「暑い」
「夏だからな」
呟いた一言に冬児が答える。
「ったく、補習なんてな」
「自業自得だ」
「お前に言われてもな」
俺と冬児は揃ってサボりキングとなっている。陰陽のことは勉強しているぞ。
着信がなる。
「・・・・・北斗か」
「出なくて良いのか?」
「近くにいるのに電話代が勿体ないだろ」
と、後ろを指差す。そこにはショートカットの少女、北斗が居た。
「バレちゃった」
舌を出して、テヘッのポーズ(書いて思ったがこれれで良いのか?)をしている。
「俺に悟らせないようにするなら忍者にでもなるんだな」
「なぜそれをチョイスした」
冬児にツッコまれた。
「でも、ぼくの電話を黙殺したことにはかわりないんだから春虎にはペナルティーを払ってもらいます」
「はいはい」
かき氷を買わされた。
北斗はご満悦だ。
「足りないんなら俺のもやるぞ」
「やた」
と、俺の手から素早くかき氷をひったくった。
「・・・・・で? 北斗。お前、また春虎に陰陽師を目指せって言いに来たのか?」
すると北斗はそうだったと俺の方を向く。
「さっきのテレビ中継、春虎も見てたんだよね?」
「で?」
「だったら春虎も、ああいう風になりたいと思わないの?思うよね?思わない訳がないよね?」
三段活用で聞いてきた。
「別に」
「どーしてっ? だって春虎、安倍晴明の子孫なんでしょ? 陰陽道宗家、土御門家の人間なんでしょ!」
「は、俺は俺だ。家なんか関係無い。俺自身だ」
頑張って考えたんだよ。かっこよくね?
「でも、春虎が土御門の人間であることには変わりはないじゃない!」
平安時代から続く、由緒正しき家柄なんでしょ? それが、一般の高校でのうのうとサボって毎日補習でひーひー言ってるなんて、情けないとは思わないの?」
「別にならないとは言ってないだろ。なるとも言ってないが」
やれやれと首を振る。
「男ならはっきりする」
「男女差別反対」
言おう。北斗に口論で負けたことは無い。
「だいたい、土御門家も今じゃ没落してるんだ。名家だとしても今じゃ没落貴族みたいなものだ」
「じゃあ、春虎が建て直せばいいじゃん」
「一人個人でできることなんてたかが知れてる。わかるだろ?」
まぁ、今は悪い、夏休みが終わったら陰陽塾に通うから。
「だいたい、見鬼じゃない。この直死で代用できるが持続性がない。できても頭痛で使えない。こんな陰陽師、誰が雇う?」
「でも、それなら『十二神将』に対抗できるよね。『十二神将』になれば仕事も大事件だけに絞れるんじゃない?」
そう来たか。
「例えそうだとしても、接近しなきゃ意味がない」
「春虎、熊をナイフで解体してたじゃん」
山に訓練してた時に見られたか。
「わかった、わかったよ。直死をコントロールできるようになったらなるよ」
淨眼だけを発動はもうできるけどな
「本当? 約束だよ」
こうして、北斗に陰陽師になると宣言してした。