう認識であるが、俺にとっての一番の目玉といってはなんといっても、各施設が一斉に放棄されたためか図書館の書籍の大部分は当時のまま残されているということだろう。読み放題、取り放題である。

 

『ン?』

 

 それを楽しみに動こうとすると足元でキラリと光るモノを見つけたため、しゃがんで手を伸ばした。そういえばゲームではアイテム回収をしていたからな。

 

 "マグネシウム"

 

 無印ではスタングレネードを作るのに死ぬほど必要なマグネシウムちゃんであった。

 

『…………エ?』

 

 ただの鉱物、されど鉱物。しかし、俺の中ではある感情が沸き上がっていた。

 

 それは"美味しそう"という感覚である。無論、マグネシウムなど人間の頃は口にしたことなどあるわけもない。

 

『ムグ――』

 

 俺は感情のままマグネシウムを食べ――。

 

『――ァァ……アア!』

 

 あまりの美味しさに肩を抱き寄せて震えた。

 

 パチパチと弾けるような食感を持ちながら、濃厚で油の乗った魚のような味わい。旬のホッケを遥かに美味しくしたような味だろうか。

 

 なんだこれは、なんなんだこれは……この世にこんなに美味しいものがあったのかと感じる程である。

 

 落ちていたマグネシウムでこれならば100%純粋な鉱物や、もっと上位の素材、ましてや仮にゴッドイーターの神機なんて食べてしまったらいったいどんな味が――。

 

『ァ……』

 

 そこまで考えて頭が冷えた。

 

 ああ、そうか……アラガミはアラガミの意識以外に、こうして特定のモノを食べ続けるアラガミがいるのか……。

 

 きっとこの食欲の赴くままに行動すれば、俺は完全にただのアラガミになり、人間すら食べ物としか思えなくなってしまうのではないかという恐怖を覚えた。流石に心までは人間を止めたくはない……。

 

 しかし――。

 

『アイテム回収ハシテオコウ……』

 

 味を知ってしまった以上、今更止めることも出来ない気がするので、ちょっとだけはこの食欲を満たさないと精神衛生上よろしくない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黎明の亡都を散策し、目ぼしい本を見つけたら貰いながら色々と考えていた。

 

 アラガミの食欲のことは一旦忘れつつ、まずは今の時系列についてである。途中で見つけたパイプ椅子に座りつつ、目を瞑りながら考えた。

 

『ムー……』

 

 少なくとも、エイジス島が崩壊しているためにGOD EATER無印の後であるということ。赤い雨がまだ降っているGOD EATER 2の本編クリア前だということはわかるが、それだけでは3~4年程期間があるため、あまり参考にはならない。

 

 ……ああ、フライヤが極東支部にある様子がないので、GOD EATER 2の本編に入ってすらいないのかも知れないな。とすると空白の3年間のどこかであろう。しかし、まだ長いな。

 

 当然ながらここに置いてある本は文明崩壊前のもののため、その辺りの参考になるものがあるわけもない。やはり何か参考になる絶対的なものが必要だろう。未だに電波があるか知らないが、電波時計とかが落ちてればベストなのだが、そう都合よく行くわけもない。

 

『ムムム……』

 

 弱ったな……時間がわからなければプラン立てどころではない。折角GOD EATERの世界なのだから"色々"とやりたいことは思い付くが、特にやりたいことに時系列の把握が必要不可欠なんだ。

 

『ン……?』

 

 ふと、気配を感じて瞳を開く。するといつの間にか俺の目の前に、人間の頃にはそれなりに見慣れた存在がいた。

 

「…………(じー)」

 

 小さな女の子である。年齢は10歳程だろうか。しかし、顔に土を付け、ボロ布のような服を纏っており、よくテレビなどで見たスラム街の生活としてピックアップされそうな装いをしている。

 

『…………コンニチハ?』

 

「…………ゥッ!?」

 

 話し掛けると幼女はビックリした様子でたじろぎ、身構えた後に俺から一目散に走って逃げた。

 

 いや、何もそこまで……あ、俺今アラガミだったわ……っていうか足はやっ!?

