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チャイムが鳴り響いた。一度は意識を飛ばしてしまった戦兎は慌てて玄関へと向かう。
だが、本当に扉を開けていいのだろうか。ただでさえ家の中は壊れた物で溢れかえっている上に誤魔化せそうな理由もない。そして、今玄関にいるであろう訪問者が考える時間をくれるわけでもなく戦兎は答えてしまった。
「い、今出ます!!」
これで居留守という手段は失われた。待たせている間に玄関から見えるであろう廊下を掃除しきる時間もない。戦兎は取り敢えず棚にしまってあったブルーシートを廊下に広げる。これで即席の理由を述べればどうにかなるだろう。
この時はそう思っていたのだ。玄関にいる訪問者が動き出さなければ。
「え?」
戦兎が鍵を開けようと手を伸ばせばガチャガチャと鍵をいじっている音が聞こえてきた。戦兎は恐怖した。一体誰がこんな事をしているのか。そして何が目的なのか。
「お待たせs!?」
しました、と続けるつもりだったが問題が発生した。そう、扉を開けようとしていたのは管理人さんだったのだ。
「管理人さん!?い、一体何のご用で?」
戦兎は動揺していた。部屋の中は他人に見せられる様な状態ではなく、更には無断で創り上げた研究室もある。
ここで
「あ、もしかして音響いてましたか?すいません、仕事先の機材を修理して治ったかどうか試していたんですよ」
苦し紛れの言い訳だが以前、同じ様なことがあったのでどうにかなるだろうと戦兎は考えていたのだ。
「ねぇ、昨晩、何処にいたの?」
「えっ?昨日の夜なら、仕事場に____」
その考え自体が甘かったと気が付いたのは次の瞬間である。戦兎の身体は衝撃波によって吹き飛ばされたのだ。
「がっ!?」
背中を壁に押しつけられた状態で視線を玄関の管理人へと向けた。そこで戦兎は彼女の正体を知ってしまったのだ。
「ブラッド、族...」
「へぇ、その名前を知っていたのね。まぁ、そんなことは関係ないかな」
右手で発生させていた衝撃波を弱めた為に戦兎はブルーシートの上に落下する。気道が少し塞がっていた為に呼吸が乱れたまま、戦兎は四つん這いとなりながら管理人を見詰める。
「目的は、何だっ」
「目的?簡単な事よ」
管理人と呼ばれる地球外生命体は部屋に有った
「貴方が欲しい。たったそれだけよ?今回だって、貴方が夜勤なんてしなければこんなことにはならなかったのに」
戦兎は、今の状況が理解出来ていなかった。
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