イメージ次第で魔法が使えるなら、忍術(のマネ)もできるよな!?   作:一日の睡眠時間は10時間

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1月6日、「其の四」投稿です。
新年、明けましておめでとうございます。
今回は主人公の初旅立ちとタイトルの通り妹に会う話です。










「凡小な俺を天才だと信じてるあいつらのためにも」
by 日向ネジ

2/17 内容の一部を修正


其の四 俺、妹に会うってばよ!

とある事件の後、村は特に面白いこともなく修行と自己鍛錬の日々を過ごしていた。俺の周りで変わったことと言えば、週に4回と決めた休日が2回に減った事くらい。理由は今の体なら修行程度の傷でも問題にならないと二人から認められたからだ。実際、傷を負っても医療忍術や仙術で完治余裕だからな。

で、その休日である今日、俺は大きく欠伸をしながら2階の自室から下に降りていった。

 

「ふぁ~あ、おはよう父さん母さん」

「おはよう! 眠そうだけどちゃんと起きる時間は守ってるわね」

 

既に朝御飯の用意がされている食卓に座って、窓から入り込んでくる絶妙な明るさの朝日を浴びる。

前世じゃ付き人がご飯作ってくれてたからな。今度は忍術以外にもチャレンジしてみるのもいいかもな。

 

「父さん、今日の作業はなんだっけ?」

「ああ、それだが、変更する」

「へ?」

 

昨日聞いた時には2、3個仕事があったと思うんだけど、急に変えるってそんなに重要な話なのか?

 

「昨日、早文が届いた」

「へ~、そこに書いてあったのが今日の予定?」

「ああ。あと、遠出になるから飯を済ませたらお前も荷物をまとめろ」

「は?」

 

暫く家を空ける?一体何の用なんだ?

 

「あ~な~た~? 内容が分からなくて、マールが困ってるわよ?」

「む・・・これでも用件は伝わるだろ」

「そんなのは昔だけよ。ごめんねマール」

 

さらっと罵倒された父さんの代わりに、母さんが内容を簡単に教えてくれた。まとめると、父さんのお姉さん(つまり俺の伯母さん)の子どもが誕生日を迎えるからパーティーをしようという事らしい。

それを聞いた時の俺は、まず最初に驚いた。

 

「父さんにお姉さんがいたの!?」

「そうよ。お父さんに全然似てない、いい人なのよ」

「似てない、は余計だろう・・・」

 

あの父さんにお姉さんがいたなんて思ってなかった俺には今日最大の事実だった。おかげで目が完全に覚めた。

 

「それにマールにとって妹ができたようなものだからちゃんとお祝いしないとね!」

「わかった、いただきます」

 

俺にとっての妹(正確には従妹)と会えるのか・・・、前世は家族を持たなかったから接し方みたいなのが全然わからないんだけど(汗。

その後、パーティーで必要なもの(服など)をまとめて、母さんの【異空間収納】に仕舞い込んでいく作業が続いた。

その途中、あることに気付いた俺は母さんに尋ねた。

 

「そういえば、パーティーってどこでやるの?」

「ふふふ♪ 聞いて驚きなさい! 場所は【王都】よ!」

 

 

 

 

 

・・・・・・一家 移動中・・・・・・

 

 

 

 

 

村を出発して3日と数時間かけて、漸く【王都】に着いた俺たちは馬車引きの人にお礼を言って入国待ちの列に並んだ。待っている間、伸びをしていると馬車に乗りっぱなしだったせいか体中のあちこちから関節の音が鳴っていた。面白いくらい鳴ったから両親と周りの人からも笑い声がしていた。

 

「あ~、馬車ってあんなに乗り辛い乗り物だったんだね」

「まぁな。実は速駆けの馬車を選んでいたんだ」

「え、嘘!?」

「ふふっ、本当よ。帰りの馬車はもっとゆっくりなものになるから」

 

そんな雑談をしていると前の人がどんどんいなくなって、俺たちの番になった。

 

「次」

「よろしく頼む、家族が2人いる」

「分りました、身分の証明を」

「ああ」

 

俺たちの代表で父さんが門番の兵と話して手続きを進めていた。そしてやっと俺たちは王都の中に入ることができた。

門を出た瞬間から屋台や露店が立ち並んで、行きかう人の顔も活力があったし、なにより見える範囲でも2、3個くらい()()()に関連したお店があった。

 

