イメージ次第で魔法が使えるなら、忍術(のマネ)もできるよな!?   作:一日の睡眠時間は10時間

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10月31日、第2話になる「其の一」の投稿です。

主題としては主人公の導入、転生計画の結果です。










「人は大切な何かを守りたいと思ったときに、本当に強くなれるものなんです」
by 白(はく)


序章 -1st STAGE-
其の一 俺、仙人になるってばよ!


「え、転生?」

「はい、大変申し訳なく。また、どうしても受け入れられないと存じますが・・・」

 

とある都市の、とある往来。

時刻は午後4時と、人によっては帰路の途にいるであろうそこで、一人の男性と[誰か]が向かい合って何かを話している。

いや、話をしている[誰か]の方は、常軌を逸した、と言うよりか誰が見ても非常識な見た目をしていた。服装は純白の布を一枚、肩掛けや腰結びで辛うじて隠れている程度、頭上から日光の様な光が降り、体からはまるで光の粒子が零れ落ちているようにも見える。そして何より、発せられた言葉が普通に考えずとも出てくるわけがないセリフであったことからも、この者の異常さが窺える。

 

「受け入れられないっていうか、え? なんか時間が止まってない?」

「あ、はい。通常我々が現世に降り立つと、信仰心のある人間の場合は騒ぎになってしまうので、少々時間の進行を止めてもらっています」

「はー、やっぱやることのスケールが違うなぁ。え、でもなんで俺に話しかけたんだ?」

「それが時間停止をしてもらった理由なのですが、なんでも我々の上にあたる存在が最近の異世界転生ストーリーの創作物をえらく気に入りまして・・・」

「それで、俺みたいな一般人に異世界に転生してもらうために来た、と」

「はい」

 

その答えを聞いたもう男性の方は合点がいったと頷く。男性の特徴を挙げると短髪で少し三白眼に見られる顔つきに、暗緑色のスーツとコートを着ている。これだけである。

 

(なんか貶された気が・・・)「異世界転生か、確かに俺も電車の中で読んでるけど。質問だけど、転生する先はそっちで決まってたりするのか?」

「いいえ。上の存在からは現世の人間を別世界に転生せよ、としか」

「適当だなー。じゃあ、転生するときになにか能力とかもらえたりするのか?」

「能力についてですか? 少々お待ちください・・・回答がきました。好きにせよ、と」

「ホントに大丈夫かお前らの上って?」

「我々からは認識することすらできない存在ですから、なんとも・・・」

 

なんてことを少々話して、二人は改めて本題を進める。

 

「それでですが、ぜひ転生していただけないかと」

「んまあ転生は受けるけど、なんで俺なんだ?」

「それはですね、上の存在と貴男(あなた)が見ているインターネットサイトが同じで、なおかつ同じ作品のフォローをされているとかで」

「まじかよ!?」

 

驚愕の事実にスーツの男性は顔を引きつらせてしまう。まさか自分と相手の上の存在が同じ趣味を持っていたなんて・・・。

 

「特にお好きでしたのが、【賢者の孫】だそうです」

「ああ、あの作品は俺も好きだよ。新しい話が出た瞬間にすぐ読んじゃうよ」

「上の存在もそちらに転生するのでしたら特に優遇せよ、という通達も来ています」

「ふーん」

 

その言葉を聞いた男性は考えていたことを相手に切り出す。

 

「ならさ、二回転生するってのはアリ?」

「死後の復活ですか? であればそれを能力として付与しますが」

「いやいや、ちょっとやりたいことがあるんだよ」

「えっと・・・?」

「いや、俺って【賢者の孫】みたいな無双物語も好きだけどそれを知る前に【NARUTO】がめっちゃ好きだったんだよ。でもNARUTOの世界って人が簡単に死ぬからできれば別の世界でNARUTOの忍術とかを使ってみたいなって。でも原作の時間じゃ忍術なんて使ったら変に目立つだろ? だから先に転生して忍術の痕跡を遺してれば目立つこともないんじゃないかって思ってさ」

「ああ、なるほど。つまり原作の始まる前に一度転生してから、原作の時間にまた転生したい、そういうことですね? それでしたら問題はありませんよ」

「よっしゃ。じゃあ最初の転生は原作の始まる前、できたらアールスハイド王国ができたときより前の時代に転生してくれ」

「わかりました。ではほかの能力に何かご要望はありますか?」

「じゃあ・・・」

 