 

 幼女はリンクサポートで移動速度を複数掛けしたような凄まじい速度で俺から離れる。いっそキモい程の足の回転数である。

 

『ハァ……』

 

 しかし、この戦艦水鬼風アラガミちゃんを舐めないでいただきたい。

 

 俺は艤装を一旦ここに置いておき、地面を蹴って走り出した。すぐに幼女のトップスピードを越え、幼女の隣に辿り着いて並走する。そして、幼女を止めようと手を伸ばした――。

 

「ッァ!」

 

『ウオ、眩シ!?』

 

 服のポケットから取り出したスタングレネードで俺は怯まされ、少し目をやられた。しかし、アラガミボディのためか耳は無事なので、並走している足は止めず、足音から幼女の位置を割り出して脇に手を入れて抱え上げた。

 

『ホラ、捕マエタ』

 

「ァ……ァ……」

 

 足を止め、両脇を抱えられてぷらーんと宙吊りな幼女は目を白黒させ、口をパクパクさせながら俺を見ていた。そうして次第に目に涙を浮かべ、幼女の口からたどたどしい口調で、ある単語を辛うじて聞き取れる。

 

「パァ……パ…………」

 

 参ったな……これでは完全に悪役である。まあ、悪役どころか人類の宿敵なのだがな。仕方がない、この身体の見てくれを存分に発揮して解決するとしよう。

 

『ホラ』

 

「……!?」 

 

 俺の後ろから艤装がパイプ椅子を持って追ってきており、艤装からパイプ椅子を受け取り座ると、幼女を正面から抱き寄せながら頭を撫でて、背中をさすった。丁度母親が子をあやすような仕草である。

 

『私ハ怖クナイヨ?』

 

 そう問い掛け、笑顔を作る。暫くそうしていると幼女は徐々に警戒を解いていき、目を丸くし始めたので優しく地面に下ろす。

 

 そして、しゃがんで目線を幼女に合わせてから更に問い掛けた。

 

『少シオ姉サントオ話デキル?』

 

 すると幼女は小さく頷いた。ならばと声を掛けようとしたが、幼女は俺の手を引いて来た。どうやら何処かに連れて行きたいらしい。

 

 俺は笑顔のままそれに従うことにして、幼女に付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幼女に案内されたところは廃ビルと廃ビルの隙間を通ってしか行けない空間にある物置小屋のような小さな建物であった。

 

 小屋の外に置いてあるバケツや赤いポリタンクに入った水など既に生活感に溢れており、幼女がここで暮らしていたということがわかる。

 

 始めはフェンリル極東支部の外部居住区の迷子かと考えたが、どうやらそういうわけでもないらしい。

 

「ぉ……ねぇ――ちゃ……?」

 

 幼女は吃り、ところどころ聞き取れない単語で外を見ていた俺を呼んだ。自然に気の毒なものを見るような顔になってしまったせいか、不安に感じたのだろう。ちなみに艤装は廃ビルの前に置いてきた。

 

『大丈夫ヨ。ソレヨリ家族ノ方ハイル?』

 

 俺が一縷の望みを掛けて、そう問い掛けると幼女は嬉しそうな顔になり、俺を小屋の中に招き入れた。

 

 入るとすぐに俺はあるものに目を奪われた。それは毛布と布団の頭の方に置かれ、時を刻んでいる目覚まし時計型の電波時計である。

 

 これで時系列が確認できると考えながらそれを眺めると、時は2071年、日付は7月の初頭であった。

 

『ヨカッタ……間ニ合ウ』

 

 俺がこの世界で可能なら一番したかったことは、GOD EATER 2で一番好きなキャラであった三枚目の"真壁ハルオミ"さんのあのキャラクターエピソードを実際に見ること。

 

 そして、可能なら嫁の"ケイト"さんを助けることなのである。時系列的にもまだ彼女が死ぬタイミングではないだろう。

 