「すげ~、これが王都なんだ!」

「そうだな、まだ時間としては朝早いから多く見えるな」

「あ、あのお店のお菓子は絶品だそうよ! 後で行きましょ!」

「ああ。だがまずは挨拶に行くぞ。マルト、離れるなよ」

「あ、うん! ねえ母さん、あれが母さんが言ってた人?」

「え・・・ああ! そうよ、あの御方が【賢者マーリン】様よ!」

「へー、結構そんなお店があるくらいだからやっぱり有名な人なんだね」

「ええ! マーリン様と【導師メリダ】様の活躍は国中でいろんな人が本やお芝居にしているくらい有名だもの!」

 

確かに。歩き道にあったお店で買った【偉大な魔法使い様】ってタイトルで表紙にイケメンが書かれた本を開けるとその武勇伝が描かれていた。この国じゃ英雄だろうけど、ここまで美化されてたら本人はたまったもんじゃないな。俺なら【神威】で引き籠ってるわ・・・。

 

「でも今は賢者様って王都にいなんだよね?」

「ええ。賢者様もお年だから誰も知らない場所で静養されているらしいわ」

「おい、早く来い」

「あ、ごめんなさい。マールも行きましょ」

「うん、ごめん」

 

母さんの話も聞いていたいけど、まずは相手の家に挨拶だよね。急かす父さんに気づいた俺と母さんは後をついて行った。因みに、本は読んだから適当に近くにいた子どもにあげた。その子ども、なんで自分の手元に本があるのかわからないって顔してたけど内容が賢者様のだからって喜んでいた。あんなに小さくてもその価値がわかるんだな・・・賢者様に同情するよ。

 

 

 

 

 

・・・・・・一家 移動中・・・・・・

 

 

 

 

 

お店が並んでいたストリート的な場所を抜けて、俺たちはとある家の前まで来ていた。

 

「・・・これが男爵様の家?」

「この家は彼奴が一家で団欒のために建て直したらしい」

「まあ、ほかの貴族の家と比べるとねー」

 

母さんの言う通り、目の前にあるのは俺の前々世であった一軒家タイプのモデルルームくらいの家だった。なんでそれで俺が驚いているのかっていうと、普通の貴族が周りで巨大な屋敷を建てているってのに目の前のは想像より少し大きいだけの住宅だったからだ。

ゴンゴンと父さんが扉のノッカーを叩くと、出て来たのはロングスカートの(俺の中で)伝統的な恰好をしたメイドさんだった。

 

「これはバルド様とレイナ様、それとマルト様。御久しゅう御座います」

「【ドロシー】か」

「久し振り、ドロシーさん! マルト、こちらは【ドロシー】さんで、この家のメイドさんよ」

「初めまして、マルト=リグ・ヴェーダです」

「こちらこそ、【ドロシー=スーディス】と申します」

 

紹介されたからにはと俺も名乗ってお辞儀をした。それでドロシーさんも頭を下げたけど、さすが本物のメイドだと言うくらい所作がキッチリしていて、よく訓練されてるんだろうな。

 

「旦那様方もお待ちしています。どうぞ、こちらへ」

「ああ、邪魔させてもらうぞ」

「「お邪魔します」」

 

ドロシーさんの案内で家の中に入らせてもらった。外から見た感じのまま、中も俺にとって普通の家だった。金持ちの家で連想されるような動物のはく製や派手な照明も無い、行ってみれば少し間取りが広いだけで俺の家と変わらなかった。だからかな、人の家だと感じなくて落ち着いた気分になる。

 

「お召し物はこちらで。奥の部屋に旦那様方が」

「助かる」

 

俺たちの上着を受け取って別の場所に行ったドロシーさんと別れて、示された部屋の扉を開けた。

 

「バルド、久しぶりだな!」

「そっちのほうこそ、息災なようだな【クロノ】」

「【クララ】、久しぶりー!」

「レイナさん、私も会えて嬉しいです・・・!」

 

父さんが茶髪の男の人、母さんが紫色の髪をした女の人と和気藹々と話し始めた。

 

(男の人の方は初めてだけど、女の人の方が父さんのお姉さんか)

 

思ったのがあんまり似てないなってことだった。姉弟なんだから、もっと特徴で似ているところがあると思ったけど・・・。

そして、

 

「・・・」

「ん?」

「・・・(じぃー)」

 

さっき母さんが【クララ】と呼んでいた人のそばから俺をじっと見つめてくる女の子がいた。その子は青紫色の長い髪をしていて、おそらく母親譲りのかわいい見た目の子どもだった。

 

(この子が例の従妹・・・なのか? でもなんで)

 

“あいつ”と同じ気配がしているんだ?