そうして、着々と転生に向けた準備をすすめていく男性ともう一人。

 

「こんなもんでいいか」

「ええ。これ以上行くとさすがに上の存在からも止められそうです・・・」

 

二人が話し合った結果として、

・無尽蔵の魔力(最初と二度目の転生先に適用)

・【NARUTO】の血継限界と血継淘汰を全て扱える肉体

・【NARUTO】の忍具全種類(任務服含む)

・次に転生するとき、前の体の状態を引き継ぐ

を、もらえることとなった。

 

「いやーありがとうな! ここまで許してもらえるなんて!」

「ええ。貴男が教えてくださった創作物を中心とした要求でしたから探すのは楽でしたが、これは流石におかしいと思えますよ。何ですか山をも超える背丈の巨人とか隕石を落とす魔眼って。こんなのは英雄の時代でもいませんでしたよ」

「だから創作で作るんだよ、超常の存在なんて所詮は二次元の話なのさ」

「正論ありがとうございます。それでは転生しますが何か忘れたこと等はありますか?」

「ああ・・・じゃあこの世界の親と親友に最期の言葉でも送りたいな」

「承知しました。内容はどのように?」

「ん~、無難にありがとう、さようなら、かな?」

「・・・録音しました。これは貴男が行った後に幻聴のような具合で聞かせます」

「サンキュー♪ んじゃ頼むわ」

「はい。では僭越ですが私から、貴男の来世が幸福に満ちたものであることを祈ります」

 

スーツを着た男性は、自分の足元からまばゆい光が出始めた頃に[誰か]の祝福の言葉を聞いて、顔に笑みを浮かべた。そしてその男性にこう返す。

 

「おう! お前も上の存在も、こんなチャンスをくれてありがとうな! 今度また会ったら酒でも呑んで語り合おうぜ!」

 

その言葉を最後に、スーツの男性の姿は消え、周りの時間が進み始めた。

と、同時に近くの交差点から大きな衝突音と誰かの悲鳴が響き渡る。

その日、転生したその男性がトラックとの衝突事故で出血多量により亡くなるというニュースが流れることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~アールスハイド王国建国までの歴史書 秘匿された断片 【仙人の里】と【六道仙人】~

 

 

 

アールスハイド王国が建国されるまで、その地は【仙人の里】と呼ばれ、【仙人の一族】という者達が暮らしていたと伝えられている。

 

 

一族は元々、場所が近い数個ほどの村の民であったが、ある一人の男がその村々をまとめあげ一つの【里】にしたという。

 

 

その男、【六道仙人】と名乗り不可思議な術を操ったそうな。その瞳は波紋のような模様を帯びており悠久の時を生きたかのようなさざ波のごとき気配をしていた。

そして仙人様には不思議と人と人をつなぎ合わせる力があり、初めは彼の言葉に耳を貸さなかった民も、仙人の真摯な構えと民への無償の献身に惹かれて【里】の話を受けたそうな。

 

 

そして彼の望む理想郷、老若男女が等しく手を握り合う【里】が完成し、仙人様の術を両手で形作る【印】と己の肉体と精神によって作り出される【(チカラ)】で模倣した新たな術・・・【忍術】によって、土地は潤い、人々に笑顔を齎した。

 

 

しかし時の流れというのは酷く、愛する家族ともいうべき【里】の民と仙人様の教えを享受しに来た無数の人々に見守れながら、【六道仙人】は静かに息を引き取った。

 

 

そのあと、【里】は滅亡への一途をたどっていった。

 

 

【六道仙人】は女と契りを結ばずその生涯を【里】に費やした。そしてその【里】は多数の村の民でできたもの、その価値観、村民への取り締まりといったものの全てが異なり、尚且つ仙人様の後の【里】の長には村中で最も力ある者へ任せるといった風潮が流れてしまい、【里】の中は人々の笑みと幸福に満ちた桃源郷から、血と死臭に満ちた地獄へと変わった。

 

 

後継者候補たちによる計略、潰し合い、小規模な戦闘。挙句の果てには民の生活の為にと仙人様が伝えた忍術も戦いの道具にされ、周辺の村々も巻き込んだ戦争へと激化した。

 