 特殊部隊ブラッドのアレは何故かご都合主義も甚だしい展開で生き返るクセに、ケイトさんの掘り下げはするというGOD EATER 2(あのゲーム)のシナリオは……いや、止めよう……俺はGOD EATERシリーズの設定とシステムは大好きなんだ。シリアス風の展開にイチイチ出てくるおでんパンが癪に触ったりもしたが、それでも大好きなんだ。創作物を書くときには、話の統合性を取るためにネタとシリアスの棲み分けはしなければならないということだけは肝に命じておくといい。

 

 目眩がしてきそうになった事と、幼女の事を思い出したので、小屋の中を見渡すと幼女は部屋の隅に立て掛けられた"ソレ"の側に立っていた。

 

『"ペイジ"カ』

 

 ソレとはゴッドイーターのショートであり、ボルグ・カムランの素材で作成可能なペイジであった。これの派生系はメテオのお供としてチートと言われていた武器でもある。

 

 要はゴッドイーターの神機であり、銃身が見当たらないところからすると、第一世代型の神機だろう。

 

 そして、幼女は相変わらず嬉しそうな様子で、神機を指差して口を開いた。

 

「"パパァ………!"」

 

『………………』

 

 彼女は恐らくゴッドイーター孤児というものなのだろう。どうしてこんなところでひとりで暮らしているのかはわからないが、声は失語症などではなく、相当な期間を一人で生きており、口を開かなかったため、声を出せなかったのだろうと推測する。

 

 どうやら俺はかなり闇の深い娘と関係を持ってしまったようである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すぅ……ん……」

 

 その日の夜、一緒の布団に潜り、俺はこの娘――アヤメを寝かしつけていた。アヤメは俺に抱き着いて安心した様子で寝息を立てている。

 

 アヤメと言えば属名ではアイリスという花。花言葉はメッセージ、よい便り、信頼、友情、知恵、そして希望などを持つ。娘の事を想って付けられた優しい名なのだろう。

 

 一度関係を持ってしまった以上、このまま放っておくことなんて出来はしない。ゴッドイーター孤児なのに保護を受けず、こうして一人で外の世界で暮らしているのには何か事情もあるのだろう。その辺りは追々聞いていけばいいか。

 

『サテ……』

 

 寝たのを確認してから図書館から拝借した世界地図を開く。戦艦水鬼が夜戦出来るからか、アラガミだからかは不明だが、夜でも目が利くようで真っ暗でも読めるのである。

 

 真壁ハルオミ、ケイト、ギルの3名はグラスゴー支部にいた時に襲われたとのことなのだが、グラスゴーとはいったいどこなのかそういえば調べていなかったからだ。

 

 まあ、話の流れ的にあの感じではそんなに遠くではないと思いどこにあるのか探し、場所の見当を付けたところグラスゴーは――。

 

 

 

"イギリスのスコットランド南西部の都市"に存在していた。

 

 

 

本気(マジ)カヨ……』

 

 どうやら俺はそこを目指して極東を旅立たねばならぬらしい。

 

 小さな夢の実現が物理的に余りに遠かったことから、俺は大きな溜め息を吐きつつ、アヤメちゃんを撫でて癒されるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 アヤメちゃんはケイトさんを救う上で橋渡しになりそうなので当時させたオリキャラでこざいます。





 え? GOD EATER 3の体験版の感想?

 いや、面白いと言えば面白いんですけど、なんと言いますか、こう私の知っているGOD EATERではないというかなんというか……この感覚を他のゲームで例えるなら……。

・DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-
・ARMORED CORE Ⅴ(Ⅳ系から入った場合)
・PHANTASY STAR NOVA
 らをした直後のような感覚でしょうかね……。

 システム的にはSOUL SACRIFICEの敵とMAPをDevil May Cryの主人公で倒すみたいな感じですかねぇ……なんかこう……これじゃないような……うん、まあ、一個人の感想なので真に受けないでください。GOD EATER 3とナンバリングされてさえいなければ普通に私も楽しめたと思います、ええ……。
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