 

「あ・・・ほら、【リリィ】も」

「マルト、自己紹介しなさい」

「え、ああ・・・初めましてマルト=リグ・ヴェーダです」

「初めまして、【クロノ=フォン=アルターレ】だ。こっちは妻の【クララ】だ」

「ふふ、初めましてマルト君」

「それで、そこにいるのがお前の子か」

「ああ、クララに似てかわいらしいだろう?」

「ほんと、お人形さんみたい!」

「ほら、ご挨拶しなさい」

「は、初めまして・・・【リリシア=フォン=アルターレ】、です」

 

おどおどしながら挨拶をしたその子の様子に、俺はさっきから消えない既視感の正体を考えていた。

というか確信しかなかったから同じ目線まで体を落として周りに聞こえない程度に聞いてみた。

 

「なぁ」

「は、はい」

「リリシアって、もしかして・・・“お前”・・・か?」

 

俺が聞くと、その子は目を開かせてパチパチしたと思ったら、なんでか俺に抱き着いてきた。

 

「お、おい!」

「やっぱり、約束を忘れないでいてくれたんですね・・・!」

「・・・当たり前だろうが。前世も前前世も、今も、俺は自分の言った言葉を曲げたりなんかしねぇんだよ」

 

お互いにしか聞こえない声で感動の再開をしたと思ったら、そばで見ていた人たちがいたことに気づいて瞬時に離れた。

 

「「あらあら♪」」

「やはり子ども同士となると仲が良くなるのが早い」

「あの人見知りのリリィがあそこまで大胆になるなんてね」

「これは良い物が見れました」

「はわ、はわわ・・・」

「みなさん、そこまでにしましょうよ・・・」

 

俺はともかく“こいつ”の体温が急上昇しちゃってるから。

で、まずは“こいつ”・・・はもう呼べないか・・・リリィの復活まで待ってからパーティーの打ち合わせをした。言う事もなく夜にそこそこ大人数でやるらしい。大人たちは先に会場の設営や料理の準備があるということで、まだまだ子どもな俺とリリィ(中身は成人レベル)は部屋で待機となった。

まあ主賓のリリィにネタバレしちゃうのもあれか。

 

「しかし、“お前”が女だったとは驚いたな。てっきり男だと思ってた」

「あれは上の存在が私たちに形を与えなかったからですよ。【戦乙女】のような物は頻繁に人間と交信するから人の形を持っているんです」

「あの黄昏のスカウトレディースもそうなのか」

 

リリィが住んでいる部屋にお邪魔している俺はドロシーさんがくれたお茶とお菓子をつまみながらリリィと主に俺が再転生してから今までのことを話しあっていた。やっぱりリリィも俺が行ってからも諸々の仕事をしてて、それが済んですぐにこの世界に転生したそうだ。それで俺と歳の差が開いちまってたってことか。それでも俺の従妹として転生できてるあたりは、なにか俺との縁があったからかもな。

 

「俺が来るまで何をしてたんだ?」

「えっと、お父様からは魔道具のことを教わりました。お母様は普段から礼儀作法を少々」

「クロノさんだっけ。あの人あまり戦闘向きじゃないと思ったんだけど」

「はい。お父様自身は大したことのない普通の魔法師だとおっしゃってて、その穴埋めに魔道具を活用していた、と」

「なるほど、足りない物は外から持ってくる人だったのか。リリィは魔法についてはどれくらいなんだ?」

「えっと、まだ水や風を少量生み出すくらいしか・・・」

「それって魔法が苦手だからか?」

「いっ、いえ! 魔法に関しては問題がないのですが、炎や雷といった物は発生の原理からできないと先入観があって・・・」

「あー、なるほど」

 

リリィの言葉には俺も聞いたことがあった。母さんの話で魔法師には万能型と単一型があって、俺と母さんは万能型、リリィや父さんみたいなのが単一型にあたるらしい。

なんで分けられるのかというと単純に個人の戦闘スタイルに合わせている人や魔法の発動で欠かせないイメージの構築ができない人との差が原因みたい。そんでイメージの構築ができないのは理論で考えちゃうのと漠然としたものにしかできない人にも分けられるらしい。今の話で行くとリリィは普段目にする水や感じ取れる風はイメージしやすくて、燃料がないと出ない火や雨の日にしか出てこない雷を自分で作る感覚が分からなくて苦手、と言う事になる。