 

そんなことが後継者を決めるたびに起きたとなると結果は一目瞭然。

 

 

土地を潤すための忍術は使える人間が次々に死んだために荒れ果て、【里】の跡地には大量の血が染み込み例え雨が降ろうと流れない赤い大地が拡がるだけとなってしまった。

人間など一人もおらず、ただ死肉を喰らう獣しかいなくなった【仙人の里】と、【六道仙人】の伝説は、最早二度と戻らぬ幻として後の世にお伽草子として語られることとなった。

 

 

このような話から、数百年後の我が国の初代国王は、【里】跡地にて建国の際、

 

 

「民は全て王の守護下にある」

「民のすべては等しく、他者の尊厳を傷つける行為を許さぬ」

「国の王は王家が人々の賛成と厳正な判断で後継者を決める」

 

 

という旨を宣言し、民がそれに賛同した経緯を持つ。

 

 

【里】が齎した栄華と悲劇の一幕は、その上に建てられた王国への正しい教えをもたらしたと言えるであろう。

 

 

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その後のページは掠れて読めなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、久しぶり! また会えたな」

「ええ、姿は以前の時よりたくましくなられましたね」

「ああ。あの時代は今みたいに娯楽がなかったからな。ずっと術作ったり体を鍛えたりしてばっかだったからな」

「確かに言えてますね。それでは再転生を行いますか?」

「おいおい。最初の時に言ったろ。次に会ったときは酒でも呑もうぜって。だから俺の【里】で作った中で一番うまかった一本を持ってきたってのによ!」

「え、いや私たちはそういった俗世のものは摂取してはいけないと」

「いいじゃねえか! 堅苦しいのは抜き、やっと面倒な下準備が終わったんだ呑むぞというか呑む!」

「はあ・・・では一杯だけですよ?」

「お! やっぱノリが良くなったなお前!」

「あれから下界の創作物を窺うようになりまして。やはり人間の考えて作り出したものは素晴らしいの一言に尽きます」

「お? じゃあお前のお気に入りってどんなのだよ?」

「私が特に興味を持ったのは、そうですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー、結局、つまみ無しで呑んじまった。これに合うやつ、レシピは覚えてるんだけどな~」

「私はこれだけでも大変良かったですよ?」

「へへっ、そうか?」

「ええ」

「・・・・・・・・・さてと、そろそろ時間か?」

「再転生の、ですか?」

「ああ。約束も守ったし、もう思い残すことはねえよ」

「では、今度は「賢者の孫」、その本編の時代への転生を始めます」

「本音を言やぁ、今度はお前とも一緒に行きてぇな」

「・・・・・・・・・・・・それは、無理な話です」

「ちょっと考えただろ?」

「さて、何の事やら」

「・・・・・・なあ、別に好きにしていいってのは、俺とお前のことだったんじゃねえか?」

「・・・?」

「お前の上の存在がどんな奴かなんて俺が知るわけないんだが、それでもここまで自由にさせてくれるあたり、そんな気がするんだよな俺は」

「・・・・・・でしたら」

「ん?」

「貴男と同じ世界に行って、貴男ともう一度会ったとき、私の姿形が異なっていたとしても、見つけてくれますか?」

「んなの当たり前だろ」

「! 即答・・・・・・ですか」

「つーか、俺は元々一般人だが今は立派な六道仙人(自称)だぞ? お前の気配くらいすぐに感知して忍術使って行ってやる! それが次の約束だ!」

「フフフ、それじゃあその約束、破ったら許しませんよ?」

「おう! 俺の座右の銘は「まっすぐ自分の言った言葉は曲げない」だ! ぜってー会いに行くからな!」

「はい。では同じことですが、貴男の来世が幸福に満ちたものであることを祈っています、これからも」

「んじゃ俺はお前と一緒に世界を見れることを祈っているぜ!」

「・・・・・・“また”、会いましょうね?」

「へへ! “また”、な!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




急にオリキャラ登場フラグ・・・!?
おいおい主人公くん、勘弁してくれよ。作者は君一人の設定を考えるのに2週間も構想を練ってたんだよ?










「忍も人間・・・感情の無い道具にはなれないのかもな・・・オレの負けだ・・・」
by 桃地再不斬(ももちざぶざ)


2018年12月10日 内容の一部修正
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