 

「じゃあ今度、俺が忍術教えようか?」

「い、いいのですか!?」

「ああ。忍術なら印で性質変化を促せるからとっつきやすいと思うぞ」

「ではぜひお願いしますね、“お兄様”!」

「おう! ってお兄様?」

「あ、こう呼ぶのだとお母様から教わって・・・駄目でした?」

「いや別に、俺も呼ばれ慣れてなかったからびっくりしたんだよ」

 

それに5歳児の上目の視線で見られたら断れないと思うんだが(確信

 

「マール、ちょっといいー?」

「母さん? わかった。じゃあまたあとでな」

「はい!」

 

ドアから顔をのぞかせてきた母さんに呼ばれたから、一時退室する。

 

「どうしたの母さん?」

「ふっふふーん♪ マールにちょっとお願いがあってね?」

「お願い?」

 

母さんのお願いを聞いて、またリリィが潰れてしまうだろうと思った俺はウキウキ気分の母さんの後ろでため息をついた。

 

 

 

 

 

・・・・・・主人公たち 準備中・・・・・・

 

 

 

 

 

準備も終わってクロノさんたちの知り合いの入場が始まった。リリィ専用の特別な席のそばのカーテンから様子を見てた感じ、かなりの人が来てるな。みんな身形が上等だし、振舞いも落ち着いてる。先に会場で談笑しているクロノさんとクララさんにも劣らない、本物の貴族だと思う。

あ、母さんたちもちゃんと入口から来てるな。付き合いが長くて知り合いでもそこは身分を考えてのことらしく、入口から紺一色のスーツに白色のネクタイとスカーフの父さんと、ワインレッドの裾が膝程度までのスカートドレスを着た母さんが入ると、人の会話であふれていた会場が静かになった。その後、クロノさん夫婦とタメ口で話しているところを見せられた客たちは、父さんたちのことをどこの家の者だと考えているみたいだ。

 

「さすが父さんたち、あっという間に会場の注目を支配しちゃったよ」

「マルト様」

「あ、ドロシーさん」

「お嬢様の着替えが終わりました。

 あと、私のことはドロシー、と呼び捨てになさってください」

「あー、了解、ドロシー。それでリリィは?」

「私の後ろにおります。さ、リリシアお嬢様」

「は、はい・・・」

 

ドロシーさんの背後から出てきたリリィを見て、思わず息を呑んだ。

髪の色に合わせて空色とも言うべきロングスカートのシンプルデザインのドレスに身を包んだリリィは妖精のようにみえた。背中まで伸びた長い髪もシニヨンにしているからか、幼さの中に大人びた感じも出てきて見た目からはとても5歳の女の子だと考えられなかった。

 

「ど、どうでしょうか?」

「え? ああ、めっちゃ似合ってる。可愛いというか、綺麗だ」

「ありがとうございます!」

「それでは、私は主様に御報告をしてきますので、御二方は心構えの準備をお願いします」

「うん、了解」

「? 心構え?」

 

あ、首傾げてるの可愛い。んでこの反応、リリィ真っ赤案件不可避。

 

「失礼致します、ご主人様。お嬢様の支度が整いました」

「お、そうか・・・皆さま、長らくお待たせ致しました! それではこのパーティの主役に御登場願おうと思います!」

 

オオ、と会場の注目をこっちに集めたクロノさんは、後でリリィから怒られてしまえ。そんな思考になってたけど、とりあえずやることはやろう、うん。

どういうことがわかってないリリィの手をそっと取って準備する。

 

「あの、お兄様? 一体なにが始まるのですか? 何故私の背丈に合わせるように膝立ちなされるのですか?」

「ああ、これについては父さん達に怒ってくれ」

「へ?」

「ステージをご覧下さい、我が愛娘リリシアです!」

「行くぞ!!」

「へ!?」

 

咄嗟で硬直したリリィを持ち上げて、その隙に膝裏と右脇の下に腕を通して抱え込む。そして【強化】で跳躍力を上げて垂れ幕から一気に会場のど真ん中、観客の頭上より上に跳び出す。

あれは何だ、飛んだぞ、あそこにいるのはリリシアお嬢様か、なんて声が聞こえてくるのとリリィの慌てふためきようをセットで流して、足裏に上昇気流を起こして体を支えながら、階段を下りていくように降下していく。その道中、観客の方々にリリィの真っ赤な顔を見せていくサービスも忘れずに。

 

「おおおおおおおおおおおお、おにいさま!?」

「リリィ、言いたいことはわかるが、ここは令嬢らしいとこを見せてやらないと。笑顔さ」

「は、はいぃ・・・」

 

ただ降りるだけじゃなく、風の向きで服をはためかせたり蛍火のような火の玉を大量に、沢山の色を浮かべたりしてリリィの魅力を存分に上げてやることも忘れない。

恥かくなら散々暴れてやろうじゃないか。

ゆっくりと10分くらい、ステージに降り立って腕の中のお嬢様を丁重に椅子に座らせる、というかもたれ掛けさせた。当の本人のキャパが焼き切れて復活までもう暫くかかりそうだ。

やることをやった俺は、リリィの前で観客たちに振り返ってさっと一礼してそそくさと舞台袖に引っ込む。

・・・ワッッッッッッーーーーーー!!!!

全てが終わったと悟ったお客さんからの溢れんばかりの歓声と拍手が鳴り響き、幾分恥ずかしさは和らいだ。ドロシーが用意してくれたグラスの飲み物を一気飲みして喉の渇きを潤す。

 

「流石はレイナ様のご子息様。魔法の多重発動、複合操作を行いながら、抱いていたリリシア様に危害が及ばぬよう【防御壁】で守って差し上げるという芸当は、一級の魔法師の実力と匹敵するかと」

「はは、母さんからは魔法を使うときはいつも考えて使うように躾られてたから。それより、リリィは大丈夫?」

「はい。只今化粧直しということで別所で休んでおいでです」

 

なら俺もこっそりと会場に行こうとした所で、ドロシーから一言。

 

「マルト様は身なりを整えられた後、ご主人様の元に向かうように」

「え」

「先程の事で、客人たちから質問が殺到しているとのことです」

 

どうやら派手にやり過ぎたせいで、客の中から魔法関係の人達が俺の事を聞きたいらしい。まあ最初は普通に降りてくるだけの予定だったから、クロノさん達もびっくりしたんだろうな。

ドロシーから言われた通り、服を着替えて髪型を整えてから会場の裏から中に入っていった。

 

「やあ、マルト君」

「クロノ様、先程の余興は如何でしたでしょうか」

 

パーティが始まる前から言葉遣いに気をつけるよう言われてたからな、あまりかしこまり過ぎない程度に敬語を使って、それでいてさっきのアレがこの家公認だったことを仄めかしておく事を忘れない。

 

「とても良かったよ。君も、パーティに参加しなさい」

「有難う御座います。楽しませていただきます」

「アルターレ殿、彼が、そうなのか?」

「ええ。彼が、私が招待し今回の余興を行った魔法師です」

 

オオッ・・・!と、周りからの歓声が上がってきた。

注目がこっちに集まってるから、さっきと同じ礼をしておく。そしてクロノさん繋がりで貴族の人たちと会話が始まった。

 

Q.魔法は何処で習った?

「母と魔道書を使いながら習得してました」

Q.何処の領地の者だ?

「東の外れ、何の変哲も無い小村の生まれです」

Q.クロノさんとはどういった経緯で知り合った?

「両親で、付き合いがありまして・・・」

Q.さっきの余興は俺1人で考えたのか?

「はい。リハーサルはしましたが、パフォーマンスとは御当主がたも含めて皆に魅せる物。内容は先程まで隠しておりました」

 

そんな感じで、具体的には言わない政治家のようにして怒涛の質問ラッシュを耐えきった俺は、まだ子どもってこじつけでさっさとパーティの料理にありつく事にした。後のことはクロノさんにぶん投げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、復活したリリィへのプレゼント贈呈が始まって、俺が用意した木彫り人形のスケールにまた会場を騒がせたのは割愛で!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はリアルの事情で12月の2回分を1話にまとめて投稿しました。
最後の人形は尾獣たちをモデルにした感じのものを書こうとして、表現できなかったので文字通り割愛しました!
あと、1月も忙しくなることが確定したので次回も同じ形式で投稿するかと。








「次に会う時はもっと強い男になっていることを誓います!」
by ロック・リー
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